おけぴ管理人の観劇感激レポ

ミュージカル「ZANNA」稽古場レポ 「3150万秒と、少し」稽古場レポ
ミュージカル「アンナ・カレーニナ」囲み&公開リハーサルレポ 13/02/10 DIAMOND☆DOGS「MOON LIGHT」@博品館劇場
Google
 


おけぴ管理人が管理している"おけぴ"はこちら。観劇速報は管理人ツイッターから

11/05/08 スウィーニートッド オケ付通し稽古レポ

2011年5月8日(日)
ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師~』
オーケストラ付き通し稽古レポ

先日、公開稽古と囲み取材の様子をお伝えしたミュージカル「スウィーニー・トッド」。
いよいよ5月14日(土)に初日を迎えます。

今回なんと!
本番直前の稽古場にて、オーケストラの入った通し稽古を取材させていただくことが出来ました。
かなり貴重なこの機会。
張り切ってレポさせていただきます♪
長文レポートですがお付き合いくださいませ!

劇場入り目前のオケ付き通し稽古。
キャスト、スタッフ、オーケストラメンバーの方々で
通路ぎりぎりまで埋まった稽古場は熱気と緊張感とでいっぱいです。

スウィーニー役の市村正親さん。
通しが始まるまで、何度も何度も入念にオーケストラ演奏とのタイミングを確認していました。

ラヴェット夫人役の大竹しのぶさんは、とても集中した表情。
確かめるようにシーンを繰りかえし、徐々に役に入っていきます。

そして音合わせをするオケメンバーの皆さんの楽譜が分厚い。
音符の層(?)も分厚い!
音楽監督は山下康介さん、指揮は西野淳さんです。
みなさん音をチェックしながら真剣な表情。

とにかくこの「スウィーニー・トッド」はスティーヴン・ソンドハイムによる楽曲の難易度が半端じゃない!
ほとんどオペラ並みと言いますか、
素人からするとオペラより難しいんじゃないのと思ってしまうような曲が全編に散りばめられています。
変拍子も多く、思わぬ音の連続で、気軽に鼻歌なんて絶対無理。
美しい旋律が、気が付くと不協和音に変わっている。
覚えられないけれど耳に残る。また聴きたくなる。
そんな想いを見透かすように繰り返されるメロディ。
観る側からするとゾクゾクする悪夢的なソンドハイム・マジックにどっぷりと浸れる幸せがありますが、
演じる(歌う)側にしてみれば、これはまさしく悪夢のような楽曲なのではと思ってしまいます。

以前からソンドハイム愛を公言し、彼の作品を多数演出している
宮本亜門さんですから求めるレベルの高さも容易に想像できます。
皆さんの緊張した様子にも納得。

幕開けはアンサンブル陣による「スウィーニーのバラ-ド」。
暗いロンドンの街角で、これから始まる復讐と狂気の物語を予感させるオープニング。
オケの音、そしてアンサンブルの皆さんの声の厚みが凄いです!
男性の高音が不気味に響き、追ってすぐに低音が・・
これは劇場で聴いたら凄い迫力に違いありません。
出演者の皆さん、クラシックの素養がある方も多く、歌唱力のレベルが高い!
聴いていて気持ちがいいです。
気持ち悪い旋律だけど気持ちがいい。

セットがくるりと回ると、そこは港に着いた船の上。
セットの使い方、全編を通してとっても印象的でした。
場面から場面へと流れるようにセットがくるりくるりと・・。
実際の舞台の上でどんな見え方をするのか非常に楽しみ。

さて、船上にはスウィーニー市村正親さんとアンソニー田代万里生さん。
アンソニーは物語の中でほとんど唯一の「まともな人」のはずなんですが、何故か笑えます。
スウィーニーの迷惑顔にも気付かず、常に前のめり。思い込んだら命がけ。
まっすぐでイヤミが無いアンソニー。
田代万里生さん、はまり役だと思います!
ソニンさん演じるジョアンナとの相性もばっちり。
万里生さんがジョアンナを想って切なく歌い上げるナンバー、その名も「ジョアンナ」。
バルコニーを見上げて恋する人の名前を繰り返す。美しくて力強い名曲です。
(ウェスト・サイド・ストーリーの名曲「マリア」を思い出しますね。
それもそのはず。ウェスト・サイド・ストーリーの作詞もソンドハイム先生なんです。天才!)

