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11/11/15 「みんな我が子」稽古場レポ

2011年11月15日(火)15:00
アーサー・ミラー作/ダニエル・カトナー演出
「みんな我が子」稽古場レポ

長塚京三さん、麻実れいさんをはじめとする
実力派キャストの皆さんの素晴しい演技にぐぐっと引き込まれ
思わずメモを取る手が止まってしまうほど白熱する稽古場!


写真左から柄本佑さん、長塚京三さん、麻実れいさん

伊藤美代子さんによるテンポのいい新訳と、
ブロードウェイ仕込みのダニエル・カトナーさんの「伝わる」演出で
物語の世界にあっというまに入りこんでしまいました!

過去の秘密、それぞれの想い、
誰もがわだかまりを抱えながらも幸せを求める濃密で歪んだ家族の姿。
ギリシャ悲劇を模したアーサー・ミラーの戯曲は
時に残酷なまでにみじめな「生身の人間」の姿をあぶりだします。

心に大きな秘密を抱えつつも良き夫、
そして強い父親として振舞おうとするジョーを演じる長塚京三さん。
息子とその恋人を前にはしゃいでみせる姿が何とも言えない悲哀に満ちていて胸に迫ります!

稽古場に響き渡る麻実れいさんの「声」。
ひと言でその場の空気を変える存在感!
戦争に行ったまま帰らぬ息子を待ち続ける母親の役、
抑えた演技の中にもにじみ出る心の葛藤が、
見ているこちらにまでぐぐぐっと伝わってきます。
(美しい仕草のひとつひとつに見とれてしまいました!)

宝塚の大先輩である麻実れいさんとの共演に
「夢のよう」と語る朝海ひかるさんが演じるのは、物語のカギを握る女性・アン。

戦争で行方不明になった弟の恋人であるアンに想いを寄せるクリスを演じるのは、
作品ごとに全く違う顔を見せてくれる若手の成長株・田島優成さん。

誰よりも幸せを望んでいながらも
自分には幸せになる資格はないと感じているクリスがアンと気持ちを確かめあうシーン、
繊細な演技に見ているこちらもドキドキでした!
朝海ひかるさんの髪型もかわいい!)

お稽古を拝見していて印象的だったのは何よりも「伝わること」を大事にして、
ひとつひとつの動きにも「なぜそうなるのか」という裏付けを確認していく
ダニエル・カトナーさんの丁寧で細やかな演出。
アメリカ・ブロードウェイという
世界中の観客が集まる場所で培った信念のようなものを感じました。
丁寧に作り込んでいるからこその「分かりやすさ」。
翻訳劇特有の「引っかかり感」がありません!

アンの兄、ジョージを演じる柄本佑さん。
彼もまた心の中に秘密と謎を抱えています。
何を考えているのかわからず
「人なつこさ」と「暴力性」を同時に感じさせる柄本さんの演技。
独特の存在感に目が離せません!

ホロスコープ(占星術)に凝っているフランクを演じるのは加治将樹さん。
様々な人の運命を変えてしまった「戦争」に行かずに済んだフランク。
その存在が物語に何をもたらすのか。

柔らかな物腰の長塚京三さん。
演出のダニエル・カトナーさんと演技を確認していきます。
この作業を繰り返すたびに、いきいきと登場人物たちが動き始め、
目の前で物語が立ち上がっていきます。

第二次世界大戦後のアメリカを舞台に、
大きな「秘密」の周りで歪んでいく家族の物語。
悲劇的な重いストーリーですが、印象的だったのは笑いが絶えない稽古風景。
かみ合わない登場人物たちの会話に妙な面白味もあり、
ただ重いだけでなく、軽妙な俳優さんたちの持ち味や
演技のキャッチボールも楽しめます。

今回の取材ではご紹介できなかったのですが、
この他に隆大介さんや山下容莉枝さん、浜崎茜さん、
子役Wキャストの坂口湧久くん、鈴木知憲くんもご出演。
堀尾幸男さんによる美術も、これまで上演されてきた「みんな我が子」とはひと味違うとのこと。

アーサー・ミラー作/ダニエル・カトナー演出の「みんな我が子」は、
12月2日から18日まで新国立劇場小劇場にて、
12月20日から21日まで大阪・サンケイホールブリーゼにて上演予定。

<ものがたり>
舞台は第二次世界大戦後のアメリカ。
ある家族の裏庭での一日の出来事。
自らが戦争中に犯した過ちを正当化し、
真実が明らかになることに怯えながらも強い父親・夫として
存在するジョー・ケラー(長塚京三さん)。
夫に従順でありながらも、戦争で行方不明になった
息子の死を受け入れる事が出来ない妻・ケイト(麻実れいさん)。
ある日、ジョーのもとにかつての仕事のパートナーの娘であり、
行方不明となった息子の恋人であるアン(朝海ひかるさん)が訪れる。
円満にみえた家族生活、近隣との関係が狂い始め…。

おけぴ管理人によるダニエル・カトナーさんのインタビュー記事はこちら
製作発表レポはこちら


田島優成さんの陰がありながらも明るく振舞うアメリカ青年ぶりにキュン!

おけぴ稽古場取材班:mamiko、おけぴ管理人 撮影:おけぴ管理人


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現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
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大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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