12/10/17 「日々の暮し方」公開稽古レポ
2012年10月17日(水)12:30
「日々の暮し方」公開稽古レポ
パントマイムをベースに、独自の振付・演出作を発信し続けている
カンパニーデラシネラ主宰・小野寺修二さんの構成・演出による舞台
「日々の暮し方」公開稽古にお邪魔してきました!
今回小野寺さんがモチーフにしたのは、
日本の不条理演劇の第一人者・別役実さんのちょっと不思議なエッセイ。
散歩の仕方、風邪のひき方、自転車の乗り方、電信柱の登り方、小指の曲げ方・・
「正しい◯◯とは何ぞや」という究極の命題に対する答えを、
独特の切り口と一流のブラックユーモアで表現した味わい深いエッセイが、
はたして“小野寺マジック”によってどんな舞台に!?
主演は、小野寺作品初参加の南果歩さん。
今年は、「パーマ屋スミレ」や朗読劇など、舞台にも意欲的に取り組んでいる南さん。
ふんわりとした独特の存在感が、個性派揃いのキャストの中でも輝いています!
南さんのほかにも、阿佐ヶ谷スパイダースの中山祐一朗さん(写真右)、
D-BOYSの山田悠介さん、川合ロンさん、矢沢誠さん(写真左)、ダンスの吉村和顕さん、
マイムの藤田桃子さん、そして小野寺修二さんと、個性豊かな役者さんが揃いました!
物語は、南さん演じる「とある女」が失踪した最愛の男性を探すところから始まります。
警察、保険会社、探せるところをすべて探しても男は見つからず・・
はたして女は最愛の男に再び出会うことができるのか、はたまた・・!!
別役さん流の「正しい◯◯」のエッセンスが、
きたむらけんじさんの脚本によって、一つの不思議なストーリーに仕立てられています。
そして、今回の作品のもう一つの見どころは、シンプル&スタイリッシュな舞台美術と、
小野寺さん演出によるパントマイムのコラボレーション!
舞台美術は、気鋭の現代美術家/デザイナーとして活躍中の、中山ダイスケさんの手によるもの。
暗闇に浮かび上がる、幾何学的で美しい舞台セット。
そして、その中で縦横無尽に繰り広げられる何とも不思議な“小野寺ワンダーランド”!
一見不規則に見える動きの中にも、眺めていると不意に意味や関係性がジワッと浮き上がってきて・・
脳味噌の普段使っていない部分がビンビン刺激されるような、なんともいえぬ非日常の感覚(笑)。
ぜひ生でご体験ください!
↓ちなみに、コチラの公演ポスターも、中山さんによるデザイン。
シンプルな中にもどこかあたたかみの感じられる書体、そして紙質も素敵!
(手触りをお伝えできないのが残念!! 笑)
パンフレットも見せていただきましたが、
つい手元に置いておきたくなるような素敵な出来栄えでした。
ぜひ会場でGETしてくださいね!
公開稽古前には、小野寺さんと南さんによる会見が行われました。
南さん:
「小野寺さんの稽古は、キャストがそのときの思いつきを口に出していける雰囲気なので、
すごく面白いです。ひらめいたことをその場で形にしていこうとするから
どんどん脱線していくのですが……(笑)。
普通のお芝居の稽古って、演出家が決めた設計図に近づいていく“一本道”。もちろん
紆余曲折はありますが……。でも、小野寺さんの場合は、具体的な凹凸や色彩を
みんなで作っていこうという感じなんです。
本当に、今までに関わったことのない感じの稽古場です。観たくなったでしょ?(笑)」
一見、別役さんの「日々の暮し方」とは違った顔を見せる物語ですが、
小野寺さんやキャストが出した答えははたして「正しい日々の暮し方」だったのか!?
ぜひ会場にてお確かめください!
<公演情報>
2012年10月18日(木)〜28日(日)
あうるすぽっと
<出演>
南果歩
中山祐一朗
山田悠介
川合ロン
藤田桃子
矢沢誠
吉村和顕
小野寺修二
<スタッフ>
原作:別役実(白水Uブックス)
構成・演出:小野寺修二
脚本:きたむらけんじ
美術:アートディレクション:中山ダイスケ
<ストーリー>
女はすべてを持っていた。
おおよそ人々が欲しいと願うモノすべて。
女には最愛の男が居た。
あらゆるモノが最愛の男に捧げられた。
ある日。
女のもとから男が消えた。
女は、男を捜すことにする。
正しいつねり方!?!?
おけぴ取材班&撮影:hase 監修:おけぴ管理人