11/09/13 「ピアフ」製作発表レポ
2011年9月13日(火)
「ピアフ」製作発表レポ
フランスの国民的シャンソン歌手‘エディット・ピアフ’の生涯を描いた音楽劇「ピアフ」。
数々の名女優によって演じられてきたエディット・ピアフの物語。
今回はイギリスを代表する女性劇作家パム・ジェムスによる戯曲を、
演出・栗山民也さん、主演・大竹しのぶさんという
日本の演劇界を代表する強力タッグで舞台化するという、
まさにピアフの決定版ともいえる舞台です。
その製作発表にお伺いしてきました。
主演の大竹しのぶさん。
「ピアフを演じることが出来るなんて夢のよう。
20歳の頃に勘三郎さん(当時の中村勘九郎さん)にこれ読んでみてと、
ピアフの自伝を渡されて、凄い人生を生きている人なんだなあと思って・・。
なぜ今でもこの人の歌が響くのか、心に残るのか。
そしてこんなに我儘で滅茶苦茶な生き方なのに(周りの男の人たちに)
愛されちゃうのは当たり前だなと思ってもらえるような、
チャーミングな、どこにもいない女性を演じられたらと思います」
個性的なドレスも素敵です♪
この舞台の見どころの一つは、次々に恋に落ちていくピアフと
恋人たちとの恋愛模様。そして別れ・・。
ここでピアフを取り巻く登場人物たちを演じるキャストの皆さまをご紹介しましょう。
ピアフを慕い続けるマネージャー・ルイバリエ役の高橋和也さん。
「日本を代表する女優・大竹さんと初共演させていただいてとても光栄です。
出来れば恋人役だったらもっと良かったんですけど。
とにかく稽古が楽しみでしょうがないです」
そしてピアフの生涯の友、トワーヌを演じる梅沢昌代さん。
「大竹さんとは親子も演じていますが、今回は親友ということで。
この舞台は展開がとても早くて、やる方は大変ですが、
観ているお客様にとってはあっという間の時間だと思います。
心にすっと入ってくるような素敵な作品になると信じています」
ピアフと運命的な刹那の恋に落ちるボクシング・チャンピオン、
マルセルマルダン役の山口馬木也さん。ビシッと決めた正装です!
「ボクシングも、歌も、複数の役を演じるということも経験がなく・・
どうしたらいいものかと思いながらここにいます。
実は以前に‘兵隊C’の役で大竹さんと一度だけ共演させてもらったことがあります。
どのタイミングでこのことを打ち明けようかと思ったのですが(笑)」
この告白に大竹さんも思わず立ち上がって
「やっぱりそうですよね!なのに初めましてなんて言って・・ひどい、覚えていますよ!」
とキュートに憤慨。可愛いです♪
馬木也さんの恐縮っぷりも微笑ましい!なんだかとてもいい雰囲気です。
そしてピアフの最後の恋人・テオサラボを演じる碓井将大さん。
なんと19歳!1991年生まれ!
「10代最後の作品になります。
歌稽古をやってみて、失礼な言い方ですが皆さん本当にお上手だなと思いました。
でも絶対に負けないように、ピアフの最後の恋人を全うしたいと思います!
大竹さんを強く抱きしめ、受けとめるようなギリシャ人の少年を演じたい」
と力強く宣言!
そして若き日のイブ・モンタンを演じる田代万里生さん。
「モンタンだけでなく、台詞のない役を含めて7役演じます。
ピアフと映画のようなキスをする役もあり、
恋人役でなくて残念と言っていた高橋さんには申し訳ないのですが、
贅沢にも2役も恋人役を演じさせていただきます。
20代のモンタンを演じられること、
スリル・ミーに続いて栗山さんの演出、
5月の舞台(スウィーニー・トッド)に続いての大竹さんとの共演、
たくさんのものを得られる舞台になるのではと期待しています」
豪華なキャスト陣は、この日登壇された皆さんに加え、
マレーネ・ディートリッヒ役の彩輝なおさん、そして辻萬長さん、山路和弘さんなど。
スピーディーな展開で複数の役を演じるという難題に挑むみなさんに期待です!
ピアフの全身で生きている、後悔しないという生き方。
自分も同じ考えで生きてきたのでピアフの「水に流して」
という歌がとても沁みる、という大竹さん。
キャストの顔合わせ後の本読みでは、
大竹さんが歌う「水に流して」に自然と拍手が沸き起こったそうです。
そして、制作発表の後に開催された大竹しのぶさんとの
懇親会にも参加させていただきました♪
ストレートプレイでもミュージカルでもない「音楽劇」
舞台上でピアフが歌う名曲の数々・・
愛の賛歌、バラ色の人生、ミロール、私の回転木馬etc・・。
ミュージカルのように台詞が歌になるのではなく、
ピアフとして舞台上で歌う大竹しのぶさん。
「こちらの方が難しい」とおっしゃってました。
また、舞台上で歌ったり叫んだり、喉は嗄れないのですか、という質問には
「歌は自分がつらいときに助けてくれるもの。
悲しい時に悲しい歌をシャワーを浴びながら大声で歌ったり、
バスルームではよく歌っています。喉は強いので。
身体と心が一緒になって叫んだり泣いたりすれば(声がかれることは)ないと思う。
一体化していれば体に無理がかからないし。
もちろん身体と心が一体化するような脚本じゃなければ駄目ですけど」
と、さすが!な女優的発言も。
一方で‘ピアフとの共通点は?’という質問には
「私の方がもう少し健康的かも・・自然食品とか愛してるし・・」
と逆に相違点をお茶目に語られて、記者たちを笑わせていました。
最後に
「ピアフにかかわった以上はずっと関わっていきたいと思う。
これは出来次第なので、そうなれるように頑張ります!」
と抱負を語ってくださいました。
大竹しのぶ主演・栗山民也演出「ピアフ」は
10/13~11/6まで東京・シアタークリエにて上演。
その後ツアー公演も行われます。
ツアー公演スケジュールはこちら
~ストーリー~
エディット・ピアフー本名エディット・ガシオンはフランスの貧民街で生まれ、
路上で歌いながら命をつないでいた。ある日、ナイトクラブのオーナーがエディットに声をかける。
「そのでかい声。どこで手に入れた」
「騒がしい通りで歌っても歌をきいてもらうためよ!」
“ピアフ”ー“小さな雀”の愛称がついたエディットの愛の歌がたちまち評判となる。
華やかで順風満帆な人生にも見えたピアフだが、私生活では切実に愛を求めていた。
ピアフが見出し、愛を注ぎ、国民的歌手へと育て上げたイブ・モンタン、
シャルル・アズナブール。ボクシング・チャンプのマルセル・セルダン、
生涯最後の恋人となる若きテオ・・。
最愛の恋人を失った時もー病が身体と心を蝕んだ時もー
エディット・ピアフは愛を求めてマイクに向かい続けるのだった。
>公演HP
おけぴ取材班:mamiko、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人