10/03/15 アルカンパニー 罪 稽古場レポ
2010年3月15日(月)
アルカンパニー 第6回公演「罪」稽古場レポ
泣いてしまいました…

1時間15分とは思えない、とーてーもー密度の濃い時間でした!
もぉー、何から書いていいかわからないくらい素晴らしい…。
『SPACE雑遊』という贅沢で小さな空間になんともぴったり。
一歩踏み入れた時から独特な空気感です。
まるで隠れ家のような、黒く塗りつぶされた地下室のような空間に白木の八角形。
舞台は温泉旅館の客室です。

構って貰いたくて構い、いちいち言葉にする父(平田満さん)。
何もしないことに慣れず、ジグソーパズルを買ってしまう母(井上加奈子さん)。
温泉だろうが、ずっとケータイをいじっている妹(占部房子さん)。
子供のように無邪気な兄(黒田大輔さん)。

家族が久しぶりに揃って温泉に来て、
照れながらも昔ながらの家族団欒を試みようとしたところ、
妹の「結婚しない」という発言から一気に空気が一変します。
会話が緊迫してくると雨音が強くなり、
閉ざされた空間を更に追い込むような張りつめた空気が支配。

最初はお父さん同様、雨と、話のスレ違いのリンクに気付かなかったのですが
…
しかし、その一定の規則性に気付くことでより深く、
私もある種、謎解きのパズルにハマっていきました。
みんな穏やかに話している時とスイッチ入った時のギャップがすごいです。
兄アキラの事件。あの雨の日のこと…。
誰も悪くない。でも実はずっと責任を感じ、その気持を秘めていた家族。
「謝ってはダメ!生きていけなくなる!」

凄く密度が濃く、キーワードとなる台詞が多数あり、どれもグッときます。
「黒い部分が多いから難しい」
真っ黒なカラス城のジグソーパズルの使い方が絶妙でした。
アキラが鼻歌でくちずさむ懐かしいナンノ(南野陽子さん)の曲、
選曲がニクイ。そしてその歌詞、深い・・・。切ない・・・
劇作・演出が本当に緻密です!(蓬莱竜太さん)
微妙に変わる照明、雨の音・雨の照明にもグッと引き込まれました。
その「雨」が家族の心の内の秘めた感情を引き出してるんですね。
この公演、ハンカチは必携です。
ぜひぜひお見逃しなく!
公演は
2010年3月18日-24日:東京公演/新宿・SPACE雑遊
2010年3月26日-28日:川崎公演/川崎市アートセンターアルテリオ小劇場
当日でも\3,800!
くわしくは こちら
おけぴ稽古場取材班:ポルボロン 監修:おけぴ管理人 (撮影:齋藤耕路さん)
