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伝統芸能 アーカイブ


02/08/31 京劇 楊貴妃と阿倍仲麻呂@東京国際フォーラムC

2002年8月31日ソワレ
京劇 楊貴妃と阿倍仲麻呂
1階11列32番@東京国際フォーラムC

テレビの宣伝観ていきたいと思って電話したら、直前だったけど予約できたんです。でS席はすでに売切っていわれたからA席をとってたんだけど、開演前にチケットを受け取る時、「S席ありますか?」と聞いたら、なんと11列目があいてるとのことで即効で変えました。今回の公演はとっても楽しみにしていたんだけど、結果から申しますとですね、楽しめなかったです。ウールーチン演じる楊貴妃の歌声は、んーとても聴けたもんじゃありませんでした。耳をふさぎたかったくらい。確かに男性にしては声は高い。でもこう鼻声というかこもった声というか裏返った声というか周波数的にも我慢できない歌声でした。見た目や衣装は綺麗。最初幕が開いてからしばらくしてから楊貴妃が登場した時これは3時間楽しめるかもって思ったんです。でも!その楊貴妃の声を耳にした瞬間ショックでした。楊貴妃をとりかこむアンサンブルの人たちはすごく綺麗で美しいんです。また、高速バク転の連続技とか、楽しいところもあったんです。でも、この作品はほぼ全てのシーンが楊貴妃中心。なのでつらかった。。。阿倍仲麻呂の声も、うまいとはいえない声。かすれてるし、音程もずれてる感じだし。。オケも変な音とかよく出すし、役者も台詞忘れたりしてるし、カーテンコールではおしゃべりしてるし、なんかちょっと気がぬけた感じに思えました。カーテンコールの途中で拍手が終わるのもかなり異様だとは思いましたが。私のまわりの席の反応も似たようなものでした。猿之助のスーパー歌舞伎を観たくなりました。


05/05/14 五雲会@宝生能楽堂

2005年5月14日(土) 12時開演
宝生能楽堂 自由席
五雲会

4月に一緒にフットサルをした狂言師さんの舞台を
ずっと観にいきたいと思っていたんだけど、
4月も5月も予定があわず、あぁあぁあぁと思っていたところに、
能の舞台を友人から誘われて、いってきました。

なんと、自宅から歩いていけるところに、能楽堂があったんですね。
びっくり。
この能楽堂の舞台、なんか独特の雰囲気で、
非日常みたいな感じで、好きになりそう。

開始時間は12時。で終演は6時。
すごい!長い!
しかも休憩一回!

演目1  金札
狂言   花争
演目2  巴
休憩
演目3  誓願寺
狂言   二九十八
演目4  石橋

という流れで、とりあえず演目1と狂言をみてみました。
動きがとってもゆっくりなんですねー。
何いってるかはほとんど聞き取れないんですが、
独特の心地よさがあります。
鼓を打つ音がいいリズムで、
コーンっという感じで眠りの世界でいざなわれ、
私、今日の観劇中、4回位眠りました。

でもね、ふとおきても、動きが遅く、あんまり変化がなくて、
自然にみれたりするんですね。
あーはやく出たい!とか全然思わなくて、
この不思議な空間を楽しんでました。

ただ、演目3はちょっと長かった。
これ、野村萬斎さんが出てたので、
この演目3から客席満員になったんだけど、
125分の長さなんですよね。この演目3だけで。
で、パンフレットにも
「地味なせいか上演回数も少なく、戦後上演回数は一桁」とある。。。。
確かに、ゆっくりした感じの地味な演目でした。

ってか、このパンフレット、いや、ホームページもそうなんだけど、漢字が難しい。
読めません!しかも説明も堅い。。。
わかりにくくて、もう少しわかりやすく書いてほしいなーと思ったり。
見所とかはじめて見る人にもやさしく書いてほしい。
例えばどの辺に座ったらいいよとか、
地謡(?)の人のあの扇子を寝かせたりたたせたりするのは何なのとか、
拍手のタイミングはどこあたりっとか、シテ、間って何?とか、
わからないことがいっぱいあって。。

観客は、演目3の野村萬斎さんがでるまでは、
平均年齢多分50歳以上だったんじゃないかな。
でも萬斎さんの舞台は、一気に若い人が増えました。
うーん、これ、通しで5000円なんだけど、
歌舞伎の幕見みたいに、
演目単位で1000円とかにしてもいいんとちゃうかなーと思ったり、
でもそういうわけにもいかないのかなーと思ったりも。

ちなみに私達は、演目1の後の狂言が終わってから、
友人のお茶の先生にケーキをご馳走になり、しばらく談笑。
(この友人のお茶の先生のお孫さんが今日の舞台のシテだったらしい。
 またその子供さん(?)ともあったんだけど、
 この能楽堂に住み込みで稽古してるらしく、
 ここで10年間住み込みで稽古してはじめて一人前になるらしい。すごい。。)
その後、ジョナサンでお昼ご飯を食べて、演目3の途中から観劇に復帰しました。
ちょうど演目3が始まって1時間くらいたったところかな。

最後の狂言2と演目4がよかったです。
狂言2は、話している言葉もわかりやすいし、ストーリーも面白い。
私もちょっと笑ってしまいました。いいですねー。話自体はひどい話なんだけど。
演目4は、最後の獅子の踊りは迫力ありました。

そのお茶の先生によると、薪能もおすすめですよとのことなので、
今度は屋外でおこなわれる薪能もみにいってみたいと思います。


おすすめ度(1-10)→ 5.5
もう一度観にいきたいか→ 薪能いきたい。


05/07/13 渋谷 狂言ライブ @セルリアンタワー能楽堂

2005年7月13日 (水) 19時開演
セルリアンタワー能楽堂
渋谷 狂言ライブ

kyogen.jpg

和泉宗家姉弟による渋谷狂言ライブにいってきました。
この狂言ライブ。狂言2本&小舞&トークという構成。
狂言は1本目は右流左止という演目で、
ちょっとすっと理解できる内容ではなかったのですが、後半のトークを聞いて、
おおおお、これは結構深い見応えのある作品かもと思いました。
後半のトークを聞いて、もう一回みてみたくなりました。
着ている衣装や小道具にも意味があったりするんですね。
2本目の作品は、とてもわかりやすく、最後の蛸の部分、笑えました。
うん、こういうわかりやすいのも好きです。

狂言って一本一本が短くて、でも流れはとてもゆったりした感じで、
非日常的な空間を味わうことができていいです。
私のようなまだまだの狂言初心者にとっては、その面白さのポイント、
これがいろいろ隠されてる感じで紐解く面白さを感じました。

