09/02/03 ビロクシーブルース@パルコ劇場
2009年2月3日(火) 19:00
ビロクシー・ブルース
I列19番@パルコ劇場
シーーーーンと静まった静寂、そしてその静寂の中で発せられる音、
たとえばライターのあの「シュポッ」という音が響き渡ったり。
また、独特の間であったり、暗闇の中の明かりや照明であったり、
そういう使い方が印象に残る舞台でした。
一幕で、このビロクシーの訓練所に入った新兵の人柄や背景などが
長い間を使って表現されるのですが、この一幕の描写があってこその
二幕の若く熱いドラマがあると思います。
一幕が歌で終わるとは予想外でしたが。
佐藤隆太さん、二幕で表現されるシーン、どれも印象的で
役柄にあっていて、好演されていたと思います。
今日は結構噛み噛みだった感じですが、
ラストのエピローグ的紹介の部分などは、それも役柄の”味”に思えてくるほどでした。
網の上で寝てる忍成修吾さん、頭がきれる系の
クールで美しい役柄、いいですねー、みてて気持ちいい。
若者達の中では、ジョセフ・ウィコウスキー役の中村昌也さんの
がっしりと大きな存在感が目をひきます。リアリティのある演技。
内田亜希子さん、男性ってこういう純粋な女性に弱いのかもと
思いながら、私も観ながらノックアウトされてました。
最後に手を小さくふりながら、上手側に去っていくシーンとかがたまらんとです。
二幕のトゥーミー軍曹(羽場裕一さん)もあつかった。深い役ですね。
全体的なセットはシンプルですが、
ステージを取り囲むたくさんの縦板の感じは、ほんとにステージが
まさにビロクシーの新兵訓練地の小屋のように思えてきます。
ラスト、暗転になった際、ぱっと明るくなったら
ステージ上一列に並んでるのかと思ったら、
明るくなっても、出演者は最後のシーンの姿勢そのままだったので、
ふと、この暗転はまだストーリーの中だったのかなぁと。
あのようにすることで、”演じてた感”が出ますよね、
この群像劇で描かれていた若者達の気持ちというのは、
今の時代の若者達にも共通してるんだよということを
暗転で役柄と本人を切り分けないことで表したのかしらん
なぁんて考えたりしておりました。
ただ、この舞台は第二次世界大戦の時の話なので、日本は敵国であるわけで、
JAPを。。。みたいなセリフを聞くと(さらにその役を日本人の役者が演じてるわけで)、
日本人としてはちょっと微妙な気持ちになりますね。
それにしてもこれだけ静寂が多いとですね、
誰かのおなかの音が響きわたったり、また客席で声を出してあくびをされると
それが劇場中に響き渡るのです(時々いらっしゃいますよね、はぁぁあって
言いながらあくびする方。あれはやめてほしい。。せめて押し殺して。。願)