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07/11/27 ねぇ、夜は誰のためにあるの?稽古場レポ

2007年11月27日(火)13:00~
「ねぇ、夜は誰のためにあるの?」通し稽古見学
@都内某所稽古場

★11/30のゲネレポ、おけぴスタッフakkiのブログに掲載中♪舞台写真もあるよ~

11/30(金)~12/2(土)まで博品館劇場で上演される「ねぇ、夜は誰のためにあるの?」。
絵麻緒ゆうさんと水谷あつしさんの二人芝居のこの舞台、元恋人同士が久しぶりに
再会を果たし、またかつての想いがよみがえって…というお話だけに、
お稽古にお邪魔するのもかなりドキドキ。

お稽古場にはホテルの室内のセットが組まれ、向かって両サイドにスタッフ席が設けられ、
演出家の竹邑類さん、翻訳の上野火山さんはじめ、
照明、音響担当の方もいらっしゃいます。
そして、この通し稽古を、まさに特等ステージ席にて拝見してきました。

絵麻緒ゆうさん、赤い服がとってもお似合いで一目見た瞬間心臓がびくっとなりました。
そしてまた稽古中以外の時の自然体さにとっても素敵!♪

通し稽古は、1幕1時間、2幕45分、ほんとにもー引き込まれまくりでした。
ロンドンで3年前にヒットしたストレートプレイ、せりふ劇です。
台詞のはまり具合(びしびし感じます)とテンポ感、お二人の魅力!
そしてお二人の表情(目での演技、絵麻緒さんの足の動きから読み取れる感情、
思いがびしびし伝わってくる唇のかみ締め具合など見どころ満載♪)。
元恋人同士の、微妙な心理的かけひきにどんどんのめりこんでいきます。

二幕はそれこそあっという間。そしてラストは・・

今回は通し稽古を見て涙が止まらなくなっていた
おけぴスタッフの akki の言葉そのままでレポートをお届けしまーす♪


【ストーリー】

久しぶりの再会をホテルでの食事で祝うアダム(水谷あつし)とリンディ(絵麻緒ゆう)。
リンディがとったホテルの一室でそれぞれの家族、今の生活について話す2人。
でも、10年前は恋人同士だった2人。
どこかしらぎこちなく、オブラートに包んだような会話が、
少しのときめきと緊張感をもって交わされていく。
やがて、消息のわからなかった10年間の出来事が、お互いに少しずつ見えてくる…。
ニューヨークでアダムの前から突然消えたリンディ。
アダムはアダムで、リンディはリンディでお互いを思い切れなかったのに、
時のいたずらでそれを知ることはなく…皮肉にも10年後のこの夜、知ってしまうのだった…。
本当は別れたくて別れたわけではない2人。いまや別々に家庭を持ちつつそれぞれが問題を抱え、
かつての輝きは日常生活には見出せない。
でも、この2人でいると違うのだ。かつての夢さえも実現できそうに思えるほど。
やはり、お互いにとって特別な2人…でも、そう分かっても何ができるというのか…。
徐々に心情を吐露していくリンディ。それに翻弄され取り乱すアダム。
全てをさらけ出した時、2人の手に残るものは何なのか…。


ホテルの一室での出来事なので、2人はずっと舞台に出っ放し、しゃべりっぱなしです。
しかも、10年ぶりに再会した、以前は熱烈に愛し合った恋人同士。
微妙な心理の駆け引きが、会話、仕草、表情から伝わってきます。
実は、自分に置き換えながら、途中から観てました。以前に付き合った人と結婚後、
2人で会うことがあったら、私はどうなるんだろうと。
まあ、私の場合、スッパリ切れているのでそういうことはないですが(笑)。
でも、アダムやリンディの一言一言がリアルで、ちょっと考えてしまうんです。
非常にテンポのある台詞運びで、1時間弱のひと幕があっという間!
しかも、翻訳劇ですが、すんなりと言葉が入ってきます。
人物や場所は海外のものですが、それよりも、ひとりの男と女が交わす会話としてとても自然なんです。
本当に水谷さんがアダム、絵麻緒さんがリンディ…そのものに見えたんですよね。

