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12/05/11 新国立劇場「サロメ」稽古場レポ

2012年5月11日(金)12:30
新国立劇場「サロメ」稽古場レポ

春から夏にかけ新国立劇場で上演される海外戯曲三作連続公演、
現代の秀作「負傷者16人」に続いて上演されるのは十九世紀の耽美派、
オスカー・ワイルド作の名作「サロメ」。
“新国立版”といえる、新しい「サロメ」が創り上げられている
お稽古場の様子をお伝えします!

たくさんの“新しさ”がある中で、まずご紹介したいのが“サロメ像”。
これまでは官能的な女性像として描かれることが多かったのですが、
今回のサロメは幼さ、純粋無垢ゆえの残酷さ、悲劇性を打ち出した新しいものになっています。
そんなサロメを伸びやかに演じているのが多部未華子さん。

ピュアな愛くるしさと冷たさ、強さ、くるくると変わるその表情と
台詞回しに観ている側も惹き付けられ、そして、翻弄されます。



サロメが惹かれる預言者ヨカナーンには成河(ソンハ)さん。

時折見せる、頬を高潮させての強い芝居には思わず息を呑み、
その佇まいや発する言葉の熱からは他の登場人物とは何か違う“異質”を感じます。
また、ヨカナーンが閉じ込められている地下牢のセットも
これまで見たことのないものになりそうです!


ユダヤ王ヘロデには奥田瑛二さん。

王としての威厳、横暴さ、サロメを見つめる視線、
ヨカナーンへの恐れと多面的な人物像になっています。
この横暴さの影に見え隠れする人間味が、
序盤の宴でのほろ酔い上機嫌な芝居から終盤の重厚な台詞のシーンでは
どのように変貌するのか、とても楽しみです。


そして、ヘロデの妻、サロメの母であるヘロディアには麻実れいさん。

なんともいえない気だるさと底知れぬ美しさが共存し、
そこにいるだけで気品漂う王妃です。
かつての夫の弟との結婚という近親結婚をヨカナーンに非難され、
その存在を鬱陶しく思い、そして議論を止めない宴に集った男たちを
うるさいと一蹴する台詞を麻実さんの声のトーンで聞くと、
より一層ゾクゾクしてきます。
ヘロディアの娘=サロメということの意味を強く感じます。


サロメに心を奪われた若いシリア人(右・山口馬木也さん)と
彼を心配するヘロディアの近習(左・内藤大希さん)のシーン。
山口さんの心酔しきった目、内藤さんのすがるような目が印象的です。


こちらは地下牢を覗き込むヌビア人(右・植本潤さん)と
カッパドキア人(左・櫻井章喜さん)。
二人が神々の話をする様子が日常会話をするかのように描かれています。


こうして一人一人の登場人物のキャラクターや母娘、夫婦といった関係性が
今回の新国立版サロメのもうひとつの見どころである小説家、平野啓一郎さんによる新訳、
そしてストレートプレイでは新国立劇場初演出となる宮本亜門さんの演出で
色濃く浮かび上がります。

平野版「サロメ」、特に印象的なのは、繰り返される“月”の描写です。
言葉だけでも刻々と表情を変えていく様子が伝わる“月”を
宮本さんがどのように見せてくれるのだろうと期待が膨らみます。

舞台セットもこのように現代的。白を基調としたスタイリッシュで、
まるでどこかのインテリアショップのようです。
この舞台上で、コロスのみなさんを含めると28人の男性たちと2人の女性がドラマを繰り広げます!


さらに!衣裳は全てヨウジヤマモトの現代服!!最先端“モード”を纏うのです(参考)。

言葉、芝居、空間演出・・・
いったいどのような劇場空間が創り上げられるのか、
舞台の魅力がギュギュギュと凝縮された劇場体験になると思います。

19世紀の終わりにフランス語で書かれた、
新約聖書に登場するヘロディアの娘(サロメ)の物語を現代語で、現代服で上演。
[JAPAN MEETS…‐現代劇の系譜をひもとく‐]第5弾にふさわしい新生サロメ、お見逃し無く!

2012年5月31日より6月17日迄 新国立劇場中劇場にて

<スタッフ>
作:オスカー・ワイルド
翻訳:平野啓一郎
演出:宮本亜門
美術:伊藤雅子
照明:西川園代
音楽:内橋和久

<出演>
多部未華子
成河
麻実れい
奥田瑛二

山口馬木也/森岡豊/櫻井章喜/植本潤/池下重大/谷田歩
内藤大希/鈴木慎平/平川和宏/水下きよし/ヨシダ朝/戸井田稔

水野龍司/春海四方/神太郎/遠山俊也/星智也
漆崎敬介/坂本三成/右門青寿/斉藤直樹/ベータ
西村壮悟/原一登/川口高志/林田航平

公式ホームページはこちら



おけぴ取材班&撮影:chiaki、mamiko 監修:おけぴ管理人


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現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

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