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12/02/08 TRAILS in Concert 稽古場レポ

TRAILS in Concert 稽古場レポ
2012年2月8日(水)16:00

ドラマリーディングと優れた楽曲で綴る『TRAILS(トレイルズ) in Concert』
のお稽古場にお邪魔してまいりました!
キャスト・スタッフのみなさんのお話と合わせてレポートいたします。

出演者がこちら!

藤岡正明 RiRiKA 四宮貴久 山崎直子 小此木麻里 / 岡 幸二郎

ミュージカルファン的にはツボな方ばかりです!

お稽古場に到着したとき、ちょうど皆さんでの歌稽古中で、
キャスト全員の声が重なり合った時の厚みはそれだけで感動ものでした!

この圧倒的な表現力と声を持ったキャストのみなさんを
200席弱の小さな空間(新宿SPACE107)で堪能できるのでございます!

日本初演となる『TRAILS』。
今回の上演ではコンサート形式とうたわれていますが、
お稽古場を拝見した印象では、
ミュージカル俳優たちによる上質な“音楽朗読劇”といったイメージ!
“美しい音楽(歌唱)に包まれる幸せ”そして、
“リーディングで表現されるお話、戯曲の魅力”
その両方をじっくりと味わうことができそうです!

ストーリーは、
親友だったセス(藤岡正明さん)とマイク(四宮貴久さん)が12年ぶりに再会し、
遠い日の約束を果たすべく、アパラチアン・トレイルに挑戦する。というもの。
その旅の中で、彼らの過去と現在、二人を長きにわたり隔てていた理由、
そしてさまざまな出会いが描かれています。

洗練されたメロディの中にどこか懐かしさを感じる素敵なナンバー♪
そしてリーディングから楽曲に至るまでの流れがとてもナチュラル。

この日の立ち稽古は冒頭の「Blaze A Trail」という曲のシーンでしたが、
マイクとセスの自然なやり取りから、歌の盛り上がりへ…
物語の始まりを感じ、旅立つ心の準備が整うような高揚感を感じました。

演出の前嶋ののさんを中心に舞台が作られていくのですが、
冒頭のシーンと言うこともあって、登場の仕方、舞台上での居方から、
動きと音とのバランスなど細部まで試行錯誤が繰り返されていきます。
ドラマリーディングの難しさ、楽しさ両方のポイントとなるであろう
“どこまで芝居をするのか”、その絶妙なバランスを見つけるための地道な作業。


椅子に座っているのが演出の前嶋ののさん

「身体でキャラクターを演じ過ぎてはいけないよね」(岡さん)
「どのタイミングで相手の存在を受けるのかですよね」(藤岡さん)
「言葉の中でどんどん動き回って」(前嶋さん)

という印象的な言葉が飛び交うお稽古場。

たとえば、とあるシーンではとても深いやり取りなのに、
あえて舞台上で視線を交わすことなく真っ直ぐに客席に発せられる形で会話が進みます。
それに違和感をもつどころか、言葉の意味や温度がより一層際立って伝わるのです。
ドラマリーディング、奥深いっ!
さらにそこにたくさんの素晴らしい楽曲が寄り添うように登場♪
(本番はピアノ、ヴァイオリン、ギター、ベースの生演奏!)


伸びやかな歌声としっかりと気持ちが伝わるリーディングの藤岡正明さん♪


ちょっとおませな子ども時代がとっても可愛いRiRiKAさん


四宮貴久さんは、戸惑いを隠せない登場シーンから、積極的にセスを旅に誘う場面が熱い!


岡幸二郎さん、山崎直子さん、小此木麻里さんは
マイクとセスが旅で出会う人々や森林監視員(レンジャー)をはじめとする
複数役柄を演じられるお三方。
残念ながら、この日のお稽古で登場シーンはなかったのですが、
本番までのお楽しみですね!