最初、この舞台の概略を知った時、不倫ストーリーだと思いました。
正直、ちょっと苦手なお話だったらどうしよう…そんなことも思いました。
でも、この作品の本質は別のところにあります。
男と女が特別な関係になるにあたって、避けては通れない問題、
肉体的な愛と精神的な愛、性と心の両面からの愛を捉えているんですね
(演出家の竹邑類さんもおっしゃってました)。
セクシュアルな表現も出てくる(時にはコミカルさも交えつつ)のですが、
逆にそれが嘘や作りごとではないと感じさせてくれます。
そして、「私は」ですが、アダムとリンディの関係については…受け入れられたんですよね。
安易な関係、選択とは思えなかったんです。

そして、一方で自分自身の受容というものも描かれています。
リンディは、2幕であることをアダムに告白します。
リンディは、大きな危険を冒してアダムに会っていたのです。
アダムにさよならを告げれば、
リンディは再び「たいくつで何もない世界」「灰色の生活」
(これは、リンディのある症状を抑えるために処方された薬によるもの)に戻り、
そのために夫のヒューとともにいることになります。
この10年の間、積もりに積もったものがリンディ自身を苦しめ、
生きることから遠ざかるような生活にまで至った、あまりに悲しすぎました。
幸せになろうと結婚したはずが、自分を隠し続ける、偽り続けることになってしまっていたなんて。

アダムとリンディの行動の受け止め方は人それぞれ、
エンディングの解釈も人それぞれだと思います。
でも、リアルな男女の「愛」に、正面から切り込む舞台は、
私にとってとても新鮮でした。

先ほども触れましたが、何より役者さんがほんとにアダムとリンディにハマっています!
アダムはちょっとオシャレでちょっとお茶目で、きっと一緒にいて楽しい男性。
でも、苦しいことは表に出さず、仕事に打ち込むことで昇華してきた感じに思えました。
ただ、本当は一息つける、羽を休める場所を求める、普通の人。
リンディは、パッと見、強気で魅力的、少し強引なところがあるかもしれませんね。
でも、一方で誤解を恐れ、本当の自分を見てほしいと支えを求めるもろさもある女性。
求められたことを過剰に応えようとしてしまう女性なのかもしれません。
私にはこう見えましたが、本当の水谷さん、絵麻緒さんとどれくらい共通点ってあるんでしょうね。
水谷アダムのラストシーンでの髪を振り乱しながらの激白、
絵麻緒リンディの2幕後半での告白とアダムに抱きつく際の表情…これらがとても印象的でした。

お2人のファンの方だけでなく、
とことん人を愛したことのある人に特に観てほしい…そう感じた味わい深い舞台です。

そして、なんと急遽、水谷アダム&絵麻緒リンディにお話を聞けることに!

Q.アダムと水谷さん、絵麻緒さんとリンディの共通点ってありますか?

A.絵麻緒さん:
リンディについてはわからなくないですね。(この作品をやっていると)女性の方が大人なんだな~と思うんですが、それと比べると自分の方が子供だなと感じることはあります。
リンディって何でも言っちゃってる割に、その言ったことで自分が傷ついていたり、自分を隠そうとしていたりしているところがあって。そういう点は自分に近いものを感じます。私もポンポン言っていながら、実はすごく内にこもってしまうってこともあるんですよ。リンディは知らず知らずのうちに自分を追い込んでしまう、そんな辛さもありますよね。
A.水谷さん:
僕って役を作って演じるっていうよりも、役を自分に引き寄せて演じる方なんですよ。だから、僕らしさってあるんじゃないかな。
実際にこういう経験はないですけれど、こんな風にここまで相手の女性を愛せるっていいなって思いましたよね。すごい好きだったのに、別れてしまったっていうのは、結構あるんじゃないかな

