08/06/13 こまつ座父と暮せば@紀伊國屋サザンシアター
2008年6月13日(金) 19:00
こまつ座 父と暮せば
7列8番@紀伊國屋サザンシアター
先日稽古場で一場と二場だけ拝見していたのですが、
今日、初日で全て観てきました。
いい意味で予想とは違った展開で、美津江が背負っていたもの、
美津江が親友のお母さんから言われた一言など、第三場からの展開は
美津江の感情がストレートに伝わってきます。
観客席も涙する人多数。
登場人物は二人だけですが、辻萬長さんと栗田桃子さんの声の張りや、
表情、動き、登場の仕方などが、とても「いい」。ほんと、いい舞台です。
セリフに乗せて語られていくストーリー展開は自然で、
どうなるんだろう、キノシタさんとはどうなるんだろう、
と、最後は私も美津江を応援する気持ちになってました。
人形を抱こうとする竹造の表情にぐっときてしまいました。
また、地上580メートル、太陽二つ分といった原爆の数字が
重く伝わってきますが、そうした重いテーマの中にも、
前向きな明るさを感じる、そんな舞台でした。
ラスト間際の栗田桃子さんの潤んだ目、
ラストシーン、美津江に笑顔がちょっと見えたかも、
そして(客席からはみえないけど)風呂をたきながら微笑む父親竹造の表情が
見えたような気がしました。
竹造(辻萬長さん)の前向きな明るさと、過去を背負っている美津江(栗田桃子さん)の
揺れ動く気持ちのバランスが絶妙です。前向きに生きて行きたい、
そんなことを実感した舞台でした。
客席はご年配の方達が多かったですが、
これはぜひ若い人にも、ぜひ観てほしいなぁ。
上演時間は休憩無しの1時間20分。
観終わった後、感じることの多い舞台です。オススメ。
6/15、観て参りました。
昭和23年の広島が舞台という事で原爆を思い浮かべ「辛い」お芝居になるかしら、と思いましたが、辻萬長さんと栗田桃子さんの心地良い声とテンポいい会話(脚本)に、思わず笑ってしまいます。心に傷を受け、幸せになることを拒む娘。そんな娘を気使う優しさに満ちた父。「辛い」ところも有りますが、人を思いやる温かいお芝居です。
お芝居の中で何度も繰り返される「おとったん」という言葉が可愛いくて気に入りました。
初日見ることができました。数年前、偶然テレビ中継を見て、大感動して以来、ずっと生で観たかった芝居でした。
地上580メートルに太陽2つというフレーズは、実感できる表現で、その下でくりひろげられた悲惨が生々しく脳裏に浮かびました。また、庭先にころがったお地蔵様の頭部がわたしにも、おとったんの頭に見えてしまって・・・・・。
亡くなった親友の母親の言葉が重くのしかかり、幸せになってはいけないと一途に思い込む美津江のまっすぐな心ねが栗田さんの台詞に表れていて、痛々しくなりました。芝居中程から、涙が溢れて、しゃくりあげてしまいそうで困りました。まわりからも泣いている気配があちこちで。随所親子の会話がユーモラスで笑えるのですが。おとったんの娘の幸せを願う気持ち、最後、美津江がおとったんに言う「ありがとありました。」に
涙腺完全に決壊でした。家のセット一場面と登場人物二人だけなのに中身の濃い芝居でした。
18日に見ました
おしまい近くに泣きました
でも直ぐに幕になってしまうので「どうして?」と思いました
他のお芝居なら、もっと余韻を残して、暗転を長くして泣かせてくれたのでしょうに・・
これは「あとは心に残して、忘れないように」というお土産なのかなと思いました
6月19日に観ました。
おけぴさんも書いていらっしゃるように、重いテーマを
扱いながらも、前向きなチカラとか勇気も感じられて。
考えることも課題も一杯渡された気がしますが、でも、
諦めじゃないエールを感じられる素晴らしいと舞台です!
観ることが出来て、よかったです。
感想を拝見して、客席で感じた感慨が蘇ってくるようで
した・・・。
こんばんは、本日楽を見て参りました。
3年前の西尾まりさんと辻さんの「父と暮らせば」は、ストレートプレイが苦手な私にとっても「最高の作品」でした。今回の栗田桃子さんは、「紙屋町さくらホテル」の熊田正子さんで2回程見ています。
全力投球の演技だったと思います。がんばっていました。たったの1時間20分されど充実の時間でした。筋を知っていても、なんだか涙が出てしまいました。前回は友人の母に「なんでおまえが生きているのだ」と詰められたあたりが、非常なツボでしたが、今回はその後の、実はおとったんを見殺しにしたんだというあたりで…メロボロでした。
ぜひ、たくさんの方に見ていただきたいお芝居です。
終演後、知り合いの方の後にくっついて、楽屋で栗田さんに会ってきました。お芝居通りの方でした。
「父と暮らせば」を観たかたが、演劇には世界を変える力があると思えたお芝居だった、とコメントされていたのがとても心に残り、21日に観劇してきました。
映画とはまた異なり、世界が全て凝縮され、余計なものが何ひとつない素晴らしい舞台でした。
人が必ず持っている大切な何か、(人それぞれ異なった何か)をあたたかい毛布で包んでくれるような舞台でした。
管理人さん、こんばんは。
「父と暮らせば」、私はすまけいさんのおとったん、梅沢昌代さんの美津江の初演から再演される時には観劇させていただいていますが、先日は観劇回数は両手で足りる、という友人と見てきました。
終了後、「すごく心に響くお芝居だった。誘ってくれて、ありがとう」と感謝されました。
戦争の記憶は私にはないし、記憶を持っている方々も段々少なくなって薄れていってしまうけれど、でも、こういう形で残っていて、上演され続けていくのならば、戦争は、原爆はなにもこの世にいいことを残していかないものなのだ、という事を後世にまで語り続けていけるのだと思います。