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12/06/20 ウィーン版「エリザベート」マヤ・ハクフォート&マテ・カマラスインタビュー

2012年6月20日15:00
ウィーン版ミュージカルエリザベート20周年記念コンサート
~日本スペシャルバージョン~キャストインタビュー(記者懇親会)

1992年9月、オーストリアのアン・デア・ウィーン劇場での初演から20年。
ハンガリー、ドイツ、スウェーデン、韓国など世界各国で大ヒットを
記録しているミュージカル「エリザベート」。
もちろん日本でも宝塚歌劇団、東宝などで繰り返し上演されており、
人気ミュージカルのひとつです。

20周年のアニバーサリー・イヤーとなる今年10月、
東京・大阪にて、本場ウィーンキャストによる
「ウィーン版ミュージカルエリザベート20周年記念コンサート
~日本スペシャルバージョン~」が開催されます。
タイトルロールのエリザベートを演じるマヤ・ハクフォートさん、
トートを演じるマテ・カマラスさんを囲み、この作品への思いを
うかがってまいりました。

1994年からエリザベートを演じ続け、出演回数世界一を記録するマヤさんと、
本場ウィーン、母国ハンガリー、そして三カ国目となる日本でも
トート役を演じているマテさん。
「エリザベート」という作品と、それぞれの役柄を熟知している
お二人ならではのお話をたっぷりとお届けいたします。


-まず初めに、今回のコンサート出演の意気込みからお聞かせください。

マヤさん)
これまでにもウィーン版のみならず、日本版としても上演を重ね、
この作品をとても愛してくださっている日本で記念のコンサートを開催し、
皆さんと一緒に20周年をお祝いできることを大変光栄に思っています。

マテさん)
今回はマヤさんにとって最後のエリザベートになります。
実はマヤさんの1000回目のエリザベートの公演もここ日本で、
私も一緒に舞台に立っていました。
こうして最後のエリザベートも日本のお客様の前で一緒に歌えることは
大変うれしいことです。
今から公演に参加する全員が楽しみにしています。

-マテさんからお話があったように、マヤさんは今回が最後の
エリザベートということですが、今その決断をした理由は。

マヤさん)
今、この役にお別れを告げようと思うのには、いくつかの理由があります。
まず一つは、エリザベートの主要なテーマである
「“自己実現”を果たす」ということ、つまり自分を見失わず自分が
何者であるのかを世の中に訴えること、
このテーマを「マヤ・ハクフォードとしてやり遂げた」という気持ちがあるからです。

このテーマに対しての衝動を持ち、新鮮な刺激を与えながら役を
演じることができないのであれば、この役を信憑性のある形で
舞台上に表現できないと思いました。

さらに27歳から18年間演じてきたエリザベート役ですが、
私が37歳の時、2003年にマテと初めて共演したシーズンに、
(エリザベートの晩年が描かれる)第二幕を説得力のある形で、
不安なく演じられるようになりました。
それは私が年齢を重ね、妊娠・出産を経て母にもなるという様々な経験を
重ねたからでしょうね。
その一方で第一幕の14歳の若くてピチピチのエリザベートを演じるハードルは
高くなりました(笑)。
もちろん、役を熟知しているからこその信憑性でそれなりの形で
お届けすることは出来るのですが、
私が45歳になっているのは紛れもない事実ですからね。
そのような理由で「今が辞め時」と思いました。

マテさん)
そこがエリザベート役の大変なところだと思います。
14歳から61歳までの、50年近い一人の女性の人生をわずか
数時間で演じなければいけない。
一人の女優さんがずっと演じ続けると言うのは無理なんですよね、この役は。

マヤさん)
この秋からウィーンでのキャストが若い世代に代わるということもあり、
そういう意味でもちょうどいい区切りだと思いました。

「もう一度エリザベートを」というお話をいただいたのが日本だったからこそ、
「ここで最後に」と思ったことも間違いないことですね。

これで最後、ということは少し悲しい気持ちもありますが、
タイミングとしては今がこの役に別れを告げる時だと思っています。
もし神様のお計らいで50歳になったときに「もう一度エリザベートを」
というお話があったなら、どういう決断を下すかはわかりませんけども(笑)、
今はこれが最後と思っています。

-マヤさんもマテさんが出演された東宝版をご覧になったそうですが、
いかがでしたか。

マヤさん)
大変すばらしい舞台でした。
エリザベートを演じられていた女優さんも美しく、
本当に説得力のある演技をされていましたね。

演技スタイルに違いはあるのかもしれませんが、
本質の部分、エリザベート自身の激しさや夫との間の葛藤などは、
オリジナルのバージョンと全く変わらないと感じました。
演出についても、新鮮なアイデアが盛り込まれていましたね。
たとえばハンガリーを巡る政治的状況などが、より丁寧に
描かれていたと思います。
トートダンサーを投入していたのも大変気に入りました。
こうして各国で、最高のクリエイターのみなさんが
新しいエリザベートを誕生させている、この事こそが素晴らしいですね!
色々な国で受け入れられ、さらに発展していく・・・
この作品がそれだけのポテンシャルを本質的に備えているということを
改めて実感しました。

そしてなによりマテさんのトートが素晴らしく、
「日本語で歌って日本の舞台に立つ」という彼の夢を実現したことを
誇らしく思い、感無量でした。

2003年にウィーンでトート役のオーディションを受けた時から彼を見てきたので、
(日本で舞台に立つ)その姿に感動し、
終演後楽屋を訪ねてしばらくは言葉もなくただ抱き合って涙を流しました。
日本の皆さんが彼の才能を信じて彼にこの役を与えてくれたことを
彼に代わって感謝したいと思います。

