08/03/02 みつわ会 暮れがた・蛍 稽古場見学
2008年3月2日(日) 15:00
みつわ会 暮れがた・蛍 稽古場見学
@都内某所
とあるご縁で、こういう舞台も観ておくといいよと聞いて、
稽古場見に行ってもいいですかといってみたところ、
いいよと快いお返事をいただきまして、行ってまいりました♪
みつわ会という、久保田万太郎(明治・浅草生まれの劇作家)
の作品の上演を行っている劇団で、
演劇集団円・文学座・新派の役者さんたちが
中心となって、年1回公演されてます。
(平成17年度松尾芸能賞を受賞されてます)
今回上演されるのは「蛍」と「暮れがた」。
まず最初に観たのは「蛍」。
仏壇から線香がもくもく。。舞台上は畳。。
台本を見せていただいたのですが、表記が古くて
すっと読めない。んだけど、台詞として聴くと、
当時(昭和十年)の脚本とは思えないくらいすっと入ってきます。
一つ一つの台詞をとっても大切にした感じの印象を受ける台詞劇。
台詞の語りに引き込まれます。
そしてラストの蛍、おぅぅぅ。。
男は(別れた女を)引きずるんですかねぇ。
あぁ。。。よしこ、かわいそう。
上演時間は45分ほどといい感じ。
次に観たのが「暮れがた」。明治45年の作品。
当時のなにげない夕暮れ時を描いたものと聞いてたんですが、
人情味あふれる、祭りの日の夕暮れ時のいろいろなやりとりが、
なんというか、田舎の懐かしさを思い出させる感じ。
近所付き合いとかほとんどない今の自分の生活を思いつつ、
人と人との触れ合いっていいもんだよなぁと。。
ネットにはまりがちな生活をちょっと思いなおしたり。。。
近所の友達んちいって、お酒を飲んで将棋をさして楽しく話して
雨がきそうだなぁとかいう会話をしつつ、ご飯食べていくかい?
と声をかけられたり、ちょっくら湯に入ってくると、ふらっと
銭湯にいく。。。マネしたくなるくらい心地よい感じでした。
そして、今回稽古場で、演出の大場正昭さんの隣に
座らせていただいたんですが、大場さんの一言一言が、
もうとっても興味深くて、脚本中の台詞や人間関係をとっても
大切にした感じの演出。横で聞いてると、ほんと今の現代の
日本語の会話がいかに崩れているか、いかにいい加減な表現に
なってしまっているかというのを感じてしまいました。
(そういうこの観劇レポ自体、かなり崩れた表現満載なのですが・・・)
抑揚、言い方、言葉に込める気持ち、語尾、立ち位置、振る舞い、しぐさ、
などの一つ一つの指摘に、なるほどーの連続。
言葉って、自分の思いだけじゃなくて、相手に伝わった時
どう聞こえるか、そういったことを改めて考えさせられました。
一言一言の台詞が大切に語られ演出されているので、
観てる方は安心してゆったりと当時のある1日の夕暮れ時の時間を
一緒に過ごせる感じです。といっても上演時間は35分くらい。
あっという間です。
また、舞台監督の藤森條次さんから、舞台平面図を見せていただいたり
一つ一つの小道具(蛍を入れる虫かごとか提灯とか煙草の箱とか)を
教えていただいて、明治・昭和の時代背景をそのまま表現するために、
細かなところまでとっても気を配られているんだなぁと実感。
さらに、美術が中島八郎さん。
中島八郎さんの美術が観れる機会は今はこの舞台くらいではないかとのこと。
今日の舞台に、美術や音、そして衣装などが加わると、どうなるのか。
とても楽しみです。
稽古場の休憩時間等に感じたことですが、役者さんの
稽古をされている時と、稽古終わって私服に着替えられた時の印象が全然違う!!
年齢や表情、キャラクターとか、さ、さすが役者さんだなぁと。
稽古場の雰囲気もとてもよくて、また観にいきたくなる、そんな稽古場でした♪
片岡静香さんに動画コメントをいただきました。
(演劇集団円の女優さんで、15代目片岡仁左衛門さんの妹さまです)
公演は、3月13日から19日まで。新馬場の六行会ホールにて。
作 久保田万太郎 演出 大場正昭
出演 片岡静香 伊和井康介 蔵一彦 松原美穂 中平良夫 田村勝彦
袴塚真実 大根田良樹 吉岡健二 浅川麗心 榊原悠祐 佐堂克実
大原真理子 世古陽丸 菅野菜保之 佐藤麻衣子 前田真里衣
日時:平成20年3月13日(木)~19日(水)
チケットなどのご予約はhabaneraの予約フォームからどうぞ。