会社帰りにちょっと能楽堂で狂言を観る、そんな日があってもいいなと思いました。

おすすめ度(1-10)→ 5.0
もう一度観にいきたいか→ いろんな流派の狂言、見比べるのも楽しそう


05/08/02 薪能@MOA美術館

2005年8月2日(火)18時開演
MOA美術館
薪能

osiruko.jpg

「こだま」で東京から一路「熱海」へ。
夜開催される薪能にご招待いただきまして、いってまいりました。
せっかくいくのだからMOA美術館もみてこようということで、はやめに出発。
熱海って新幹線でいくと近いですねー。あっという間でした。
昼ご飯のお弁当を食べ終わったら到着って感じ。

MOA美術館は、大きすぎず小さすぎず展示品もちょうどいい具合で一通りみれました。
ここで友人の師匠と一緒にお茶(といいつつ豆乳ジュースを飲んだ。うまかった~)。
で、そのあとは散策。
この「花の茶屋」でまた一服したんだけど、ここで食べたクリームしるこがめっちゃ美味しく。。
また食べたい。

osiruko.jpg

さて、いよいよ4時半に薪能の会場入り。
芝生席なんだけど、斜面が急すぎて、下手したら滑り落ちてしまいそう。
ダンボールが配られるんだけど、確かにこれがあると少し安定する。

takigi3.jpg

1時間ほど待った後、いよいよ薪能開始。
とはいっても、最初はまだ明るいので薪をつけずに、最初の能「春日龍神」を上演。
主役のシテが友人の師匠の息子さんだそうです。
最後の龍神、よかったです。結構見応えある能でした。

その後いよいよ薪に点火。
狂言は「呼声」。
これもわかりやすく、最後の踊りあう様子はとっても楽しかったです。

そして最後が「井筒」という演目。
うーん、この演目、長い。そしてめりはりがあまりない。囃子の小太鼓もない。
で1時間半くらいなので、途中で寝てしまいました。
この芝生、寝るのもつらい。。後ろにもたれるところがないので。。。

でも、外での公演っていい!
薪のぱちぱちという音、雲の流れ、木々のざわめき、蛙の声、セミの声、蝶、とんぼ、蛾、
そういうものの動きや音がいい感じで舞台と調和してました。
去年は満月の月が相模湾に投影され幻想的だったらしいんだけど、今年は月は出ず。。
でも非日常的で楽しいひとときでした。

おすすめ度(1-10)→ 5.5
もう一度観にいきたいか→ 一年に一回だったらいいかも


05/12/09 第130回和泉会@渋谷セルリアンタワー能楽堂

2005年12月9日 (金) 19時開演
渋谷・セルリアンタワー能楽堂
「第130回 和泉会」

久々の狂言。演目(番組)は盆山と花子。

盆山は、以前みた三宅藤九郎さん(和泉元彌のお姉さん)の
イメージが強かったんだけど、今日観た男性の狂言師さん、
また違ったイメージでよかったです。こうして自分の知ってる
演目をいろんな人で観るっていいですよね。狂言って一つの
番組が10分とかそこらへんだから気軽に楽しめます。何
いってるかもだいたいわかるし。

と思ってたら、本日2つ目の番組。これが大曲といわれる
だけあって、めちゃ長い。1時間45分! なので今日は
まず10分くらいの盆山の上演の後、なんといきなり休憩。
そしてこの「花子」をノンストップ上演。

この花子、ストーリーはシンプルなんだけど、途中に踊り
が結構長く入るんですね。見せ場は最後の、男と妻の
やり取り。なかなか笑えますよ。それにしてもこの演目、
演題の「花子(遊女)」が出てこないんですよね~。

最後に少し。今日は雑誌か何かのカメラマンが場内にいて
(しかも二人)。あの焦点があった時の「チチッ」という
音がかーなーりー耳につく。あの音って消せないのかな?
少なくともあれをイヤホンにすべきだと思うんだけど。
パシャっという音は仕方ないとしても、あの電子音は
かなり耳障りでした。静寂がある意味、非日常という
感じで魅力でもあるこの能楽堂、あの電子音はいただけませんでした。


06/09/02 板橋狂言への招待@成増アクトホール

2006年9月2日(土) 15:00
板橋区立成増アクトホール
「第十七回 板橋狂言への招待」

久々の狂言鑑賞。
しかも今回は和泉元彌さんと和泉淳子さんの
お子さん達が舞台にあがるとのことで、
とても楽しみにしてました。子役大好きなもので・・(笑)

今日は地元板橋区ということもあり、お子さん達の
幼稚園の同級生の家族もたくさんいらっしゃってましたが、
開演前の気遣いのあるアナウンスとか、いいなーって思いました。

演目は「靱猿」「鏡男」で、「靱猿」に、
4歳の和泉元彌さんのお子さん采明ちゃんが猿の役で登場。
顔がお面で表情がみれなかったのが残念~。。
最後の挨拶の時は照れながら登場してましたが、
羽野晶紀さんにとても似てるー。かわいー。

そして小謡に登場したのが淳子さんのお子さん慶子ちゃん。
きりっとしてでてきて、扇を置いて謡うんだけど、
めっちゃかわいい。しっかりしてますねー。も一度ききたいくらい。

次は慶子ちゃんと淳子さん、元彌さんと元聖くん(めっちゃりりしい)
の親子同姓共演が観てみたい♪
それにしても、和泉三姉妹弟、トークがうまいっ。


06/09/21 文楽仮名手本忠臣蔵@国立劇場

2006年9月21日(木) 10:30
国立劇場小劇場
9月文楽公演 国立劇場開場40周年記念
通し狂言「仮名手本忠臣蔵」第一部
1階17列10番

文楽、人形劇って、今まで正直あまり興味わかなかったんですね。
先週会った方も、文楽に今はまっててっとおっしゃってたんですが、
今日観てそのイメージが変わりました!!!!

面白い!! すごい!  すごいぞ日本の伝統芸能!

