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10/10/07 Diana ゲネレポ@東京芸術劇場小

2010年10月7日(木) 19:00
Diana ゲネプロレポ
@東京芸術劇場小ホール1

姿月あさとさん、湖月わたるさんの存在感が圧倒的な舞台でした!

ミステリアスな家族愛のお話なのですが、
小劇場を効果的につかっているからでしょうか、
神秘的な二人の主人公達の運命が、迫って来るんです。
特にラストシーンは
これまでのTSとはちょっと違うぞと言っていいのかもしれません。
小劇場、お二人の魅力がこれでもかというほど、ビシビシビシビシ来ます!

この集中力と一生懸命さで一か月やったら
お二人はもうヘロヘロだろうなというくらいの濃度です。
観ているこちらもその濃度に圧倒され、最後のシーンでは涙が溢れました。

物語は湖月わたるさん演じるルーナと
姿月あさとさん演じるエレンを中心に進みます。
そこに3人の男性陣が様々な役柄で絡み、
ギリシャ神話の世界をダンスで表現したり、
時にはセットの一部になったかのような登場も。

事件を起こし留置所へ送られたルーナ、
そこで出会ったエレンとの交流。

湖月わたるさん演じるルーナは孤独と葛藤の中にいる女性。
黒を基調としたスタイリッシュな衣装がそれを象徴し
湖月さんにぴったり!
きりりとしたメイクもルーナが追い詰められているギリギリの精神状態とマッチ。

表情が次々と変わっていく湖月さんのお芝居。
そして、舞台上の存在感そのものが圧倒的でした。

対してふんわりとした温かさを感じさせる雰囲気のエレンの姿月あさとさん。
エレンは常に一定のテンションを保った
穏やかな感情の変化しか見せません。
微妙な心理状態を表現する姿月さんの表情、
佇まいも見逃したくないですね!
そんなコントラストも話が進むと共に納得。

見た目や雰囲気の違う二人ですが、なぜか共通点が多く、
出会ったばかりなのに心がシンクロ。
そしてエレンに導かれるように、
ルーナの閉ざされていた様々な記憶が蘇って行きます。

その過程の描かれ方がとっても丁寧なのです。
エレンのナンバーはルーナの警戒心を解くような
軽快なナンバーに始まり、ルーナを包み込むような
姿月さんの柔らかな歌声。

ルーナの歌声は、孤独の中で頑なになり、
葛藤している心が歌声とともに劇場いっぱいに響いて
胸が締めつけられました。

音楽だけでなく、マイムやダンス、芝居(表情)でも
そんな二人の関係は表現されていて、
エレンが苦悩のルーナを優しく抱きしめるシーンでの
姿月さんの優しさの中に憂いを秘めた表情、
湖月さんの切ない表情の数々には本当に
胸が締め付けられる様でした。

TSミュージカルと言えば、主宰の謝珠栄さんの振付けが見所の一つ。
踊る男性陣がルーナとエレンを結ぶ”運命”のように感じたり、
ルーナとエレンが左右に分裂していくように踊ったり。
最後のシーンもすごいです。

そして、林アキラさん作曲の音楽にも注目。
実は、この舞台、ミュージシャンはお二人だけ(生演奏です!)。
それも舞台上手後方の櫓(やぐら)の中で、
シンセサイザーとバイオリンを演奏をされております。
とっても効果的な音楽が印象的なこの舞台では
お二人が奥で生演奏されているのを想像しながら観ても面白いかも。

男性陣の歌では、今拓哉さんが歌うあるナンバー、
その一曲の中に“さみしさ”、“母の愛に出会った喜び”、
“真っ直ぐな愛”、“狂気”、“後悔”・・・様々な思いが詰まっていて、
それがしっかりと伝わってくる音楽の浸透力に改めて驚かされます。

平澤智さん演じるルーナの父親が歌うナンバーも
朴とつとした中にある誠実さや温かさ、
父親の愛情がひしひしと伝わってくるものでした。

水谷あつしさんの軽妙な留置所職員も印象的でした。
無関心な第三者というまったく温度の違う世界にいる登場人物を好演!

ファンタジーでもあり、シリアスな心理劇、人間再成の物語でもあり、
ミュージカル、音楽劇であるけれど、骨太な芝居でもある。
色んな意味でとても贅沢な舞台です。
一か月のロングラン!
是非小場でのTSミュージカルの新しい挑戦をご覧下さい!

公演は2010年10月8日から31日まで、東京芸術劇場小ホール1にて。
その後、11月2日に富山オーバード・ホール、
11月5日から7日まで、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールでも上演。



おけぴ稽古場取材班:nats、chiaki 撮影:nats 監修:おけぴ管理人


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出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

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