名曲といえば、大竹しのぶさん演じるラヴェット夫人が
スウィーニーとの未来を夢見て歌う「バイ・ザ・シー」も素晴らしい♪
ラヴェット夫人の可愛らしさ、切なさ、そして狂気が存分に表現されています。
ものすごーく難しい曲ですが、大竹さんが歌うとさすがの演技力で歌に引き込まれます。
スウィーニーの復讐に協力しながらも、過去に執着する彼に腹を立てたり甘えたり。
大竹さん可愛い。でも骨を持ってたりしてやっぱり怖い。
ラヴェット夫人、劇場でまだまだ化けそうな予感が致しました。

そして、ソニンさん演じるジョアンナ。
ほんっとーに、美しいです。
衣装もメイクもなしでこの美しさ。
これ、実際の舞台上ではどうなっちゃうんでしょうか。
安崎求さん演じるターピンがメロメロになってしまう気持ちがよくわかります。
(安崎さん「薄いモスリンのドレスがよく似合うよ」って何度も!
危ない親父っぷりが素敵でした。十字架を前にするシーンは必見!)

ソニンさん、歌も高音がきれいに出ていて声がよく通ります。
籠の中の小鳥と自分の境遇を重ねて歌うソロナンバーの悲しげな可憐さ。
もっと聞いていたいと思ってしまった・・。歌詞も切ないです。

切ないといえば武田真治さん。
ちょっと頭が足りない少年トバイアスを演じています。
彼が大竹さん演じるラヴェット夫人を母のように姉のように慕い、必死に彼女を守ろうとするんです。
武田真治さん・・本当に少年に見えます。
身毒丸から16年。サックスをかっこよく吹いちゃう武田さん。
ついこの前まで「ピンクスパイダー」でロックしていたはずなのに。
真っ直ぐな目で純真に笑うトバイアスの表情。
役者さんってすごいです。
ラヴェット夫人のまずーいミートパイを食べる演技も可愛い!
物語の終盤、トバイアスは重要な役割を果たします。要チェックです!

2幕目の始まりは肉が変わって美味しくなったラヴェット夫人のミートパイを
ロンドンの群集が「ヤムヤム~♪」と食べまくるシーン。
ここでもアンサンブルパワー炸裂です。
思わずこちらも食べたくなっちゃう楽しいシーンです。
でも観劇の際にミートパイを持参するのはお勧めしませんよ。
何故って・・。それはここでは言えません。

ここから終盤にかけて言えないことはたくさんありますが、
まだまだお伝えしたいことは山ほどあるんです。
斉藤暁さんのオルガンとか、中西勝之さんのカミソリとか、
キムラ緑子さん演じる女乞食の不吉な切なさとか、
弁護士と法王と牧師なら、牧師がお勧めだとか・・。

でも観劇の楽しみを減らさないように・・あともう一つだけ!

市村正親さんのスウィーニー。
剃刀を研ぐ姿が似合いすぎです!!
復讐心を胸の中に隠し、紳士的な物腰と笑顔で客の髭を剃る。
恐ろしい役なのに何故かだんだんスウィーニーだけがまともな人間に思えてきたりして・・。
ジョアンナを見る目の切なさって言ったら!

複雑で難解なのは音楽だけではなく、人間の心の中も同じ。
きっと劇場ではさらにそれぞれの役柄の深みが増していることと思います。

ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師~』は
5月14日(土)~6月5日(日)まで青山劇場にて上演。
さらに7月まで大阪・広島・長崎・名古屋・横浜をツアーで回ります。

「生き抜いてやる!」
人間のパワーがたっぷり詰まった異色ミュージカル。
ソンドハイムメロディーと亜門演出にどっぷりと浸かりましょう♪

公式HPはこちら
前回の公開稽古レポはこちら

くれぐれも!観劇のお供はパイ以外で!

「スウィーニートッド」のチケットをおけぴで検索する



おけぴ稽古場取材班:mamiko、おけぴ管理人  写真提供:ホリプロ


コメントを書き込む

お名前:
ホームページ: (なければ空欄で構いません)
コメント:

コメントの掲載について

コメントは内容を確認した上で反映されますので多少お時間がかかります。内容によっては、通知することなくコメントを受け付けないことがあります。ご了承ください。なお、もしエラーになるようでしたら直接 cs@okepi.jp にコメントをメールいただけると嬉しいです。










最近の観劇レポ

観劇レポ全一覧

おけぴ管理人プロフィール
名前:山野上 寛
mail:cs@okepi.jp
出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

おけぴはこちら

RSS

送料
早見表