正直、はまってしまいそうです。
以下、今日のこの思いを思いつくままに書いてみます。

・太夫という語り手がストーリーを語り、人形の台詞を話すんですが、
 この太夫が段組ごとに変わって、それぞれみな特徴あって面白いのです。
 話し方、間、台詞の使い分け、人形とのタイミング、お見事でした。

・音は基本的に三味線で、時々効果音っぽいのもでてくるんだけど、
 この三味線で涙を表現したり、感情を表現したりしてて面白いのです

・人形遣い。プラハでみた粗雑な人形劇と全然違った。動きがとてもとても美しい。
 手の感じ、動き、しぐさ、本当にお見事でした。切腹のシーンなんて
 一つ一つのしぐさと太夫の台詞から感情が伝わってくる感じだったし、検死役の
 役人が最後、草履をぬいで、刀をつつんだ紙をとるシーンとかとても
 人形を遣ってやってるとは思えないくらい。
 また、人形が座布団かたづけるとことか、ちゃんと二つ折りにして
 持っていったり、お上の封書を懐から出すときも普通にすっと取り出す
 んじゃなくて、微妙なためと動きで、なんかすごーいと感動してました。
 馬とかも出てきて、その馬にのっちゃったりするんですよー。

 また、完全に顔を覆った人形遣いさんと、顔を出した主役級の人間遣いさんが
 いるんだけど、顔が出てる人の中に人間国宝の方もいて、人間国宝の方が
 こうして生の舞台で観れるなんてすごい!と感動してしまいました。
 顔が出てるんだけど無表情かと思いきや、微妙な顔の動きや目の動きから
 なんか伝わってくるものがありました。人形遣いが完全に黒子に徹するより
 こうしてお顔を出されているというのも、観る方にとっては面白いです。

・休憩の後、ふと解説ラジオが500円だったので、借りてみたんですが、
 これ、めっちゃいいです!最初から借りとくんだった。ちなみに最初から
 借りると、開演15分くらい前から解説をしてくれるし、休憩中も解説して
 くれます。この解説がまたわかりやすくて、上演中も邪魔にならなくて
 タイミングもばっちしでうまいんです。ライブで解説してるのかと思うくらい。
 また、借りようかどうか迷ってる私に対してラジオコーナーのスタッフの方が
 とても親切にいろいろ教えてくださってのが好印象でした。
 ちなみにこのラジオ、上演中に、太夫が話している言葉の解説をしてくれたり
 ストーリーの補足をしてくれるんですが、一番いいなと思ったのは、人形の
 動きをタイムリーに解説してくれるんです。例えば、切腹のシーンで由良助が
 塩谷判官のところにあわてていこうとするのを若狭助(だっけ)が静止するシーンで、
 なんで静止させたか、なんで刀を脇に置いたのか、とか。すっごくよくわかりました。
 これ、英語版もあるんですよね。これだったら、外人に自身もって薦められます。
 550円という価格も非常にGOOD。

・舞台セットが気持ちいい。気持ちいいという表現も変ですが、例えば幕やセットの切り替わりの
 動きがスムーズで軽やかで、かといってちゃちくなくて、イメージにぴたっとあってる感じ。
 人形が前後に移動する際やそでにはけるシーンもとてもスムーズ。ずっと感心してました。

・キャラクター的にいろんなキャラがでてくるんだけど、コミカルなキャラもいて、
 私も思わず笑いました。太夫さんのしゃべり方も面白いし、人形の動きがほんとに
 うまいんですよねー。

国立劇場自体はじめてだったんですが、小劇場といいつつ、結構大きい。
でも後ろの方でも十分楽しめます。太夫と三味線は舞台の上手の方にせり出した
ところで語ってくれて、しかもその内容が字幕で舞台の左右に表示されるので
だいたいつかめます。そこに解説ラジオがあったらもう鬼に金棒。双眼鏡は
もっていっとくにこしたことはないと思います。

そして、客席はなんと満員!ほんとに満員で、チケットも今日のは完売だそうです。
お客さんは、ご年配の方が多かったけど、若い女性もちらほら。でも私と同じ位の
男性はほとんどいませんでした。まー平日のお昼時ですからねー。あと、劇場の
休憩コーナーや外の椅子とかがなんか快適です。なんというかこうせかせかしてなくて
落ち着く感じ。これだと一人で観にきてもここでお弁当食べたくなる感じ。

またぜひ観にいきたいです。文楽、面白い!しかもミュージカルほど高くない!
(一等5700円、二等4700円。学生はもっと安く観れる!)。おすすめです!
そして私はこれを外人の観光客の人にとても薦めたい!みてほしい!


06/12/02 新作組踊山原船@国立劇場おきなわ

2006年12月2日(土) 15:00
自由席 @ 国立劇場おきなわ 大劇場
新作組踊「山原船(やんばるせん)」

現在沖縄に来てます。
で、今日は観光デーで、ふと、国立劇場なるものが
那覇にあることを知り、行ってきました。

この国立劇場、交通の便が結構悪い。。。
でも劇場は立派で、大劇場は600席くらい
しかないみたいですが、花道もしっかりあって、
椅子のすわり心地もよく、全体的にとてもきれい。
(まだできてからそんなにたってないみたい)

で、本日のこの新作組踊。そもそも組踊って何?
という状態だったのですが、前半は、講演と対談
とあったので、そこで聞けるかと思いきや、ほとんど
何も語られず。。わかりにくい歴史解説などが延々と・・

ちなみに組踊りとは、沖縄の琉球王朝時代にはじまったもので、
沖縄の歴史や故事に基づき、能・歌舞伎や中国などの芸能要素
を取り入れたもので、単調なリズムにのせた台詞と、ゆったりした
動き、見た目の美しさ、静と動を巧みに使った音楽劇とのこと。

そしていざ後半。那覇の遊郭に売られていく
子供カマドと、その引受人アンマーが乗り込む船が舞台。

最初のヴァイオリン、シンセが入った琉球音楽は、
和洋折衷でかなり期待を高まらせるレベル。
舞台装置もシンプルながら、光をうまく使って、
はじまりとしてはとてもよかった。

その後船頭登場。なるほど、台詞を短い音節で謡うわけね。
と思ったのだけど、言葉が琉球語。部分部分はわかるけど、
最初にあらすじを読んでおいてよかった。。
(組踊の唄は、基本的に琉球語で謡われるらしい)

続いてカマドとアンマー登場。カマド、ほう、しっかりした
演技をしててなかなかいい感じ。が、一方のアンマー、
この舞台の主役でもあるそうですが、この方の唄の高音部
に、常にですね、風邪が原因なのか?と思われるノイズが
入るんです。。。声が枯れたような。。最初は、これが謡い方
なのかと思ったけど、いや、きっとそうじゃない気がする。
でももしそうだとしたらかなり私としては苦手・・・
一緒に観劇した友人も、あの主役の唄以外はよかったといってましたし。
でも主役のこの古瀬さん、振付も担当されていて、多分
結構実力のある方なのではないかなと。。。ただ、今日の
舞台では、高音部のかすれと、多すぎるまばたきがとても気になりました。

