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08/11/15 音楽座ミュージカル マドモアゼル・モーツアルト トライアウト公演レポ

2008年11月15日(土) 17:20
音楽座ミュージカル
マドモアゼル・モーツァルト トライアウト公演レポ

□公演概要□
音楽座ミュージカル/Rカンパニー
マドモアゼル・モーツァルト
★公演日程
・東京公演  12/18(木)~12/28(日) 池袋・東京芸術劇場中ホール
・神奈川公演 2009/1/31(土)・2/1(日) グリーンホール相模大野
・兵庫公演  2009/3/6(金)・3/7(土) 兵庫県立芸術センター中ホール
音楽座HP「マドモアゼル・モーツァルト」ページ

町田の稽古場で、本公演に先駆けて行われたトライアウト公演に行ってきました。
トライアウト公演とは、衣装や照明などは入らないものの、
可能な限り本番同様のクオリティで行うもので、音楽座ミュージカルのトライアウト公演は、
単なる公開通し稽古ではなく、このトライアウト公演を観た方の反応を
さらに作品作りに生かしていこうというものなのです(トライアウト公演詳細はこちら)。
私管理人が拝見したのはトライアウト公演2日目だったのですが、
1日目を観た観客の方達の反応をすでに2日目のトライアウト公演に反映されているとのこと!
(6~7箇所変えたそうです。セリフ、立ち位置、歌詞まで!)

このトライアウト公演、公演の前後に、本番と同様、バックステージツアー稽古場編、
ロビー面会稽古場編があるのです!
まずはおけぴスタッフ akki によるバックステージツアー稽古場編レポからどうぞ!
(※おけぴ管理人はトライアウト公演2日目の15日(土)に、akki は6日目の20日(木) に観てます)


バックステージツアー稽古場編
2階の稽古場に上がると、パイプ椅子がずらっと。 開演の20分前に「バックステージツアー稽古場編」がスタート。 Rカンパニーでは本公演の期間中も一部日程でバックステージツアーを開催していますが、 それの稽古場編…というかトライアウト公演特別版?

案内をしてくれるのは、藤田将範さん、野田久美子さん、渡辺修也さんの3人の俳優さん。

ここでは、トライアウト公演までの経緯が紙芝居形式で説明されました。
「マドモアゼル・モーツァルト」の音楽が小室哲哉さんに提供を受けたものであることから、
主催のTV局が降り、ついてくれていたスポンサー企業も「今回は…」と降り…。
せっかく作ったCMも、枠を劇団が買うと言っても流すこともできない状態で、
広告媒体が完全に断たれてしまったのだそう。
劇団で協議を重ねた末の上演決定…今、カンパニー内では「ピンチをチャンスに!」を
合言葉なんですって。そういうのって舞台に絶対表れますよね!
トライアウト公演は、照明も衣裳も小道具もほとんどないなど、本番とは違う点も多いので、
藤田さんから簡単に説明がありました。
セットも実際は球体のセットですが、稽古場には入らないので、どんぶり型だったり(笑)。
でも、精霊役の衣裳…というか稽古着を白で統一、人間役の人はカラフルな稽古着と
わかりやすくしてくださってましたね。
でも、「本番と同じなのは『やる気』!」

さて、参加者の皆さんはどこからトライアウト公演を観るか…。
なんと、キャットウォークと呼ばれる2階の稽古場に隣接した、1階稽古場を見下ろす位置に
ある細い通路に座布団をしいて桟敷席?での観劇なのでした!
そこからの眺めはこんな感じ。(「オペラ座の怪人」のボックス席みたい?)

バックステージツアー稽古場編のあと、いよいよトライアウト公演のスタートです!


トライアウト公演本編

今回、モーツァルトを演じるのは、なんと弱冠19歳の髙野菜々(こうのなな)さん!

