09/09/22 青年座千里眼の女稽古場レポ
2009年9月22日(火) 13:00
青年座 千里眼の女 稽古場レポ
「千里眼」。遠く離れたものを透視する力。
その透視能力を持つという御船千鶴子のお話です。
(小説リングに登場する貞子の母のモデルが御船千鶴子なのだそうです)
まずは上の写真。帝国大学の教授達が、千鶴子に、
透視の公開実験のお願いをしている場面なのですが、
実際、明治43年、東京大学の総長をはじめ、
そうそうたる人物の立会いによる透視実験が行われました。
この実験を巡る騒動は「千里眼事件」と呼ばれた実話なのですが、
この舞台「千里眼の女」は、千鶴子を取り巻いていた男たちのお話です。
(”千鶴子を取り巻いていた敗北していく男たちの美学の話”by 演出の宮田慶子さん)
まずはお稽古場で、舞台冒頭のシーンを拝見。
福来友吉先生(檀臣幸さん)と新聞記者橘四郎(蟹江一平さん)のシーン。
意味深な言葉のやりとりが続きます。
さらに、演出の宮田慶子さんの言葉の泉によって、
この二人の距離感がどんどん変化!
最初は”年上、年下”という感じがした距離感が、
”つめよれる関係”になり、”ただの関係じゃなくなり”、
そして最後は”恋敵!?と思えるなるような距離感”に
(言葉は全て宮田さんの言葉)。
続きがとーっても気になる幕開けです。
続いて(少し飛んで)第四場を見学。
東大総長(山野史人さん)が部屋に入ってきました。
透視実験に東大総長が立ち会った(実話)ってすごいことですよね。
お稽古をみてるうちに、
福来友吉という人物にとっても興味を持ってしまいました。
そしていろいろ検索などで調べていきますと。。。
東京帝国大学で心理学の研究をしていた福来先生は、
この透視実験の後、大学を追われ、その後は「福来心理学研究所」を設立して、
オカルト現象の研究に没頭していくんですね。
めちゃめちゃ優秀な研究者であったそうで、
wikipediaによると、彼の博士論文「催眠術の心理学的研究」は、
日本における催眠の学術的研究の嚆矢なのだそうです。さらに
彼の膨大な実験記録は、まだ充分な再検証がなされていないとのこと。
もしかして再び彼の記録が注目を浴びる日がくるのかもしれません。
そんな福来先生を演じている檀臣幸さん(下の写真)がとっても素敵!
なんて若くてかっこいい先生だこと!!
管理人的予想ですが、この福来先生は、千鶴子が好きだったのかなーと。
そして千鶴子も!?もしそうだとしたら、きっと純愛なんだろうなぁ。
福来先生と千鶴子が絡むシーンが今日は観れなかったので、ここはぜひ劇場で観たい!
ちなみにでろんでろんに酔っぱらった福来先生も見れるかもですよ。
そしていよいよ千鶴子(勝島乙江さん)登場!
めちゃめちゃ雰囲気を感じます。ドキっとしますよ。
有平糖(あるへいとう)を食べてる時の千鶴子の顔がほんとに嬉しそう。
さっきまで泣いてたのに!(それが千鶴子なんですね)
そんな千鶴子にまわりの男達が翻弄されていきます。
合間に宮田慶子さんとお話させていただいたのですが、
「久々にこんな純粋なラブストーリー」という言葉が!
すんごいロマンチックな純愛なのだそうです!!
今日のお稽古場ではそのラブストーリー的な場面はみれませんでしたが、
福来先生かな?そしてもしかしてあの記者さんも!?・・
とちょっとワクワクして気になってる管理人であります。
ちなみにこの稽古場レポと同時に宮田慶子さんにインタビューも
させていただいたのですが、そちらはかなり興味深い内容なのですが、
あまりにもボリュームがあるため、編集作業にちょっと時間がかかって
おりまして、こちらはもう少々お待ち下さい!
公演初日までにはUPしたいと思ってます。
公演は、10月10日から18日まで、新宿の紀伊國屋ホールにて。
詳細は劇団青年座のホームページにて。
おまけ↓オフショット!表情がいいっ!
ちなみにセット、これ(↓)、まわるんです!!お楽しみに!