脇をサポートする男性陣は皆安定感あって見事。
音楽を奏でる若手の方たちも、なかなか聴かせてくれたし。
男性と女性で、唄のフレーズが違うんだけど、男性は結構短く動きが
ある感じで、女性のはゆったりと長い感じ。音階も、なんか半音の半分
みたいな音もあったりして、楽譜も特殊だったりするんですかね。。

観客席は、結構埋まってましたが、多くはご年配の方たち。
後から聞くところによると、組踊を習ってる人たちや、招待された方
が多いのではないかとのこと。なるほど。だって、国立劇場にタクシーで
いったんですが、タクシーの運転手が「何しにいくんですか?」って
いきなりいってましたからね。観劇に決まってるじゃないですかと。。

[番外編:沖縄に何をしにきたか]

那覇マラソン。。。半ば強引にエントリーされたのですが、最初は
いやいやだったけど、参加したらこれがかなり楽しかったです。
事前の準備や練習などほとんどしてなかったので、目標5KM
だったんですが、4KM地点くらいまでは、スローペースで走れました。
で、5KM地点から、沿道の人から何かもらったら200m位走って
また歩くという感じを繰り返していたんですが、沿道の人の応援がすごい。
くれるものも、圧倒的に黒砂糖なんだけど、それ以外にも、梅干、
甘納豆、チューチュー、バナナ、みかん、飴、ヤクルト、おにぎり
などかなり多彩。結局21KM地点(中間地点)の平和記念公園で
時間制限となり、そこからバスで拾われて帰ってきましたが、楽しめました。
ちなみに膝をいためないようテーピングをしましたが、
これ、結構効果あったみたい。あと、私は普通のズック靴で走っていた
らしく(何も考えず家から運動靴っぽいのを持っていった)、
靴が違うとかなりもっと楽だったのではとのこと。
それにしても沖縄はあったかい。
コート、まったく不要です。半そでじゃぁちょっと寒いかなという位です。

沖縄、いいわー♪ またきたい。


06/12/27 新作狂言@国立能楽堂

2006年12月27日(水) 19:00
和泉会・和泉姉妹の会 @ 国立能楽堂

久々の狂言。
最初はロビーでお手伝いをしてたので、
最初の寺井さんの笛と新作狂言は
ロビーの受付のところにあるテレビで鑑賞。

和泉元彌さんの奈須興市語から能楽堂内へ。
この静寂、この空間、いいですねー。
シーンとした舞台で心地よく鑑賞。

狂言「釣針」は、わかりやすくて、
とっても面白かった。主の三宅藤九郎さんと
太郎冠者の和泉淳子さんは、両方とも男性の役
なんだけど、全然違和感がなくて、特に和泉淳子さんの
釣ろうよ釣ろうよという声と振りと表情はとても頭の
中に残ってます。間と声の切り替えがとても気持ちいい。

そしてこの釣針には、宗家と淳子さんのお子さんも登場。
台詞はなく、また顔も上から覆った着物で隠した感じ
でしたが、歩き方や引っ込み方がとてもとてもかわいい。

その後、挨拶で舞台上に出てこられたんですが、
この子達の成長、応援して観て行きたいなぁと。
そして私としては、お稽古を開始したという元聖くん、
ロビー等で何度か拝見しましたが、目力がすごいというか
何かを感じます。彼の初舞台はぜーひーみたい♪

それにしても宗家&姉妹、お三方ともトークといいますか、
しゃべりがとてもお上手でまた仲がとてもよさそうなんですよね。
トークの連携プレーも面白くて、もっと聞いてたいと思うくらいでした。


07/01/06 新春狂言茨木2007@クリエイトセンター

2007年1月6日(土) 15:00
新春狂言 茨木2007
い列7番 @ クリエイトセンターセンターホール

昨年の最後の観劇が狂言。
そして今年最初の観劇が狂言。
なんかいい感じですね。笑いで終わり笑いで始まると。

今日は、祖母と一緒に観劇。2列目。
祖母いわく「前すぎるわ」。私にとっては最高なんだけど、
確かに祖母の世代だと首疲れますね。そんな祖母が
開演前、「これ書くとな、次回また案内送ってくれんねん」
と言いながらアンケートにすごく丁寧に記入してるのをみて、
あぁやっぱりこの世代の人たちってアンケート用紙大事だなぁ
と実感。実家の茨木市のクリエイトセンターという
中規模のホールなんですが、2階席も含めて座席数500位
なんだけど、ほぼ満席。年代は少し高めだけど、でも結構
皆さん着物きたりちゃんとした格好でこられている。

値段も3000円と安い。で、最初のアナウンスを、おおお、
結構いい声した女性だなぁと思って聞いてたら、休憩時間に祖母が
「あの司会(アナウンス)な、友達の人やねん」と。
ん? 友達? そうなんです、聞けば80歳近い方。
びっくり。とてもいいお声でございました。

さてさて、前置きが長くなりましたが、この狂言、
茂山家の新作狂言二本立て。
ひとつは、「維盛」。新作だけど古典っぽい感じで
でもわかりやすくて楽しめました。最後の一言「くっさめ」ってどういう意味?
いくっさめ??(戦め?) と思ってたら、くしゃみなんですってねー。へぇー。

今回、この新作2本の前に、茂山千三郎さんによる解説
が30分くらいあったんだけど、解説がとてもうまくてわかりやすい。
泣き方、笑い方、いいまわし、振り(ものの投げ方、歩き方等)
などをとてもわかりやすくボケも交えながらの解説。
祖母はふむふむとコクコクうなづきながら聞いて笑ってました。いいですねー。
(その隣のおばあちゃんは大声でケタケタと笑いまくってました)

そして休憩後は、なんと京極夏彦作という新作狂言「豆腐小僧」。
いや、これ、めっちゃ面白かったです。言葉はかなり現代風だけど
狂言の枠の中にはめている感じで、すごくわかりやすい。
ストーリーもひねりや伏線があったりして、オチもよくできてる。
豆腐小僧を演じる茂山千之丞さんの豆腐小僧ぶりが
頭から離れません。ほんとに小僧って感じで愛くるしくて、間が最高。
今年84歳になられるなんて思えませんです。
そして太郎冠者の茂山千五郎さんの大名、これがまた対照的で、
表情や台詞や声のはりやタイミングが絶妙でみていて気持ちがいい。
千三郎さんもいい味をだしてたのですが、
このお二人の存在感がすごすぎて、とにかくこの二人の印象が全て。
もう一度観たいですこの演目。あと、あの笠が欲しくなりました♪

今年もいっぱい観劇するぞー!

