08/08/07 こまつ座闇に咲く花稽古場レポ
2008年8月7日(木) 12:00
こまつ座 闇に咲く花 通し稽古拝見レポ
こまつ座さんの闇に咲く花の通し稽古を観てきました。
稽古場、広い。正面にセットがどーん。
そして私が座らせていただいたのはこちら。
そう!演出の栗山民也さんの真後ろ。
気分は、劇場の客席で前の席に有名人が座ってる心地
といったらおわかりいただけますでしょうか♪役得ですみません。
さて、すぐに通しがスタート。
「客電がアウトしていきまーす」といった本来の舞台では
聞こえないこうした声がワクワク感をそそります。
まずは舞台下手に、ギターを持った水村直也さん。
(ラマンチャの男に26年出演中&上條恒彦さんのバック・ミュージシャン♪)
このギターの音色が実に心地よくて、でも単に舞台音楽
というわけでなく、ちゃーんと登場人物なんです。
最後の方にわかってきますので、それは観てのお楽しみということで。
でも水村さん、ずーっと舞台上にいらっしゃるようなのですが、
ギターを弾いてない時の表情や姿勢が実に神妙な感じで、
この役柄にも入ってらっしゃるんだなーと思いました。
またこのギターの音が入るタイミング、弾き終わるタイミングが素敵。
ピタっとあうのでございます。めっちゃ気持ちいい。セリフと見事にリンクしてます。
神主の辻萬長さん。表情も声もお芝居も好きなのですが、
私は”抑揚”が特にお気に入り。セリフの抑揚や気分の抑揚が
実に人情味あふれる感じで伝わってくるのです。
ぴょんぴょんはねるシーンには嘘がなくほんとに純心に感じます。
小林隆さん演じる巡査。見えない舞台袖でもずっと赤ちゃんをあやされてました。
ミルクもあげたはりました。こうして役柄に入り込んでいくんですね。
ところでこの赤ちゃんが結構リアル。今回はその色具合もポイントに
なるので、お客さんの視線を集めるからというのもあるんでしょうね。
上演時間は約3時間(休憩あり)ですが、冗長に感じるシーンがなくて、
どのシーンもセリフ、お芝居、熱気が伝わってきます。
1幕のおみくじのシーンも、これはもう観ていただくのが一番ですが、
観客の気持ちにつかみ方がうまいです。
(あれ以上やるとやりすぎになると思うところで次に展開。気持ちいい)
石母田史朗さんと浅野雅博さん演じる二人の絆も注目です。
9人の野球部レギュラーの話にはぐっときます。
また、お面工場で働く女性陣など、登場人物一人ひとりにスポットがあたり、
戦時中の神社のこと、戦犯のこと、戦争のことが、役者さん達の
表情、セリフ、しぐさから伝わってくるのですが、ギターの調べに包まれて、
決して重々しいわけではなく、時には軽快に描かれ、
でもメッセージはストレートに心に響いてきます。
「ついこのあいだ起こったことを忘れちゃだめだ」というセリフが私の胸に刻まれてます。
公演初日は終戦記念日。私も初日に観劇予定です。
石母田史朗
浅野雅博
辻萬長
小林隆
石田圭祐
北川響
水村直也(ギター)
増子倭文江
山本道子
藤本喜久子
井上薫
高島玲
眞中幸子
2008年8月15日~31日まで。紀伊國屋サザンシアターにて