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13/01/08 『教授 ~流行歌の時代とある教授の人生~』制作発表会

2013年1月8日
『教授 ~流行歌の時代とある教授の人生~』制作発表会

時代に寄り添う歌謡曲と、風変わりなある学者の人生。
五木寛之さん原作、鈴木勝秀さん演出、
椎名桔平さん主演の舞台『教授』の制作発表会が行われました。


(写真左から
佐々木喜英さん 高橋一生さん 椎名桔平さん 田中麗奈さん 岡田浩暉さん 中村中さん)


五木寛之さんのエッセイ『わが人生の歌がたり』をもとに、
昭和の時代を彩った名曲と、
風変わりな生き方を貫く免疫学教授、
そしてその助手との奇妙な純愛が描かれる舞台『教授』。

これまでにも『ベント』『レインマン』『異人たちとの夏』など
数々の舞台でタッグを組んできた椎名桔平さんと鈴木勝秀さん。
今回の舞台は、おふたりが“いつか芝居にしたい”と話し合っていた世界観と
五木寛之さんのエッセイが融合した
初のオリジナル作品とのこと。

正式タイトルは
『教授~流行歌の時代を、独自の価値観で生きた歌好きの免疫学者、そして、観念的な恋愛に己を捧げた助手~』
と、内容の説明がバッチリ入った驚きの長さです!

長い、と言えば椎名桔平さん演じる教授は、
実際にお腹の中に長―い寄生虫を飼っている設定ということで・・。
なにやら色々と謎が深まる世界観に期待が高まりますね。

さらに!
全公演後に豪華ゲストを迎えた「昭和クロニクル」アフターライブ付きという
ゴージャスな試みも楽しみなこちらの舞台。
一体どんな作品となるのか、
出演者の皆さんと演出の鈴木勝秀さんのコメントから、
そのヒントが見つかるかもしれません。



【演出・鈴木勝秀さんコメント】
1960年代の安保闘争、70年代の大阪万博など
日本が経済成長を遂げた時代を
3つのパートに区切って取り上げています。
日本全体が浮かれてどんどん成長をしていく中で、
ひとりそれとは関係なく“寄生虫学”を研究していた教授に焦点を当てまして、
社会の動きとは関係なく、
経済が全ての人間活動の中心ではない、というところで生きている人間の姿を通して、
今の日本社会の問題点を浮き彫りに出来ればなと思っています。

<椎名さんの役柄について>
椎名さんには寄生虫の研究をずっと続けている男を演じてもらいます。
彼と社会との繋がりは“流行歌が好き”ということ。
当時は老若男女、国民誰もが同じ歌を同じように歌えたという時代であります。
また彼の背景には謎めいた部分もありまして、
その謎は芝居の最後の部分で明らかにされますのでお楽しみにしていただきたいですね。

<田中麗奈さんの役柄について>
彼女は学生運動に参加していて、そこで教授と出会うんですね。
そしてなぜか、なぜだかはわからないけれども(笑)、
教授に惹かれていき、その後12年間にわたって教授の助手として仕えていきます。
“プラトニックを全うしたふたり”というのがこの芝居の大きなテーマ。
とにかく何もしないんです!
何もしないんだけれども恋愛感情を持ち続けて
最後まで貫くというのがこの芝居の縦軸ですね。

<高橋一生さんの役柄について>
彼が演じるのは全学連の活動家でありながらも、
すぐに体制側に転向して厚生省の役人になった男です。
体制側に身をおいて時代の動きの中で自分になにができるのだろうかとずっと考えている男。
そのことを“臆病者のとる手段だ”なんて言ったりもするのですが、
日本の経済、国が大きくなっていくのにあわせて育っていった青年を演じてもらいます。

<佐々木喜英さんの役柄について>
彼が演じるのは・・若い男です(笑)。
役柄はいまはまだ謎のまま明かせませんが・・最後に大暴れしてもらいます!

<中村中さんの役柄について>
昭和の歌謡曲の中から“名曲”といわれるものを7~9曲ピックアップして
生でピアノの弾き語りをしてもらいます。
楽曲も当時のまま再現するのではなく、ジャジーにしたりロックにしたりと相談中です。
五木寛之さんに1曲、詩を書いていただきたいなと思いお願いしたところ、
あっという間に9曲も書いていただきまして。
「1曲でいいんだけどな・・」と嬉しくも困りながら、涙をのんで1曲に絞らせていただきました。
これに中村中さんが曲をつけまして、
懐かしく感じのよい流行歌の雰囲気を持つ曲が出来上がりました。
もちろんこの曲は劇中で使っていきます。
もしかしたら出演者の中でも歌う人が出てくるかもしれません。
そのあたりはこれから稽古をしながら作っていこうと思っております。



