12/12/02 「ポリグラフ ~嘘発見器~」 稽古場レポート
2012年12月2日
東京芸術劇場リニューアル記念「ポリグラフ ~嘘発見器~」
稽古場レポート
これは夢か?
それとも現実なのか・・?
俳優の身体、そして視覚のトリックが交錯するフィジカル・シアター。
吹越満さん、森山開次さん、太田緑ロランスさんの3人が
詩的でミステリアスな表現に挑戦する「ポリグラフ ~嘘発見器~」
稽古場レポートをお届けいたします!
世界的演出家・パフォーマーで、
“映像の魔術師”とも称されるロベール・ルパージュさんの初期作品に
俳優・吹越満さんが演出家として挑む本作。
物語の舞台はカナダ・ケベック。
ある殺人事件に関わりを持つ3人の男女の
危ういバランスの上に成り立つ関係性が
俳優の身体と、光や映像などを使用した視覚的効果
そして音響・音楽とともに、
詩的に展開をしていきます。
稽古の様子を拝見してまず感じたのは
その「和やかな静かさ」。
ノリで突っ走るのでも、演出家が“指導”するのでもなく
その場にいる全員が、台詞・動きについて考え
率直に意見を出し合います。
“演出家”吹越満さんと出演者そしてスタッフのみなさんが
それぞれにアイディアを出し
ひとつひとつ試していく創作スタイルは
まるで“演劇の実験室”のよう!
こちら、迫真の演技中の吹越さん。
・・ではなく!
真剣な眼差しで演技スペースを見つめながら<演出中>の吹越さん。
ある「仕掛け」の見え方をいろいろな角度から確認しています。
(写真左:森山開次さん 右:太田緑ロランスさん)
まるで映画撮影のような雰囲気ですが、
こちらも“演劇的実験中”のひとコマ。
吹越さんのソロプロジェクト「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」で
長年、共同作業をしてきているクリエイション・スタッフが集まり、
ルパージュ×フキコシワールドを舞台上に表現するため
試行錯誤を重ねます。
世界で活躍するダンサーでもある森山開次さん。
舞台上での動きや台詞について吹越さんと意見を交わします。
見る者をはっとさせるような
硬質な美しさが目を引く太田緑ロランスさん。
ハムレットの言葉を引用したセリフ、動きについてディスカッション中。
すぐには答えを出さない吹越さん。
出てきたアイディア、試した結果などをじっくりと確認します。
休憩中にも台本をみながら何かを熟考中のご様子・・。
ポリグラフ(=嘘発見器)にかけられた男と、かけた男。
そして殺された女を演じる女優。
奇妙な偶然から出会った3人がむかう先には、
いったい何が待ち受けるのか?
「それではこれから“魔法”をほどこします」
吹越さんのこんな言葉が印象的だったお稽古場。
詩的な台詞と、能弁な身体、そしてマジカルな視覚効果。
まるで夢をみているようなこの不思議な世界が、
客席からどのようにみえるのか。
劇場でしか味わうことのできない不思議な体験となりそうです!
ぜひ劇場で、
奇妙でクールな“演劇の魔法”にかけられてきてください♪
<公演情報>
東京芸術劇場リニューアル記念 3×3-①
「ポリグラフ 嘘発見器」
ここはカナダですか?
今は夏ですか?
マリ=クロード・レガレを殺したのはあなたですか?
舞台はカナダ・ケベック。
ある殺人事件に、それぞれ関わりを持ってしまった3人の男女の奇妙な出逢い。
記憶と現在、フィクションと現実が錯綜する中、互いが親密になるにつれ、3人の関係はミステリアスに展開して行く…。
カナダ、ロンドン、日本でも人気を博したロベール・ルパージュのフィジカル・シアターの傑作を、
3人芝居を3本上演する東京芸術劇場 3×3 企画の第1弾として上演。
戯曲初演出に挑む吹越満のもとには「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」のクリエイション・スタッフが集結。
吹越と共演するのは、森山開次、太田緑ロランス。
自在に駆使される視覚と身体のトリックが、観客を迷宮へといざなう。
【日程】
2012年12月12日 (水) ~2012年12月28日 (金)
東京芸術劇場シアターイースト
【作/演出】
脚本/構想:マリー・ブラッサール/ロベール・ルパージュ
演出:吹越 満
訳:松岡 和子
【出演】
森山 開次/太田 緑 ロランス/吹越 満
お問い合わせ先:東京芸術劇場ボックスオフィス 03‐5391‐3010(休館日を除く10時~19時)
オケピ取材班・撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人