-では、マテさんにうかがいます。日本版を経て、秋のウィーン版での
トートはどのようになるでしょうか。

マテ)
今取り組んでいる東宝版で私が心がけていることは、
自分自身のトート像を前面に押し出さないことです。
あくまでも演出の小池(修一郎)さんが考えているトート像を体現し、
一緒に演じている日本人の方のトートからたくさんのこと吸収しようと思いました。
そしてそれを、自分自身が持っている日本や日本文化に対する愛情で
表現することを常に考えています。

もちろん根底には母国ハンガリーという国から来る気持ち、
メンタリティがありますが、私の経験や人間性を注ぎ込んで、

とにかく東宝版のエリザベートの一部になりたい、
日本のキャストの一部になりたいと思って演じています。

日本版に出演が決まった時は、ウィーン版のトート像を日本のトートに
織り込むのかと聞かれました。
それはその通りですね。

ですから、今度は逆に日本版での経験・蓄積を何らかの形でウィーン版に反映させます。
色々なトートを演じる中で経験してきたことが次々と活かされて、
その時々の新しいトート像になっていくのだと思っています。
今度のドイツ語バージョンも2005年に歌ったときのトートとは変わっているでしょう。

-マヤさんとマテさんだからこそ生まれる化学反応はありますか?

マテさん)
長く共演していることに加えて、
プライベートでも親しいということが舞台上でも活きていると思います。
今日のように長い間会っていなくても、
彼女の目を見れば体調や調子がわかるくらい仲が良いので、
このお互いに抱いているポジティブな、親密な気持ちというのは
当然、舞台上にも現れていると思います。

マヤさん)
エリザベートは自分を律する力を決して失わない人です。
本当は「自分自身の限界を超えて違う世界へ行ってみたい」
という気持ちを持ちながら、自らをコントローする力が働くあまり、
現実の人生へ戻ってしまう・・・。
これは私と共通する部分ですね。

一方でトートはエリザベートを引っ張って、
限界を、現実の世界を超えさせようとする。
そこにマテ自身が持つ、限界を超えようとする勇気と行動力、
チャレンジ精神が加わり舞台上でとてもいい具合に働いていると思います。

そんな私たちだからこそ、トートとエリザベートとの間の
「良い形での緊張感」は間違いなくありますね。
ですから今回のコンサート形式でも、
「エリザベート」の世界をしっかりと表現できると思っています。

作品を知り尽くしたお二人が創り出すウィーン版「エリザベート」の世界。
お話をお聞きして、ますます楽しみになりました!

また、今回の20周年記念コンサートでは、
お二人のほかにも「ウィーン版・エリザベート」に欠かせない
ベストメンバーが来日されます!

ルドルフ役にはその端正な顔立ちと憂いを秘めた芝居と歌声で
ギュッと心を締め付けるルカス・ぺルマンさん。
マテさん同様に招聘公演以来、日本の舞台にも出演されていますね。

ルキーニ役は2007年以来の来日となるブルーノ・グラッシーニさん。
張りのあるロックな歌声で物語を力強く牽引します!
そして、フランツ・ヨーゼフ役には温かく誠実な歌声が印象的な
アンドレ・バウアーさんと、とても魅力的なキャストです!

コンサート形式ならではの音楽の素晴らしさを堪能できる充実のキャスト、
フルオーケストラによる演奏。
さらに豪華な衣装やウィッグを身につけての全曲・全シーン歌唱、
原語ならではの迫力!
ゴージャスな「ウィーン版ミュージカルエリザベート20周年記念コンサート」で
作品の醍醐味を味わう日が今からとても楽しみになりました。
マヤさん、マテさん、ありがとうございました!


そして、大阪、東京両公演にて観劇がさらに思い出深いものになる
スペシャルイベントが開催されます!!

☆初日特別カーテンコール! 10月15日18:30 / 26日18:30公演終了後
☆スペシャルフィナーレ! 10月19日13:30 / 29日13:30公演終了後
☆千秋楽特別カーテンコール! 10月22日13:30 / 31日13:30公演終了後

また東京公演10月30日13:30開演にご来場者の方全員に
マヤ・ハクフォート、マテ・カマラス、ルカス・ペルマン
サイン(プリント)入り特製オリジナル
写真プレゼント(非売品)も発表されました!

<公演概要>
2012年10月15日~10月22日 梅田芸術劇場メインホール
2012年10月26日~10月31日 東急シアターオーブ

<キャスト>
Der Tod:マテ・カマラス Máté Kamarás
Elisabeth:マヤ・ハクフォート Maya Hakvoort
Luigi Lucheni:ブルーノ・グラッシーニ Bruno Grassini
Kaiser Franz Josef:アンドレ・バウアー André Bauer
Erzherzog Rudolf:ルカス・ペルマン Lukas Perman
Erzherzogin Sophie:ガブリエレ・ラム Gabriele Ramm
Herzog Max in Bayern:トルステン・ティンネ Thorsten Tinney
Herzogin Ludovika/Frau Wolf:マイケ・カトリン・メルケルMaike Katrin Merkel

<公式HP>
ウィーン版ミュージカルエリザベート20周年記念コンサートHP/


おけぴ取材班:chiaki, mamiko 撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人


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名前:山野上 寛
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出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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