11/04/18 スウィーニートッド公開稽古レポ
2011年4月18日(水)
ミュージカル「スウィーニー・トッド」公開稽古&囲み取材レポ
現代ミュージカル界の巨星スティーブン・ソンドハイムによる
トニー賞8部門受賞(1979年)の傑作ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」。
2007年の日本公演はsold outとなった舞台が再演決定!
チラシにも"ミュージカル・スリラー"とあるように、
ちょっと怖い雰囲気の物語ですが、
その中になんとも言えないユーモアがちりばめられているミュージカルなのです。
ジョニー・デップ主演のティム・バートン版映画をご覧になった方も多いのではないでしょうか。
今回拝見したのは、オープニングの一場面。
憎悪に燃えるスウィーニー(市村正親さん)の表情!
心の痛みを苦しげに絞り出すような声も顔も凄い迫力です!
大竹しのぶさん演じるのは、ロンドンで一番まずいと評判のパイ屋を営むラヴェット夫人。
おそろしい行為とは裏腹に何故か可愛くお茶目な役所。
下の写真中央のキムラ緑子さんはラヴェット夫人にまとわりつき、
忌わしい言葉を投げかけ続ける謎の女役。物語のキーパーソン!
今回公開されたオープニングナンバーでも不吉な叫び声が稽古場に響いていました。
向かって右手は「踊る大捜査線」スリーアミーゴスでお馴染み斉藤暁さん。
スウィーニーの娘ジョアンナ役のソニンさん。ものすごくスタイルがいいっ、美しいっ!
ソニンさんは2007年公演のジョアンナ役をきっかけに、
その後ミスサイゴンやレントなど話題のミュージカルにたくさん出演されるようになりましたね。
そんなジョアンナに恋する若い水夫アンソニーには田代万里生さん。
田代さんは今回、初参加組。
この二人の若いカップルが物語に温かみと救いを与えます。
オープニング第一声は吉田純也さん。
セット上部には、帽子とお髭が似合う、タ―ピン役の安崎求さん。
武田真治さんはラヴェット夫人を慕う少年トバイアス。
彼の行動がスウィーニーたちの運命を大きく動かします!
阿部裕さんの力強い歌声♪
公開稽古後のインタビューでの大竹しのぶさん。
お気に入りのシーンは1幕最後のスウィーニーとのデュエットとのこと。
「不気味でおどろおどろしいのに何故かワルツでイェーイ楽しーい!って感じなんです。」
と可愛らしく語っておられました。
作品の見どころは?という質問に
「生きる激しさ。生に対する激しい欲求!」
と熱くこたえながらも
「でも(ご本人は)家では子供とダラーっとしてます」とお茶目な市村さん。
インタビュー中も市村さんと大竹さんの息がぴったりで、
そして、出演者舞台にかける想い、情熱が熱く伝わってくるお稽古場でした。
<おはなし>
物語の舞台は18世紀末・産業革命期のロンドン。
妻子と幸せに暮らしていた理髪師スウィーニー・トッドは
美しい妻に横恋慕したタ―ピン判事にはめられ無実の罪で流刑に処される。
長い年月を耐え忍び、若い水夫アンソニーに助けられロンドンに戻ったスウィーニー。
しかし妻は既に自殺し娘ジョアンナはあのタ―ピンに養育されていた。
憎悪に燃えるスウィーニーはロンドンで一番まずいパイ屋の女主人ラヴェット夫人の店に間借りをして理髪店を再開。
彼の正体を知る人間を次々にかみそりであの世に送りながら復讐の機会を狙う。
そしてスウィーニーの犯行が進むと共になぜかラヴェット夫人のパイの味が評判を呼ぶようになる・・。
演出は宮本亜門さん。
「これでも生きる、まだ生きるぞ!という『生きる』エネルギーがある作品。
ミュージカルって歌も踊りもあるけどドラマを出していくもの。
いまこの時期に改めて生きているってすごいなと実感させてもらっている。人間のエネルギーってすごい」
と話されてました。
公演は2011年5月14日(土)~6月5日(日)まで東京・青山劇場にて上演。
さらに6月~7月はツアー公演も。
公式HPはこちら
暗く美しく、同時にどこか楽しいソンドハイムの楽曲を実力派キャストで聴けるのが楽しみ!
おけぴ稽古場取材班:mamiko、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人