09/07/24 こまつ座兄おとうと稽古場レポ
2009年7月24日(金)
こまつ座 兄おとうと 稽古場レポ
印象的なシーンや記憶に残るセリフが満載です。
セリフのやりとりが、実に自然に軽快に、唄も違和感なく心地よく楽しく、
さらに劇中の問いや投げかけが、観てるこちらにも自然にすーっと問いかけられて、
一緒になって考えてしまうんですよね。
例えば、吉野作造が、天津からきた袁世凱の娘、美琴の問い
”国の基になるのは何か。”に答えるシーン。
”国もおにぎりと似ている。”
↓
ここでおにぎりの唄♪
↓
民族でもなく、言葉でもなく、宗教でもなく、文化でもなく、歴史でもなく・・
↓
「○○○○○○○○○○○○○○○○だな。」
↓
次のセリフで、弟、信次が硬直。
民主主義の父と言われた吉野作造(辻萬長さん)と、
高級官僚の弟、吉野信次(大鷹明良さん)。
主義主張は違えども、互いにまっすぐな、大秀才の”兄”と”おとうと”。
この二人を支えるのが、良妻賢母な二人(剣幸さんと高橋礼恵さん)。
二幕の、この兄弟&姉妹のやりとりの場面がとっても好きです。
姉妹の優しさ、ぐっときますよ。
この兄弟&姉妹に絡んでくる宮本裕子さんと小嶋尚樹さんが、
一人複数役をこなしていて、これまた見所の一つ!
音楽劇で、ピアノの生演奏にのせた歌もあり、
(ピアノの生演奏は朴勝哲さん♪)
へそくりの歌(旋律は私の大好きなユーモレスク!)など、
歌の内容も、さまざまで楽しい♪
振付は、TSミュージカルの謝珠栄さんです。
今日は通し稽古後の、だめだしも聞かせていただきました。
あるシーンの間や心情、言い方、相槌の打ち方などについて、
演出の鵜山仁さんから役者さんに投げかけたり、
逆に役者さんが鵜山さんに問いかけたりして、
丁寧にじっくりと話し合われていきます。
そして、井上ひさしさんの脚本の一字一句をすごく大事にされて演出
されているのがとても伝わってきました。
再再演って、前回同様という形ではなく、こうしてどんどん磨かれていくんでしょうね。
ちなみに再演の時から加えられたのが、二幕の最初、説教強盗の場。
下記写真、舞台上では「兄をどこに隠した?」のシーン。
→写真の右下にいらっしゃるのが兄(辻萬長さん)です
弟信次の判子シーンの「いかん!!」、このリアクションが好き♪
そして下記は兄、作造の二幕某シーンの後姿。右手でいじいじしてる仕草が好き♪
観終わった後、どのセリフが印象的だった?と思わず
話したくなる、そんな舞台です。
2003年に、演出の鵜山仁さんが読売演劇大賞・最優秀演出家賞を受賞した作品です。
公演は8月16日まで、新宿紀伊國屋サザンシアターにて。
「三度のごはん、きちんとたべて火の用心。元気でいきよう。きっとね。」