09/10/01 赤と黒ゲネプロレポ@赤坂RED/THEATER
2009年10月1日(木) 13:00
赤と黒ゲネプロレポ
@赤坂RED/THEATER

舞台上に一本のランウェイ(ファッションショーのあの長細いステージ)。
その脇には、色とりどりの衣装が数十着。
表側のステージと裏側の楽屋がつながっているようなセット!

ジュリアンソレル=木村了さん、
最初のウブなところでは、
鏡の中にいる尊敬するナポレオン(上山竜司さん)にいつも話しかけ、他人の意見を気にしていたジュリアン。
そんなジュリアンが、出世に、恋に、栄光へ、破滅へと突き進んでいくお話です。
木村了さん、演技に”裏”がなく、ほんとピュア!

衣装を着替えることで場面がどんどん変わっていきます。
モデルの4名の方達
(本間ひとしさん、池下重大さん、眞藤ヒロシさん、佐藤晴彦さん)は、
衣装とともに役柄も変化していきます。
楽屋に吊ってある衣装をとって着替えたりと、
ほんとさながらファッションショーのよう。

赤澤ムックさんと木村了さんにインタビューした際、
「ゲームでステージをクリアするような感覚」とおっしゃっいましたが、
クリアするごとに、衣装やスカーフなどのアイテムをGETして、
次のステージに進んでいく様は、まるでジュリアン・ソレル育成ゲームのようでもあります。
「次の舞台はパリだ!結果オーライだな!」

そんなジュリアンですが、
ステージを駆け上り、ポイント(資産や名誉、地位など)をためていきますが、
マチルド登場のあたりから、己の思うがままに、がんがん突き進んでいきます
(照明や音楽のノリもこのあたりからさらにヒートアップ)。

そして待ち受ける選択肢を、
私管理人とは、全て逆のチョイスを選択していくジュリアン。
”マチルドの部屋に行く・行かない”
”レナール夫人を撃つ・撃たない”
”裁判で自ら死を選ぶ・選ばない”
”一人になる・ならない”
そして最後のあの”音”。
あの音はゲームクリアの音なのかゲームオーバーの音なのか。
「すべて○○○!」
最後にジュリアンが発するこの言葉が心に残ります。

ジュリアン・ソレルが恋する二人の女性。
歳の離れたレナール夫人役には上野なつひさん。
令嬢マチルド役には富田麻帆さん。
この二人に対するジュリアン・ソレルの態度・恋心にもどうぞご注目下さい。
レナール役の坂東亀三郎さん、いいお声ですよ。
ちなみに最初の冒頭は現代。携帯電話とかもでてきます。
そのまま展開していくのですが、違和感がないんですよね。
このあたりの感覚も面白いっ!
観ていて、時がたつのを忘れてゲームにはまっていくような感覚でした。
公演は10月11日まで、赤坂RED/THEATERにて。
FM世田谷で放送された坂東亀三郎さんと佐藤晴彦さんのオンエアもお聴きいただけます♪


今回の赤と黒という作品は、少し想像していたものとは違いました。
私が思う赤と黒は、もっと重たい人間の感情のやりとりだとか流れというイメージでした。
宝塚の舞台や原作を読んでる分、最初はビックリして、
なかなか頭がついてこなく、少し明るく軽く、ポジティブな作品だな、と思いました。
休憩なしの2時間と30分位がすごくあっという間でした。
お話のテンポがすごく良く、考える暇がない位ストンストンと頭に入ってきて、
なんとなく悲劇というよりは、ハッピーエンドなような気がしました。
たくさん笑えるシーンもありました。
ジュリアンの心の流れを、ナポレオンとで、すごく分かりやすく表れてたな、って思いました。
最後の、全てよしっ!というジュリアンのセリフを聞いて、
自分も人生が終える時にはそう言えたらいいなぁ、と思いました。
なんだか最後は少し自分も前向きになれました。
私が見た回のあとに、アフタートークもついていたのですが、
そこで演出家の方が、今回ファッションショー的要素をとりいれた理由として、
昔の洋服で階級が分かれていたのもあるが、現代だって、気分によったり、
会う人、場所、色々な切り替え時に洋服も変える。
そういう意味をこめた、のようなことをおっしゃっていて、すごくなるほど、と思いました!
今回の赤と黒は、確かに原作にもほとんど忠実で、赤と黒そのものなんですか、
全く別の作品として身構えずに行っても問題ないなって思いました!
面白かったです!
本当に時間を感じさせない作品だと思います!
一言でいえば面白過ぎる!!
古典なのに新しい!そして、斬新!
発想がホントに素晴らしいです!
観ていると主人公と気持ちがリンクしてドンドン心拍数が上がっていきます。そしてラスト。ギュウッと胸が締め付けられるような切ない気持ちになりました。演出・セット・キャストすへで最高でした!
一度観た人はリピーター割引がありました。
思わずリピーター割引でチケット追加してしまいました。
観ないホントに損をしますね、この作品は。
それと個人的に10代から20代前半の人に特に観てもらいたい!!と強く思いました。人生変わりますよ、きっと。
ファッションショーになぞらえた流れるような演出がとても素敵でした。現代と昔の要素が見事に調和していておもしろかったです。アフタートークで演出家の赤澤さんがファッションショーはフランスの格差社会の象徴であり、また人は服を着替えることで身分な立場を変えているというお話にははっとさせられました。またエンディングがその日によって悲劇であったりハッピーエンドであったり変化するとおっしゃっていたのにはびっくりしました。役者のみなさんの迫力がすごかったです。
スタンダールの古典のジュリアンソレルを木村了さんがどのよ
うに演じるのか?とても興味がありましたが、シンプルにかっ
こよくテンポよく、ジュリアンソレルののし上がっていく様を
見事にみせてくれました。
ソレルと影の対比という演出がとても面白く、最初の場面から
引き込まれました。ソレルの野望が膨らんでいくに連れ.影と
の関係が変化していく会話もみどころでした。
レナール夫人の上野なつひさんの、美しさと、気高さもとても
印象に残りました。
終盤で流れる菩提樹の曲が、物悲しく耳に残りました。
大変面白くて、2時間10分あっという間でした。
ジュリアンの様々な思いが服とともに少しづつ変化しつつ、最後にはなくなる、というのは
なかなか素敵な演出(演出家の意図と違ったらごめんなさい)だな~と思いました。
木村了君は、いつも思うのですが、ちょっと遠くを見ている風な、精神的に壊れちゃいそうな、
そんな雰囲気がある役者さんと言う感じ。
それがジュリアンに合っていたと思います。
そして、ジュリアンの影役の上山竜司君!
とても良かったです~。
レナール夫人役の上野なつひさん、
声がとってもきれいでした。
最後にトークショーがあったのですが、
演出家の赤澤さん、素敵な方でした。(余談・・^^)
普段から沢山のお芝居を観るのですが、
赤沢さんの舞台は初めてで
すごく斬新というか、今まで観たことがないお芝居でした。
木村さんの、純粋な少年がどんどん野望をもち変わっていき
そして最後は破滅する、その変化がすごくよかったです。
あとファッションショー的なポーズとカメラのシャッターをきる音、
手を叩くのを合図に昼、夜、と変わって演じる様が、
事前につくられたものではなくその時感じたままに演じる
即興のお芝居を見ているようでとてもよかったです。
歌舞伎役者の坂東さんのお芝居もよかったです。
色々驚くことの多かったお芝居でした。
