08/06/04 こまつ座 父と暮せば 稽古場レポ
2008年6月4日(水) 12:00
こまつ座 父と暮せば 稽古場レポ
@都内某所
今日は、こまつ座さんの稽古場にお伺いしてきました。
拝見させていただいたのは「父と暮せば」。
95年にすまけいさん、梅沢昌代さんで全国公演、
98年に前田吟さんと春風ひとみさんで公演、
01年には沖恂一郎さんと斉藤とも子さんでモスクワ公演、
04年に辻萬長さんと西尾まりさんで香港公演など、
通算の上演回数はなんと368ステージ。
(黒木和雄監督により戯曲に忠実に同名で映画化もされています)
今回はおとったんは辻萬長さん、そして娘美津江役に栗田桃子さん。
今日は全四場のうち、第一場と第二場のお稽古を拝見させていただきました。
このお芝居、舞台は原爆投下から三年後の広島。
市立図書館で働きながら静かに暮らす美津江(栗田桃子さん)と、
突然現れた”おとったん”こと竹造(辻萬長さん)の二人芝居。
二人芝居なんですが、いい意味で二人芝居って感じがあまりしないんです。
セリフががんがん展開するという感じではなくて、
セットと音響、そして二人が作り出す舞台の世界に自然と引き込まれる感じ。
時間の流れが完全に舞台中の時の流れになって感じます
(いわゆる、時計がまったく気にならない感じ)。
原爆という重いテーマと、恋を絡めた少し軽めのテーマのバランスが絶妙で、
二人のやりとりをもっとどっぷりと楽しみたい、
あぁもう一場終わりなの?二場終わりなの?って思う位です。
なので一幕冒頭から、すっとこの終戦の三年後の世界に入っていきました。
(ここに衣装と照明が加わったらよりそう感じるんだと思います)
今日は第一場を2回、第二場も2回くらい拝見したのですが、
繰り返しみててもほんとに飽きない。
その理由のひとつは声!辻萬長さんと栗田桃子さんの声がいい!(好き!)
栗田さんのどこか少し寂しげだけど心地よく伝わってくる広島弁と、
辻萬長さんの太くて勢いがあり元気な、でもなにかわけありな、おとったん。
この二人のセリフの抑揚(広島弁)と間とテンポ感がいいんだと思います。
それと表情。少しみせていただいた台本には、冒頭の美津江が
押入れの中のおとったんに気づくセリフに「ギクリが半分、うれしさも半分」
というト書きが書いてあったりして、一瞬の表情にも注目です。
そして、そう、台本がいい。すっと入ってきます。
事前に本とか読んでなくても作品のことを知らなくてもすっと入ってくる。
第一場での饅頭、じゃこ味噌にまつわるやりとり。私もハンカチに弱いです(笑)
第二場でおとったんが語る福吉美津江エプロン劇場のお話。
第三場第四場は、今日残念ながらみれなかったんですが、
恋の応援団長おとったんと美津江の展開がひじょーに気になります。
音響も、例えば蝉の鳴き声が、ほんとに外で鳴いているかのように聞こえ、
場のはじまりや終わりに流れる音楽が、とっても自然。ここちいいです。
また、今回は、各場ごとに通しつつ止めつつという形でお稽古は進行。
展開やタイミング、心情などを、考えこみながら演出されていく鵜山仁さんと、
真面目に役柄としての思いや考え等を話される辻萬長さんが印象的でした。
~公演情報~
こまつ座第八十五回公演・紀伊國屋書店提携
『父と暮せば』
東京公演(6/13-22)@紀伊國屋サザンシアター(新宿南口)
鎌倉公演(6/24)@鎌倉芸術館 小ホール(大船)
逗子公演(7/13)@逗子文化プラザ なぎさホール(逗子)
・上演時間:1時間20分(休憩無し)
・チケット 全席指定 4200円(学生:3150円)
・こまつ座の公演ホームページ
・こまつ座オンラインチケット
私管理人は初日に観劇予定です♪第三場と第四場をはやくみたい!
※稽古場写真撮影:落合高仁さん
※こまつ座さんからご提供いただいた写真を、許可を得て掲載していますので、無断引用・転載はご遠慮ください