フレッシュ!Rカンパニーの新人さん、大抜擢です。
髙野モーツァルトは、どこかあっけらかんとした、天真爛漫な少年っぽさがあります。
地声は意外と低く、ファルセットは綺麗に響きます。
陽性のオーラとでもいうんでしょうか、明るさは持って生まれたものですね。
本当はエリーザという女でありながら、作曲の才能のために男として育てられた
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト…中性的な魅力を持つ髙野さんと重なります。

だけど…女なのにコンスタンツェと結婚しちゃうんです!モーツァルト!
っていうか…コンスタンツェのママ(新木りえさん)、強烈・強引キャラなので、
あれじゃ、どうやっても逃げられないですねぇ…(苦笑)。

っていうか…よくバレなかったな~と思ったりしますが、モーツァルト自身、
「男として、作曲家として生きる」ことに疑問を持ってないので、
気づかれなかったんでしょうね~。
サリエリ(広田勇二さん)とカテリーナ(秋本みな子さん)、特にサリエリはモーツァルトの容姿、
触れた肌から、「本当に男か」と疑問を持つけれど、女と結婚できちゃったら、
信じるしかないですもんね。

でも、そんな結婚、そりゃ~、波乱が待ってるってもんです。
一つ屋根の下に住むコンスタンツェをモーツァルトは騙しきれるのか?
コンスタンツェはモーツァルトの秘密を知ってどうするか…これは苦しいですよ~。
愛する人と結婚したと思ったら、その人は女だったんですから!

そんな2人に、どんどん事態の変化が訪れます。
モーツァルトの弟子フランツ(山崎義也さん)の存在、コンスタンツェの妊娠、
モーツァルトの音楽を理解する父・レオポルト(新木啓介さん)の死、自由になったエリーザ…ほのかな恋?
彼女は、モーツァルトとして生きるのか…エリーザとして生きるのか…。
彼女の揺れる心が、コンスタンツェをはじめとした周りの人との関わりの中で織られていきます。

実はコンスタンツェ役の安彦佳津美さんもRカンパニーの新人さん。
安彦コンスタンツェは、とても柔らかな温かい歌声。
歌声自体も高野モーツァルトに寄り添うかのようです。
悪妻と言われることの多いコンスタンツェですが、
マドモアゼル・モーツァルト」では普通の少女、女性として描かれています。
モーツァルトと結婚したがゆえのコンスタンツェの葛藤には涙しちゃいました…。
すごく共感できるんじゃないでしょうか。
2幕にモーツァルトが「魔笛」を書き上げた後に、
モーツァルトとコンスタンツェが歌う「朝焼け」というナンバーがあるんですが、
ものすごく沁みますよ。

あ、今、「魔笛」って書きました。
マドモアゼル・モーツァルト」では、「魔笛」だけでなく
フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ
コシ・ファン・トゥッテ」のストーリーが、うま~く話の中にダンス等で挿入されるので、
ちょっと頭においておくとより一層楽しめますよ。
そこに、モーツァルトの心象風景が重ねられるシーンもありますから♪
R'blog 「天才音楽家・モーツァルトvol.3~オペラ~ 」ご参照)

この「マドモアゼル・モーツァルト」にもシカネーダー、出てきます!
(東宝版「モーツァルト!」では吉野圭吾さんですね。)
やっぱりシカネーダーっておいしい役です。
「マドモアゼル・モーツァルト」のシカネーダーは、男っぽいかっこよさがあるかな。
シカネーダーは、「メトロに乗って」や「リトルプリンス」、「七つの人形の恋物語」での好演も記憶に新しい、 吉田朋弘さん。
シカネーダー登場のシーンは、曲調も違うしノリがよくって、いいですね~♪

魔笛」上演の後…悲しいラストとなるのですけれど、
それに続く「ラストテーマ」という曲で、なんともいえない感情が湧きあがります。
なんて言ったらいいのでしょう…悲しくもあるのですけれど、どこか清々しい…。
モーツァルトの音楽の美しさ、軽やかさと同じように、モーツァルトも当時の人たちの間を風と
なって吹き抜けていったような感覚…。
モーツァルトの音楽が死なないように、
もしかしたらモーツァルトの魂も私たちの周りをめぐっているのかもしれない…
そんな気にさせてくれる曲。
明るく描かれてるシーンも多いのですが、作品そのものが軽いわけではないんです。
でも、きっと劇場を後にする時、観た人が流した涙は乾いて微笑んでる…
そんな作品だと思います。

群舞シーンもいろんな音楽に合わせて展開されるので、ぜひぜひ注目してみてくださいね。

いやはや、ドン・ジョバンニ(安中淳也さん)のダンスとか、
話の筋知らなくても、なんとなく想像できちゃいますからね~。
モーツァルトを取り巻く音楽の精霊たちも表情豊かで、見ていてとっても楽しいですよ。
目がいくつあっても足りないかも(笑)。



以上ここまでは、 akki レポートでございましたが、
私管理人が今回(いつも?)特に、はまってしまったのが、
音楽!ダンス!群舞!