明日の大劇場の宝塚を観てから東京に戻りたかったんですが、
おけぴで問合せたものの返事がこないのであきらめて帰ります。


07/01/24 新春名作狂言の会@新宿文化センター

2007年1月24日(水) 19:00
新春名作狂言の会
1階23列3番@新宿文化センター

観劇レポのコメントで教えていただいた公演、
いってきました。関東と関西の狂言を一本づつ
みれるという、しかもチケ代も3500円と素敵なお値段。
前日予約だったので最後列しかも端。でもオペラ使って堪能♪

最初、茂山千三郎さんが解説。先日の茨木でみた時も
千三郎さんの「素袍落」の解説が最初にあったんだけど、
しゃべりが本当にお上手。ほどよい関西弁で、すごく聞き取りやすく、
かつ面白い。落語家さんみたいにうまい。
途中で野村萬斎さんも解説に加わり、二人で舞をご披露され、
その後は萬斎さんによる「二人袴」の解説。萬斎さん、
こんなに声低い方だったんですねぇ(わざと?)。

解説は30分あったんですが、観客の方達の年齢層がちょっと
高いこともあり、観客席から、うなずきながら発せられる「あ~~」
という独特の声のうねりや、解説に対するつっこみや補足の会話が
あちこちから聞こえ、これはこれでなかなか楽しかったです。

さて、一本目「素袍落」。茂山千作さん、1919年生まれなんて
思えません! 太郎冠者がお酒に酔っていくさまや、素袍を探し回る
さまはとってもおかしくて、とても楽しめました。そして伯父役を
されてた茂山千五郎さん!この方はほんとにいい味がありますねー。
茨木で豆腐小僧を観た時に、ちょっといいなって思ってたんですが、
今日の舞台でファンになりました♪ 休憩時間にDVDコーナーで
買おうかなぁって迷ってたところ、隣のおばちゃんが一言。
「DVDって1枚100円くらいで作れるらしいね」」
いや、そりゃーそうやねんけど、うーん、5000円かぁと思い、
買うのをやめてしまいました。図書館とかに置いてないかなぁ。。

休憩の後は「二人袴」。野村万作さんと萬斎さんという実際の親子
で演じる二人袴。間、動き、客席はかなり爆笑の連続でした。
また、袴ってあぁやってはくんだーみたいなのもかなり新鮮。

2月に千五郎さんがでる「千作千之丞の会」
というのが能楽堂であるらしい。これ、いきます♪ 千五郎さまー。


07/02/13 狂言ライブ@セルリアンタワー能楽堂

2007年2月13日(火) 19:00
狂言ライブ@東急セルリアンタワー能楽堂

久々のセルリアンタワー能楽堂。
渋谷駅からてくてく歩いてセルリアンタワーの
ホテル入り口から入ってエスカレータで地下2階まで
もぐるとそこには料亭のような入り口の能楽堂が。

今日は、バレンタインスペシャルということで、
和泉流の女性狂言師のお二人による狂言が中心。

最初に和泉元彌さんの小舞がありました。
その後は狂言「水汲」「引括」、そしてトーク。

「引括」はすっごくわかりやすくて、展開も
すごくテンポ感があってオチも面白い。
そうきましたかと。一緒に観劇した外国人も
「女性は強いねー」といってました。

そして後半は和泉淳子さんと三宅藤九郎さんによる
トーク。このトーク解説で、「水汲」の唄の意味など
を聞き、なるほどー、そういう意味があったのかぁと。

姉妹トーク、面白かったです。姉妹で互いの役割が
なんか自然とできあがってる感じで、あぁもうトーク
終わっちゃうのぉ、という感じでした。

毎月開催されてる狂言ライブ、狂言はじめての人にはおすすめです。


07/02/22 2月文楽奥州安達原@国立劇場

2007年2月22日(木) 11:00
2月文楽 第1部「奥州安達原」
1階3列7番@国立劇場 小劇場

お君ちゃん、素晴らしい!!
盲目のお母さん(袖萩)の娘、お君ちゃん。
彼女のしぐさが実に可憐。お酒を注ぐ仕草が
かわいくてかわいくて。。また、具合が悪くなって
気を失ったお母さんに、雪降りしきる寒い中、
自分の着物を脱いでお母さんに着せるシーン、いいシーンだ。。
そうとは知らずお母さんがお君ちゃんに、寒くないかい
って聞くと、小刻みに震えながら寒くないよと
答えるお君ちゃん。が、お君が自分の着物を着せて
くれたとわかった瞬間、お君を抱きかかえる袖萩(お母さん)。
そして舞台上手から心配しつつやってきて上着をそっと
渡してやるおばーちゃん。すっごくいいシーンだった。

人形が演じてるのを途中から忘れてしまう位
はまってしまいました。人形遣いさんはほんと
視界に入ってこないくらい。素晴らしいです。
全ての動作を必ず人形の手を使って行うので
とっても自然。ライオンキングの中嶋さんが
素顔でティモンやってるような感じなのかも(それも観たい)。

袖萩が三味線を弾く時なんて、まず調弦から入るんです!
そして弾いてる時も、実際の音にあわせて人形の指が動いてる!
雪がふる中かぶっていた手ぬぐいをとった時、
髪を手ぬぐいで、さっとはらう動作、すごい自然。
びびりました。生きてるようでした。

そして貞任と宗任はめちゃめちゃでかい!すごい迫力!
(普通の人形よりもかなり大きい!)

三味線もシーンによって音色が変わり、義太夫のしゃべり
も聞き入ってしまうくらい多彩で聞き応えがある。
素晴らしいぞ日本の伝統芸能!!

