08/11/23 innerchild i/c@吉祥寺シアター
2008年11月23日(日) 19:00
innerchild vol.15
i/c
F列14番@吉祥寺シアター
初の吉祥寺シアターとinnerchild観劇。
innerchild は、いろんな方からオススメの劇団と言われていて
観たいと思っていたのですが、今日実際に観劇して、
innerchild world!堪能しました!
まず冒頭の映像と音楽、音楽の響きと曲調、そして映像の迫力、
この凝り具合が気持ちいいです。
2階のキャットウォークに設置されたオブジェや、ステージ上の
いっけんシンプルな階段セットの使われ方、奈落を客席から見せる
ことによるステージの立体感など、こうした空間の使い方が実にうまいっ。
例えば階段の左側と右側が別の部屋になっていて、階段の下が通路に
なっていたりするのですが、この二つの部屋は実際に空間としては存在
しないのにほんとにそこに部屋があるように感じるのです。
そしてドアの叩く音や呼び鈴の音。こうした音にもいろいろ種類があって、
タイミング、音の大きさなどが実にうまい。唯一今日大きすぎるんちゃうのと
思ったのは、兵隊が走りながらビービー鳴らしてたホイッスルの音くらいでした。
”インナーチャイルド”って、心理学用語だったんですね。
こうした解説が、背景一面のスクリーンを使って、綺麗に語られるように映写されます。
この作品は、このインナーチャイルドがテーマになっていて、
トラウマに悩む主人公が、母の死をきっかけに父の軌跡をたどるという
ものなんですが、そのたどり方の演出がうまい。。飽きないです。
日本から香港、インド、ネパール、チベットへとたどっていくわけですが、
それぞれの国において、民族の様子や背景、言葉!
この言葉だけでもほんとすごいと思う!中国語、英語、チベット語(?)などが
いろいろ出てきて、特に和訳した解説とかはないんですが、自然とわかるんですよね。
この外国語の組み入れ方もうまいんです。さらに出演者の皆さんの英語が
すごくリズミカルですごい。。現地の人ということが自然に伝わってきます。
役者さんはたっくさんご出演で、最初の登場人物紹介(映像を絡めて。この映像と
音楽がまた気持ちいい)の時、これだけいたら誰が誰かよくわからないかもーと
実は思ってしまったんですが、観終わって、そんなこと全然なかったです!
一人一人が印象に残るんです(役名は現地語だったりするので覚えられなかったですが)。
翼役の佐藤誓さん。悩まされながら紐とかれていって最後ふわっと
軽くなるのが見ててほんとによく伝わってきました。大好演!
玉子役の菊岡理沙さん、子供が撃たれる前と後のシーンの演技の違いが胸を打ちます。
健(タケル)役の成清正紀さん、まっすぐなセリフの数々が響いてきます。
そして士郎役の北川義彦さんのちょっと反抗期的息子ぶりがいい感じ。
ファインダーを覗くラストシーンは印象的でした。
バックパッカーの二人、ナイス助演。旅がしたくなった!
香港の女性3人組もセリフの活舌が気持ちよくてノリも楽しいっ。
ヤオウー、いい奴だー。Leon 、かっこいい!
タクシーの運ちゃん、楽しい!
インドのサルメの語りシーンは聞き応えがありました。
ヨンホン役の狩野和馬さん、いろいろな役で出られてますが、
町の人で出演されてる時のやわらかな表情と、ヨンホン役の表情の差!
今回の舞台の脚本・演出をされてる小手伸也さん、なんとご出演で、
結構キーとなるシーンでご登場されるのですが、最後の下手キャットウォークでの
セリフには、ジーンときました。小手さん、出演者の今後の予定コーナーをみると、
アニメや映画にもご出演で、そんな中また4月の銀座時事通信ホールでの次回公演
では作・演出。すごい!
一言では感想を表現できないくらい、いろんな見所がつまった作品でした。
休憩なしの2時間弱。見ごたえあります。終わった後の、
満足感で胸が熱くなりました。
ちなみに一番好きだったシーンは、チベット語しか話せない女性が経典の箱に
詰めた花を、翼が仏壇の前でひらひらさせている後方で、玉子の上から花が舞ってるシーン。
ジーンときました。
吉祥寺シアターは、客席も観やすくて、劇場の雰囲気もよくて、いい劇場!
(行きしな、一本道を行き過ぎましたが・・道沿いに看板欲しい)