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2012年02月 アーカイブ

2012年02月03日

12/02/03 ミュージカル「パルレ」ゲネレポ@三越劇場

2012年2月3日(金)13:30
韓国オリジナルミュージカル『パルレ』ゲネプロレポ@三越劇場


主役ナヨン役・野呂佳代さんと木村花代さん

韓国で2005年からロングランを続けているミュージカル「パルレ~洗濯~」。
ソウルの路地裏のアパートで各々の悩みを抱えながらも力強く生きる人々を描いた作品で、
今回初の日本人キャスト公演、そのゲネプロにお伺いしてきました!

地方からソウルに出てきて一生懸命に働きながらひとり暮らしをしている女性ナヨン。
不器用なほど真っ直ぐなナヨン役には木村花代さん(野呂佳代さんとのWキャスト)。
ちょっと勝気な笑顔、澄み切った歌声に思わず全力で応援したくなります!

劇団四季退団後のミュージカル復帰第一作の木村花代さん。
歌声はもちろん台詞の声まで、まさに耳福です♪
ソロンゴが心奪われるのも納得!
流れるたくさんの”涙”と”笑顔”がとっても素敵でした!!

そのソロンゴ役には松原剛志さん(野島直人さんとLENさんとのトリプルキャスト)。
モンゴルからやってきた若者ということで少しカタコトに発する台詞、
初めてナヨンに話しかけるシーンでは奥手な様子がなんとも微笑ましい!
熱唱シーンもございます!

仕事のこと、家族のこと、国籍のこと、思いだけでは突っ走れない切ない二人。
両側から二人の背中を押したくなるような、二人の恋は甘酸っぱい!!

そんな二人の周りの人々も超個性的!
男性3人、女性3人の出演者が目まぐるしく役変わりをして登場するのですが、
一人一人の役所がしっかりと丁寧に描かれています。

こちらはナヨンが働く書店の様子。
左からダメダメな跡取り(奈良坂潤紀さん)、キュートな店員(上田亜希子さん)、
お調子者の店員(安福毅さん)、ナヨン(木村花代さん)、先輩店員(大鳥れいさん)。

ナヨンの住む長屋の大家さんには大鳥れいさん。
“おばちゃん”役が見事!そして歌声が素晴らしい!
(書店の先輩店員さんは、同じ大鳥さんが演じているとは思えないです!)

長屋の住人、出戻りシングルのヒジョンちゃんママには川島なお美さん。
大喧嘩しながらも恋人”クさん”の洗濯物を干している毎日。気風のよいお姉さんです♪


左が川島さん、右が大鳥さん


その“クさん”始め、4役以上をこなすのが、奈良坂潤紀さん。
役柄ごとにまったく違う印象を残す奈良坂さんの熱演も必見!


(左から三波豊和さん、奈良坂潤紀さん、安福毅さん、松原剛志さん)

三波豊和さんもあんな役、こんな役と大活躍です!
客席との繋ぎ役を果たしたり(これが見事!)、歌声もたっぷり♪


ゲネプロ終了後行われたナヨン役お二人の囲み取材では、

野呂佳代さん(SDN48)
「木村さんからはお芝居だけでなく、
舞台に臨む姿勢をゼロから教えていただいています。素敵なお姉さんです。」

木村花代さん
「私はついつい芝居をし過ぎてしまうのですが、
野呂さんはとてもナチュラルなお芝居をされる方で、刺激を受けています。」

と笑顔で話されていたお二人。ソロンゴ役がトリプルキャストなので、
同じ組み合わせで観れるチャンスはごく僅か!お見逃しなく!
組み合わせは公式サイトにてご確認下さい


某シーンの楽しい参加型演出もお楽しみに!

<余談>
韓国ソウルの劇場街・大学路(テハンノ)には約140もの劇場(その多くは小劇場)があり、
そこでは日本で翻訳上演された『サ・ビ・タ』に代表されるような
“小劇場ミュージカル”が盛んに上演されています。
この『パルレ』も大学路でロングラン公演されている人気作品の一つです。

<スタッフ>
演出:チュ・ミンジュ
音楽:ミン・チァンホン
美術:ヨ・シンドン
翻訳:柳茂王
上演台本・訳詞:保坂磨理子
共同演出:鈴木孝宏

<ストーリー>
ソウルのとある路地裏の長屋に引っ越してきた27歳のナヨンは、
故郷を離れ、書店勤めをしている。ナヨンは洗濯物を干しに上った屋上で、
隣の長屋に暮らすモンゴル人の青年ソロンゴと出会う。
最初はぎこちない挨拶で始まった二人だったが、
風に飛ばされた洗濯物が縁でお互いの純粋な姿を知るようになり、
少しずつ距離を縮めていく。。。

社会問題や辛く苦しい現実も描きながら
都会ソウルで暮らす人達を暖かく、愉快に描いた群像劇的作品です。

公演は2012年2月4日(土)~16日(木) 三越劇場にて、
2012年2月17日(金)と18日(土) サンケイホールブリーゼで上演


おけぴ取材班&撮影:chiaki、おけぴ管理人

2012年02月04日

12/02/04 音楽劇「カラミティ・ジェーン」公開稽古&初日レポ

2012年2月4日(土)
音楽劇「カラミティ・ジェーン」公開舞台稽古&初日観劇レポ

実在した伝説の女ガンマン・カラミティジェーンの生涯を
歌ありダンスありで魅せる音楽劇「カラミティ・ジェーン」

予想以上に笑い、予想以上に泣きました!
湖月わたるさんの魅力炸裂です!
男勝りなジェーン、女としてのジェーン、母親としてのジェーン。。
不器用だけれど、まっすぐに生きたジェーンの
かっこよさ、切なさ、可愛らしさを、様々な顔で魅せてくれる湖月わたるさん。

金髪ショートの湖月わたるさんが、めちゃめちゃかわいいですっ!


そんなジェーンが生涯でたったひとり愛した男。
ビル・ヒッコックを演じるのは石原プロ期待のホープ・金児憲史さん。


湖月さんも見上げるほどの長身(188cm)で、男くさいビルを熱演!


このお2人の並びが本当にかっこよかった!
「みんなの前では女扱いするな!」という湖月ジェーンの強がりがまた可愛い♪
似た者同士の2人に果たして幸せは訪れるのか・・?


バッファロー・ビル役のパパイヤ鈴木さん。
ダンスだけでなく歌も踊りもマーべラス♪
巧みなトークで観客の心をわしづかみです。
ジェーンを見守る優しさにジーン~

キラキラ衣裳と真っ赤な幕が、ショー気分を盛り上げます。
(この場面でにこやかに踊る金児さんの笑顔がツボな管理人です♪)


(後方に金児さんが!)


そしてこの舞台、出演者全員のキャラが立ちまくりなのです!


キャラメルボックスの岡田達也さんが素敵な語りで客席を西部劇の世界に誘い、


マンガチックなキャラ作りで悪役をとっても楽しそうに演じる
山本芳樹さん(StudioLife)の小悪党ぶりも楽しく、
友石竜也さんの気持ちのいい動きと声も、この作品にぴったり!


そして!素晴しい歌声と、はっちゃけ演技を見せてくれたのが入絵加奈子さん。
ぐぐっと舞台を引っ張り、ジェーンとの掛け合いは息もぴったり!
凸凹コンビ最高です!笑いすぎて涙が出てしまいました!


○コ○ミ姿での脚線美や妖艶なドレス姿など七変化する湖月さん(左)と入絵加奈子さん(右)


自分の生き方を貫き、凄絶な人生を生き抜いたジェーン。
男勝りだけど、彼女なりに女性として母として人を愛し、懸命に生きるジェーン。
そんな彼女に差し伸べられる、いくつもの救いの手。
大興奮のウェスタンショーとガンファイトの一方で、
細やかに表現されるジェーンの生き方に、強く胸打たれた管理人です。
特に二幕のあの場面のジェーン、もの凄く好きです。
ハンカチは必須でございます。


ダイジェストの公開稽古終了後、初日の開演を前に、
”私たちの愛の形を届けたい!”と語る湖月わたるさん。
”自分は外見だけドーンと作って中身はみなさんに詰めてもらった”と笑顔で話す金児憲史さん。
”始まる前から千秋楽がさみしい!”とパパイヤ鈴木さん。


懸命に生き抜いた一人の女性の物語。
音楽劇「カラミティ・ジェーン」は、
2012年2月4日(土)~11日(土) ル・テアトル銀座
2012年2月17日(金)~19日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。

<出演>
湖月わたる
金児憲史
パパイヤ鈴木
入絵加奈子
岡田達也(キャラメルボックス)
山本芳樹(Studio Life)
友石竜也
春海四方
海津義孝
伽代子
南海まり
秋山エリサ
渡辺芳博
安達星来
後藤浩明(piano)

<スタッフ>
作:ジャン=ノエル・ファンウィック
訳:浜文敏
脚色、演出:吉川徹

<ストーリー>
時は1800年代、西部のとある町サルーン。
男まさりのカラミティ・ジェーンは、二丁拳銃のビル・ヒコックと出会い恋に落ちる。
二人は共に賞金稼ぎの旅を続け、やがて結婚してデッドウッドの町に居を構える。
ジェーンには赤ん坊が生まれ、平凡な家庭生活が訪れる。
しかし、ジェーンもビルもそんな生活に満足できない。
折りしも西部の町は急速に発展を遂げつつあり、
二人は次第に追い詰められていった。
とうとうビルはジェーンのもとを去ってしまう。
独りになったジェーンは生活のために赤ん坊を養子に出さなくてはならなくなった。
ジェーンはたったひとり、遠く離れて暮らすわが子に仕送りを続けるため、懸命に働くのであった。
時は流れ、食料店主バークと再婚するが、それも長続きせず幸せには程遠い日々。
そこへ、かつての仲間、元ガンマンで西部の大立者バッファロー・ビルからの手紙が届く・・・。

公演ホームページはこちら
公演ブログもチェック♪
おけぴ管理人のカラミティ・ジェーン製作発表レポはこちら 稽古場レポはこちら


ながーい手足にウェスタンハット姿(湖月わたるさん)は文句なしのかっこよさ!!

おけぴ取材班&撮影:mamiko、おけぴ管理人

2012年02月07日

12/02/07 BAD GIRLS meets BAD BOYS ラスタ・トーマスさん×TAKAHIROさんインタビュー

2012年2月7日(火)
「BAD GIRLS meets BAD BOYS DANCE LEGEND vol.1」
ラスタ・トーマスさん×TAKAHIROさんインタビュー!