時々テレビでやってるけど、やっぱり生は最高です!!
この義太夫の声やうねりや表情や感情がダイレクトに伝わってきて、
それが舞台の人形の動きやしぐさと相まって、ぐっと
入り込むんですよね。で、さらにイヤホンガイド!
これで初心者は楽しさ倍増!
今から○○の表情に注目!とかいってくれたり、
桂中納言になってる安倍貞任のことを何度もほのめかして
くれるので自然と関係性が頭に入ってきます。
義太夫の語りの補足や人形の説明とかストーリーを
ほんっとにわかりやすく、しかも言い過ぎずに教えてくれる。
ありがとうイヤホンガイド♪

ちなみに今日観劇してて???だった点が後半の場所設定。
これ、袖萩の父親が仕えていた環の宮のお屋敷だったんですよねぇ。
私はなぜか袖萩の実家と思い込んでたので、
なんで実家に、鶴を殺したか盗んだかの罪で捕まった宗任がつれられて
くるのー、どこやねんそこはーとか思ってました。
段の名前からしても「環の宮明御殿」となってるので言われてみれば
そうなんですけどねぇ。

ところで、この国立劇場のロッカー。10円で預けられるのがまた素晴らしい。
昨日のライヴは400円でしたからねぇ。10円って!!!
ただ、男性が観客で多い割に男性トイレが小さくて、
ちょっと行列になってましたです。

ところで、今日ははじまる前に、人形による前座みたい
なのがありました。これは毎回あるもの??


07/02/22 2月文楽摂州合邦辻@国立劇場

2007年2月22日(木) 14:30
2月文楽 第2部「摂州合邦辻」
1階12列31番@国立劇場 小劇場

すごい! 文楽最高!
ストーリーは悲劇なんだけど、すっごくよくできてる感じ。
最初、ちょこっと睡魔が襲ってきたんだけど、合邦が次郎丸
をぼこぼこにして池に投げ込むところで一気に目が覚める。

合邦が次郎丸を担いでるんですよ!!
どうやって人形があぁいう組み方になったのかと
不思議がってる間もなく、池に投げ込まれました。

以下ネタばれ含んでます。

後半、人間国宝の吉田文雀さんが操るお辻登場!
動きが美しい。動きや間、タイミング、角度、
背をそらすしぐさや、手の仕草がほんとーに見事で、
浅香姫と俊徳丸との三角関係のシーンはかなり笑ってみてました。

このお辻、なんちゅうやつやと思いながらみてたら、いやー、
そうきましたかと。。まさかお辻が、俊徳丸をはじめ、
みんなを守るために、あえて毒を盛り、愛しているふりを
していたとは。しかも自分を肝臓の生き血をもって解毒
できるというのがまた。。。これを知って、もう一度
あの三角関係のシーンを観たら、どう感じるんだろう。
イヤホンガイドからの問いかけ
「お辻は愛してるふりだったのでしょうか、それとも愛していたのでしょうか」。
う、考えてしまう。お辻、まだ二十歳前後ですよね。立派です。

そしてこの最後の切り場の語りがこれまた人間国宝の竹本住大夫さん。
義太夫さん(語り手)が場が進むにつれて、どんどんなんか表現が
こう芸の極みというか、絶妙というか、素晴らしい語りになっていく
んですよね。でこの竹本住大夫さんのところでは、もう途中でも拍手拍手。

人間国宝をこうして直にみれるってのはすごいことだなぁと思って
堪能してました。最後もここで終わりなのかなって思ったらちゃんと
その後の話までフォローされていて、ストーリー的にもとてもとても
よくできてます。そしてわかりやすい。イヤホンガイドでさらにわかりやすい。

また、1部では座席が前の方だったので字幕をほとんどみてなかった
んですが、この字幕(義太夫の言葉を字幕にしてくれてる)が、
こう漢字的な面白さや義太夫の語りの内容がわかったりして、
いい効果を出してます。

舞台を観ようか、義太夫を見ようか、字幕をみようか、迷っちゃうくらいです。
この12列31番、すごく観やすかったです。

それにしても、文楽って客席もとても明るいんですね。
これは台本とか解説を読みながら観る人もいるから??

あと、休憩時間がすっごく短い。

1部ははじまって30分で休憩25分でその後2時間で終了。
その1部が終わってから30分後に2部がはじまるんです。
で2部も休憩20分を挟んで一気に5時半まで。3部まで
通しで観る人て、ほんと息つく暇もなくって感じですよね。
でも1部から3部までひたってみたい気持ちわかります。

文楽、おすすめです。初めての方はイヤホンガイドをぜひ。


07/07/28 和泉会別会@国立能楽堂

2007年7月28日(土) 15:00
和泉狂言別会
脇正面6列19番@国立能楽堂

久々の能楽堂です。
今回は、和泉元彌さんと和泉淳子さんのお子さん達に
セリフがつくと聞いて、楽しみにしていたのですが、
めっちゃめちゃかわいかったです。

まずは「伊呂波」。
子(和泉慶子ちゃん)が親(和泉淳子さん)の真似をするという演目。
ほんとの親子で演じる親子ものの狂言。
慶子ちゃん(4歳半とおっしゃってましたでしょうか)、
言い方や高い声、ほんとにかわいい。あれだけのセリフ量を
記憶していて、しかも抑揚つけて、独特の狂言的言い方での
堂々たる演技、素晴らしかったです。目もかっと見開いて、立派な演者さんでした!
(後で聞いたのですが、「承りました」とかいう子供が使わない難しい言葉は
 「うけたま ・ わりました」のように覚えさせるようです。なるほどね~)
最後、親の動きをそのまま真似るところとか、摺り足もとてもかわいらしい。
10分前後。このくらいの時間で終わる狂言は、
ほんとに、すかっと終わってくれる感じで気持ちいいですね♪

そして「柑子俵」。
これも楽しい演目。

柑子買 和泉元彌
親   三宅藤九郎
子   和泉采明

采明ちゃん(5歳)、最初の動きに魅せられた!
真面目なんだけどその中にお茶目さが出ていてすごくかわいい。
慶子ちゃんと采明ちゃんは、声の感じも違って、
それぞれに動きや声のかわいらしさのポイントが違うので
この二人の成長はすごく楽しみです!そしてもうすぐ初舞台を
控えているという元聖君、彼の初舞台も楽しみ!

ちなみにこの柑子俵で、采明ちゃんが一瞬セリフにつまった際の、
三宅藤九郎さんの一瞬、やわらかく包み込むように見えた表情がすごく印象的でした。
また、和泉元彌さんが采明ちゃんを背負うシーンも、俵の中から、
降ろすな降ろすなと叫ぶ采明ちゃんがすごくかわいい。
これ、子供がいないとできない演目ですよね?だって大人だと背負えないですよね?

終演後、ロビーで采明ちゃんと慶子ちゃんを見かけたんですが、
ちょこちょこと走り回る、元気な4歳、5歳のかわいい子供さん
に戻ってました。今後が楽しみ!

