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09/12/25 ウーマンインホワイト音楽監督・指揮:塩田明弘さんインタビュー

ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」
音楽監督・指揮:塩田明弘さんインタビュー

[アフターイベント速報]
2010年1月16日のアフタートークイベント「塩ちゃんの部屋」の内容をお届けします!!
(塩田明弘さんと特別ゲスト:和音美桜さん)

ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」の音楽監督・指揮の 塩田明弘さんに、このミュージカルの”音楽”の持つ魅力についてお伺いしてきました。

まず最初にウーマン・イン・ホワイトを一言で、と塩田さんにお聞きしたところ

奇想天外な音楽の融合

スピーディな音楽表現の変化の連続で、
何度繰り返し読んでも飽きない小説のような構成なんです。
ウーマン・イン・ホワイトは、ほとんど全編音楽でできた作品で、
オペラチックなミュージカルともいえます。
目をつぶっていても音楽で頭に絵が描けるくらい、
”音楽が芝居をしてる”と実感できる作品なんです。

私管理人も今CDを聞きながらこのインタビューレポを書いてますが、
メロディーや音色から伝わってくるものがたくさんあって、
まさに"お芝居を聴いてる"感覚になりますよ♪

ウーマン・イン・ホワイトの作曲者は、
キャッツオペラ座の怪人アスペクツ・オブ・ラブなどで有名な
アンドリュー・ロイド=ウェバー”。
塩田さん曰く、
「ウーマン・イン・ホワイトの音楽を、例えていうならば、
オペラ座の怪人”と”アスペクツ・オブ・ラブ”を足して2で割ったような、
優美でロマンチックで感動的でスリリングな音楽が聴き所」。

同じメロディーが何度も登場しますが、これも歌う人物によって
キーやリズム、テンポが変えられていたり、さらに異なる楽器編成で演奏していたりと、
手を変え品を変え、聴く人たちに意味を問いかける構成になってるんですね。

ここで、このミュージカルのメインキャストの歌の特徴をご紹介しておきましょう。

ハートライト(田代万里生さん)は、二枚目な甘美なメロディ。
ローラ(大和田美帆さん)は、優しくキュートな声で、でも時々力強さも感じます。
フォスコ(岡幸二郎さん)は、カンツォーネやタンゴを意識したナンバーが多く、
グライド(パク・トンハさん)は、ジキルとハイド的な二重人格さが歌にも出ています。
フェアリー(光枝明彦さん)はメロディー的に語っている曲が多く、
物語のキーになる白いドレスの女(和音美桜さん)は、生理的に不安をよぎるような曲調です。
そしてマリアン(笹本玲奈さん)は、経験を重ねて成長していくうちに、声の音色が変化していくんです。

このように、一人一人の歌の特徴だけ書き出しても、
音楽が、登場人物の心情を描き出していることがおわかりいただけると思います。

そして、ウーマン・イン・ホワイトのミュージカルナンバーの中から
曲の特徴や聴き所を、音楽監督&指揮の塩田さん自らご紹介していただきました♪


一幕

♪ 一幕冒頭シーン「真夜中の線路」

アンドリュー・ロイド=ウェバーの十八番ともいえる
不協和音や変拍子が多用されています。
不協和音は本能的に不快感をかき立て、
ミステリアスらしい恐怖感や神秘性を醸し出します。
その効果を後押しするのが変拍子。
真夜中の線路では、2分の2拍子と2分の3拍子が交互に出てきます。
拍子がかわることで、暗に語りかけたり、否定したり、
事件の予兆を感じさせたり、というように小さなきっかけをもたらしたりするんですね。
また、歌ってない余白にも、想像させる余白が随所にあるんですよ。

♪ I Believe My Heart

ハートライト(田代万里生さん)が歌うこのナンバーも随所に出てくる旋律です。
ハートライトが歌ったり、マリアンが歌ったり、
同じメロディを使ってるんですが、キーを変えたり、
役者を変えて心情を歌ったりしているのです。

♪ 収穫祭

収穫祭のシーンでは、大人数で賑やかにさわいでるだけじゃなくて
実は凶変的なリズムや音符が隠されています。
何度もリピートしていくと、音楽の二重構造、三重構造がみえてきますよ。