Q.リンディにとって幸せな時っていつだったんでしょうか?
A.絵麻緒さん:
リンディにとっては、アダムと一緒にいた10年前ですよね。アダムと一緒にいると、1番自分らしく、身も心も裸でいられたんじゃないかな。アダムだけは、「他の人と違っていていい、そのままの君でいいんだ」と言ってくれる存在ですよね。どんな状態でも自分を受け入れてくれる存在。
でも、もうリンディには家のことも子供のこともあって、捨てられなかったんでしょうね。

Q.相手の、ここが役にピッタリっていうところ、教えてください。
A.絵麻緒さん:
楽しい人ってところがあってるかも!
A.水谷さん:
え?この作品のサブタイトル、「絵麻緒ゆう物語」じゃないの?(一同・笑)
ピュアでまっすぐでぶんちゃん(絵麻緒さんの愛称)そのままだと思いますよ。今日もグッと入っちゃう時ってありましたけど、毎回そうなるところが違っていて。
きっとぶんちゃんの中で、心の琴線に触れる部分があるんだと思いますよ。

Q.一番印象的なシーン、台詞は?
A.絵麻緒さん:
ラストシーンが好きですね!本心が駆け引きなしで出ているところが。
好きな台詞は…「私の全てであなたを包んであげたい」かな。照れくさいかもしれないけれど、人と人としてこう言い合えたらいいですよね。
後は、「あなたが死んだら1分後には私も死ぬ」って好きですね。私も本当に愛する人にはそれくらいの気持ちになると思います。
A.水谷さん:
僕もラストシーンが好きですね。気持ちのやり場がなくて、人間的で。
罵倒したりなんだかんだと、かっこつけられないところまで見せて、それでも愛せるのは…究極だと思います。

Q.どんな方に観に来てほしいですか?
A.絵麻緒さん:
不倫してる人、1度は誰かを本気で愛したことのある人…男女の愛について描いた作品なので、
本当に幅広く多くの方に観ていただきたいですね。

そうそう、絵麻緒さんが「前から『奇跡の人』みたいな作品をやりたいと思っていたんですよ。
冒険したかったし、この作品に出会えてやりがいを感じますね。この作品ではラブシーンを避けてなんていられないし。
今までの演技から、また何か抜け出せればと思いますね。」と意気込みを語ってくださいました。
同じ女性の目線で「舞台」として拝見したわけなのですが、
全てをさらけださないといけないような舞台に思えて、
きっとこういう舞台は覚悟がいるんだろうな~と思ったのでした。
この舞台、女性は絵麻緒さんが演じるリンディに、
男性は水谷さんが演じるアダムに寄り添いながら観ることになるんじゃないか…
そんな風に思います。

最後にお二人から動画コメントをいただきました!



わずか3日間、4公演だけの公演、おすすめです♪

★「ねぇ、夜は誰のためにあるの?」
11/30(金) 18:30
12/01(土) 14:00/18:30
12/02(日) 14:00
@博品館劇場
出演:絵麻緒ゆう・水谷あつし

チケットについては、よろしければおけぴ管理人までお問合せ下さい

※この文章および写真・動画の掲載にあたり、関係者の許可をいただいていますので、
無断引用・転載はご遠慮くださいね。


皆様からのコメント



レポありがとうございます!
稽古場の雰囲気やお二人の意気込みがビンビン伝わりました!
チラシを見ただけではピンと来なくて観劇を迷っていましたが、豊富な情報を頂いて、是非観たくなりました♪



スフレさん、コメントありがとうございました!
絵麻緒さんが、本当に素敵で。。
最後の質問コーナーの際は、絵麻緒さん自ら、
水谷さんにインタビューしてくださいました。

今日の本舞台では、お二人ともより入り込んでいらっしゃったと
聞いています。今回私、時間的に本番を観れないのが
本当に残念です。。。もう明日千秋楽なんですよね。

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もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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