群舞大好き管理人としましては、
オープニングから、アンサンブルシーンに見惚れてしまいまして。
お一人お一人が輝いてます。
振付がいいっ!(振付は謝珠栄さん!)
スローなナンバーではうっとりと、
ノリノリのナンバーでは、ウキウキと、
またちょこっとしたシーンの小さな動きまでかわいかったり美しかったり。
指先のかわいい動きや、見逃してしまいそうなクルルン一回転とか。。。
たまらなく好きでございます!
そしてモーツァルトの楽曲がいろんなバージョンにアレンジ!
これに振付が見事にマッチしてみていてとーっても気持ちいいのです!
全体のダンスシーンはもう興奮してワクワクしますし、
ひとりひとりに注目しても楽しめます♪
ダイナミックな安中淳也さんのダンス、
美しい男の子、大川麻里江さんの動きが楽しい♪
細やかでしなやかでリズミカルな野田久美子さんの舞、
動き回る片山千穂さんと伊沢絵里子さんのダンスは見てて気持ちいい!
そして!藤田将範さんのコンコンチキ!
などなどもう注目スポット満載です!

そして、わたくし、高田浩さんの生演奏に惚れました。
サリエリがキスする瞬間を、(高田さんからは死角でみえないので)
スタッフの方が、指で小さくパチンッってやって高田さんに合図して
高田さんが完璧なタイミングで演奏スタート。かっこいーー!
弾いてるのはシンセなんですが、電子音という感じがしないです。
愛のある音でした。。。いやほんとに。。
またモーツァルトが演奏しているシーン、ほんとにモーツァルトが
弾いているかのような完璧に動きに同期して高田さんが弾いてます。
まさに生ならではのリアリティ。

そしてなんといってもトライアウト公演終了後の
見学者の方達が一緒に参加しての「ロビー面会稽古場編」。
これがスペシャルでした。いやーほんとにすごかった。
では再び akki レポートに戻りましょう。


ロビー面会稽古場編

Rカンパニーの場合、本公演終了後は、
舞台に立っていたままの姿の役者さんたちがロビーでお見送りしてくれるんですが、
今回のトライアウト公演では、2階の稽古場でアンケート記入した後、なんとなんと!
「マドモアゼル・モーツァルト」はこの場にいるみんなの力で練り上げられていくということから、
1階稽古場で参加者&役者さんの全員で「ラストテーマ」を歌ってのカーテンコール!
さっきまで演じていた役者さんたちの指導の下、
稽古場でみんなの体をほぐすウォーミングアップ。
知らない人同士でも、一緒に歌えちゃいそうな雰囲気が
あっという間にできあがっちゃいました。
「ラストテーマ」の練習の後、いざ本番!

1階稽古場に入り、中央には髙野モーツァルト、
そして、みんなで歌う「ラスト・テーマ」。
藤田さんの仕切りで1人1人お辞儀をし、
最後には手を繋いでのお辞儀でカーテンコールを終えました。

最後は、3つのチームに分かれて、トライアウト公演の感想を役者さんに。
役者さんからも「ダメ出しOKですよ~」との声。まさに一緒に創るトライアウト!
とはいっても、長時間は取れないので、トライアウト公演の感想を寄せるための
メールアドレスが用意され、そちらに感想を送ることができるようになっていました。

このトライアウト公演の間にもスクラップ&ビルドが行われたそう。
カンパニーの皆さんの作品をよりよくしようという熱意がいっぱい伝わってきました。
今回、私が観たのは完成品ではありません。
モーツァルトの曲のフレーズも散りばめてあり、音楽的にも多様性に富んだ本作。
さらに練り上げられた「マドモアゼル・モーツァルト」のさわやかな風を、本公演でめいっぱい
感じたいですね。とても楽しみです♪

以上おけぴスタッフ akkiのレポートでした!!