まずはこの夢のような公演についてご紹介しましょう(敬称略)

2012年7月BAD GIRLSとBAD BOYSが出会う!
2011年、米国のみならずヨーロッパ、オーストラリアでの公演も全てSOLD OUT!
ラスタ・トーマス率いる男性超絶ダンス技巧派集団“BAD BOYS OF DANCE”。
湖月わたる、水夏希、原田薫、蒼乃夕妃、矢野祐子といった
シアトリカルなジャズダンスの名手たちの新ユニット“BAD GIRLS OF DANCE”。
そしてその二つのダンスユニットを繋ぐ橋渡し役にオリジナリティ溢れるダンススタイル、
日本が誇るパフォーマーTAKAHIROが挑む!
それが「BAD GIRLS meets BAD BOYS」。

それぞれ異なる道を歩んできた者同士がひとつのGOALを目指してアイデア、
エネルギーを惜しみなく出し合う、まさに夢のコラボレーションです。
ショーのディレクションを担当するラスタさん、
ストーリーテラー/橋渡し役のTAKAHIROさんというキーパーソンお二人に、
それぞれが歩んできたこれまでの道、そして目指すGOALについてなどお話を伺いました。


<互いの才能を認めあう素敵な関係>
――TAKAHIROのパフォーマンスは全てのダンサーの夢(ラスタ・トーマス)
――リーダーの風格、誰にもまねできないラスタスタイルがあります(TAKAHIRO)

おけぴ管理人)
これまでにも一緒にお仕事をされているお二人なので、まずはお互いに他己紹介していただいてもいいですか?

ラスタ・トーマスさん)
TAKAHIROはダンスマスター(熟達したダンサー)であると同時に
素晴らしいエンターテイナーです。そしてとても情熱的!
今日はこのようにTAKAHIROの印象を尋ねられることが多く、
そのたびに何度も“大好きだ”と言っているので、まるで彼のガールフレンドになったみたい(笑)
でも、そのくらい大好きなんです。
彼がステップを踏むと見ている人の気持ちが反応する。
それって、全てのダンサーにとっての“夢”。
TAKAHIROは尊敬するダンスアーティストです。

TAKAHIROさん)
ありがとう!
ラスタは役者みたいなダンサーですね。舞台の中の人になるんです。
“彼が”踊っているというより、優雅に、
ストーリーを紡ぐように踊るのでお客さんが彼の中にスーッと入っていける、
彼はみんなを包容して、劇場全体をも包んでしまうようなパフォーマンスをするんですよ。

そして、彼はリーダーに向いています。
彼のテクニックが超絶技巧で素晴らしいということはみなさんご存知かと思いますが、
加えてマインドがすごくオープンなのです。
バレエだけでなく、ヒップホップもさらには格闘技も取り入れてみよう、
そういった柔軟性が彼のスタイルに活きていて、深みと余裕を生み出しています。
だから一緒にいてすごく安心できますし、彼とならいいものが作れるという気持ちにさせる人です。

おけぴ管理人)
今回の公演でもラスタさんがディレクションを担当しますが、まさに適役ですね。

TAKAHIROさん)
はい。今回も彼なら違うジャンルの人たちそれぞれの良さを引き出して、
それをひとつにまとめてきれいなスパイラルに出来ると思っています。
パフォーマーとしてのマインドの広さ、舞台に立っているときのオーラ、
もう、ラスタがいると空気が変わるんです。
まさにリーダーの風格、誰にもまねできないラスタスタイルです。


<これまで歩んできた道、そしてこれから挑戦したいこと!>
――色々なものをやってきた中でダンスが生き残った(ラスタ・トーマス)
――ダンスは好きな動きを好きなようにやっても誰にも不正解と言われないものだった(TAKAHIRO)

おけぴ管理人)
今こうしてダンサーとして一緒にショーを作り上げているお二人ですが、
歩んできた道はそれぞれ違いますよね。
ラスタさんは幼少期から色々なスポーツにも挑戦されて素晴らしい成績を残されていますね!
(8歳でフルマラソン完走、9歳でジュニアオリンピック50mバタフライ世界新記録達成、同年テコンドーのワールドチャンピオン!!)

ラスタ・トーマスさん)
それは父の影響です(笑)。
7歳までは色々なスポーツを、7歳からダンスも加わってしばらくは平行してやっていて
14歳以降はダンス一本に絞りました。
つまり、色々なものをやってきた中でダンスが勝ち残ったということです。

おけぴ管理人)ダンスを選んだ、その決め手は?

ラスタ・トーマスさん)表現の自由です。

おけぴ管理人)逆にTAKAHIROさんは比較的遅めのスタートですよね。

TAKAHIROさん)
僕がダンスを始めたのは18歳のときです。
好きな動きを好きなようにやる、ほかには何も必要ない!
というのが始めた理由です。
最初は体育館の暗い廊下で一人でやるのが楽しくてそれに没頭して、
いつの間にか他の選択肢を失っていて(笑)。
でも、惚れ込んでいたので、もうちょっとダンスをやってみよう!と思ったら道が開けました。

おけぴ管理人)ダンスを“習う”ということからスタートしていないことも興味深いのです。

TAKAHIROさん)
僕はNYでコンテストに受かって、TV番組で優勝し、
その後仕事が来て“プロとしてやっていこう”という段階で初めてダンススクールに行きました。
やはり基礎がなくては対応しきれないこともたくさん出てきましたし、
なによりやりたいことが表現できない、僕の創造/想像に肉体が追いつかなかったのです。
そしてそこから3年間ダンススクールへ、それこそバレエをやったりモダンをやったりしました。
スクールでは必死でしたね。
他の人が振り付けしたものをみんなはすぐに覚えられるけど、
僕はボディメモリーが十分でなかったのでなかなか出来なくて。

ただ、それと同時に吸収する楽しさもありました。
特に僕は最初に“発信”をしていたので、
受信も発信者として“こう取り入れてみよう”など考えながらできたのが面白かったですね。

おけぴ管理人)インプットしてからアウトプットという正攻法とは間逆ですね!!

TAKAHIROさん)
スタートはプロになろうとは思っておらず、
自分の中のモヤモヤ、コンプレックスを発散しようと始めたことなので、
誰かに教えてもらおうという発想がなかったんです。無形が良かった。
それまでは学校からテーマが与えられ、それをクリアするのが僕だったのですが、
ダンスは好きなようにこうやってもああやっても誰からも不正解と言われない。
それが良かったんですね。

それってまさに、さっきラスタが言っていた“表現の自由”。
異なる道を歩んできたけれど、そこは同じです!

ただね、ラスタはとてもスペシャルです。
(ラスタさんに向かって)
基礎、軸がしっかりしていてその上で自身のワールドを持っているから、僕の理想なんだよ。

おけぴ管理人)
そんなお二人ですが、実はもうひとつ共通点が!
1981年生まれの同い年ですよね。
30代を迎えダンスに関してもテクニックとマインドの両方がしっかりと備わった今、
そしてこれからの目標を聞かせてください。

ラスタ・トーマスさん)
20代から徐々に共有する段階に入ってきて、まさに今、
これまで受けてきた教育、経験を実際に使うところに来ていると思います。

これからはショービジネスでみんなをハッピーにしていきたいですね。
日々のストレスもあると思うのですが、
そこから解放され楽しく過ごす、そんな魔法があることを伝えていきたいですね。

TAKAHIROさん)
僕は“原点回帰”です。
ダンスを始めたころは見たことのない世界を作るのが楽しかった。
そして次に、それを観てもらって、人をビックリさせる、
驚かせちゃうのがすごく楽しかった。元々そういう性分なんですよね。

今はテクニックも身に付き、こうしてショーも作れる、
なので今だからこそ“カッコつけて”より“驚かせちゃおう”を発揮したいです。
そしてこれからもどんどん発信して、
次の世代に対して“やっぱり彼らは走り続けているんだ”
と思い切りハードルを高くしてあげたいですね(笑)。

<「BAD GIRLS meets BAD BOYS」について>
――赤、青、黄色・・・いろんなエネルギーを合わせて、虹がかかるような作品にしたい!(TAKAHIRO)
―― 一緒に夢を見られるような作品にしたいですね!(ラスタ・トーマス)

おけぴ管理人)
そしてお二人が一緒に作り上げるショー!
まだ作業は始まったばかりかと思いますが、意気込みを聞かせてください。

ラスタ・トーマスさん)
全く違うバックグラウンドですが、そんな二人を繋ぐものは共通のゴールです。
何かというと、とにかくお客様に楽しんで、喜んで、ハッピーになっていただくことなのです。
ひとつのものを目指していく、
ゴールを共有できていれば異なるバックグラウンドというのはお互いを触発するいい材料になると思っています。

TAKAHIROさん)
それぞれの良さは存分に出しながら、プロフェッショナル、
トップが混ざり合ったときにそれ以上の魅力を出す。それが今回のポイントだと思います。
例えば宝塚的な動きにヒップホップ的な動きが加わって
さらにバレエ的な動きが加わったらそれはもう“NEW”ですよね。
そうやって今までそれぞれの魅力を持っていた人たちが、
全員で次なるステージを目指して混ざり合う、
簡単に言えば、知恵の違う人がひとつのものを同じ方向を向いて作っていくということ。
実際に今、クリエイティブチームは“みんなでいいものを作ろう”と一丸となっています。
こうしてそれぞれのエネルギー、赤や青や黄色・・・がひとつになった時、虹がかかるんです!!

そんな虹がかかるような作品、踊って楽しいだけでなく見て楽しい、
その思いを共有できるような作品にしたいですね。

自分の役割としてはパントマイムなども取り入れたコミカルな動きや情景描写をするような動き、表現が得意なので、
今回のダンサーの中ではチャップリンだったり、ピーター・セラーズになれたらいいなと思います。

そして、ラスタとの共演経験の他に、湖月さんとは「エレクトリック・シティ」(2011年)でご一緒し、
水さんとも大阪世界陸上開会式(2007年)の時に彼女のスタイルを拝見し
この人と一緒に仕事がしたいと思いました。
このように僕は今回のメンバーの中でもいろんな方と仕事をしたことがあるので、
その点でもうまく橋渡しをしていけたらいいなと思っています。

ラスタ・トーマスさん)
あとは文化交流の意味もあるよね。
今の心境は、すごく楽しみですし、ちょっと不安。ドキドキしています。
デートの前みたいな感じ(笑)

TAKAHIROさん)笑!

ラスタ・トーマスさん)
だって、すごく良く見せたかったり、いいところ出したいって思うでしょ。
お客さまにとにかく楽しんでもらいたいんです!
今、クリエイティブチームにはあんなこともこんなこともしたいと夢が溢れています。
僕らが見ている夢をお客様に現実のものとして見ていただく、
そんな、一緒に夢を見られるような作品にしたいですね。

キラキラした目で作品にかける思いを話すお二人を見ていて、
ますます期待に胸が膨らみました。
お二人は本当に仲良しで、1981年生れという話になった時、こんな会話も↓

ラスタ「何月生れ?」
TAKAHIRO「僕、9月!」

ラスタ「やったー、僕7月だからちょっとお兄さんっ!」
っとラスタさんが胸を張るというとても微笑ましいやり取りも。

世界を舞台に活躍するダンサー、ラスタ・トーマスさんと
TAKAHIROさんから発せられるキラキラ輝く言葉や少年のような瞳の輝きが
印象的なひとときでした。

確かな技術と自由な発想で作り上げられる、
「BAD GIRLS meets BAD BOYS」
お楽しみに!

