おけぴ管理人の観劇感激レポ

ミュージカル「ZANNA」稽古場レポ 「3150万秒と、少し」稽古場レポ
ミュージカル「アンナ・カレーニナ」囲み&公開リハーサルレポ 13/02/10 DIAMOND☆DOGS「MOON LIGHT」@博品館劇場
Google
 


おけぴ管理人が管理している"おけぴ"はこちら。観劇速報は管理人ツイッターから

12/08/30 観る朗読劇「100歳の少年と12通の手紙」江波杏子さん成海璃子さんインタビュー

2012年8月30日(木)13:00
音楽×ダンス×朗読 観る朗読劇「100歳の少年と12通の手紙」
江波杏子さん成海璃子さんインタビュー



「 ― 神様へ 僕は、今日100歳になりました 」


自分の余命があと12日だと知ってしまった10歳の少年・オスカーと、
口の悪い、病院ボランティアのローズさん。

“1日を10年と考える”
“神様に1日1通の手紙を書く”

そんなローズさんの提案から始まった、オスカーの新しい人生とは?

フランスをはじめとした
世界40カ国が涙したというベストセラー「100歳の少年と12通の手紙」。

音楽×ダンス×朗読という新しい形の“観る朗読劇”として、
日本初上演される今作は、
日替わり12組の朗読者たちと、
中島周さん(ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」死のダンサー!)のダンスパフォーマンス、
平山素子さんによる振付、前嶋康明さんの音楽でみせる、
“誰も出会ったことのないイマジネーションの舞台”とのこと!

鈴木勝秀さんの演出により、
12組の朗読者たちがどんな物語を紡ぎだすのでしょうか?

数少ない女性×女性ペアとしてご出演の、
江波杏子さん(ローズ役)と、成海璃子さん(オスカー役)に、
作品への思い、稽古場の様子など、お話しをうかがってまいりました♪




【江波杏子さんプロフィール】
1959年 大映に入社後、1960年「おとうと」でデビュー。
1966年に主演した「女の賭場」で脚光を浴び、当たり役“昇り竜のお銀”として17本のシリーズ作品に主演。
1973年「津軽じょんがら節」でキネマ旬報主演女優賞受賞。
「ちりとてちん」「冬のサクラ」「カーネーション」等テレビドラマにも多数出演。
舞台作品「サロメ」「天守物語」等。

【成海璃子さんプロフィール】
1992年生まれ
2000年に「TRICK」でドラマデビュー。
2005年「瑠璃の島」でドラマ初主演。2007年「神童」で映画初主演。
2007年山路ふみ子映画賞新人女優賞受賞、2008年毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞受賞。
NHK大河ドラマ「平清盛」等、多数のドラマ・映画に出演。


― 2回目の稽古を終えていかがですか?

成海)
朗読劇というものに出演するのが初めてなので、
前回(の稽古で)は探りながら、
どういうものなのかな、とドキドキしながら稽古をしていました。
「読む」ということだけに専念することはあまりないので、
普段してきていることとは、また違うアプローチになると思っています。
難しさもありますが、面白くやれるのではないかと思います。


江波)
本がとてもいいんですよ。
「芝居」というのではなく、
なんというか・・書かれているものの上をたどっていく旅のようなもの。
とても解放されるというか・・疲れます(笑)、肉体的には。
また、成海璃子さんがとてもピュアで。
とても素直に(作品世界に)入っていらっしゃるので、
私もいろいろとその“波”を受けさせていただいて、
役者として新鮮なものを体験しています。



― 稽古をしていて、お互いの印象は?