そして!さぁお待たせいたしました。インタビューコーナー♪

<まずは、作品への愛の溢れるプロデューサーであり、翻訳、マイク役で出演もされる、
この作品の日本初演の立役者・四宮貴久さんにお話を伺いしました>

おけぴ管理人)まず、この作品との出会いを教えてください

四宮さん)
脚本を書いたクリスティ・ホールが僕の友人なのですが、
彼女がミュージカルを作っているという話を聞いて、
そのCDの音楽を聴いた瞬間、”これを絶対にやりたい!”と思ったんです。
いい作品は国境や人種に関係なく多くの方に観て欲しいという気持ちから動き出しました。

おけぴ管理人)今回の上演スタイルについてお聞かせ下さい

四宮さん)
大きなセットに頼らずに楽曲とお話だけで人は感動できるということ、
むしろ初めての作品ですし、
言葉と音色だけで想像力が広がるのではないかと期待しています。
本(戯曲)を読んでいる中に自然に音楽が入ってきて、
そしてまた芝居に入ってという、その流れが良く出来ている作品なので
ただのリーディング、ただのコンサートにはしたくはありませんでした。

おけぴ管理人)アメリカでもリーディングスタイルでも上演されてるんですね

四宮さん)
はい。ロサンゼルスなどでの試験的なリーディング公演を経て、
2010年のNYMF()ではフルバージョンで上演し数々の賞を受賞しました。
昨秋にシアトルで再びリーディング形式の上演を行ったところで
劇場側が公演を気に入り、今年の秋に本公演をする予定です。

おけぴ管理人)まさに今、ホットな作品なのですね!


<続いて岡幸二郎さんと藤岡正明さんにお話をお伺いしました>


おけぴ管理人)この作品の楽曲のイメージを教えて下さい♪

岡さん)“昭和”です!

おけぴ管理人)昭和?!

岡さん)そう、どこかで耳にしたことがあるような、
とても馴染みやすいものですね、ただ歌うのは非常に難しいです(笑)


おけぴ管理人)藤岡さんはいかがですか?

藤岡さん)すごく懐かしいイメージです。

岡さん)ほらね!

藤岡さん)
時間をかけて丁寧に作られたのだろうなぁと思える曲ばかりで、“癒やし”を感じます。

岡さん)(藤岡さんの)声にすごく合っていると思うよ。

藤岡さん)そうですか!ありがとうございます。
僕が歌う曲は普段あまり使わない裏声もちょっと使うくらい高いんですけどね。

岡さん)私の役は年老いた男ということもあり、とても低いのですよ。

おけぴ管理人)
先ほどお聞きしていて、藤岡さんの高音、岡さんの力強く響く低音、どちらも心地よかったです♪
今回はコンサート形式での上演ですね。

藤岡さん)
(今回の上演では)大掛かりなセットの変化でシーンが変わるということがないので、
僕らがいろんな人と出会い、その出会いによって生まれる価値観や考え方、
生き方の変化で時間の経過、風景の変化を表現していきたいと思っています。

岡さん)(感慨深げに)大人になったなぁ。。。笑

藤岡さん)
そうですよね・笑 
岡さんとは僕の初舞台となる作品で共演させていただいて。
その製作発表で司会をされていた岡さんに意気込みを聞かれたのですが
「やったことないから、わからないっす」みたいな返事で。最悪でしたね・笑

岡さん)あれから…

藤岡さん)7年です。

岡さん)
色んな作品を旅してきて、色んな人に出会いながら雨風を経験するとこうなるのですね・笑

藤岡さん)雨ばかりだったような・・・、岡さんには本当にお世話になっています・笑

岡さん)二、三度傘を差しかけたかな・笑

藤岡さん)笑

おけぴ管理人)歩んで、出会って、この作品とも重なりますね。

藤岡さん)
そう、この作品は一人ひとり考え方は違っても、
それぞれの生き方を考えさせるような舞台だと思います。

おけぴ管理人)岡さんはいかがですか。

岡さん)
私の役、そしてそれは直ちゃん(山崎さん)、麻里ちゃん(小此木さん)の役もそうですが、
旅をする二人が出会う人たちというのは、
二人に何かを教えようと思って出てくるのではないのです。
ただ自らのことを話すだけ。
その出会いから二人が何を感じ、それによってどう進もうとするのか。
お客様には彼らと一緒に旅をしていただき、
それを見届けていただくような感覚でお楽しみいただければと思います。
その意味で今回のような狭いスペースというのはピッタリですね!