このトライアウト公演の最後のロビー面会稽古場編で参加者も交じって熱唱した
テーマ曲「ラスト・テーマ」。稽古場からのビデオレターをご紹介しておきまーす♪





そして今回のトライアウト公演の感想をブログにUPされた方もこちらでどーんとご紹介!
ご連絡いただければリンクしま-す)

公演は12月18日池袋・東京芸術劇場にて開幕です! トライアウト公演に参加した方もそうでない方も、 「マドモアゼル・モーツァルト」本公演をぜひお楽しみに!! ( チケット購入はこちらからどうぞ

(写真は関係者の許可をいただいて撮影・掲載してますので無断転載はご遠慮下さいね。)


皆様からのコメント



マドモアゼル・モーツァルトはすごい・・・。
どっかのキャッチコピーみたいですが、しかたありません。
すごかったんですもの。
なにがすごかったって、1つの作品を良い作品にしようとするエネルギーです。
これにつきます。
今回のマドモアゼル・モーツァルトは
井上芳雄君が、最初のコンサートで歌った中にこの作品の曲が、1曲入っていたこと。
音楽にしても、作品のクオリティにしても、
高い評価を得ていて、上演をとても楽しみにしていました。

まず、ヒロインヴォルフガング(エリーザ)は若干19才高野菜々さん
フレッシュな勢いがありました。
きれいなソプラノを響かせていました。
ファルセットが若干不安定な所もありましたが、堂々とした主演ぷり!
少年の動きと言うより、見たことはないですけど、
モーツァルトが本当に女の子だったら、
天真爛漫で、こんな風に動いたんじゃないかな?
って思う自然なイメージでした。

特筆したいのは、ヴォルフガングの妻コンスタンツェ安彦佳津美さん。
21Cマドモアゼル・モーツァルトでも、一番心ひかれたキャラクターですが、
少女のときめきも、女性が故の苦しみも、
同性として共感しやすいキャラクターなんです。

私個人としては、キャラクターが年を重ねていく
リアリティーを感じることができたんですね。
欲を言うなら、2幕で母性をもう少し感じることができたら
魅力が増すのではないかな~と思います。
これは期待するが故の欲です。

個人的お気に入りキャラクターは、 コンスタンツェママとシカネーダ。
21Cの時にも思ったのですが、 東宝ミュージカル、モーツァルト!の両役と
物凄くイメージも、そしてセリフも被るんです。
全く違う作品だし、キャラ設定も微妙にちがうのに、面白いですね。
2人とも、美味しい所をさらっていく。インパクトのある役ですが、
さらわれました。
空気の作り方が、自然だったな~。

もうひとつ特筆したいのは、色気のあるダンスを披露していた
安中さんのダンスシューズが、ぼろぼろだったと言うこと。
いかに激しいダンスナンバーを担当しているか
そして厳しい練習をつんでいるかを物語っているような、くつでした。



衣装や照明やセットが無くても、空間を埋めるパワーと団結力を感じるトライアウトでした。
作品が素晴らしいのは元より、
劇団員一人一人が音楽座を愛している気持ちが伝わり、
こちらも応援していこうという気持ちになりました。
この作品が本番までにどう変わっていくのか、とても楽しみです!



私は音大出身でオペラマニアですので、
かなりモーツァルトの人柄や作品の性質を詳しく知っているが故に、
作品を観るにあたっても、人とは違う感じ方をしているかもしれませんが、以下のように考えました。
ネタが分かっているだけに「なるほど、こうきたか」と思える部分もありますが、
モーツァルトの知識がない人だとマニアックなネタをスルーしてしまいそうですし、
かといって説明的になるのもおかしいので、
作品としては万人受け狙いでいくのが一番なタイプの作品な気がします。
それにしても題材としての着眼点の面白さは凄い良いです。
お互い火遊びがあったにもかかわらずそれなりに愛し合っていたらしいモーツァルト夫妻なのに、
なぜコンスは夫を共同墓地へ埋葬したのか…等考えると、
単なる貧乏とは考えにくい気がするし、
サリエリの苦悩を恋愛に置き換えることで「毒殺説」さえあるライバルの仲から、
生々しさを削ぎおとしている。
その上で、無駄なラブシーンなどあえて作らず、
きちんと音楽に向かうモーツァルトに大変好感を持ちます。
恋愛重視の女女しい男装の女性なんて、魅力はないですし、
あの方向性は正解なんだと思います。
個人的に一幕のラストの演出とレオポルドの演技が最高でした。
また、あれだけの動きを正確に行うための練習量も考えると、
素晴らしく良くできたシーンだと思います。
小室さんの一件で協賛の方など大変でしょうが、
それこそ今レアで旬なネタだと逆手にとって頑張っていただきたいと思います。



