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07/12/14 音楽座ミュージカル メトロに乗って 稽古場レポ

2007年12月14日(金) 18:00
音楽座ミュージカル 「メトロに乗って」通し稽古
@神奈川県内某所

今日の稽古場レポは
2000年に初演され、好評を博した音楽座ミュージカル「メトロに乗って」。
原作の浅田次郎氏が「200%満足!」と絶賛した作品が、キャストを一新して帰ってきます!
(今月21日から東京芸術劇場で上演)

この公演の通し稽古レポを、おけぴネットから一足お先にお届けします!
今回のレポは、おけぴスタッフの akki のレポでお届けします。
私管理人も初日に観劇予定でーす♪


劇場で衣装もセットもありでのお稽古ということで、おけぴが今までお邪魔した初日直前に行われるゲネプロと同じ感じかしらと思いつつ出かけました。劇場で関係者の方にご挨拶、本日のお稽古についてお話を伺うことができました。

お話によると、この通し稽古は、照明、音響、衣装、そして役者の演技など、今まで各自がイメージし作り上げてきたものを、いっせいに舞台に乗せて、現時点での作品の見え方を把握するためのお稽古なのだそうです。
舞台には多くの人の手がかけられています。たくさんの打ち合わせを重ねてもそれぞれの感性をもとに作り上げたものと、お互いのイメージしていたものとのズレが生じることは少なくありません。それは、例えば光の量だったり、光の色合いだったり、舞台上での動きのタイミングだったり…細かいところにおよびます。
このお稽古は、作品の世界観をまとめあげるために必要な大事なステップなのですね。

実は私、7年前の初演(2000年)を観ているんです!その頃は舞台ファンになる前で、浅田次郎さんのファンの友人と一緒の観劇でした。
当然、まったくの予習なしで観たのですが、覚えているのはとにかくラストが衝撃的でボロ泣きをしたこと。でも、さすがに7年前に1度観ただけの舞台。ストーリーもおぼろげにしか記憶になく、原作も読んでいなかったので、今回のお稽古はほとんど初めて観る感覚でした。

【ストーリー】

「メトロに乗って」の主人公・真次(広田勇二さん)は、父・佐吉と絶縁中。一代で財をなしたものの独裁的な父に反発して家出したのだ。兄・昭一(関川慶一さん)が亡くなった時のいきさつも含め、父を憎みこそすれ愛など感じていない。母(野田久美子さん)と妻(浜崎真美さん)、2人の子供の家庭があるが、同じ会社のみち子(秋本みな子さん)とは不倫関係にあった。
その真次がある日、地下鉄で不思議な経験をする。タイムスリップしてしまったのだ。それも、兄が自殺した時間の数時間前。そして、生きている兄・昭一を目の前に自殺させないよう手を打つのだった。
自分の生きる現代と過去へのタイムスリップをした真次だが、不思議な力に導かれるかのようにみち子も共に過去へ飛ぶ。そこは、戦後の混乱のさなか。そして、ひょんなことから出会った男は、若き日の小沼佐吉(吉田朋弘さん)、アムールというあだ名で呼ばれる、真次の父その人だった・・・。

地下鉄がこの作品で重要な部分を占めますが、地下鉄のセットは出てきません。大きなセットが出入りするわけではないのですが、この作品のファンタジックな雰囲気を、盆やその上に組んだ円形のセット、照明を巧みに使うことでうまく出しています。
かつタイムスリップする時代が昭和。地下鉄というモチーフが陰影を与えるとともに、小沼佐吉の生きてきた人生がどことなくセピア色に描き出されていきます。でも、この作品の魅力はノスタルジーだけではありません。
戦後の混乱した世の中で、生き抜こうと湧き上がる力!そんな彼らを束ねるアムールの求心力。街娼のお時(井田安寿さん)の凛とした強さ。「何が何でも生きてやる!」という持たぬ者のエネルギーと、その心のうちに秘めた悲しさ・怒り。
アムールやお時が生きる時代のシーンが眩しく感じるのは、生きる力に満ちているから?そして、平成に生きる私にそのバイタリティが失われているから?

真次は、タイムスリップを通して父の生き様を知らされます。父が語らなかった多くの真実。自分の知らない父親の真の姿。
「他人も家族もたいして違わない、冷たい男」…そんな父の像が揺らいでいきます。戦前・戦中・戦後と過酷な運命をたどった父。かつての父に会うほどに、憎しみとは違った感情が湧いてきて、葛藤するのです。
真次は、父を受け入れられるのでしょうか。許すことができるのでしょうか。

劇場を使用しての通し稽古ということで、最初はお芝居や歌に硬さが見られましたが、舞台が進むにつれて役者さんたちがのめりこんでいっているように感じました。
特に印象的だったのは、みち子役の秋本みな子さん。丁寧な歌唱と演技で、みち子の孤独、満たされない気持ち、溢れる愛情を表現。みち子の判断、今ならわかる気がします。そう思えたのは、もしかすると、私が女性であること、そして初演から7年、年を重ねてきたというのもあるのかもしれません。
観る人の性別、年代によって、様々な感情が湧き起こるのではないでしょうか。

「メトロに乗って」は映画化もされていますね。私は映画は観ていないのですが、このお稽古場への行き帰りで原作本を読みました。そして、この舞台版「メトロに乗って」はなんてうまく構成されているのだろうとあらためて驚かされました!
原作の中で使われる台詞、シチュエーションなど、もちろん舞台化にあたり一部は変えられていたり、省略されたりしていますが、「エッセンスが詰まっている!」そう思ったんです。原作で心に残った言葉は舞台版でも多く出てきますし、ダンスなどエンターテイメントの要素を盛り込みつつ、その時代の雰囲気をうまく表現しています。
ファンタジーでありながらリアルなのです。だからこそ、観終わった後、おとぎ話を見たのではなく、真次やみち子と共にタイムスリップし、同じ経験をした感覚になり、心が揺さぶられる想いがするのだと思います。

「メトロに乗って」のチケットですが、既に完売日も多く、他の日程も残席数が非常に少なくなっています。完売日も、当日券が出るかもしれませんので、ご興味のある方はぜひお問合せしてみてくださいね。

★ 音楽座ミュージカル「メトロに乗って」
12/21(金)~12/30(日) 東京芸術劇場 中ホール
出演:広田勇二秋本みな子吉田朋弘井田安寿 他

ぜひこちら↓もご覧ください。さらに、「メトロに乗って」について知ることができますよ。
音楽座ミュージカルホームページ 「メトロに乗って」公演概要
チケット購入は?こちら(無料会員登録要)
TEL: 0120-503-404 (音楽座ミュージカルチケットセンター)

■電子チケットぴあ 「メトロに乗って」特集ページ
稽古場レポ&あらすじ
浅田次郎氏&キャスト座談会
キャストコメント/コラム

p.s.音楽座ミュージカルホームページの公演概要にもあるように、赤いバラが描かれています。作品を観終わって、このバラの意味合いの大きさに感動しました。

※この文章および写真・動画の掲載にあたり、関係者の許可をいただいていますので、無断引用・転載はご遠慮ください。


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名前:山野上 寛
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出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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