09/12/02 リンダリンダラバーソールゲネプロレポ
2009年12月2日(水)14:00
「リンダリンダラバーソール」ゲネプロ
@全労災ホール/スペース・ゼロ
ちょうど一年前の初演に続き、早くも再演!
ってことはそれだけ面白いに違いない♪
原作は’80年代後半~’90年代に日本を席巻したバンドブーム の中、
復活した、筋肉少女帯のメンバーとして活躍している大槻ケンヂさんが
当時の熱狂的な世界を回顧した青春物語。
「リンダリンダラバーソール」というタイトル、
リンダリンダと聞いて思い浮かぶのは筋肉少女隊じゃなくてブルーハーツ…と思ったあなた!正解です。
ドブネズミみたいに美しくなりたい~気持がまっすぐ伝わってくるブルーハーツのリンダリンダと
ロック好きの必須アイテム、ラバーソールの靴。
表現したい衝動は有るけど何を伝えたいのかわからないナミオ。
「苦しいならさ、その苦しさを歌にして。聴かせて。素直なキミを。」
「本当のオレを?この、どうしようもないオレを?」
「大丈夫。私が聴いてる。」
リンダリンダが大好きでラバーソールの靴を履く、
魅力的な女の子コマコ/唐沢美帆さんの素直さに触発されて、
バンドブームの波に乗る「暴君少女」のヴォーカル、ナミオ/西島隆弘さん(AAA)。
コマコはスコーンと突き抜けていて、ナミオが頼りにしたくなるのがわかるハツラツさです♪
リンダリンダも明るく聴かせてくれます。
西島さんはあのかわいい目(コマコが連発します・笑)からは想像もつかない
カッコいいシャウトを聴かせてくれます!正直びっくり、凄いです!Rock!
時代の波に乗ってあれよあれよと大成功のナミオ。
しかし成功の大波は潮が引くのも早かった――。
バンドブームの栄枯盛衰なバックステージがかなりリアルで面白ーーーい♪
大人になってひっそり生きている津波/津田健次郎。
津田さんの声が、疲れたオジサンながらもいかにも過去にワケありそうな渋い声なんですよー。
舞台上にはすべての場のセットが立体的に巧みに作られているんですが
ちょっとした段差を境にまったく別の空間が広がっていてそれが実にわかりやすい!
20年前のバンドブームに突如巻き込まれる「暴君少女」のナミオと
大人になってひっそり生きている津波、若かりし日の記憶と20年後の現在が織り交ざり、
二つの時代が行きつ戻りつ、あるいは同時に進行するのでこの視覚的なわかりやすさはとっても重要。
設定の矛盾を感じることなく観ている私も素直に時代を行ったり来たりです。
その上とっても面白いのは出演者の数よりはるかに多い登場キャラクター!
いかにも居そうなキャラが次々と出てきます。
レイン/藤田玲さんは伝説のロッカーらしい陶酔した美学をみせてくれる以外に、
別の役でもご登場です。
津田さんも津波以外にも、更に冴えないオジサンのコンビニ店員や、
ローラーブレードのアイドル姿等々も見せてくれちゃいます(笑)
ご出演は他に
柳澤貴彦さん、黒田俊幸さん(ダブル ブッキング)、
馬場泰範さん、中西広和さん、仗桐安さん、梨花さん(トリコロール)、
野崎亜里沙さん、深澤千有紀さん、相内友美さん、大野稔さん、向山毅さん
とにかく皆さん、大忙し!
抱腹絶倒キャラとしては
あさっての方向に個性的な天才肌!?「僕」的キャラの新人アーティストや
いかにも80年代なDJは、誰だよ!って感じで超ウケます。 (しかも実は同じ方が演っておられます)
「ぶっちゃけ」を連発しすぎのインチキ業界人も胡散臭くて可笑しいっ。
いきなり結婚申し込んでくるファンや
馴れ馴れしい関西ギャル、
高木ブー、
お金のことが最優先のザ・業界人、
有名人ロッカーと寝たがる女…
そしてみんな殴られ方がゴーカイで上手い(笑)
津波はコンビニのバイト新人蓮見に過去を語るうち、若かりし頃の自分自身に鼓舞されて…!
バンドブームの喧騒に翻弄された男の成長と挫折、再び情熱を取り戻 すまでの葛藤を描きます。
「リンダリンダラバーソール」
あの頃、僕らは愚かで、最高だった――。
その時代を知っている人は懐かしく自分の気持ちを思い出せ、
知らない人もその心理はすごーく理解できるはず。
おかしくて切ない青春はいつの時代も変わらない。
脚本・演出は喜安浩平さん
公演は、12月2日(水)~6日(日) 全労災ホール/スペースゼロにて
※出演者によるアフタートークも見逃さないで!
おけぴ稽古場取材班:rika