帰りの電車の中でも、そして今でも、頭の中でラストテーマがぐるぐるしています(笑)
とっても素晴らしい体験をさせていただきました。
ほんとうにありがとうございます。
もう、ミュージカル大好きな私にとって大満足の作品でした。
歌もダンスもとっても素敵!!
せっかく普段見ることができない舞台の袖なども見られるのだからしっかり見よう、
と思っていたのですが、すぐに舞台に夢中になってしまって目は、
出ている方たちに釘付けになってしまって、そんな余裕はなくなってしまいました。
でも、オーバーチュアーが鳴ったとたん
皆さんの表情が一斉に変わるのを見る事ができたりドキドキしてしまいました。
モーツァルト、コンスタンツェ役の高野さん、安彦さん、これが初舞台なんてびっくりです!
こんなにいきいきとパワフルに演じることができるのは、
周りの劇団員の方たちにしっかり支えられているからだろうな、と思いました。

作品そのものに感動したのともう一つ、
音楽座の方たちのより良いものを創って行こうと一丸となっている姿にも感動してしまいました。
最後に一緒に舞台に参加させていただけて楽しかったです。
音痴なので人前で歌うのは絶対嫌なのですが、
劇団員の方たちの声に引っ張られて大きな声で歌って、身体も動かしちゃいました(笑)
と~っても気持ちよかった!
おかげさまで、帰り道の寒さも全然感じない私でした。
どんな衣装や照明になるんだろうと思うと、本公演が本当に楽しみです。
きっと、もっともっと進化するのでしょうしね。
チケット1枚持っているのですが、もっと行きたくなってしまいそうです。



観劇後に最も強く印象に残ったことは、舞踊がとても素敵だったということです。
音楽の精という設定だそうですが、モーツアルトの音楽の天分にしろ、
登場人物の感情の動きにしろ、本来言葉に表しにくいものを暗示するのに、
舞踊は魅力的な効果を持ち得るものだと感じました。
劇の筋が巧妙に仕組まれ、劇中の役柄が関心を惹くものであったとしても、
舞踊の動きや身体所作を間近に感じたこと以上には、
強いインパクトを与えないものだとつくづく感じました。
これは、舞台装置や照明や衣裳が簡素な稽古場での公演だからこその感覚なのかもしれません。
とくに注目されるのは、モーツアルトの良き伴侶であるコンスタンツェの言動でしょう。
「女」とは知らずにモーツアルトと結婚してしまった彼女は、
天才モーツアルトには与り知らぬ面(性・苦悩・裏切り・生活・死など)を
一身に引き受ける芯の強さと感情の真摯さを持っており、
ことによったら、この劇作の本当の主人公は、他ならぬコンスタンツェではなかったかと思わせるほどです。
モーツアルト役の俳優さん(彼女は劇団で唯一の平成生まれだそうです)の無垢さと、
コンスタンツェ役の俳優さんのあいまいな魅力が、この作品を輝かせる両輪になることを期待しています。



本当に、ホントに良かった!!!
フレンドリーな劇団の雰囲気に驚かされましたが、
その俳優さん達が、ひとたび芝居が始まると、
素晴らしい演技者となることに2度ビックリ!!歌も素敵で。
中でもモーツァルト役の高野菜々さんのフレッシュなお芝居に釘づけでした。
これまでの映像や芝居のモーツァルトに違和感感じまくりだったので(音楽から想像つかない、
いくらなんでも!!モーツァルトの音楽大好きなだけに)私の思っていたとおりのモーツァルトで
ありがとう!!と思いました。特に作曲しながら我を忘れていく様子が、きっとそうだったんだよね!
って、思うほど。音楽に対するのに男も女も関係ないんですよね。本当に女の子だって、差し支えない事ですし。
ただ、結婚となると、コンスタンツェにとってなんて過酷なの!たくさん描かれては、いないけれど、
彼女の苦しみが伝わってきました。それにしても、フランツは良い人ですね。
サリエリも素敵で、サリエリのエリーザへの思いとエリーザの女の子としての思いがそれぞれ悲しく、
胸が震えるようでした。
ポロポロ涙して、最後にはボロボロと泣いてしまいました。
そう有ってほしいモーツァルトとサリエリだったんです!!!!!
フィナーレの練習もめちゃくちゃたのしくて、帰り際、菜々さんと握手までできて、
素晴らしい経験でした。
翌日には、ファンクラブに入会し、家族みんなのチケットを買ってしまう程、素敵な公演でした。



