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12/02/19 モダンスイマーズ「ロマンサー~夜明峠編~」稽古場レポ

2012年2月19日(日)
モダンスイマーズ公演
「ロマンサー~夜明峠編~」稽古場レポ

2月23日に初日を迎える劇団モダンスイマーズ公演「ロマンサー~夜明峠編~」
蓬莱竜太さんが1年半ぶりに劇団に書き下ろす新作公演、
劇場入り直前の通し稽古を拝見してまいりました!

物語の舞台はおそらくそう遠くはない過去の、
日本のどこかであろう、ある北国の峠。
人喰い熊に襲われた里の人々が、
峠に棲む一家に避難するよう勧告しにやってきます。

「闇喰い(やみくい)」と呼ばれる熊、
そして熊を仕留めるため山へやってきたマタギ、
山奥で人目を避けるように暮らすある家族。

まるで白土三平さんの劇画の世界のような設定!
これまでの蓬莱作品とはひと味違う予感が漂います。

外の人間とほとんど接することなく
自給自足の暮らしを続けてきた一家の長男・コロクを演じるのは
モダンスイマーズの古山憲太郎さん(上の写真左から2番目)
口数少なく、うつむきがちなコロク。
しかし心の中に潜む何か強い想いや違和感などを
視線の動かし方やちょっとした体の動きで丁寧に表現していく古山さん。


幼なじみのツグミを演じる佐藤めぐみさんのまっすぐな魅力が眩しい!


登場人物は10名。
全ての人物の背景に物語があり、様々な葛藤が見え隠れします。

哀しい目的を持って山へ来たイヌイを演じるのは
モダンスイマーズ小椋毅さん(上の写真左)。
抱えているであろう大きな絶望、
ギリギリのところで毅然とした態度を保っている姿、
3月の大災害と重なるような設定に胸が締め付けられました。


こちらは座長の西條義将さん(モダンスイマーズ)。
情けなく可愛らしいような背中に哀愁漂いまくりです!
その視線が見つめる先は・・。


客演の千葉哲也さんと松永玲子さん(ナイロン100℃)、このお2人が大活躍!
演出家としても活動されている千葉さん(最近では「寿歌」を演出されていましたね)。
毛皮の衣裳に鉄砲を担いで、まさしくTHEマタギ!
思わぬ過去と出会い、思いをめぐらすオド役で舞台を引っ張ります。
そして松永さん!パワフル!
おばちゃんキャラで笑わせつつも、実は色々と推しはかり何かに気づいている・・。
そんな細やかな演技で目が離せません。

そう。このお芝居、それぞれの役の抱える背景が深いのです!
決してわかりやすく説明があるわけではないのですが、
きっちりと作り込まれた人物描写で、10名全員の登場人物がそこに「生きて」います。

蓬莱竜太さんならではの、
そして座付きの劇団ならではのディープな世界観。
そこにさらに深みを与えているのがこの方、

石田えりさん!

石田さんが演じるのは峠に暮らす家族の母親・ヒサノ。
一家の頼りになる「母ちゃん」であり、
緊急事態にただ一人冷静に対処する「リーダー」であり、
過去に秘密を持つ「女」であり・・。
まるで石田さんのために書かれたようなヒサノ役を、
ごく自然に、演技ではないように魅せてくれます!

上の写真右は、はじめて触れる「ある感情」に胸を踊らせるタケを、
フレッシュに演じる斎藤ナツ子さん。
この舞台、女優さん4人それぞれが、違った魅力を持っていて見ごたえがあります!


自由すぎるトラブルメイカー・シンタを演じる宮崎敏行さんや、


堅実な演技でガチっと脇を固める文学座・粟野史浩さんの美声にもご注目を♪


立場も考え方も違う人々が
「人喰い熊」の出現によって集まり
その思いが複雑に絡み合う・・そして生まれる奇妙な調和。
熊退治のお話かと思いきや、
そこに描かれていたのはやはり「人間」の姿でした。
時代の設定や、役柄の世代の幅など
これまでのモダンスイマーズの作品から
またひとつ先へ進んだような印象を受ける「ロマンサー~夜明け峠編~」
蓬莱竜太さんがライフワークとして3部作の構想で描く物語の序章となる舞台です。

モダンスイマーズ以外の舞台でも引っ張りだこの蓬莱さんですが、
今回の作品は劇団公演ならではの純度100%・蓬莱ワールド。
観る人によって様々な受け止め方の出来そうな余韻の持たせ方にもしびれます!
奥行のあるシアタートラムならではの舞台の使い方や、
色調を抑えたセット、衣裳もお楽しみに!

モダンスイマーズ公演「ロマンサー~夜明け峠編~」
2012年2月23日~3月4日までシアタートラムにて上演。

作・演出:蓬莱竜太
出演:
古山憲太郎/小椋毅/西條義将
石田えり
佐藤めぐみ/千葉哲也/松永玲子(ナイロン100℃)/粟野史浩(文学座)/斎藤ナツ子/宮崎敏行

<あらすじ>
峠で暮らすヒサノ(石田えり)は3人の子供達の自給自足で
慎ましくも穏やかに暮らしていた。
ある日、山の里から三座(西條義将)と犬井(小椋毅)が
マタギの夫婦(千葉哲也/松永玲子)とその弟子(粟野史浩)と共にに訪れる。
“闇食い”と呼ばれる巨大なクマが里の集落を遅い、
多くの命を奪われるが残された住人は
再び襲来されることに怯え、クマ狩をすることになったわけだが、
犬井はその為にヒサノ一家に避難とクマ退治一行の根城ととして、
家を明渡すことを求める。
不意の来訪者たちに対して里から差別され、
激情を露に激しく反対するシンタ(宮崎敏行)、
シンタの過剰なまでの反応とは裏腹に里の男に興味を抱きながら
当惑するタケ(斎藤ナツ子)、
その反応はそれぞれだが、戸惑いながら
母、ヒサノの決断を仰ぐコロク(古山憲太郎)との言葉に、
ヒサノは立ち退かないが納屋を提供することで協力の意志を伝える。
険悪なムードの中で奇妙ともいえる共同生活が始まるが、
そんなことを知らず海の里から兄妹たちの幼馴染のつぐみ梓(佐藤めぐみ)
もそこに加わり、それぞれの思いはやがて
彼らの関係にも変化をもたらし始め、浮かび上がる意外な真実。
やがて抗うことのできない自然を目の当たりにした時、
彼らは思いがけない結末を迎える。

<公演HP>
http://www.modernswimmers.com/nextstage.html



おけぴ取材班:mamiko 監修:おけぴ管理人


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名前:山野上 寛
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出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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