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10/07/09 東京都庭園美術館「有元利夫展 天空の音楽」観賞レポ

2010年7月9日(金) 夕刻
東京都庭園美術館
「没後25年 有元利夫展 天空の音楽」(7/3 - 9/5)観賞レポ

素晴らしかった!
建物もお庭も展示もとにかく素晴らしかったです。
平日にもかかわらず、老若男女来館者は絶えず
グッズ販売コーナーも淡々としかし盛況。
人気の高さにうなづきました!

まず、建物と作品との親和性が感動的です!!
そして、眺めていると音楽が聴こえてきそうな絵と
38歳という若さで亡くなった有元利夫さんが残した
数々の言葉がたいへんおもしろいんです。

有元利夫さんワールドにぐぐぐーーっと引き込まれる面白さを
体感。。。と言えばいいんでしょうか。1時間半、とっても集中して
一つ一つの作品、一つ一つのお部屋を楽しませてもらった後は
あたたか~い気持ちになったのでした。

イタリアの古いフレスコ画のような優しい色合いに、謎めいた女性が
画面に1人登場することが圧倒的に多い有元利夫さんの絵。
岩絵の具や箔などを用いて「風化」したよう独特な画面になっています。
安井賞特別賞を受賞し、「画壇のシンデレラボーイ」として一躍脚光を
浴びた『花降る日』では、何カ所か絵の具がはがれ落ちているのが
わかりますし、そういう様子を有元さんが愛したことも
解説からわかりました。

「フレスコ画は…略…いかにも時間そのものが食い込んでいる感じがして気持ちが安らぐ」
(「有元利夫 女神たち」美術出版より)


有元さんの作品と言葉が詰まった一冊。売店で買えます

また、謎めいた女性のまわりにいろんなものが浮いています。
紅白の玉や花、トランプや花びらなど。。。
「天にも昇る気持」という言いまわしが大好きだった有元さんは、
喜びでいっぱい、嬉しい、つまりエクスタシーの表現がその浮遊する
まわりの紅白の玉や花びらだと語ったそうです。

フレスコ画とバロック音楽を愛した有元さん。
バロック音楽を聞きながら作品作りをしたそうです。
バロック音楽の魅力を「…決して個性的になろうとはしていない。
びっくりさせようとか、どうだすごいだろう参ったか、というところがない。
なるべく自然に、リズムにしても心臓の鼓動にあわせて、人間にとって
何が心地よいかというところにすっと入ってきて、僕らを浮き上がらせてくれる。」
(「有元利夫 女神たち」美術出版より)
このように語っており、だから有元さんの作品はすっと目になじみ
あたたかで静かな雰囲気を持つのだと納得がいったのでした。

そんな有元さんは
『ヴィヴァルディ「四季」より「春」』などの
曲名をタイトルにした絵も多く描いています。

順路に従い、大理石の階段に敷かれた赤い絨毯を上ると絨毯の小広間が開けて
いよいよ、作品を見ていると音楽が聴こえて来そうになります。
いえ、本当に聴こえていたのでした。
3階につづく階段横に倉庫として使っていたお部屋…そこから、
きれいなハープの音色が流れて来ているのです。

なんと有元さんが自ら作曲した曲でした。
「RONDO」
天から響いて来るような音楽で教会にいるようです。
(売店で購入し、今聞きながら書いています)

CDの中に同じ「RONDO」が8回入っているんです。
全く同じ曲が。
「バロックの作曲家の中でも特に好きなのはヴィヴァルディ。
あの大マンネリはすごい。
おめず臆せずじっくりとマンネリをやっていくうちに、
だんだんに磨きがかかって
素晴らしいものになったというマンネリです、あれは。」

そうか(笑)

大分、ネタばれしてしまいましたが
有元さんが"手"について思うことを知れたり、
すべて大学買い上げになったという
卒業制作10点のうち5点を見ることができる今回の展示会は
またとない機会。

初めて有元利夫ワールドに触れる方にも、
もともとファンでいらっしゃる方にも、
バロック音楽がお好きな方にも、
どなたにもおすすめできる展覧会。

また、エントランスで迎えてくださる方からお部屋の隅で立っている
監視員まで皆さんが温かく、気になったことを質問するととても
多くの知識を丁寧に教えてくださいました。
1階の食堂だったお部屋の、照明や壁のモチーフはぶどうやパイナップル、
お魚や貝など食べ物づくしなんですよと教えて下さいました。
確かにそうでした(笑)
是非、お確かめあれ。

美術館自体がアール・デコ様式の素晴らしく芸術的な建築物です。
そちらもあわせてどうぞ、お楽しみください。
2010年7月3日(土)~9月5日(日)

[お詫び] あいにくの天気で(小雨)写真がきれいに撮れずごめんなさい

◆東京都庭園美術館のご紹介 →公式HP
従来の美術館とは異なり、建物自体が美術品といえます。
朝香宮[あさかのみや]邸として1933年(昭和8年) に建てられた建物を、
そのまま美術館として公開したものです。作品とその観賞空間との間に
交感が生まれるような、新しい美術鑑賞の在り方を提案しています。
また、美術館は広大な緑溢れる庭園に囲まれ、自然と建物と美術作品が
あわせて楽しめる環境に恵まれ、そこに庭園美術館の名も由来しています。

チケットを持っていれば庭園にも入れます。


芝生広場

日本庭園

正門横にあるCafe茶酒、とうもろこしの天麩羅が美味しくてびっくりでした!

最後に、お得なパスのご紹介を。
その名も「東京・ミュージアムぐるっとパス2010」。
都内70の美術館・博物館、動物園・水族館・植物園などの
入場券または割引券が綴られたチケットブックなのです。これが2000円。
庭園美術館の有元さんの企画展ももちろん入れます。
(企画展の入館料は1000円なのでパス買えばかなりお得)
有効期間は二ヶ月。一日1館、いかがですか?




おけぴ美術館取材班:nats 写真撮影:nats 監修:おけぴ管理人


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現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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