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11/06/22 大規模修繕劇団「血の婚礼」フォトコール@にしすがも創造舎体育館特設劇場

2011年6月22日(水)15:00
大規模修繕劇団「血の婚礼」フォトコール(公開舞台稽古)
@にしすがも創造舎体育館 特設劇場

7月より半年間の設備改修工事に入るBunkamuraシアターコクーン。
ホームグラウンドから飛び出した芸術監督・蜷川幸雄さん率いる
“大規模修繕劇団”旗揚げ公演「血の婚礼」のフォトコール
(ほとんどゲネプロ同様の舞台稽古でした!)
写真満載レポをお届けいたします!

なんといっても衝撃的なのは、
90分ほぼ全編にわたって舞台に降り続ける雨・・雨、雨!
使用する水の量は、なんと約7トン。

東京公演の会場となるのは、
廃校となった中学校の体育館を利用した客席数300席あまりの濃密な空間。

目の前に、肌で感じる俳優の息づかい、雨のしずく、温度・・。
これぞまさにライブパフォーマンスである演劇の醍醐味。
「生きている」舞台に圧倒されてまいりました!

鼓笛隊の叩く太鼓の音が響きます。

劇作家・清水邦夫がスペインの詩人ロルカの作品「血の婚礼」にインスパイアされて執筆、
盟友・蜷川幸雄によって再演が重ねられているこの作品。

花嫁を奪って逃げた男と、奪われた花嫁、そして花嫁を奪われた男を中心に、
その血族と土地の風土もからんで、宿命的な結末を迎えるという悲劇が、
清水邦夫による詩情あふれるセリフと、独特なユーモア、そしてダイナミックな蜷川演出で展開していきます。

主役である“花嫁を奪った男・北の兄”を演じるのは、独特なたたずまいと繊細な演技で、
日本映画界になくてはならない俳優となった窪塚洋介さん。

蜷川幸雄さんの演出による「血は立ったまま眠っている」に続いて、
2度目の舞台挑戦となる窪塚さん。
感想をひとことで言うと・・・素晴らしかった!
自然な演技でありながら、圧倒的な存在感。
「華がある」というのは、こういうことなのだと思わされました。

ご覧下さい、このながーい手足を。
とにかく舞台に映える!

軽薄なようでありながら、強列な孤独感がにじみ出る“北の兄”役。
窪塚さんの個性とあいまって、
今まさにそこに生きている人間として、舞台の上に存在していました。
飄々としたユーモアもよかった。
(北の兄の“パスタレシピ”、劇場で要チェックです)
板の上(舞台上)でみんなの命を響かせたいと語っていた窪塚さん。
ぜひ、彼の「命の演技」を目の前で体験していただきたい!

“奪われた花嫁・北の姉”を演じるのは、中嶋朋子さん。

結婚式場から逃げたものの、決して幸せとは言えない日々を送る彼女の、
いらだち、あきらめ、その中にもある明るさ。
抑えた演技でもなく、やりすぎでもなく、
やはり「今ここに生きている」ように自然に感じられる中嶋さんの演技。さすがです。

2人を追ってやってきた“花嫁を奪われた男・ハルキ”(左・丸山智己さん)と
兄想いの“北の弟”(右・近藤公園さん)。
丸山さん演じるハルキの情けなさ、優しさが泣ける!
そして、その優しさは劇後半になると狂気に変わります。

物語の舞台になるのは日本のどこかであろう街の、とある路地。
左手にはコインランドリー、右手にはビデオショップ。
セットもとても凝っていて、細部まで必見。
リアルでありながらも、決して現実ではない不思議な世界・・。

その店先で人々の運命を見つめるのは、長い春も忘れかけた腐れ縁のふたり
“姉さん”(伊藤蘭さん)と

高橋和也さん演じる “兄さん”。

おふたりの息が合っていて、とても良いコンビでした!
伊藤蘭さんはさすが元トップアイドルの美しさ。
細い体で煙草をくゆらしながら、人々を見つめる姿がカッコイイです!

場末の路地のドン詰まり感。
やまない雨。
ふたりの微妙な関係が煮詰まっている様子。ヒリヒリと伝わってきます。
今回のレポでは写真をお見せできませんが、
後半での伊藤さんの独白シーン。
鬼気迫る、ぞくっとするような迫力。圧巻でした!

壊れたトランシーバーで誰かと交信し続ける“トランシーバー少年”役に抜擢されたのは、
蜷川舞台に連続して起用されている田島優成さん。
彼が一番「雨にうたれて」いました。
もう、全編を通して「ずっと雨が一番強く当たる場所にいた」という印象。
若さ溢れる熱演!
つい、がんばれ!と応援したい気持ちになってしまいました。
蜷川さんの「愛のムチ」で若手俳優が大きく成長する姿は必見です。

足元もグショグショに濡れております。

追いかけて来た親族に見つかってしまった“北の兄”と“北の姉”。
ここから物語の後半にかけて、人間の野性が目覚める衝撃の展開が・・!

自殺した妻の葬儀を抜け出してきた教師を演じる青山達三さん。
彼とその生徒たちが見つめる「電車」は幻なのか、それとも・・。

そして雨が止む時・・・!!!

今回、撮影出来たのはここまでですが、
ここから先の後半はまさに圧巻のひとこと。

雨がやんだ路地でいったい何が起こるのか、
人々の運命に決着はつくのか。

こたえを求めるのではなく、この空間・この時間に身をゆだねる快感。
目の前で息づく命を感じられる、まさに衝撃的な「演劇」体験でした。

生前の井上ひさしさん命名による
“大規模修繕劇団”という名前には、今の演劇をそして日本を、世界を「修繕」していく
という決意が込められているとのこと。

「過激な挑戦。我々の激しい試みを支援してもらいたい」と語る蜷川幸雄さん。
3度目となる再演ですが、今回が一番いい!と言いきってらっしゃいました。

Ustream生中継もされていた今回の舞台稽古ですが(現在は配信終了)、
この迫力は映像では伝わりません!
劇場に行くことでしか味わえない、異次元に連れて行かれるような感覚。
五感を使って体験するNINAGAWAワールド。
取材班も絶対にリピートするつもりであります!

東京公演は2011年6月24日(金)~7月30日(土)まで、
にしすがも創造舎体育館・特設劇場(西巣鴨駅徒歩1分)にて。
その後、新潟公演8月6日(土)、7日(日)りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場、
大阪公演8月18日(木)~21日(日)森ノ宮ピロティホール、
福岡公演8月27日(土)、28日(日)北九州芸術劇場 大ホールで上演されます。


雨にうたれる窪塚さん。水も滴る・・です。

Bunkamuraによる公演HPはこちら
出演者の皆さんへのインタビューなど読みごたえあり!

にしすがも創造舎・HP

世界の果てから届く、雨の匂い。
ぜひ劇場で体験して下さい!

「血の婚礼」のチケットをおけぴで検索する



おけぴ取材班&撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人


皆様からのコメント



今朝の産経新聞を見て見なきゃ公開するような気がしたんですよ。「ヘンリー6世」のパンフ見てこの子誰?と思い「じゃじゃ馬ならし」を見て、この子ルーセンショー役の子よりうまいなと・・・
田島優成さん見たさにチケット買っちゃった。
ズブヌレの君を楽しみにしているよ。

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名前:山野上 寛
mail:cs@okepi.jp
出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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