<公演概要>
東京公演:2012年7月14日・15日 東京国際フォーラム ホールC
名古屋公演:2012年7月19日 愛知県産業労働センター ウインクあいち
大阪公演:2012年7月20日・21日・22日 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

<キャスト・スタッフ>
~出演~
【BAD BOYS】 ラスタ・トーマス&“BAD BOYS OF DANCE”
【BAD GIRLS】湖月わたる 水夏希 原田薫 蒼乃夕妃 矢野祐子ほか
【The Storyteller】TAKAHIRO

~スタッフ~
【構成・演出】ラスタ・トーマス
【振付】ラスタ・トーマス TAKAHIRO 原田薫 エイドリアン・カンターナ

~曲目~
Michael Jackson Queen Prince U2 Black Eyed Peas and more

<プロフィール>
【ラスタ・トーマス】
1996年7月に第17回ヴァルナ国際バレエコンクールにてヴラドミール・アンジェロフ振り付けの「NOSTALGIA」を披露し、
男性として歴代最年少5人目、16年ぶりの金賞を受賞。
以降マイヤ・プリセツカヤ並びにパトリック・デュポン、
そして1998年3月には熊川哲也らの日本公演にゲストとして来日。
2007年「ラプソディ・イン・ブルー」で服部有吉、金聖響、TAKAHIROと共演。
ブロードウェイミュージカル「MOVIN’ OUT!」主演。BAD BOYS OF DANCE主宰・芸術監督。

【TKAHIRO】
米国APOLLOシアター殿堂入りアーティスト。
マドンナのワールドツアーダンサー、同ベストアルバムPV出演、
及びJAPANプロモーション総合演出、海外ブランドのショーなどで世界的に活動。
日本では2010年「SIX DOORS」主演・総合演出、2011年
「Electric City」Japan Tour主演・総合演出。
「たけしアート☆ビート」<NHK>、「徹子の部屋」<テレビ朝日>、
「情熱大陸」<TBS>(年間最高視聴率(2010年))その他、TV・ラジオ・雑誌・WEB など多数

【BAD BOYS OF DANCE (BBD)】
世界7台大陸に点在する若き才能を持つ男性ダンサーで構成される、
ダンスカンパニー。BBDのダンスはメンバーの並外れた身体能力と芸術性に支えられ、
バレエ界における男性ダンサーの限界を打ち破り、
世界で最もエキサイティングなダンスショーを提供することを使命としている。

公演HP
BAD BOYS OF DANCE HP
TAKAHIROさんHP



おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人

2012年02月08日

12/02/08 TRAILS in Concert 稽古場レポ

TRAILS in Concert 稽古場レポ
2012年2月8日(水)16:00

ドラマリーディングと優れた楽曲で綴る『TRAILS(トレイルズ) in Concert』
のお稽古場にお邪魔してまいりました!
キャスト・スタッフのみなさんのお話と合わせてレポートいたします。

出演者がこちら!

藤岡正明 RiRiKA 四宮貴久 山崎直子 小此木麻里 / 岡 幸二郎

ミュージカルファン的にはツボな方ばかりです!

お稽古場に到着したとき、ちょうど皆さんでの歌稽古中で、
キャスト全員の声が重なり合った時の厚みはそれだけで感動ものでした!

この圧倒的な表現力と声を持ったキャストのみなさんを
200席弱の小さな空間(新宿SPACE107)で堪能できるのでございます!

日本初演となる『TRAILS』。
今回の上演ではコンサート形式とうたわれていますが、
お稽古場を拝見した印象では、
ミュージカル俳優たちによる上質な“音楽朗読劇”といったイメージ!
“美しい音楽(歌唱)に包まれる幸せ”そして、
“リーディングで表現されるお話、戯曲の魅力”
その両方をじっくりと味わうことができそうです!

ストーリーは、
親友だったセス(藤岡正明さん)とマイク(四宮貴久さん)が12年ぶりに再会し、
遠い日の約束を果たすべく、アパラチアン・トレイルに挑戦する。というもの。
その旅の中で、彼らの過去と現在、二人を長きにわたり隔てていた理由、
そしてさまざまな出会いが描かれています。

洗練されたメロディの中にどこか懐かしさを感じる素敵なナンバー♪
そしてリーディングから楽曲に至るまでの流れがとてもナチュラル。

この日の立ち稽古は冒頭の「Blaze A Trail」という曲のシーンでしたが、
マイクとセスの自然なやり取りから、歌の盛り上がりへ…
物語の始まりを感じ、旅立つ心の準備が整うような高揚感を感じました。

演出の前嶋ののさんを中心に舞台が作られていくのですが、
冒頭のシーンと言うこともあって、登場の仕方、舞台上での居方から、
動きと音とのバランスなど細部まで試行錯誤が繰り返されていきます。
ドラマリーディングの難しさ、楽しさ両方のポイントとなるであろう
“どこまで芝居をするのか”、その絶妙なバランスを見つけるための地道な作業。


椅子に座っているのが演出の前嶋ののさん

「身体でキャラクターを演じ過ぎてはいけないよね」(岡さん)
「どのタイミングで相手の存在を受けるのかですよね」(藤岡さん)
「言葉の中でどんどん動き回って」(前嶋さん)

という印象的な言葉が飛び交うお稽古場。

たとえば、とあるシーンではとても深いやり取りなのに、
あえて舞台上で視線を交わすことなく真っ直ぐに客席に発せられる形で会話が進みます。
それに違和感をもつどころか、言葉の意味や温度がより一層際立って伝わるのです。
ドラマリーディング、奥深いっ!
さらにそこにたくさんの素晴らしい楽曲が寄り添うように登場♪
(本番はピアノ、ヴァイオリン、ギター、ベースの生演奏!)


伸びやかな歌声としっかりと気持ちが伝わるリーディングの藤岡正明さん♪


ちょっとおませな子ども時代がとっても可愛いRiRiKAさん


四宮貴久さんは、戸惑いを隠せない登場シーンから、積極的にセスを旅に誘う場面が熱い!


岡幸二郎さん、山崎直子さん、小此木麻里さんは
マイクとセスが旅で出会う人々や森林監視員(レンジャー)をはじめとする
複数役柄を演じられるお三方。
残念ながら、この日のお稽古で登場シーンはなかったのですが、
本番までのお楽しみですね!


そして!さぁお待たせいたしました。インタビューコーナー♪

<まずは、作品への愛の溢れるプロデューサーであり、翻訳、マイク役で出演もされる、
この作品の日本初演の立役者・四宮貴久さんにお話を伺いしました>

おけぴ管理人)まず、この作品との出会いを教えてください

四宮さん)
脚本を書いたクリスティ・ホールが僕の友人なのですが、
彼女がミュージカルを作っているという話を聞いて、
そのCDの音楽を聴いた瞬間、”これを絶対にやりたい!”と思ったんです。
いい作品は国境や人種に関係なく多くの方に観て欲しいという気持ちから動き出しました。

おけぴ管理人)今回の上演スタイルについてお聞かせ下さい

四宮さん)
大きなセットに頼らずに楽曲とお話だけで人は感動できるということ、
むしろ初めての作品ですし、
言葉と音色だけで想像力が広がるのではないかと期待しています。
本(戯曲)を読んでいる中に自然に音楽が入ってきて、
そしてまた芝居に入ってという、その流れが良く出来ている作品なので
ただのリーディング、ただのコンサートにはしたくはありませんでした。

おけぴ管理人)アメリカでもリーディングスタイルでも上演されてるんですね

四宮さん)
はい。ロサンゼルスなどでの試験的なリーディング公演を経て、
2010年のNYMF()ではフルバージョンで上演し数々の賞を受賞しました。
昨秋にシアトルで再びリーディング形式の上演を行ったところで
劇場側が公演を気に入り、今年の秋に本公演をする予定です。

おけぴ管理人)まさに今、ホットな作品なのですね!


<続いて岡幸二郎さんと藤岡正明さんにお話をお伺いしました>


おけぴ管理人)この作品の楽曲のイメージを教えて下さい♪

岡さん)“昭和”です!

おけぴ管理人)昭和?!

岡さん)そう、どこかで耳にしたことがあるような、
とても馴染みやすいものですね、ただ歌うのは非常に難しいです(笑)


おけぴ管理人)藤岡さんはいかがですか?

藤岡さん)すごく懐かしいイメージです。

岡さん)ほらね!

藤岡さん)
時間をかけて丁寧に作られたのだろうなぁと思える曲ばかりで、“癒やし”を感じます。

岡さん)(藤岡さんの)声にすごく合っていると思うよ。

藤岡さん)そうですか!ありがとうございます。
僕が歌う曲は普段あまり使わない裏声もちょっと使うくらい高いんですけどね。

岡さん)私の役は年老いた男ということもあり、とても低いのですよ。

おけぴ管理人)
先ほどお聞きしていて、藤岡さんの高音、岡さんの力強く響く低音、どちらも心地よかったです♪
今回はコンサート形式での上演ですね。

藤岡さん)
(今回の上演では)大掛かりなセットの変化でシーンが変わるということがないので、
僕らがいろんな人と出会い、その出会いによって生まれる価値観や考え方、
生き方の変化で時間の経過、風景の変化を表現していきたいと思っています。

岡さん)(感慨深げに)大人になったなぁ。。。笑

藤岡さん)
そうですよね・笑 
岡さんとは僕の初舞台となる作品で共演させていただいて。
その製作発表で司会をされていた岡さんに意気込みを聞かれたのですが
「やったことないから、わからないっす」みたいな返事で。最悪でしたね・笑

岡さん)あれから…

藤岡さん)7年です。

岡さん)
色んな作品を旅してきて、色んな人に出会いながら雨風を経験するとこうなるのですね・笑

藤岡さん)雨ばかりだったような・・・、岡さんには本当にお世話になっています・笑

岡さん)二、三度傘を差しかけたかな・笑

藤岡さん)笑

おけぴ管理人)歩んで、出会って、この作品とも重なりますね。

藤岡さん)
そう、この作品は一人ひとり考え方は違っても、
それぞれの生き方を考えさせるような舞台だと思います。

おけぴ管理人)岡さんはいかがですか。

岡さん)
私の役、そしてそれは直ちゃん(山崎さん)、麻里ちゃん(小此木さん)の役もそうですが、
旅をする二人が出会う人たちというのは、
二人に何かを教えようと思って出てくるのではないのです。
ただ自らのことを話すだけ。
その出会いから二人が何を感じ、それによってどう進もうとするのか。
お客様には彼らと一緒に旅をしていただき、
それを見届けていただくような感覚でお楽しみいただければと思います。
その意味で今回のような狭いスペースというのはピッタリですね!


<続いて女性キャストお三方、山崎直子さん、小此木麻里さん、RiRiKAさんにお話を伺いました>


左からRiRiKAさん、小此木麻里さん、山崎直子さん


おけぴ管理人)今回の楽曲の印象について教えて下さい♪

小此木さん)昭和っぽさもありながらポップな感じですね

山崎さん)そう、ポップで元気な、麻里ちゃんそのままのイメージの曲ですよね、私は自由でワイルドです。

小此木さん)直ちゃんの役は自由なヒッピーですよね、とってもピースフルな感じ!

RiRiKAさん)私は張り上げ系よりすっとした曲担当ですね(笑

おけぴ管理人)お稽古で実際にこのキャストで声を重ねて、いかがですか?