<続いて女性キャストお三方、山崎直子さん、小此木麻里さん、RiRiKAさんにお話を伺いました>


左からRiRiKAさん、小此木麻里さん、山崎直子さん


おけぴ管理人)今回の楽曲の印象について教えて下さい♪

小此木さん)昭和っぽさもありながらポップな感じですね

山崎さん)そう、ポップで元気な、麻里ちゃんそのままのイメージの曲ですよね、私は自由でワイルドです。

小此木さん)直ちゃんの役は自由なヒッピーですよね、とってもピースフルな感じ!

RiRiKAさん)私は張り上げ系よりすっとした曲担当ですね(笑

おけぴ管理人)お稽古で実際にこのキャストで声を重ねて、いかがですか?

山崎さん)
この作品の音楽はいろんな色、個性が集まった時に完成するように出来ている気がします。
今回、本当に個性色々で、ただもう感無量ですね。

小此木さん・RiRiKAさん)うんうん、本当に!感無量!

おけぴ管理人)この作品の中で感じたことがあれば教えて下さい

小此木さん)
直ちゃんが言ってくれたこと、そうだなぁとすごく共感したことが“自然と人間の共生”!

山崎さん)
これは自分のテーマなのですが、
自然と人がどういう形で共に生きていったらいいのか。
ということをいつも考えさせられるのですが、
この作品の中にもそのヒントがいっぱい隠されていそうですし、
自分も教えてもらうことがたくさんありそうです。


<最後に、演出の前嶋ののさんに作品の魅力をお伺いしました!>

とにかく、みなさんの歌が素晴らしい!
優れた音楽、まずその良さをそのまま提示し、楽しんでいただきたいです。
そして、30代半ば、自分の人生に対する煮え切らなさを抱え、
本当の自分に蓋をして生きている人たちがトレイルしていくことによって
それをどういう風に乗り越えるのか、一歩前に進みだすのかというところが戯曲の面白さです。
そんな、過去の自分に向き合いつつ、
次を目指していくというところも楽しんでいただけたら嬉しいです。

<公演情報>
2012年2月23日~28日
新宿スペース107にて

<キャスト>
藤岡正明 RiRiKA 四宮貴久 山崎直子 小此木麻里岡 幸二郎

<オーケストラ>
村井一帆(Piano/Conductor)
帆足彩(Violin)
中山彰太(Guitar)
松澤みすず(Contrabass)

<スタッフ>
脚本:クリスティ・ホール Christy Hall
作曲/作詞:ジェフ・トムソン/ジョーダン・マン Jeff Thomson/Jordan Mann
演出:前嶋のの
音楽監督:村井一帆
翻訳:四宮貴久

<上演時間>
1幕 約1時間
休憩 10分
2幕 約1時間15分

公演HP:http://www.trailsthemusical.jp

<余談>
TRAILS脚本のクリスティ・ホールさんは、
なんとHymn’nというファッションブランドのモデルもされています!
→こちらの女性です!美しい~ http://www.workworks.co.jp/


<参考>
The NEW YORK MUSICAL THEATRE FESTIVAL(NYMF)
毎年NYで開催される新作ミュージカル約30作品を紹介するフェスティバル。
(これまでは秋の開催が続いていたのですが、今年は7月開催)
複数の小劇場を会場とし、それまでに各地で試演を重ねた
完成度の高いフルバージョンでの上演もあれば、
リーディング(役者が台本を手にしての上演)とコンサートを
合わせるようなスタイルでの上演などもあります。
どの作品も、その後のオフブロードウェイやオンブロードウェイへの進出を
目指す原石のようなミュージカルたちです。
今回の「TRAILS」は、2010年のNYMFにおいて
音楽部門優勝、作詞部門準優勝など4部門にて賞を獲得した、
今まさにホットな作品といえます。


おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人


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もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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