♪ 結婚式のシーン「命は永久に」

"音楽そのものが芝居をしている"ことをとっても実感できるナンバーです。
ロマンティックなメロディーの影に、
不安げな恐怖感を予感させるリズムが隠れていますのでよーく聴いてみて下さい。

♪ All For Laura

マリアン(笹本玲奈さん)が歌うこの曲は、美しいメロディーなんですが、
心の心情の移り変わりが、音符の変わり目、音の強弱の変わり目となって歌われます。
ピアノから、メゾピアノ、メゾフォルテ、フォルテシモになってまたピアノに、と、
音圧、音量が変化し、それがまた感動を与えるんですね。

♪ 1幕ラストの「今日から三人」

マリアン(笹本玲奈さん)、ローラ(大和田美帆さん)、
アン(和音美桜さん)が歌う三重唱です。
3人の温かい気持ちが寄り添って、通い合う気持ちが歌われて。。
と思ったら、突如3人の歌をさえぎるような曲調になり、
パーシバル卿(パク・トンハさん)が打ち消すようなテーマを歌ってきます。
3人の通い合う気持ちに、変拍子が入っていたりするのですが、
ドラマの転換として聴いても面白いナンバーです。


二幕

♪ 悪夢のシーン

この曲は、"エニーピッチ"といって、マリアン(笹本玲奈さん)やローラ(大和田美帆さん)、
ハートライト(田代万里生さん)が任意のピッチで歌う斬新で興味深いナンバーなんです。
それぞれが自由な音の高さで歌うことで、悪夢の様子を醸し出しているんですね。

♪ 私はパーフェクト

ブンチャッチャーブンチャッチャー♪という
オペラ歌手のような、優美な、(言い方悪いですが)脳天気なナンバーです。
イタリア気質なフォスコ(岡幸二郎さん)をたっぷりと堪能できますよ。


(光枝さん演じるフェアリーの椅子に座る塩田さん)

そしてこれらの楽曲を演奏するオーケストラの構成も通常とは少し変わっていて、
弦楽器にヴァイオリンがないんです。
ヴィオラとチェロによる、重厚さを重んじた構成になっています。
また、歌手が歌っている部分の、オーケストラの演奏も面白いですが、
舞台転換中や、曲の後奏や間奏など、オーケストラのみの演奏もいいんですよ。
交響詩のように聞こえると思います。
そういう意味では、クラシックファンの方もぜひみにきてほしいですね。

このミュージカルは、音楽そのものが芝居をして、謎を問いかける作品ですので、
ぜひ一回観た後、二回、三回と観ていただきたい作品です。
リピートして観る時は、マリアンとローラなどの人間関係の変化や心情の変化を
しっかりみてることでより一層音楽がくっついてきますよ。

ちなみに、ウーマン・イン・ホワイトの人物関係や作品の特徴は、
知識ゼロからのミュージカル入門」(著:塩田明弘。幻冬舎刊)に
見開きでも記載されていますので、ぜひこのご観劇前に、また観劇中の休憩時間に、
予習しながら、復習しながらご覧いただくと、より深くわかると思います。


最後に塩田さんからのメッセージです♪

ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」。
観客のみなさまが謎解きをしながら、
素晴らしい音楽、歌声、そして壮大でスピーディな舞台転換など、
スペクタクルなドラマの変化を感じ取っていただける作品です。
2回、3回と観ていただきますと、観るたびに深いドラマ、物語が
みえてきますので、ぜひ劇場に足を何度もお運びいただけると嬉しいです。
見所、たくさんあります。
聞きどころ、たくさんあります♪

公演は2010年の
1月12日から24日までまで東京の青山劇場にて、
1月30日、31日に大阪のシアターBRAVAで上演。

なお13日昼、16日夜、23日夜公演終演後に、シオタクター会員の方を対象とした
特別イベントを開催します。
※こちらのイベントには、塩田明弘さんのメールマガジン「シオタクター」からチケットを
購入された方限定のイベントとなります。イベントのお問い合わせは
shiotactor@okepi.jp まで。
おけぴ会員の方はこちらからもチケットをお求めいただけます

p.s. カーテンコールで塩田明弘さんにスポットが当たったら、「塩ちゃーん!」の掛け声、大歓迎とのことです♪


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おけぴ管理人プロフィール
名前:山野上 寛
mail:cs@okepi.jp
出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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