山崎さん)
この作品の音楽はいろんな色、個性が集まった時に完成するように出来ている気がします。
今回、本当に個性色々で、ただもう感無量ですね。

小此木さん・RiRiKAさん)うんうん、本当に!感無量!

おけぴ管理人)この作品の中で感じたことがあれば教えて下さい

小此木さん)
直ちゃんが言ってくれたこと、そうだなぁとすごく共感したことが“自然と人間の共生”!

山崎さん)
これは自分のテーマなのですが、
自然と人がどういう形で共に生きていったらいいのか。
ということをいつも考えさせられるのですが、
この作品の中にもそのヒントがいっぱい隠されていそうですし、
自分も教えてもらうことがたくさんありそうです。


<最後に、演出の前嶋ののさんに作品の魅力をお伺いしました!>

とにかく、みなさんの歌が素晴らしい!
優れた音楽、まずその良さをそのまま提示し、楽しんでいただきたいです。
そして、30代半ば、自分の人生に対する煮え切らなさを抱え、
本当の自分に蓋をして生きている人たちがトレイルしていくことによって
それをどういう風に乗り越えるのか、一歩前に進みだすのかというところが戯曲の面白さです。
そんな、過去の自分に向き合いつつ、
次を目指していくというところも楽しんでいただけたら嬉しいです。

<公演情報>
2012年2月23日~28日
新宿スペース107にて

<キャスト>
藤岡正明 RiRiKA 四宮貴久 山崎直子 小此木麻里岡 幸二郎

<オーケストラ>
村井一帆(Piano/Conductor)
帆足彩(Violin)
中山彰太(Guitar)
松澤みすず(Contrabass)

<スタッフ>
脚本:クリスティ・ホール Christy Hall
作曲/作詞:ジェフ・トムソン/ジョーダン・マン Jeff Thomson/Jordan Mann
演出:前嶋のの
音楽監督:村井一帆
翻訳:四宮貴久

<上演時間>
1幕 約1時間
休憩 10分
2幕 約1時間15分

公演HP:http://www.trailsthemusical.jp

<余談>
TRAILS脚本のクリスティ・ホールさんは、
なんとHymn’nというファッションブランドのモデルもされています!
→こちらの女性です!美しい~ http://www.workworks.co.jp/


<参考>
The NEW YORK MUSICAL THEATRE FESTIVAL(NYMF)
毎年NYで開催される新作ミュージカル約30作品を紹介するフェスティバル。
(これまでは秋の開催が続いていたのですが、今年は7月開催)
複数の小劇場を会場とし、それまでに各地で試演を重ねた
完成度の高いフルバージョンでの上演もあれば、
リーディング(役者が台本を手にしての上演)とコンサートを
合わせるようなスタイルでの上演などもあります。
どの作品も、その後のオフブロードウェイやオンブロードウェイへの進出を
目指す原石のようなミュージカルたちです。
今回の「TRAILS」は、2010年のNYMFにおいて
音楽部門優勝、作詞部門準優勝など4部門にて賞を獲得した、
今まさにホットな作品といえます。


おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人

2012年02月12日

12/02/12 こまつ座「雪やこんこん」稽古場レポ

2012年2月12日(日)16:00
井上ひさし生誕77フェスティバル2012第2弾
こまつ座「雪やこんこん」稽古場レポ

難しいことは一切抜きで、明るくあたたかく、
それでいながら井上戯曲ならではの「芝居的」な仕掛けに見事にしてやられる爽快感!

井上ひさしさんの「芝居」への愛情たっぷりの今回の物語は、
誰もが知っている名台詞、名調子が盛りだくさんの「大衆芝居劇団の舞台裏」。
笑って泣いてジーンとしてまた笑い、と心底楽しい人情喜劇です!

舞台は、とある旅館に併設された芝居小屋「湯の花劇場の楽屋」。

大衆劇団「中村梅子一座」の女座長・中村梅子役の高畑淳子さん。
見事な貫禄、気風の良さ、中村梅子の心意気に惚れました!
役柄にぴったりのハマり役です!
見栄を切ったり、立ち回りを演じたりと大奮闘。
名台詞で語る「瞼の母」は流石の一言!
劇中の台詞にもありますが思わず「ああ、いい台詞だねえ」といいたくなります!

旅館の女将・佐藤和子を演じるのがキムラ緑子さん。
高畑淳子さんとキムラ緑子さん、このお2人の台詞まわしは
「ずっと聞いていたい!」と思わせるような魅力がいっぱいで、
思わず引き込まれて見入ってしまうこと間違いなしです!
また、キムラ緑子さんの剣さばきのかっこいいこと!
啖呵をきる姿にもスカッとしますよ!

つっころばしの二枚目役を演じるのは今拓哉さん。
ミュージカル界ではお馴染みの今さんですが、
こまつ座のお芝居をよく見にいらしていたという今さん、
満を持してのこまつ座作品初登場です!
今さんの着流し姿、股旅踊り、これがまたよくお似合いなのでございます!

今さんの合方の女形役者を演じる村田雄浩さん。
おねえ言葉で完璧なセリフ回し。面白すぎます!!うまいっ!
テレビや映画でもお馴染みの村田さんの“あの”表情。
稽古を見つめるスタッフさんにも笑顔が広がります。

新井康弘さん(元・ずうとるび!!)演じる番頭さんや、
ナイスキャラのお囃子方・宇宙(たかおき)さん、
表情豊かに駆け回る女中お千代、高柳絢子さん、
キセルをつける仕草も粋な一座の番頭・金内喜久夫さんなど、
みなさんのキャラがとにかくぴったり。
座員役の山田まりやさんの現代ッ子的なちゃっかりさも可愛い♪

方言や言葉遊びなど、バラエティに富んだ「日本語」や「芝居ことば」がたっぷり。
演出の鵜山仁さんは、井上ひさしさんの書いた台詞の一字一句にまで
こだわって細かく演出をつけて行きます。この丁寧な作り込みがあるからこそ
「聞いていて気持ちのいい日本語芝居」が出来上がるんですね。
日本語に対する井上さんの「こだわり」を引き継ごうとする鵜山さんの思いを感じました。

演出の鵜山仁さんがこだわる井上ひさしさんの残した美しい「日本語」。
日本の演劇界に受け継がれてきた
宝物のような芝居の名台詞が雪の華吹雪のように舞い散る「雪やこんこん」。

“細工は流々、仕上げを御覧じろ”
空の上から井上ひさしさんのこんな声が聞こえてくるような気がした管理人でした♪

中村梅子一座の運命はいかに!
大衆劇団の魅力をいっぱいに詰め込んだまさに“芝居”そのもの!な芝居!です。
どうぞ劇場でたっぷりとぉぉ、チョンッ(拍子木)、お楽しみくださりませ!

井上ひさし生誕77フェスティバル2012第2弾
こまつ座第96回公演 紀伊國屋書店提携『雪やこんこん』
2012年2月19日~3月11日 紀伊國屋サザンシアターにて
作:井上ひさし
演出:鵜山仁

出演:
高畑淳子/金内喜久夫/今拓哉/村田雄浩/山田まりや/宇宙/高柳絢子/新井康弘/キムラ緑子

公演HP


おけぴ取材班:mamiko、おけぴ管理人 舞台写真提供:こまつ座

2012年02月13日

12/02/13 OSK日本歌劇団・桜花昇ぼるさん&牧名ことりさんミニインタビュー

2012年2月13日(月)お昼
OSK日本歌劇団・桜花昇ぼるさん&牧名ことりさんミニミニインタビュー@おけぴオフィス

バレンタインデー前日のおけぴオフィスに素敵なお客様が!

昨年、8年ぶりとなる東京公演で鮮やかなレビュー愛を見せて下さったOSK日本歌劇団。
そのOSKの男役トップスター・桜花昇ぼるさんと、
娘役の牧名ことりさんがいらしてくださいました!


左:桜花昇ぼるさん 右:牧名ことりさん

お2人がいらした途端、パアーっと華やかな空気に包まれるオケピオフィス♪

おけぴ管理人)
今回は男役トップスター桜花さんが東京に初登場する
グランドファンタジー「ADDIOアッディーオ」@三越劇場、
いよいよ2月22日に開幕ですね!

桜花さん)
トップになってからは初めての東京公演です。
近鉄時代に東京公演はありましたが、その時はまだまだ下級生でしたから。

おけぴ管理人)
第1部の「ADDIO アッディーオ」はオペラを元にした作品ですね。

桜花さん)
ジュゼッぺ・ヴェルディのオペラ「レニャーノの戦い」を
OSK風にアレンジしてもらったミュージカルです。
いろいろな人間模様が描かれている中の三角関係の悲劇ですが、
見どころは・・その「悲劇」っぷりです(笑)。
誰も悪くないのに時代と戦争、少しのタイミングの差でかけ違ってしまった悲劇ですね・・。

第2部のレビューでは、その分おもいっきり楽しんでいただきたいと思います!

おけぴ管理人)
大阪公演より、出演者数が増えているとお聞きしたのですが

桜花さん)
第2部のレビューに4人増えて17名で踊ります。
大阪公演ではなかったラインダンスも加わっています!

おけぴ管理人)
OSKの群舞、ステップは本当に観ていて気持ちよくて、
特にラインダンスは大好きなのでとっても楽しみです!

おけぴ管理人)
最後に、一番見てほしいOSKならではの魅力を教えてください!

桜花さん)
私たちの「団結力」ですね。
OSKのパワーをみなさんにお届けして、元気になって帰っていただきたいと思います。

牧名さん)
前回の「桜NIPPON・踊るOSK!」では1部、2部ともレビューを見ていただきましたが、
今回はOSKの「お芝居」もぜひ楽しんでいただきたいと思います。
OSKというと、どうしても踊り、レビューというイメージが強いと思いますが、
お芝居もやるぞ!というところを見ていただきたいですね。

おけぴ管理人)
ありがとうございました!楽しみにしております!
お忙しい中、最後に桜花さん牧名さんから動画でメッセージをいただきました♪

今年、創立90周年を迎えるOSK日本歌劇団。
トップスター・桜花昇ぼるさんが東京の劇場に初登場する
「グランドファンタジー ADDIOアッディーオ」「Dance of Joy」は、
2月22日~26日まで三越劇場にて上演。


上が桜花昇ぼるさん、右が桐生麻耶さん、下が牧名ことりさん

第1部はヴェルディのオペラ「レニャーノの戦い」を題材とした
ミュージカル「ADDIO(アッディーオ)」。
舞台はイタリア、ミラノの小国。
近郊の国々と同盟を組み強大なローマ帝国軍を相手に戦う男たちと
その周りを取り巻く女性たちの祖国への愛、家族への愛が描かれます。
戦争の絡んだ三角関係という少し重いテーマですが、
城内の女中たちの陽気な歌と踊りや華やかな結婚式など、楽しいシーンも満載。
タイトルの「ADDIO」は、日本語にすると「さよなら」ですが、
イタリア語でよく使われる「チャオ」や「アッリヴェデールチ」とは違った、
もっと特別な意味があるとか。
その言葉の意味の深さは、ぜひ物語の結末から感じ取って下さい。

そして第2部はレビューショー「Dance of Joy」
第一部とはうってかわり、歌って!踊って!弾けます!