成海)
初めてお会いした時には、とにかく緊張しました。
二人のお芝居なので、(稽古しているうちに)どんどん変わって来るんですね。
とても・・ぐっとくるところもありますし。
いつも新鮮で。
変わっていく、ということが自分でも面白いです。

江波)
サウナじゃないけれど、裸と裸の付き合い(笑)。
何しろ、目と目を合わせてもいけないという演出で。
「演じないでください」「ただ読んで下さい」って。
そうするとね、本当にこれはもう、魂と魂が触れ合うっていうのかな。
そういう感じがいたしますね。
成海さんに最初にお目にかかった時に、もうやられた!ていう感じでしたね(笑)。
ドーン!とね。
ごく自然体で、ごちゃごちゃしたものが付いていない。
全く「芥(あくた)」みたいなものが付いていない方なのね。
一般のお若い方でも、こういうお嬢さんは今時なかなかお目にかかれませんよね。
ある意味ショックでした(笑)。
本当に素晴らしい!

成海)
とんでもないです・・(恐縮)。

江波)
清らかな水を受けているような感じがしますよ。

― 作品への取り組み方は?


江波)
いかに演じないようにするか。
長く役者をやっていると、どうしてもどこかに出てしまうんですね。
でもそれこそ裸になって。
全く自分の内なるものだけで対決していくしかないな、という感じがしますね。

成海)
自分自身がすごく出ちゃうなあ、と思いますね。

江波)
(役柄の声を出すことや、演じるという)
意識を今回は取っ払ってみようと思うんです。
二人の肉体を通してお客様に何かをお渡しして、
そしてお客さまからもいただく、という・・そういうことが出来たら最高だなと。

成海)
私も、(オスカーの)声はこういう感じ・・とイメージしているものは特にないです。
その時に感じた気持ちで(台詞を)言っているので、
あまり計算して、ということはしていないですね。

江波)
(台本に書かれている)文章を通じて、
私たちがそれに触れることによって、空気が動くという感覚があります。
文字をたどって、自分の内なるものが出て行くという感じですね。
毎日、毎時間、その感覚は違うんです。
実に難しいですよ。
テーマもすごいですからね(笑)、壮大すぎちゃって。


成海)
すごい本だなと、まず思いました。
実際は10歳のオスカー少年が、気持ちの上でどんどん歳をとっていく中で、
「20代はこういう年だった」、と言われても納得出来るというか。
うん、と思えることが書いてあるところが、
すごい、と思いました。

― 音楽×ダンス×朗読のコラボレーションについて

成海)
音楽には、すごく・・影響されるんですよね。
それ(音楽)を聴いていることで、
自分の中から出て来る感情というものもあると思うので、
本番の舞台でもどうなっていくのか、とても楽しみです。

江波)
予想がつかない。
固定した芝居の“演じる形”というものがないだけに、
音楽があって、お客さんが入って、
どういう事態になるのかな、と(笑)。
想像も出来ない状況。ね?

成海)想像・・できないですね(笑)。

江波)
ね。冒険!!

― スズカツさん(鈴木勝秀さん)の演出について

江波)
非常に的確なんですよ。ひとつひとつが。
「演じないでください」「目と目なんか合わせないでください」って。
「本当にナチュラルな、自然体に自分を置いて下さい」っておっしゃっていますね。
すごい体験をさせていただいているという感じがします。
それこそ彼を信じていられるな、と思います。


成海)
とても的確に言ってもらえるので、
あまり(演技に)悩んだりとか、ここはこうしようとかは思わず、
毎回、素直に思った気持を出せるな、と。
1回目の稽古はすごく緊張していて・・。
でも、「そんなに演技しなくていい」と言われて、
それで「ああ、こういうことか」と思えたというか・・。
うーん・・、何ですかね。
毎回、変わってもいいんだということが・・、
決める必要はないし、
毎回、自分の感情で動けばいいんだな、と。
いままでは、やっぱり動いたりとか演技したりしていたので、
とても「新しい」ことだな、と思いました。

― この作品を、どのような人に観てもらいたいですか?

