08/11/13 こまつ座 太鼓たたいて笛ふいて 通し稽古レポ
2008年11月13日(木) 13:00
こまつ座 太鼓たたいて笛ふいて 通し稽古見学
放浪記を書いた林芙美子さんの、その放浪記の後の人生を描いた舞台です。
(※写真は前回公演。撮影:谷古宇正彦さん)
素晴らしい!!!!!
(素晴らしいという言葉をいつも使いすぎている自分を反省してしまう位、
本当に素晴らしかった)
脚本(井上ひさしさん)
演出(栗山民也さん)
音楽(朴勝哲さんのピアノ生演奏)、
そして素晴らしい出演者の方達!
通し稽古を観終わった後のこの満たされた気持ち。
稽古場からの帰り道、引き返して「明日も観に来ていいでしょうか」
とお願いしたくなる衝動を抑えるのが大変なくらいでした。
まずもう出だしの林芙美子さんの母役の梅沢昌代さんと、
ラジオ局の三木役の木場勝己さんのやりとりから、
この舞台の世界にぐいーっと引き込まれます。
そして!
林芙美子役の大竹しのぶさん。
声のテンションや切り替えが、表情や仕草、気持ちと絶妙にリンク、
林芙美子さんのいろいろな感情が、目から耳から私の心に響いてくるのです。
例えば、「おかえりなさい」「ありがとう」、
こうした日常で使う一言のセリフが響いてくるんです。
またそうした、ふっとした一瞬の表情がいいのです!
(※写真は前回公演。撮影:谷古宇正彦さん)
今回の舞台、出演者は6名。
林芙美子役の大竹しのぶさん。
三木孝役の木場勝己さん。
林芙美子の母林キク役の梅沢昌代さん。
加賀四郎役の山崎一さん。
時男役の阿南健治さん。
こま子役の神野三鈴さん。
ほんと、全員が印象に残ります。
そして一人一人のキャラクターの魅力ももちろんですが、それ以上に
各登場人物の絡み合いや掛け合いを通して、人の持ついろんな一面が
描き出されていて見所が満載です。
皆さんセリフを完全に自分の言葉にされています。なので掛け合いの時とかも、
生の舞台ならではのちょっとしたハプニングとかへの対応(間とか声の張りとか)
がとっても自然、いや、自然という以上に、よりぐっと伝わってくるんです。
これがまた生の舞台ならではの醍醐味ですよね。
また音楽劇なので、全員で歌うシーンもあるのですが、思わず足で
リズムとってしまうくらいノリもいいです!
音楽はなんとピアノ生演奏!
それもステージ手前に配置されるような感じです!(舞台上との絡みもある!)
この生ピアノ(演奏は朴勝哲さん)の演奏がまた気持ちいい。
ピアノが奏でる音に表情や感情がのっている感じ♪
舞台全体を通して、
一瞬の動きとかが面白かったり印象的だったりするので、
全てのシーンで目が離せないです。
例えば鯛の布を大竹さんが上に投げて山崎さんがとるシーンなんて、
スローモーションに見えました。
休憩はさんでの2幕は、この作品のタイトル「太鼓たたいて笛ふいて」という
意味が、自然に、ほんとに自然に伝わってきます。
時男(阿南健治さん)の語りのシーンの梅沢さんの
「おまえはわるくなー」という一言。このあたりからもう気持ち的にはぐっときて、
熱く張り詰めた気持ちになるんですが、その後ふっと持ち上げてくれます。
ここがまたうまい。観終わった後の余韻が気持ちいいんですよね。
そして帰り道、振り返りたくなるシーンが盛りだくさんで、
誰かにこの舞台の良さを伝えたくなりますよ。
(実際私も思わず稽古場からの帰り道に会社に電話して
素晴らしかったーと一方的に気持ちを伝えてしまいました)
まだ本番まで一週間あるので
これからさらに磨き上げられていくと思うとますます楽しみです。
両親に、友人に、大学生の後輩達に、そして演劇をしている人に、
もういろんな人に観て欲しい舞台です。
私の両親や祖母がもしこっち(東京)にいたらぜひ一緒に
観に連れていってあげたいという思いになりました。
普段舞台をあまり観ないような人にもおすすめと思います。
おけぴ管理人120%オススメでございます。
私は21日の初日に観劇予定です。
2008年11月21日から12月20日まで新宿紀伊國屋サザンシアターにて
(チケットは一般6300円、学生だと4200円!)
上演時間:約2時間50分(休憩含)
p.s. 今年5月には森光子さん主演で帝国劇場で放浪記が上演されますが、
今回の舞台を観ていると、林芙美子さんという人物をとても身近に感じられる
ようになると思うので、帝劇での放浪記の楽しさも倍増すると思います。
(※写真は前回公演。撮影:谷古宇正彦さん)
管理人様こんにちは。
今年になって知り合いの方から【こまつ座】の話を聞き、8月に『闇に咲く花』を観たのが最初ですが、大変素晴らしい作品で感動させて頂きました。
今回の『太鼓たたいて笛吹いて 』も勿論チケットgetしており今から楽しみにしております♪
管理人様のレポを拝見させて頂くと、ますます期待が膨らみます。(^_^)v
こんにちは、
週末にいってきました。大竹さんよかったですねえ。ミュージカルみたいに歌もソロ、合唱と、しかも生ピアノが中央でびっくりしました。
写真やレポを見ると舞台がよみがえります。実は大竹さん以外、名前と顔がよくわからないないままの帰宅でした。このレポでお母さん役の楽しいキクさんも、やっとお名前がわかりすっきりです。
こんばんは!
画像も含めてのアップ、いつも楽しく拝見しています!!
この作品、来週観劇します。
おけぴさんの通し稽古レポ、ドキドキしながら今一度読見直しました。
舞台ではどう仕上がっているのか?!
今からワクワクしています。
拙宅ブログで、コチラの記事を文中にリンクさせていただきました。
12/12に観て参りました。
良い舞台でしたね!
自分自身が、戦中に従軍記者として活躍し記事にした事により、戦争を煽ってしまったという後悔の思いが、題名の【太鼓たたいて笛ふいて】になっているのだと・・と納得。
芸達者の大竹しのぶさんが演じているのですから、2部ではぐいぐい引き込まれ、戦後林芙美子さん後悔いの念と辛さの一端を感じられました。
劇中、大竹しのぶさんが「愚かな者の妄想程恐ろしいものはない・・。」と言っておりましたが、国家的な狂気の渦の中で真実を見極める事は大変困難な事だと思います。
「戦争は行けないこと・悪いこと」と誰もが解っていても、世界のあちこちで未だに戦争が行われている愚かな現実や、敗戦後63年経った今の日本社会が、一見平和の様に見えて様々な狂気が蔓延っている悲しい現実等々・・、帰りの道々で思いつつ帰って参りました。
沢山の人に観て欲しい舞台ですね。