桜花昇ぼるさんの男装のかっこよさと女性的妖艶さも備えた貫禄のソロ!!や、
頭の先から足の先まで全てが男っぽくてカッコいい!の一言の桐生麻耶さんの歌・ダンス、
牧名ことりさんをはじめ娘役さん達のセクシーな群舞や、これぞOSKなラインダンス!
アラビア風の魅惑の踊りやパリのコミカルな光景など、様々な表情を見せるこれぞOSKレビュー。
盛りだくさんの内容に加え、豪華な衣装と客席降りのサービスもお楽しみに!

昨年のOSK東京公演舞台稽古レポ
OSK日本歌劇団公式HP

p.s. 牧名ことりさんからバレンタインチョコをいただいて幸せの管理人です♪
顔の大きさが違い過ぎますね(笑)

2012年02月14日

12/02/14 DANCIN' CRAZY2稽古場レポ

2012年2月14日(火) 16:00
『DANCIN' CRAZY2』稽古場レポ


左から湖月わたるさん、風花舞さん

ACT1は史上初!女性キャストのみの「CHICAGO」ミュージカル・セレクションズ!
ACT2はダンスの名手として名をはせた宝塚出身のスター女優たちによる
“どんな男たちよりもハンサムで、どんな女たちよりも凛々しい”
珠玉のダンスショー「All NewDANCIN’ CRAZY!」

この贅沢で夢のようなショーのお稽古場にお邪魔してまいりました。

">
左から風花舞さん、湖月わたるさん、朝海ひかるさん、星奈優里さん

まず拝見したのはACT2のお稽古。
2007年の大人気ショー「DANCIN’ CRAZY」を、
“All New”の文字通り、新しい構成で作り上げています。
踊り手は、男役の湖月わたるさん、朝海ひかるさん、
パートナーに風花舞さん、星奈優里さん。

男役のお二人は、ソロダンスとデュエットダンスで出すオーラが違います。
コレデモカというほどにカッコイイオーラ全開のソロダンス、
目線、振る舞いともに、パートナーへ向けられた
大きな優しさが魅力のデュエットダンス
乙女のキュンキュンするツボを突きまくりのイイ男っぷり!


湖月さんはその長身を生かしたダイナミックな動き、リフトも素敵な“ダンディ”な男


朝海さんはバレエを基調にしたシャープで凛々しい動きがお似合いの“クール”な男

それぞれ個性的な男っぷり!


この日のお稽古は名倉加代子先生による振り写しが行われていたのですが、
先生がその場で(!!)振りを作り、それを踊り手に伝えていくのです。
タンタタン、ここでキック、ターンターンというように、
実際に動きながらの振り写し!!


写真右が名倉加代子先生。拝見していて先生のファンになった管理人です

朝海さん&星奈さんのカップルが歌っている間は
湖月さん・風花さんカップルが踊り、
次はその逆に・・と交互に繰り返すので、
常に踊っているか歌っているか。しかも歌いながらの振りもあるのです。
それを一体どうやって身につけるのだろうかと思っていたら、
先生が他の人(ペア)の振りをつけている間に、
先ほど新たにつけられた振りを繰り返し繰り返し復習し、
次に通してみる段階ではある程度身体に記憶されている。
そのスピードにただただ驚くばかりでした。

続いて、既に振付が済んでいるメドレー部分、こちらはご出演のみなさんが参加!

群舞の華やかさ!圧巻です。

ナンバー毎に描かれる世界観がぶわーっと伝わってきます。


そして!
ついにはじまりました
ACT1「Razzle Dazzle Musical Selections from CHICAGO」のお稽古が!

みなさんが黒を基調としたお稽古着に着替えられ、
ピアノ&パーカッションも生演奏!
何といっても、女性だけの「CHICAGO」です。
「CHICAGO」日本公演にも関っておられた演出の吉川徹さん、
音楽監督・指揮の上恒聡さん、振付スーパーバイザーの大澄賢也さんら
“CHICAGOスペシャリスト”のもと、“徹底的なクオリティの追求”がなされています!

3月の公演に向け12月半ばからお稽古を始められているという異例の稽古期間!
目指すべきゴールの高さが感じられます。
まず、天才振付師ボブ・フォッシー独特の表現スタイルの習得、
同時になぜそうなのか、その意味を理解するための時間でもあります。

この作品の中では、人間の表裏などの二面性が描かれています。
そんな二面性を肉体、緊張と緩和で表現されているのも
フォッシースタイルの特徴であると大澄さんから説明がありました。

指先からつま先までピンと力が入ったような型が一般的だった中で、
背中にはキュッと力が入っているが、一方で腕はぶらりと脱力している。
そのなんともいえない“アンバランス”こそがフォッシースタイルなのだと。

その表現が型としてピタリとはまり、
動きが身に付くとなんとも気持ちがよいそうで、
大澄さん曰く「僕はもう中毒・笑」。
表現する側も、観る側も、人の心を捉えて離さない魅力の秘密は
その辺りにありそうです。

観る側はこのように期待に胸を膨らませるのですが、
実際にそこに挑むのは本当に肉体的にも精神的にもタフさが求められます。
動きを身につけ、“振り”を踊ること、
その上に求められるのは一人一人が強い個性を持つ役を演じる、表現すること。
舞台上ではもの凄いエネルギーのぶつかり合いです。
そのことをまさに間近で体感したお稽古場でした。

もちろんボーカルも入ります♪
作品の象徴とも言える“ALL THAT JAZZ”のシーンを拝見しましたが、
やはり曲もいい~、思い出しただけでクラクラです・笑

今後はお稽古場に、ブロードウェイ、ウェストエンドなど
世界中の「CHICAGO」を手掛けたクリエイティブチームも合流するというから…
さらにすごいことになっていきそうです!
熱い稽古場ブログも要チェック!)

第一部と第二部で、2作品たっぷりと楽しめるこの構成。
今回の稽古場レポでご紹介した写真は、第二部のほんの一部シーンです。
ぜひ劇場で、たっぷりと楽しんできて下さい!

<公演日程>
2012年3月17日(土)から20日(火) 梅田芸術劇場メインホール
2012年3月23日(金)から25日(日) Bunkamuraオーチャードホール

<出演>
湖月わたる朝海ひかる
風花舞星奈優里
秋園美緒百花沙里珠洲春希牧勢海桐生園加美鳳あや彩海早矢真波そら大凪真生祐澄しゅん大月さゆ
(スペシャルゲスト)姿月あさと
(スウィング)美影凜光海舞人

公式HP:http://www.umegei.com/dc2/index.html
おけぴ製作発表&インタビューレポ:http://okepi.jp/kangeki/2011/12/20111223.html

帽子を取って、華麗に・・・

あらら、帽子がコロコロと・・




おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人

2012年02月15日

12/02/15 「菊次郎とさき」製作発表レポ

2012年2月15日(水)
「菊次郎とさき」製作発表レポ

テレビの人気シリーズ、待望の舞台化!!
ビートたけしさん原作の破天荒な父と
愛情深く教育熱心な母を中心とした北野家の物語。
お披露目公演も開催される、たけしさんの地元、
足立区にあるシアター1010にて舞台版「菊次郎とさき」の製作発表が行われました。

2001年のスペシャルドラマ、その後人気ドラマシリーズ(全3シリーズ)として
お茶の間に笑顔と涙をお届けしたこの作品。
飲んだくれで破天荒な父・菊次郎と
”貧乏の輪廻を打破するのは学問しかない”と信じ
貧しい暮らしの中でも子どもの教育には金を惜しまない母・さき、

貧しいながらも子宝に恵まれた北野家のパワフルで激しいエピソードの数々を織り交ぜながら、
家族の絆や愛情を描きます。

タイトルロールの二人を演じるのはドラマに引き続き、
陣内孝則さん(菊次郎)と室井滋さん(さき)。
まるでお話の中から飛び出したかのように舞台の扮装で登場され、
会見の中でも息の合ったところを随所に見せてくれました!

作品への意気込みは!

~陣内さん~
「私のキャリアの中で、一番”もうやらないの?”と言われる作品です。
いろんな方から言われますが、驚いたことに、
先日、竹野内豊くんからも言われまして・・・
ああいう天下の二枚目はこういう二枚目に憧れるのかなと思いました(笑)!」

(場内爆笑!)

「昭和の原風景の中で繰り広げられる、乱暴だけど家族の絆が強い人間ドラマ。
こういったハートウォーミングな喜劇はみんなを元気に出来ると希望を持ってこの作品をお届けします。」

いつもサービス精神旺盛な陣内さん、会見でもまずは笑いを巻き起こしてくれました!
陣内さんご自身が四代続いた大工の家の生まれで、
育った環境が北野家の風景に通じるところもあるそうです。
お父様を演じているようだとお話された陣内さんが見せる菊次郎!お楽しみに!

~室井さん~
「私も陣内さんと同じで、街を歩いていても
”さきちゃんやらないの?”とよく肩をたたかれます。
舞台が決まってからも周りの多くの方が喜んでくださっています。
こういった家族愛の作品。(演じることで)自分たちも元気になりたいですし、
みなさんに家族で見に来ていただき、泣いて笑って、
“明日もがんばろうと!”と思っていただけたらうれしいです。」

舞台版では、テレビでは描かれなかった
菊次郎とさきの出会いから描かれるとのことですがそれについては、
「若いころ、二十歳前後からスタートするらしいのですが、
まぁ、大変危険なことをしますよ(笑)。
先ほど(舞台)袖でもその話題になりましたが、
“つけまつげはしないけれど色々と細工はする”と言われました(笑)」

それにはすかさず、陣内さんから
「そこはお互いコレで!」
と、腕を叩くという一幕も。

室井さんのたくましい“さき”も楽しみですが、
母になる前の初々しい娘姿も乞うご期待!

30年来のお付き合いで気心知れた仲というお二人の絶妙なコンビネーション、
3ヶ月にわたる全国公演で日本中を元気付けてくれそうです!
原作者のビートたけしさんからも舞台化にあたり、
新エピソードや激励の言葉が届いているとのこと、
ますますパワーアップした北野家の人々に会いに行きましょう!