能楽堂って、静寂な空間に響き渡る声や歌、お囃子の音が気持ちいいんですが、
今日は、最初の三番叟お囃子に、ん!?
あえてバラバラに、抜けた感じで演奏してるのかなと
私の脳は戸惑ってしまいました。
あと、上演中にカメラフラッシュが連発。
撮影の人かとも一瞬思ったけど、そうだとしても、
この静寂と古の時代に観客がひたっている時のフラッシュは
ご法度だと思います。
また、幕間演説で、明日の参議院戦を控えた
ドクター中松氏が演説してましたが、うーん、
かなり場違いな雰囲気が。。。お客さん結構ひいてたと思います。

それにしても国立能楽堂、雰囲気、いいですねぇ。
女性が着物で来たくなる気持ち、わかる気がします。


07/12/14 社会人のための文楽鑑賞教室@国立劇場

2007年12月14日(金) 19:00
社会人のための文楽鑑賞教室
寿柱立万歳/伊賀越道中双六 沼津の段
@国立劇場小劇場

今回はmixiで散歩中に足跡をたどってご連絡いただいたKさん
(実は数年前にも一度やりとりしたことがあってびっくり!)
からお声がけいただいて、文楽鑑賞教室、観てきました!!

開演前に、バックステージツアーを企画してくださいまして、
裏側を見せていただいたり、人形を持たせていただいたのですが、
この人形、これがですね、実際持たせていただくと、
とても愛着がわくんですよ。なんというか、愛らしいというかかわいいというか。
お人形の背中側から左手を中に入れて、中の木の棒を操作して、
かしら(首の部分)を操ります。そして右手でお人形の右手を
操るんですね。これを角度を変えたり、タイミングを変えたりすると
なんともいえない動きになって、そこに教えてくださっている人形遣いの方が
左手を操ってくださったりしたりなんかすると、いやーほんとに
なんというか不思議な気持ちです。とっても楽しい体験でした!

こうして鑑賞前にお人形にすっかり夢中になった私ですが、
今回の鑑賞教室。初めて文楽をご覧になる方にということで、
解説が入るんですが、この解説がとーっても面白かった!

例えば男性の人形の動きと女性の人形の動きの違い。
男性の人形さんは直線の動きで、
女性の人形さんは角がない動きでやわらかさや優しさがあるそうです。
で、女性の人形さんは足がないんですって説明される時に、実際人形の着物を
がばって捲し上げて「はしたないですが・・」などと説明されて会場爆笑!
また、女性の人形が足を曲げておしとやかなポーズをとってる時も、
これまた着物を捲し上げると、中では、足を操作する足遣いの方が拳を
握り締めて着物の中に手をつっこんでることで
そういうポーズが出来上がっていると知ったり。。

印象に残ってたのは、合図。
そう、メインの人形さんって、三人の人形遣いさんによって操られるんですが、
仕草などの合図の決まりごとがたくさんあるそうなんです。
例えばカシラ(首)をこう捻ったら、左手遣いさんが左手をこう動かして。。みたいな、
そういう合図によって、その日その時の気持ちなどで、振りもかわったり
していくとのことです。まさに”ライブ”ですね。
実際その場で何の打ち合わせもなく、三人で操られたその仕草をみて、すごいっっと実感しました。

でその後は、本日のメインの演目「伊賀越道中双六 沼津の段」の解説。
踊る大捜査線MOVIEに対する、交渉人真下正義のようにスピンオフの段なんですが
沢井股五郎の居所がわかる重要なお話なんです、というようなわかりやすい感じで
解説が進み、人物関係図を使って、登場人物を一人一人説明してくださったので、
その後の本編では、冒頭から、もうとっても入り込むことができました。

毎回、作品についての理解をこうしてどんどん深めていくと、
どんどん文楽の深みにのめりこんでいくんでしょうねぇ。

今回の沼津の段、呉服屋十兵衛が綺麗!!!
もう登場シーンから、何しろ人形なんですが、その立ち姿が綺麗。
一服するシーンのその落ち着き具合や、着物から袖を出す仕草、
筆で一筆したためる仕草、ひとつひとつが綺麗でかっこいい!

最初は、操っている人形遣いさんの顔も視界に入るんですが、
すぐに人形だけが目に入るようになるんですよね。そしてさらに、
太夫さんが語る声が、ほんとに人形から発せられているように聞こえるんです。
そしてその声がまた心に響いてくるんですよね。
これ、きっと観てる私達の脳でこうなんというか想像して捉えてることで、
より感情移入とかしてしまうんでしょうね。

涙をぬぐう仕草や、鼻をすする仕草、腰の曲がり具合、絶妙な首の動き、
本当に一つ一つの動きが、人形ごとに個性があって、見どころ満載!

平作が腹を切る(この行動にはめっちゃめちゃびっくりした)時の
あの時の目!この人形の目自体は、
最初の登場の時から変わってないですよね?
とってもうつろな目に見えたのです。

十兵衛が、物陰のお米に聞こえるように股五郎の場所をつぶやくシーンは、
胸にこうぐっとくるものがあり、目があつくなりました。薬の渡し方といい、
このシーンといい、荷物を持ってあげる場面といい、
十兵衛ファンになってしまいましたよ私。この段だけでももう一度観たいくらい。

鑑賞教室じゃなくても、イヤホンガイドがあればかなり初心者向けに解説してくれますので
文楽、観たことのない方は、ぜひ、一度国立劇場に足を運んでみて下さい!


08/02/09 2月文楽公演冥途の飛脚@国立劇場

2008年2月9日(土) 11:00
2月文楽公演 第1部「冥途の飛脚」
6列20番@国立劇場小劇場

先月に引き続き、今月も行って参りました。
演目は冥途の飛脚。
劇場に入ると、外人の団体さん発見。
おおおお、いいねいいねー、ナイスチョイス!
ぜひイヤホンガイド英語版借りて、
この素晴らしい日本の伝統芸能を堪能してほしいです。
日本人でも観たことない人多いですからね。。
でもほんと、まだ観たことない方、一度文楽観てみて下さい。
テレビで時々やったりしてますが、生は全然違います!
人形独特の魅力(1体を3人で扱ってるんですよ!)、
語り(大夫さん)と人形遣いさん、三味線の方とが
ぴたーっと決まった時のあのぞくぞく感。
人間国宝の人形遣いや語りも生で味わえるんですよ。
しかも一等席でチケット5700円。ほんとにおすすめなのですよ。。

さて、今日の冒頭シーン、人形がそろばんはじくしぐさ、
ほんとに人形が操作してるようで、見てて気持ちよかったー。
しかもその後、硯の石がぽーんと床に落ちてしまったんだけど、
それを普通に、人形が拾い上げる。おおお、これはアドリブなんだろうか。
あまりにも自然。。