成海)
・・・「どのような人にも」、ですね。
私自身、原作を読んだときにとても響いたんです。
だから、「どんな世代でも」・・ってダメですか?
うまく言えないですれど、「はっとする」というか、そんな感じです。


江波)
私のお客様は(世代的に)みんな死がほとんど日常化しているから、なんて(笑)。
でもやっぱりそういう意識はあると思いますよ。
いまのこの日本の方々には、ちょっと(テーマが)きついかなあ・・・。
でもね、「勇気」をもらえます。
晴れやかな気持ちになる。
「死=(イコール)生」ですからね。
「生きていて良かった。生きているって何て素晴らしいことだ」っていう台詞があるんです。
そこはね、もう聞いていて自分の中の(体の)組織が動くんですよ!
ぐっーっと上がりますね。
もちろんそれも表現者によってでしょうけれど、
彼女(成海さん)は、とても素直に表現なさるから。

この作品を読んで「死=(イコール)恐れ」ではないよ、という意識を持ちましてね。
毎回読むたびに発見するんです。
そのくらいの力を持っている本です。
変な個人の主観を持たない方がいい、というのがいまの課題。
この本をいかにそのままお客様に渡すか、ということですね。
自分の変な感情とか解釈とか、そういうことは一切入れないで。
よく言うじゃないですか、「無」になること、って。
それはとても難しいこと。
でもこの本はね、それをやらせてくれるんです。


江波さん、成海さん、ありがとうございました!
 

お二人が朗読で「みせる」、少年オスカーとローズさんの物語。

死を目前とした少年の心の変化、その生きる姿を
まるで“ひとつの絵”のように見せて行きたいという演出の鈴木勝秀さん、
これは単なる「朗読劇」で終わるはずがありません!

平山素子さんの振付で踊る中島周さんは、物語の中で何を表わすのか。
前嶋康明さんのオリジナル曲を中心とした音楽、
大嶋吾郎さん、久保田陽子さんによるヴォーカルグループ、
そして12組の朗読者たちとのスーパーコラボレーションをぜひ劇場で体感していらして下さい!


<公演情報>
原作:エリック=エマニュエル・シュミット
訳:阪田由美子(河出書房新社)
演出:鈴木勝秀
振付:平山素子

出演:
ダンス:中島周
ヴォーカル:大嶋吾郎 久保田陽子

12組の朗読者:
9/12(水) 多田直人 柴田理恵
9/13(木) 小西遼生 杏子
9/14(金) 古川雄大 萩野志保子(TV朝日アナウンサー)
9/15(土) 成海璃子 江波杏子
9/16(日) 新納慎也 彩吹真央 ※
9/17(月) 宮野真守 萬田久子
9/18(火) 竹財輝之助 秋野暢子
9/19(水) 山崎育三郎 涼風真世
9/20(木) 川平慈英 香寿たつき
9/21(金) 松岡充(SOPHIA) 木の実ナナ
9/22(土) 安倍なつみ 木村多江
9/23(日) 池松壮亮 南 果歩 

※緊急決定! 新納慎也×彩吹真央 役替わり公演実施!
9/16
13時開演 オスカー役:新納慎也 ローズ役:彩吹真央
17時開演 オスカー役:彩吹真央 ローズ役:新納慎也

場所:グローブ座
チケット料金:S席6500円 A席5500円(全席指定席)
公演URL
問合せ先:アトリエ・ダンカン TEL:03-3475-0360(平日12:00~ 18:00)





おけぴ取材班・撮影:mamiko   監修:おけぴ管理人


コメントを書き込む

お名前:
ホームページ: (なければ空欄で構いません)
コメント:

コメントの掲載について

コメントは内容を確認した上で反映されますので多少お時間がかかります。内容によっては、通知することなくコメントを受け付けないことがあります。ご了承ください。なお、もしエラーになるようでしたら直接 cs@okepi.jp にコメントをメールいただけると嬉しいです。










最近の観劇レポ

観劇レポ全一覧

おけぴ管理人プロフィール
名前:山野上 寛
mail:cs@okepi.jp
出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

おけぴはこちら

RSS

送料
早見表