「心温まる爆笑喜劇!お待ちしております!」(お二人より)

<公演情報>
地元お披露目公演 2012年3月24日、25日 シアター1010にて
大阪公演 3月28日~4月1日 新歌舞伎座
福岡公演 4月6日~4月28日 博多座
富山公演 5月3日 クロスランドおやべ/5日 富山県民会館
名古屋公演 5月8日~16日 中日劇場
東京凱旋公演 5月19日~27日 ル・テアトル銀座by PARCO

<キャスト>
陣内孝則
室井滋
風間トオル/梨本謙次郎/濱田マリ/つまみ枝豆/音無美紀子ほか

<物語>
大正12年、菊次郎とさきは所帯を持った。
さきにとっては義理の母にあたる北野うしの強い勧めによる結婚だった。
しかし、その結婚は前途多難。漆職人の菊次郎は、
普段は借りてきた猫のように大人しいが、酒を飲むと豹変し大暴れする。
おまけに金遣いも荒く、さきが頑張って繁盛させてきた日暮里の用品店もとうとう人手に渡る羽目に・・・。
一家は夜逃げ同然に足立区梅島へ移り住むことになる。
新天地で再出発のつもりだったが、菊次郎は仕事にあぶれ、
何とかさきが内職で一家を支える貧しい暮らしが続く。
それでもさきはへこたれない。やがて菊次郎はペンキ職人に転向。
ようやく仕事にも有りつけるようになっていくが、
日本は暗い時代へと突入する。日中戦争、そして、太平洋戦争へ。

時代の荒波に飲み込まれ、赤貧洗うが如しの北野家だったが、子宝には恵まれた。
総領息子の重一、長女の安子、次男の大、そして三男の武。
一家七人は終戦後の貧しい時代を逞しく生き抜いていく。やがて日本は高度経済成長へ―。

迎えた昭和32年。時代の波に乗り損なったか、北野家は相も変わらず貧乏だった。
『貧乏は輪廻する』という独自の哲学のもと、貧乏から脱出するには学問しかないと信じ、
貧しい暮らしの中でも子供の教育には金を惜しまないさきは、
遊ぶことばかり一生懸命の小学校五年生になった武をどやしつけ、勉強させようと躍起になる。
だが、素直に母の言いつけに従った兄姉とは違い、武はそんなさきに猛烈に反抗する。
さすがのさきも手を焼く。一方、「職人の倅に学問なんか要らねえ」と菊次郎は、
子供の教育にばかり熱中して二言目には「父ちゃんみたいになりたくないだろう」
と子供達をどやしつけるさきが気に入らず、酒を飲んでは大暴れする毎日だった。

<作品HP>
http://www.tohostage.com/kikujirou/index.html


おけぴ取材班&撮影:chiaki 監修:おけぴ管理人

2012年02月19日

12/02/19 ミュージカル「ジキル&ハイド」稽古場レポ

2012年2月19日(日)13:00
ミュージカル「ジキル&ハイド」稽古場レポ

音楽の虜になるとはこのことです♪
感情や心情を思いっきりのせた迫力ある大ナンバーから、
音とエネルギーの強弱で織りなす、力強いアンサンブルナンバーまで
何度でも聞きたくなるドラマティックなワイルドホーンの楽曲、素敵な歌声!
興奮のお稽古場レポ(シーン的には主に一幕前半部分)をお届けいたします!


左から石丸幹二さん、濱田めぐみさん、吉野圭吾さん。後ろはKENTAROさんと岡村さやかさん


最初にストーリーをざっくりとご紹介しますと・・・
舞台は1888年秋、ロンドン。主人公は医者のヘンリー・ジキル。
ジキルは、精神を病んだ父を、元に戻したい一心で、
人間の心に潜む”善”と”悪”の2つの人格について研究をはじめ、
ついに善と悪を分離できる、ある薬を開発します。
ジキル自ら実験台となり、現れたのが、悪の塊のような”ハイド”。
同じ人物の中に誕生した、全く性格の異なる”ジキル”と”ハイド”。
街中で次々と起きる事件・・・・婚約者エマや娼婦ルーシーは・・・


このジキル役とハイド役を演じ分けるのが、石丸幹二さん。
品のある華やかな立ち姿、伸びやかな声と精悍な力強さ!
歌声はもちろんのこと、表情、芝居が素晴らしい!
今回のお稽古場では、”ハイド”のお顔が拝見できなかったのが残念ですが、
それは本番でのお楽しみですね!(”ハイド”に変わる瞬間がとても楽しみ!)


ジキルの婚約者エマ役は、笹本玲奈さん。
キリッとした芯の通った美しさ!
婚約パーティーのシーンでは、
石丸さんの伸びのある歌声に、
笹本さんの高音が包み込むように重なり、
二人のハーモニーに心が高ぶりました!


そして色気ムンムンの娼婦ルーシー役が濱田めぐみさん。
艶ややかな強弱をつけた歌声や、喉をならすような変幻自在の歌声!!
パブ「どん底」シーンでの娼婦たちの絡みも楽しい♪
小道具を巧みに使った動きやダンスの誘惑にドキドキ!


ジキルの親友アターソン役・吉野圭吾さん。
ジキルのことをいつも気にかける優しさと紳士的な立ち振る舞いが素敵です♪
石丸さんの声とも好対照でキャラクターともぴったり!


秘書官ストライド役・畠中洋さん。
ジキルとの対立やエマへの忠告など、
気迫がものすごい!息が荒いっ!


ダンヴァース卿役には中嶋しゅうさん。
娘エマの幸せを願う姿がとても切ない。さすがの演技力です!


左から中嶋しゅうさん、石飛幸治さん、石山毅さん、石丸幹二さん


アンサンブルさん達が集うナンバー”嘘の仮面”は圧巻でした(この曲大好き!)!
強弱を極端につけたストップモーションからの動き、歌声の緊張感、
視線がパっと止まった瞬間は鳥肌ものです!
緻密に作り上げられていた人々の関係性や、ステージの導線、動きも見事でした。
引きこんでは吐き出されるエネルギーの繰り返しに、目が離せないナンバーです♪


高さを使った、取り囲まれるようなセットにも圧倒されます。

それぞれの関係性、思惑、物語の深さを説明する演出の山田和也さん。
導線や、動きの強弱をつけていく振付の広崎うらんさん。
ブレスの位置、声の圧のかけ方を、自ら歌いながら指示する指揮の塩田明弘さん。
三者三様の切り口から、丁寧に丁寧に作品が作り込まれていました。

今回、オケピットが通常の位置ではないため、指揮の塩田さんとの、
”きっかけ”の確認も念入りに行われていました。
場合によっては芝居先行、歌先行で、そこにオケが合わせたりもします。
この”きっかけ”(歌い始め)がぴたっと気持ちよくきまるのも、生オケならではですよね。

「このシーンは音楽が(よどみなく)流れるので、芝居も流れを止めないでいこう!」
芝居と音楽、どちらか一方が先走っても成立しない、
融合してこそ作品の魅力が2倍にも3倍にもなるのだと実感しました。
音楽と芝居が一体化!した瞬間の吸引力はモノ凄いですよね♪

4度の再演を重ね、
キャストを一新して新たに蘇るミュージカル「ジキル&ハイド」。
超ビッグナンバー”時が来た(原題This Is The Moment)”は
絶対聴いたことがあると思いますが、
とにかく全ナンバーが素晴らしく、
作曲家フランクワイルドホーンの代表作でもあるミュージカルです。
そしてプリンシパルはもちろん、アンサンブル陣も素晴らしい布陣!
お見逃しなく!

↓↓公式HPで公開されていたお稽古場映像もどうぞ!

<公演情報>
東京公演は2012年3月6日~3月28日まで日生劇場にて
大阪公演は2012年4月6日~4月8日まで梅田芸術劇場にて
名古屋公演は2012年4月14日~4月15日まで愛知県芸術劇場大ホールにて

演出:山田和也
原案・原作:R・L・スティーヴンソン
音楽:フランク・ワイルドホーン
脚本・作詞:レスリー・ブリカッス
出演:
石丸幹二/濱田めぐみ/笹本玲奈/吉野圭吾/畠中洋/花王おさむ/中嶋しゅう
KENTARO/石山毅/石飛幸治/若泉亮/岡田静/山田展弘/寺元健一郎/二宮優樹/吉田朋弘
松岡美桔/島田彩/やまぐちあきこ/山中美奈/関谷春子/岡村さやか

公式HPはこちら



石飛幸治さんのMっぷりが最高な"どん底"のワンシーン♪

おけぴ取材班:ayano、chiaki、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人

12/02/19 モダンスイマーズ「ロマンサー~夜明峠編~」稽古場レポ

2012年2月19日(日)
モダンスイマーズ公演
「ロマンサー~夜明峠編~」稽古場レポ

2月23日に初日を迎える劇団モダンスイマーズ公演「ロマンサー~夜明峠編~」
蓬莱竜太さんが1年半ぶりに劇団に書き下ろす新作公演、
劇場入り直前の通し稽古を拝見してまいりました!

物語の舞台はおそらくそう遠くはない過去の、
日本のどこかであろう、ある北国の峠。
人喰い熊に襲われた里の人々が、
峠に棲む一家に避難するよう勧告しにやってきます。

「闇喰い(やみくい)」と呼ばれる熊、
そして熊を仕留めるため山へやってきたマタギ、
山奥で人目を避けるように暮らすある家族。

まるで白土三平さんの劇画の世界のような設定!
これまでの蓬莱作品とはひと味違う予感が漂います。

外の人間とほとんど接することなく
自給自足の暮らしを続けてきた一家の長男・コロクを演じるのは
モダンスイマーズの古山憲太郎さん(上の写真左から2番目)
口数少なく、うつむきがちなコロク。
しかし心の中に潜む何か強い想いや違和感などを
視線の動かし方やちょっとした体の動きで丁寧に表現していく古山さん。


幼なじみのツグミを演じる佐藤めぐみさんのまっすぐな魅力が眩しい!


登場人物は10名。
全ての人物の背景に物語があり、様々な葛藤が見え隠れします。

哀しい目的を持って山へ来たイヌイを演じるのは
モダンスイマーズ小椋毅さん(上の写真左)。
抱えているであろう大きな絶望、
ギリギリのところで毅然とした態度を保っている姿、
3月の大災害と重なるような設定に胸が締め付けられました。


こちらは座長の西條義将さん(モダンスイマーズ)。
情けなく可愛らしいような背中に哀愁漂いまくりです!
その視線が見つめる先は・・。


客演の千葉哲也さんと松永玲子さん(ナイロン100℃)、このお2人が大活躍!
演出家としても活動されている千葉さん(最近では「寿歌」を演出されていましたね)。
毛皮の衣裳に鉄砲を担いで、まさしくTHEマタギ!
思わぬ過去と出会い、思いをめぐらすオド役で舞台を引っ張ります。
そして松永さん!パワフル!
おばちゃんキャラで笑わせつつも、実は色々と推しはかり何かに気づいている・・。
そんな細やかな演技で目が離せません。

そう。このお芝居、それぞれの役の抱える背景が深いのです!
決してわかりやすく説明があるわけではないのですが、
きっちりと作り込まれた人物描写で、10名全員の登場人物がそこに「生きて」います。

蓬莱竜太さんならではの、
そして座付きの劇団ならではのディープな世界観。
そこにさらに深みを与えているのがこの方、

石田えりさん!

石田さんが演じるのは峠に暮らす家族の母親・ヒサノ。
一家の頼りになる「母ちゃん」であり、
緊急事態にただ一人冷静に対処する「リーダー」であり、
過去に秘密を持つ「女」であり・・。
まるで石田さんのために書かれたようなヒサノ役を、
ごく自然に、演技ではないように魅せてくれます!

上の写真右は、はじめて触れる「ある感情」に胸を踊らせるタケを、
フレッシュに演じる斎藤ナツ子さん。
この舞台、女優さん4人それぞれが、違った魅力を持っていて見ごたえがあります!