五木寛之さん作詞の劇中歌『グッバイ・Love Song』を取材陣に披露する中村中さん
(どこかレトロな感じの歌詞と、甘さとほろ苦さのバランスが絶妙なメロディ。
深くて、暖かくて、ふっと力が抜けるような、
独特の艶のある歌声に聴き惚れてしまいました♪)




【椎名桔平さんコメント】
3年くらい前から、またスズカツさん(演出の鈴木さん)と一緒になにかやりたいね、と言っていたんです。
ある映画に非常に触発されまして
“こんな世界を表現したい、こんな人物が出てきて、
舞台構成はこんな感じで・・”と話し合っていたのですが、
なかなか実現せずに半ば諦めかけていたところ、
五木寛之先生のエッセイをベースに
僕達が話し合っていた世界観を融合させた舞台を上演できる運びとなり、
本当に嬉しく思っています。
(ある映画とは?)
『リービング・ラスベガス』という映画です。
ニコラス・ケイジが主演でアカデミー賞をとった作品ですね。
(教授の役について)
1960年代、戦争の名残があったり学生運動があったりという時代に、
なぜ寄生虫学だったんだろうというところが興味深いですよね。
彼は自分の体に寄生虫を入れていて、
自分の寿命を少しずつ寄生虫に分け与えながら人生を与えていくことを選んだ人間です。
その生き方、生き様をこれから稽古場で戦いながら表現していきたいと思っています。
ノーベル賞の山中教授に負けないような教授像を作って行きたいと思います!



【田中麗奈さんコメント】
学生運動の最中に教授に出会い、魅了され、
とことんプラトニックに教授を愛する女性の役です。
教授の中に寄生虫が棲んでいて、命が短くなっていくことを知りながらも
全てを受け止めて教授を愛し抜くという女性。
暖かくて優しいところもあるのですが、
大きなエネルギーを持っていてどんな男性にも負けないような心の強さのある女性ですね。
今はまだ稽古場でついて行くのに必死ですが、
これからどんどん役を体になじませて、本番では舞台上で心を解放して表現できれば。
舞台出演が久しぶりで、(舞台作品への)出演自体がまだ3回目なので緊張しています。
椎名さんと鈴木さんがこれまで何度も組んでいらっしゃるとのことなので、
まずはそこについていこう!と作戦を練っています(笑)。




【高橋一生さんコメント】
行政側から改革をしようとする青年の役です。
時代背景などいろいろありますが、
台本を読んで感じた“若者”というものを、
そのままやって欲しいと鈴木さんから言われました。
普遍的な「若者」「青年」というものを表現したいです。




【岡田浩暉さんコメント】
助教授役を演じます。
この役は高度成長期における「平均的な日本人」という立ち位置かなと思っています。
僕も昭和の生まれなので、高度成長期に向かっていた自営業の両親の背中など
その頃のことを思い出しつつ作品に投影して行きたいですね。



【佐々木喜英さんコメント】
教授に関係する若い男を演じます。
物語の最後の最後に出てきて、大暴れをして帰っていく役です(笑)。
ちょっとでも話すとネタバレになってしまうので、あまり多くを語れないんです。
椎名さんと絡むことが多い役で、プレッシャーも感じていますが、
稽古や本番を通して出演者の皆さんのお芝居を近くで見て、感じて、
僕自身も成長して行きたいと思っています。




【中村中(あたる)さんコメント】
シンガー役を演じます。
“中村中”と書いて、上から読んでも下から読んでも“なかむらあたる”でございます。
・・・記者の皆さん、お静かですね(笑)。
みなさんにとって「歌」ってどんな時に聴きたいものですか?
私は「歌」というのは、病めるときも健やかなる時もいつでもそばにいて、
必要なときに力を貸してくれるものだと思っています。
今回私が演じるシンガー役は「歌」と同じようにみんなのことを見守っています。
加えてお芝居の後にはアフターライブがありまして、こちらも大きな見どころだと思います。
ゲストの方もとても豪華です。
そして何よりも!今回、原作の五木寛之さんとの共作でテーマ曲を書き下ろさせていただきました。
今、音楽を作る現場ではデジタルなデータのやり取りであったり、メールで要件を済ませたりと、
共同作業者の顔も見られず相手の温度も感じられないという場合があったりもします。
でも五木さんとは何度も何度もお会いして、
会えないときにはお手紙でやりとりさせていただき、
心をこめて曲を作りました。
この曲にもぜひ注目をしていただきたいです。




助手の女性から見た、奇妙な教授との12年間の中から、
“昭和35年(1960年)”“昭和41年(1966年)”“昭和47年(1972年)”をピックアップして、
三部作形式で描かれるという舞台『教授』。