伝えられているモーツアルトの生涯にそって、
創造の部分も加えられていて楽しい。 モーツアルトとコンスタンツェの愛、いえ友情…、 いやい
や、もっと深い「人間愛」を描いていて 魂を揺さぶられる思いがする。

モーツアルトは一生懸命生きている。
コンスタンツェも懸命に夫を愛し支える。遊び呆けたり借金もしない。
サリエリはモーツアルトを愛した。毒殺などしない。
「ファンタジー」と「人間らしさ」を肌で感じ、
観る人に「勇気」や「元気」を配ることができる作品である。
モーツアルト役・高野奈々さん、コンスタンツェ役・安彦佳津美さん
ともに新人の方と聞いた。素晴らしい!
周りのサポートで二人がしっかり真ん中に存在している 奈々さんの、
天にも届きそうな綺麗な声質が、まさにモーツアルト! 広田さんサリエリが、
思わず恋をしてしまいそうな愛らしさだ。
サリエリの恋心がより強調されているように感じられた。
お稽古用の衣裳、蛍光灯の照明、ピアノの演奏だけで 衣裳が目に浮かび、
背景の月が想像でき、色彩の変化まで感じることができた。
吸い込まれるような熱気につつまれて、本公演さながらの舞台。
初日1か月前にここまで完成されているとは…。期待できそうですね。
Rカンパニーの皆様の意気込みにパキュンと射抜かれた心持ち。
この情熱が、私たちに素敵な舞台を届けてくれるのですね。
感動感動の嵐の一日でした。

最後はキャストの皆様と参加者全員で 「モーツアルト」の ♪ラストテーマ を大合唱。
両側のキャストの方の迫力のある歌唱にうっとりしながら
私もかわいくちっちゃな声で歌ってきました
藤田さんが稽古場を走りまわって、ウエーブを起こしてくれて
キャストの方とお客(参加者)の壁があっという間に縮まった。
濃密な時間を過ごすことができました。
きょうも頭の中で 
♪♪♪♪
たとえ激しい雨に打たれても
僕らの旅に終りはないのさ
翼ひろげ 飛んで飛び続けて
きっとたどり着こう あなたへと
♪♪♪♪
と繰り返し流れています。



作品全体を通しての印象はキラキラしています。
主役のお二人の若さ溢れる一生懸命な演技、
それを支えるキャリアを積んだ役者さんの演技、
そして精霊達のときにしなやかな、
ときにコミカルなダンスが作り出すファンタジックな世界、
そして楽曲・・・
照明や衣装が本番と違うことを忘れてしまうようなキラキラした作品の世界を楽しみました。
その一方で、全体を貫く「モーツァルトが女性だった」というストーリー、
そしてそんなモーツァルトを取り巻くそれぞれの登場人物に思いをはせると、
色んな気持ちが溢れて切なさ、愛おしさ、悲しさがこみあげてきます。

カテリーナを演じた秋本みな子さんの佇まいや声のトーン、
台詞も歌声も全てを使っての表現が印象的でした。
一言発せられた途端、クラ~っときました。感情移入したのも彼女です。ステキ!
それを受けるサリエリ、広田勇二さん。
宮廷音楽家として、男として、人として
モーツァルトとの出会いを通じで様々な変化をしていく姿が印象的でした。

観終わった時は、才能とはなんて残酷なものなのだろうか。
でも、今こうして私たちを癒したり楽しませたりしてくれるモーツァルトの楽曲のすばらしさに触れると、
彼女の才能には感謝だわ。と、すっかり現実とお話の世界の区別がつかなくなっている私でした。

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おけぴ管理人プロフィール
名前:山野上 寛
mail:cs@okepi.jp
出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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