自由すぎるトラブルメイカー・シンタを演じる宮崎敏行さんや、


堅実な演技でガチっと脇を固める文学座・粟野史浩さんの美声にもご注目を♪


立場も考え方も違う人々が
「人喰い熊」の出現によって集まり
その思いが複雑に絡み合う・・そして生まれる奇妙な調和。
熊退治のお話かと思いきや、
そこに描かれていたのはやはり「人間」の姿でした。
時代の設定や、役柄の世代の幅など
これまでのモダンスイマーズの作品から
またひとつ先へ進んだような印象を受ける「ロマンサー~夜明け峠編~」
蓬莱竜太さんがライフワークとして3部作の構想で描く物語の序章となる舞台です。

モダンスイマーズ以外の舞台でも引っ張りだこの蓬莱さんですが、
今回の作品は劇団公演ならではの純度100%・蓬莱ワールド。
観る人によって様々な受け止め方の出来そうな余韻の持たせ方にもしびれます!
奥行のあるシアタートラムならではの舞台の使い方や、
色調を抑えたセット、衣裳もお楽しみに!

モダンスイマーズ公演「ロマンサー~夜明け峠編~」
2012年2月23日~3月4日までシアタートラムにて上演。

作・演出:蓬莱竜太
出演:
古山憲太郎/小椋毅/西條義将
石田えり
佐藤めぐみ/千葉哲也/松永玲子(ナイロン100℃)/粟野史浩(文学座)/斎藤ナツ子/宮崎敏行

<あらすじ>
峠で暮らすヒサノ(石田えり)は3人の子供達の自給自足で
慎ましくも穏やかに暮らしていた。
ある日、山の里から三座(西條義将)と犬井(小椋毅)が
マタギの夫婦(千葉哲也/松永玲子)とその弟子(粟野史浩)と共にに訪れる。
“闇食い”と呼ばれる巨大なクマが里の集落を遅い、
多くの命を奪われるが残された住人は
再び襲来されることに怯え、クマ狩をすることになったわけだが、
犬井はその為にヒサノ一家に避難とクマ退治一行の根城ととして、
家を明渡すことを求める。
不意の来訪者たちに対して里から差別され、
激情を露に激しく反対するシンタ(宮崎敏行)、
シンタの過剰なまでの反応とは裏腹に里の男に興味を抱きながら
当惑するタケ(斎藤ナツ子)、
その反応はそれぞれだが、戸惑いながら
母、ヒサノの決断を仰ぐコロク(古山憲太郎)との言葉に、
ヒサノは立ち退かないが納屋を提供することで協力の意志を伝える。
険悪なムードの中で奇妙ともいえる共同生活が始まるが、
そんなことを知らず海の里から兄妹たちの幼馴染のつぐみ梓(佐藤めぐみ)
もそこに加わり、それぞれの思いはやがて
彼らの関係にも変化をもたらし始め、浮かび上がる意外な真実。
やがて抗うことのできない自然を目の当たりにした時、
彼らは思いがけない結末を迎える。

<公演HP>
http://www.modernswimmers.com/nextstage.html



おけぴ取材班:mamiko 監修:おけぴ管理人

2012年02月22日

12/02/22 OSK日本歌劇団「ADDIO」「Dance of Joy」公開稽古レポ@三越劇場

2012年2月22日(水)10:30
OSK日本歌劇団「ADDIO」「Dance of Joy」公開稽古レポ@三越劇場

OSK日本歌劇団の東京公演、
昨年はレビュー&レビューでしたが、
今回はミュージカル&レビューです!


桜花昇ぼるさん(左)と牧名ことりさん(右)

第一部はヴェルディのオペラ「レニャーノの戦い」をOSK風にアレンジしたミュージカル。
見所はその”悲劇っぷり!”と主演ロランド役の桜花昇ぼるさんがおっしゃっていた通り、
ザ・悲劇ですが、そこに至る心情の変化、過程を、わかりやすく楽しめる作品です。
(原作はヴェルディのオペラ。確かにこういう悲劇ってオペラっぽい!)


指揮官ロランド・桜花昇ぼるさんの友情と愛情の想いに胸を突かれ、


リーダ(牧名ことりさん)の歌声が心にぐさっと響き、


アリーゴ(桐生麻耶さん)に涙!


歌とお芝居のバランスもほど良く、
それぞれのキャラクターに見せ場もたっぷり。
衣裳も重厚感たっぷり!
下の写真はキーマン4名!
左から楊琳さん、平松沙理さん、蒼音淳さん、美砂まりさん♪


中でも兵士ダヴィデ・楊琳さんの役所とクールなお姿が印象的でした!


様々な葛藤の中での人間関係が切なく、
それでいて華やかに描かれた「ADDIO」。
まずはたっぷりと、どっぷりと悲劇にお浸り下さい!


そして!
休憩の後のレビューショーは、
あっという間に感じられる”ダーンスオーブジョーイ♪”

ブンブンブン♪
衣装、キラッキラです!
シルエットも美しい!
客席降りもたっぷり!

ぜひ劇場でお楽しみいただきたいので、
写真はあえて少なめにしておきますね。

ビシっと決まる男役陣!


セクシーな娘役さんたちのラインダンス!


牧名ことりさん、美しい!歌声にもうっとり♪


~終演後の囲み取材~

第一部のADDIOの見所について聞かれた桜花昇ぼるさん、
”この三人ですからね、
三人が一番悩み一番葛藤したトライアングルの人間模様ですね”

それを受けて、桐生麻耶さん。
”第一部は良い意味で(笑)フラストレーションを抱えますので、
そのエネルギー、切なさを、ドーンと第二部で爆発させたいですね”

はい、まさに、第二部は
第一部で内燃していたエネルギーが解き放たれたようなレビューでした!

今年創立90周年を迎えるOSK日本歌劇団。
この節目の年に、トップスター桜花昇ぼるさん、東京初お披露目!
その魅力をたっぷりとお楽しみいただける公演です。
ぜひお見逃し無く!


左から桐生麻耶さん、桜花昇ぼるさん、牧名ことりさん

おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人

12/02/22 THE BEE 記者発表会レポ

2012年2月22日 
野田秀樹演出「THE BEE」English Version & Japanese Version合同記者発表会

野田秀樹さんが海外の劇作家・俳優との共同作業を経て作り出し、
2006年のロンドン初演も絶賛された「THE BEE」が日本の劇場に帰ってきます!

「9・11」から10年後のニューヨークで上演したいという強い思いで実現した
Englishバージョン・ワールドツアーの凱旋公演、
そして新たな日本人キャストによるJapaneseバージョン全国ツアー公演の
合同記者発表会の模様をリポートいたします。

「6年前に見逃した観客が待っていてくれたのが感動だった」(野田さん)

NY公演の千秋楽では立ち見が出るほどの反響を呼んだという今回のワールドツアー。
再演にも関わらず劇評が掲載されたというロンドン公演、
そして若い観客の反応が良かったという香港公演、
全ての公演地で共通していたのが
「ベリージャパニーズ」という感想だったとか。

「暴力と連鎖というテーマを取り上げた作品ですが、
そういうお国柄だと思われているのかな(笑)。
6年前にはなかった感想ですね」(野田さん)

9・11事件からイラク戦争へと至る「報復の連鎖」というテーマ。
筒井康隆さんの短編小説「毟りあい(むしりあい)」をモチーフに、
妻子を人質に取られたサラリーマンが、
その犯人の妻子を逆に人質に取るというショッキングなストーリーが展開します。

Englishバージョンで、主役であるサラリーマン・井戸役を演じるのは、
独特の身体表現のある演技に定評があり演出家としても活躍している
ローレンス・オリビエ賞受賞女優のキャサリン・ハンターさん。

野田さんとの共同作業について「私の演劇人生のハイライト」と語り、
「ベリージャパニーズという感想は、
あえて果敢に暗闇の中を歩んでいく、そんな意味合いだと思います。
もしくは我々イギリス人は暴力的ではないという皮肉的な感想かも(笑)。
でも実際は暴力というものはどこにでも存在しているものです」
と作品に込められたメッセージを伝えてくれました。

「キャサリンさんの井戸役は本当に嫌な感じです!
僕は女性に向かってこんなにひどいことは出来ない!」(野田さん)
というEnglishバージョン、男女が入れ替わっているキャスティングに注目です。

その野田さんが井戸役に変わるJapaneseバージョンで犯人の妻役を演じるのがこの方、

ロンドン初演を3回も観劇したという宮沢りえさん!
俳優の息遣いまで伝わるような小さな空間
(今回の会場は水天宮ピット)で演技をするのは初めてという宮沢さん。
「自分の想像を超えるような自分に出会いたい。
野田さんと作品を心から信頼しているので不安はありません。」
と、きっぱり。

実に4半世紀ぶり(!)に野田作品に出演するという池田成志さん(写真 上列左)は
「どうして俺を誘わないんだ!と思っていました。
初演も再演も一切観ておりません(笑)
これじゃまずいかなと思って台本だけは読みましたけど」と会場の笑いをさらいます。

それを受けて野田さんも
「成志には何も期待していません!
この役は嫌な奴だなーと思われなければならないので、
彼にはもってこいの役です」と鮮やかな切り返し!

4年前のこの作品で初めて“役者”として舞台に立ったという
コンドルズ主宰の近藤良平さん(写真 上列右)は、
「4年に1回のオリンピックみたいなものです。
前回も今回もなぜやるのか、それはよくわからない。
過去の記憶は全部捨てたのでもう一回はじめからやりたいですね」とクールに決めます。

「夢の遊眠社」解散後はじめての全国ツアーとなるという今回の野田作品。
「東京に集中しがちな演劇公演が地方へと広がるひとつのきっかけになれれば。
地方公演で様々な才能、そして若い観客と出会うのがとても楽しみ」
と語る野田さんの目の輝きが非常に頼もしく、印象的だった合同記者発表会。
現代演劇史に名を残すであろう衝撃作『THE BEE』。お見逃しなく!

<公演情報>
『THE BEE』
English Version
2月24日~3月11日 水天宮ピット大スタジオ

Japanese Version
4月25日~5月20日 水天宮ピット大スタジオ
5月25日~6月3日 大阪ビジネスパーク円形ホール
6月7日~6月10日 北九州芸術劇場中劇場
6月15日~6月17日 まつもと市民芸術館実験劇場
6月22日~6月24日 静岡芸術劇場

<出演>
English Version
キャサリン・ハンター(Kathryn Hunter)/グリン・プリチャード(GlynPritchard)/マルチェロ・マーニ(Marcello Magni)/野田秀樹(Hideki Noda)

Japanese Version
宮沢りえ/池田成志/近藤良平/野田秀樹

公演HP:http://www.nodamap.com/productions/thebee/


おけぴ取材班&撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人

12/02/22 テヅカ TeZukA フォトコールレポ@Bunkamuraオーチャードホール

2012年2月22日(水)19:00
テヅカ TeZukA フォトコールレポ
@Bunkamuraオーチャードホール

森山未來さんが出演するコンテンポラリーダンス「テヅカ TeZukA」の
公開稽古(フォトコール)で冒頭シーンを拝見してきました。

シディ・ラルビ・シェルカウイさん振付のダンス、
上田大樹さんの映像、
ニティン・ソーニーさんの音楽の
コラボレーションで創り上げられるTeZukAワールド。

ゴキ!
 ドカ!
  ズバ!
   ドス!