公演の終了後には毎回、昭和歌謡の名曲を1曲取り上げ、
日替わりの豪華ゲストと中村中さんが曲にまつわるエピソードをレクチャー、
最後に演奏を披露するというアフターライブ「昭和クロニクル」が開催されます。

こちらの日替わりゲスト、本当に豪華です!
山崎育三郎さん、石井一孝さんといったミュージカルファンにお馴染みの方から、
独自の世界観を持つ歌姫・一青窈さん、元ちとせさん、そして山崎ハコさん!
さらに中尾ミエさん、由紀さおりさん、木の実ナナさんら大御所の皆様の出演回もあり♪
さらにさらに鈴木雅之さん、加藤登紀子さん、クミコさん、ジェロさん・・etc、etc・・と、
時代を駆け抜けた著名なシンガーのみなさんの顔ぶれに圧倒されます!
お芝居&アフターライブで、ゴージャスな昭和にひたることができそうですね。


最後に、「思い出に残っている昭和歌謡は?」という質問への
出演者のみなさんの答えをご紹介。
みなさん、けっこうキャラクターが出ているような気もします。
ぜひ観劇前に曲のチェックを♪

【椎名桔平さん】
母親が大好きでよく口ずさんでいた「ブルー・ライト・ヨコハマ」。
当時はあまり意味も考えずに大声で歌っていましたね。

【田中麗奈さん】
中島みゆきさんの「時代」が好きです。大変なことがあっても、
時が流れてきっと過去になるからというメッセージにとても励まされたことがありました。

【高橋一生さん】
「グッド・ナイト・ベイビー」ですね。
祖母がよく口ずさんでいました。

【岡田浩暉さん】
山口百恵さんの「ひと夏の経験」。
“♪あなたに~女の子のいちばん大切な~ものをあげるわ”ですね。
小学校1年生くらいの時に聴いていて、
内容はわからなくてもなんだかすごい曲だなあと思っていました(笑)。

【佐々木喜英さん】
僕は昭和生まれといっても、昭和の時代を1年しか生きていないので・・(笑)。
父が山口百恵さんが好きで「赤いスイートピー」などを聴いていた記憶があります。
(それは松田聖子さん!と周りの皆さんからツッコミがありました(笑))

【中村中さん】
初めて買ったCDが研ナオコさんの「泣かせて」という小椋佳さんが書いた曲でした。
研ナオコさんが歌われると本当にモテなさそうといいますか(笑)、
本当に悲しい曲に感じられて、歌い手と曲がマッチした時に曲が化ける、
名曲が生まれるということを初めて知った曲でした。


劇中で歌われる曲については秘密とのことでしたが、
1曲だけ「アカシアの雨」というキーワードだけが明かされました。
西田佐和子さんが歌い、
数々の歌手にカバーされている名曲「アカシアの雨がやむとき」のことと思われます!
鈴木さんによれば“かなり大きくテーマに絡んでくる”とのこと。
いったいどのように劇中に登場するのか、
教授と助手の“プラトニックな純愛”にどのような彩りを与えてくれるのか・・?

是非劇場で、目、そして耳でクールな“昭和”を感じていらしてください!

<公演情報>
2013年2月7日(木)~2月24日(日)  Bunkamura シアターコクーン

スタッフ
Based on:五木寛之作 「わが人生の歌がたり」角川書店刊より
構成・演出:鈴木勝秀
音楽監督・弾き語り:中村 中

キャスト
椎名桔平/田中麗奈/高橋一生 /
岡田浩暉 坂田 聡 伊達 暁 佐々木喜英 上條恒彦 /中村 中

「昭和歌謡クロニクル」Special Guest
2月7日(木)19:00 中尾ミエ
8日(金)19:00 山崎育三郎
9日(土)14:00 佐々木喜英/19:00 鈴木雅之
10日(日)13:00/18:00 山崎ハコ
11日(月)14:00 元ちとせ
13日(水)14:00 園まり/19:00 坂井邦先
14日(木)19:00 由紀さおり
15日(金)19:00 松原健之
16日(土)14:00/19:00 クミコ
17日(日)14:00 加藤登紀子
18日(月)19:00 五木寛之(スペシャルアフタートーク)
20日(水)14:00 石井一孝/19:00 木の実ナナ
21日(木)19:00 一青窈
22日(金)19:00 ジェロ
23日(土)14:00 尾藤イサオ/19:00 岡田浩暉
24日(日)14:00 上條恒彦

アトリエ・ダンカン プロデュース『教授』公式サイトはこちら!


おけぴ取材班 文・撮影:mamiko  監修:おけぴ管理人


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名前:山野上 寛
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出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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