さてこの主人公忠兵衛、イケメンでいい男なのに、なんてやつだ!!
大切な預かり金を、入れあげてる遊女の身請け金として使いこんでしまったり、
大切な公の大金にまで手をつけてしまう。。。!
おいてくれうーーー、いてのけうーーーか。。の回数は、
これ、その時のノリとかで長さ違うのかなぁ。。。気になる。
そして何故そっちへいくのだ忠兵衛!
でもこのプレイボーイ、梅川への気遣いや抱き合うシーンは、
さすが、かっちょいいです。でもね、やっぱりちょっとダメダメすぎませんかね。。

ちなみにこの演目、犬や馬も出てきます。セットもこれがよくできてます。
また、三味線をひく女の子人形、この子、なんと、実際の三味線の弾き手さんと
同じ動きをしてるのです!これはすごいですよ!左手や右手の動きが同じ!
芸が細かい!
養母の人形は、たたずまいがあまりにも自然で
ほんとに人間が演じてるように思えました。
そして少しふっくらした遊女梅川は、艶かしく、若い。。
人形遣いさんを観てても楽しくて、
女主人の人形遣いさんが、かっこよかったです。

今でも思い出す封印切りの段の、あの切る瞬間、ベンッ!
あぁぁぁぁ、きっちゃったぁ。。。な、なんで。。。。なんでよー。。。


08/06/27 人形浄瑠璃×クラシック@JTアートホールアフィニス

2008年6月27日(金) 19:00
宮本文昭プロデュースII
~人形浄瑠璃×クラシック~
9列2番@JTアートホールアフィニス

人形浄瑠璃とクラシック室内楽六重奏のコラボという面白い企画の
コンサートに行ってきました。
とっても新鮮な3部構成のステージでした!

まず、ナビゲータの宮本文昭さんの解説がわかりやすくて興味深い内容。
トークがほんとお上手です。

まず第1部は、シェーンベルグの浄夜。
六重奏に乗って、豊竹英大夫さんが義太夫節を語り、人形が舞います。

第2部は、太夫&三味線&六重奏と、エアー人形遣いで
日高川入相花王」渡し場の段を上演。
エアー人形遣い、これはなかなか興味深いです。
つまり、人形がない状態で、人形遣いさんの動きだけを見れるというもの。
人形遣いさんの手の動きがよくわかって楽しい。さらに義太夫節と三味線のバックに
六重奏という編曲(編曲は三宅一徳さん)は、非常に新鮮でした。
編曲がいい!そして三味線がとてもかっこいい!
この第2部は見所、聴き所満載でした。どこみていいかどこ聞いていいか
迷ってしまうくらい。

第3部は、六重奏なしで、簡易セットも作っての文楽。
演目は第2部と同じ。つまり比較できるんです。面白い!
人形の動き、素敵です。最初は人形遣いさんが目に入りますが、
ほんと、そのうち目に入らなくなります(ちなみに人形遣いの
吉田勘弥さんがこれまた素敵な方でした)。
豊竹英大夫さんが、女性の声になって語るシーン、まさに人形と一身同体。

そして豊竹英大夫さんと豊竹希大夫さんの二人語りも
ぴたっと調和すると感情が増幅される感じでとっても気持ちよかったです。
ラストの鬼になるシーンもすごい。まるで生きてるよう。
私の目には清姫しかみえてませんでした。
そして二台三味線の掛け合いや、ラストの三味線がいいっ!

宮本文昭さんのトークに加えて、
人形遣いの吉田勘弥さんから人形の説明があったり、
三味線の鶴澤清友さんから三味線の説明があるのですが
この方たちのトークがこれまた面白い。もっと聞きたい!
プチ文楽鑑賞教室のような感じでした。

こうしたステージをみて、クラシックに興味もって来た人が
文楽に興味持ったり、またその逆だったり、それぞれの持つ魅力を
いつもと違う視点から見て感じることで、よりその魅力が映えて
すごい感動がある!そしてオリジナルをもっとみてみたくなる!
まさにそんなことを実感したステージでした。

1夜250人限りの企画で終わるのはもったいないなーと思える素敵な企画でした。

p.s. 今日の舞台でもイヤホンガイド欲しいなーと思ってる私はイヤホンガイド依存症?


08/09/07 鶴賀若狭掾ゆかた会@神楽坂劇場

2008年9月7日(日) 15:00
鶴賀若狭掾 ゆかた会
神楽坂劇場牛込箪笥区民ホール

新内(しんない)」ってご存知ですか?
三味線の調べにのって語られる唄なんですが、
第十一代鶴賀若狭掾さんは、重要無形文化財保持者、そう人間国宝!
今回お誘いをいただきまして、聴きにいってまいりました。

鶴賀若狭掾さんが登場されるまでは、お弟子さん達が浄瑠璃を
語られるんですが、その三味線伴奏はほぼ全て鶴賀若狭掾さん。
この時から、合いの手というんでしょうか、よぉぉ、おっとかいう
短い掛け声が気持ちいいなと思ってましたが、鶴賀若狭掾さんの演目
関取千両幟相撲場」、これが心地よくてですねー、
声の高低や、間や、声質が心地いいんです。しかもそれでいて眠たくならない。
拍子木が聞こえると終わりが近づいたということみたいなんですが、
拍子木鳴らないでと思ってしまったくらいでした。

また、三味線の音色がやさしい!三味線は本手(鶴賀伊勢次郎さんと
上調子(新内勝志壽さん)という2挺で演奏されるんですが、
この2挺の掛け合いを聞いてると心が洗われていく感じでした。
音色がほんと独特なんですよね♪

今回は鶴賀若狭掾さんの演目以外にもいくつか拝聴
したのですが、西川古柳座八王子車人形くずのは」も見ごたえありました。
八王子車人形は、東京都八王子市において伝承されている人形劇。
文楽の人形と違って、小さい箱に人形遣いさんが腰掛けて人形を
操るんです。これがまた自然な動きなんですよね。歩き方、仕草、
そしてなんと筆を持って文字まで書いてしまうのです!
その文字がまたなんとも趣があるというかいい字なのですよ。

今回、鶴賀若狭掾さんの新内、八王子車人形とも初めて拝見したのですが、
単に”伝統”というだけで継承してるのではなく、
今の時代の娯楽の一つとしても楽しめるのだということを実感しました。
いいものはやっぱりいいなと。

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