漫画から飛び出してきたような、映像と音楽とダンスなコラボのワンシーン♪

手塚治虫さんの作品をそのままダンス化するのでなく、
ベルギー出身で手塚治虫が大好きな振付家シェルカウイさんが、
手塚作品からインスパイアされたイメージを
コラージュのようにつなぎあわせて表現していきます。

作品のキーワード的なことについては、公式HPの森山未來さんインタビュー
とても興味深い内容ですので、ご観劇前(後)にぜひご一読下さい♪


写真左側では音楽の生演奏♪

出演するのは、世界各地から選び抜かれたダンサーやミュージシャン、
そして森山未來さん!(下の写真左から二番目)


とっても器用に漫画読んでます↓

もちろん、アトム(下の写真手前!)をはじめ、
ブラックジャック、ピノコ、どろろなど
手塚治虫ワールドのキャラクターも次々登場。

昨年、ロンドンのサドラーズウェルズ劇場で世界初演で幕をあけた、
イギリス・日本・ベルギーの国際共同製作ダンス作品「TeZukA」。
日本公演の後は、再び世界をツアーで巡ります。
日本公演(初演)は2月23日から27日まで、Bunkamura オーチャードホールにて
サドラーズウェルズ劇場のHPでリハ風景などがみれます

p.s. 森山未來さんも手塚治虫さんが大好きで、
森山さんの価値観の4割くらいは手塚治虫さんでできているそうです♪


左から振付のシェルカウイさん、森山未來さん、手塚プロダクション松谷社長

おけぴ取材班&撮影:おけぴ管理人

2012年02月23日

12/02/23 スタジオライフ「OZ」オミクロンチーム ゲネレポ

2012年2月23日(金)
スタジオライフ公演「OZ」オミクロンチーム
ゲネプロレポート@シアターサンモール

樹なつみさんの傑作SFコミックを舞台化したスタジオライフ代表作のひとつ「OZ」。
核戦争後の世界を舞台に理想の科学都市OZをめぐって旅に出る
傭兵ムトーと天才少女フィリシアの愛と冒険を描いた壮大なSFアクション作品です。

7年ぶり3度目の上演となる今回は
主要キャストの入れ替わりや、竜星涼さんら3人の客演を迎えての
2チームで上演されるフレッシュな再々演。

劇団の看板“女優”及川健さんと松本慎也さんが
フィリシアとムトーに扮した
オミクロンチームのゲネにお邪魔してきました!

昨年公演の「夏の夜の夢・十二夜」では、
美しく艶やかなヒポリタとキュートすぎるヴァイオラを演じていた松本慎也さん。
今回は屈強なランクAの傭兵・ムトー役に挑みます。
戦闘服に身を包み銃を構える姿が何とも凛々しく魅力的!


彼に護衛を依頼する天才少女フィリシア博士を演じるのは及川健さん。
16歳の女の子らしいお下げ髪にセーラー服。マスコット付きのポシェットが可愛いっ!


そして二人の前に“OZへの水先案内人”として現れる
機械人間の1019(テン・ナインティーン)。

今回新たに1019役を演じる曽世海司さん。
10(テン)ナンバーと呼ばれる人間型のサイバノイドである彼は、
あるプログラムが自分に組み込まれている事を知らないまま
ムトーやフィリシアと共に旅を続けます。
「人間の感情」に興味を持ち、学んでいく姿。
1019に隠された秘密とは・・。

天才である妹フィリシアに嫉妬する姉・ヴィアンカを演じる
鈴木智久さん(上の写真右)と、その婚約者ケイシー役の緒方和也さん(同写真左)。
ヴィアンカの素直になれない様子に共感する女性は多いと思います!
そして緒方さんのヘタレ役っぷりがなんともツボでした。


傭兵ネイト(上の写真右:堀川剛史さん)と
バイオロイド1024(同写真左:青木隆敏さん)の危険な関係にもご注目。
少女マンガの世界に丁寧に寄り添うスタジオライフならではの愛情を感じます。

そしてOZを作り出した天才科学者・フィリシアの兄リオンの登場によって
物語は一気に核心へ!

リオンを演じるのは客演の林修司さん(ルドビコ★)。
屈折した彼の心に隠された秘密と1019の関係とは・・?


男性ならではのダイナミックなアクションや、
美しく描かれる恋と絆・・。
静かに流れる日常こそ、貴重な時間なのだというメッセージが胸を打ちます。

ゼータチームでムトーを演じる竜星涼さんにも注目です!18歳!
(オミクロンチームにも秘書役でご出演されています)


飢えも戦争もない理想郷「OZ」は果たして実在するのか、
ぜひ劇場でお確かめ下さい!

スタジオライフ公演「OZ」
東京公演2012年2月23日~3月12日 シアターサンモール
名古屋公演2012年3月20日 名鉄ホール
兵庫公演2012年3月22日・23日 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール

原作:樹なつみ
脚本/演出:倉田淳
出演:松本慎也/竜星涼/曽世海司/及川健/関戸博一/林修司(特別出演・ルドビコ★)ほか

公演HPはこちら


おけぴ取材班&撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人

2012年02月24日

12/02/24 舞台「ローマの休日」荘田由紀さんインタビュー

2012年2月24日(金)
「ローマの休日」アン王女役・荘田由紀さん(文学座)インタビュー

所属する文学座での舞台に加え、「嵐が丘」(2011)など外部公演でも
ご活躍の女優・荘田由紀さん。5月に天王洲 銀河劇場にて
上演される舞台「ローマの休日」でヒロイン・アン王女を演じる荘田さんに
お話をお伺いしてきました!

おけぴ管理人)この作品へのご出演が決まった時のお気持ちを教えてください

荘田由紀さん)
「ローマの休日」に出演できるという事を聞き、
まずは率直に嬉しいなと思いました。
この作品はオードリー・ヘップバーンの作品の中でも代表作といわれるほどの名作ですし、
私自身大好きな映画ですので!
ただ、その時は役名を確認しなかったのです。嬉しいなと思いながら、
いただいた情報、“ローマの休日”“三人芝居”・・・から、
三人芝居というともしや?と思ったのです。
そこでもう一度電話で自分の役を確認したら、アン王女役とのことで、
もう、その瞬間、えっ?!?!?!?!とにかくビックリ!衝撃的でした。
こんなに素敵な役を演じられるなんて、本当に嬉しいです。

おけぴ管理人)大興奮だった様子が伝わってきます!
そんな憧れの役、どのようなアプローチをお考えですか?

荘田由紀さん)自分が演じるとなると(映画で)
これまで何度も観てきたアン王女に対する見方も少し変わり、
“王女も一人の人間、女性”、
そういった部分をしっかりと出していけたら面白いだろうなと思います。

舞台版はモノトーンの世界でセットがシンプルな分、
お芝居がぐっと浮き立っています。三人芝居ですし、
描かれている人間模様も見どころになりますので密な関係が築けたらいいなと思っています。

そして、マキノノゾミさんの作品というのもとても楽しみです。
以前、マキノさんが文学座の稽古場にいらっしゃったので、
お姿を拝見したことはあるのですが、実際にご一緒するのは今回初めてなのです。

おけぴ管理人)映画でも舞台でも、ヴェスパ(ミニバイク)のシーンが印象的ですね

荘田由紀さん)バイクは一度も乗ったことがなくて。
免許は持っていますが、実はドがつくほど下手です(笑)
でも、(劇中)あの状況ですからね。
アン王女も初めてのことを経験するという場面なので、
ある意味リアリティがあるかと。ただ、顔が強張り過ぎないといいのですが。

おけぴ管理人)ヴェスパの運転は大きな(?!)挑戦ですね!

荘田由紀さん)そうです(笑)。あとはこれまで着物の芝居が多かったので
ダンスシーンなども初めてなのです。少しずつダンスもレッスンしていますが、
でも、やはり運転のほうが大変ですね。

おけぴ管理人)しかも吉田栄作さんを後ろに乗せての二人乗りですものね!
運転シーン、楽しみしています!
ところで、作品のちらしですが、アン王女の雰囲気がとてもよく伝わってくるとても素敵な仕上がりですね。

荘田由紀さん)ありがとうございます。
アン王女のヘアスタイルはとても特徴的なので、
撮影でこのスタイルにした時には、いよいよ本当にやるんだな!とウキウキしました。

そして、ご一緒する吉田栄作さん、小倉久寛さんにお目にかかったのも実はこのときが初めてでした。
お二人ともとても気さくな方で、緊張している私にたくさん話しかけてくださり、
お稽古がますます楽しみになりました。

おけぴ管理人)荘田さんは文学座所属ですが、劇団での活動と外部公演だとやはり違う点も多いですか?

荘田由紀さん)全然違いますね、劇団の良さ、外部の良さそれぞれあります。
劇団だとやはり先輩方からたくさんのことを教えていただき、
文学座の雰囲気でやっていく楽しさを感じます。
外部公演では全く違うものを持っている方々とのやり取りになりますが、
そこから学ぶことがたくさんあります。
今回も吉田さん、小倉さん、そしてマキノさんから
教えていただくことがたくさんあると思うので、とても楽しみにしています。

おけぴ管理人)少し作品のお話を離れますが、
荘田さんのお母様である鳳蘭さんは荘田さんの舞台を観にいらっしゃいますか?

荘田由紀さん)ええ、来ますね(笑)
いつも予定さえ合えば公演の半分は観に来ますね!
そして、もちろん私も母の舞台は観に行きますよ!「COCO」は7回観ましたね!
最初はどうしても身内ですから、
台詞がどうかな?とか考えてしまいましたが、次第に作品に引き込まれてラストなんて・・・もう、ねぇ(笑)。

「ローマの休日」は母自身の公演(「シンベリン」)と重なっているので
観られるかわからないですけど、いつもお互いの作品を観ていますね。

おけぴ管理人)ちなみにもしお休みがあったら何をしたいですか?

荘田由紀さん)ローマに行きたいです!!
映画でも一番好きなシーン、真実の口のキャーってところを自分でやっちゃおうかな(笑)

おけぴ管理人)最後に改めてこの作品への意気込みを聞かせてください。

荘田由紀さん)先ほどもお話したように、
「ローマの休日」は名作です。それだけに映画をご覧になった方も作品ファンの方も多くいらっしゃると思います。
ですので、映画の素敵な雰囲気を残しつつ、
また映画とは違った生の舞台の良さも感じていただけるような作品にしたいと思います!

大きな瞳が印象的で、その場がパッと明るくなるような雰囲気をお持ちの荘田さん。
とっても明るく楽しくインタビューさせていただきました♪

舞台版「ローマの休日」は
大阪・梅田芸術劇場シアタードラマシティにて2012年5月12日・13日、
東京・天王洲銀河劇場にて5月23日~27日まで上演。
さらに全国ツアーも予定されています。
ダブルキャストのスケジュールなど、詳細は公演HPにてご確認下さい。

オリジナル脚本:イアン・マクレラン・ハンター、ジョン・ダイトン
原作:ダルトン・トランポ
演出:マキノノゾミ
脚本:鈴木哲也、マキノノゾミ
出演:吉田栄作、荘田由紀・秋元才加(wキャスト)、小倉久寛 <声の出演>川下大洋



おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人

About 2012年02月

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