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11/06/05 コクーン歌舞伎『盟三五大切』公開稽古&囲み取材レポ@シアターコクーン

コクーン歌舞伎『盟三五大切』公開稽古&囲み取材レポ
2011年6月5日
@Bunkamura シアターコクーン

「現代人の心に刺さる歌舞伎」を追い求め、
1994年からスタートしたコクーン歌舞伎、
2011年6月公演は待望の『盟三五大切』の再演です!

1998年第三回公演で上演されたこの作品、
忠臣蔵の世界を背景に、一人の浪士が引き起こす悲劇。
作は鶴屋南北、有名な五人切りなど
南北特有の陰惨なシーンを歌舞伎ならではの様式美で見せる人気演目です。

浪人 薩摩源五兵衛を13年ぶりに中村橋之助さん、
売れっ子芸者 小万にコクーン歌舞伎初登場の尾上菊之助さん、
その夫三五郎に初役で中村勘太郎さんという人気役者そろい踏み!

どの場面を切り取っても絵になるシーン満載ですが、
歌舞伎の様式美、所作や姿の美しさだけでなく、
芝居としてものめりこめる作品です。
忠義に燃える一浪人が皮肉な運命に操られ、復讐の鬼と化す。
源五兵衛という男の虚しさが橋之助さんの芝居から、
これでもかというほど伝わってきます。

そして、今回の目玉とも言えるのが、コクーン歌舞伎初参加の尾上菊之助さん。
橋之助さんの言葉を借りると「薫るような美しさ」の小万。
まさにそのひと言に尽きます、惚れた弱み、騙され甲斐があるってものです。

夫のため、その美しさを武器に源五兵衛を騙す小万。
ちょっとすねたり、困らせたり、甘えてみせたり・・・
本当に女性の可愛らしさが全開。仕草と目線、その豊かな表現力にうっとり。

小万の夫 三五郎に挑戦するのが中村勘太郎さん。
お父様の中村勘三郎さんの当たり役に次々挑み続ける勘太郎さん。
勘太郎さんの登場はコクーン歌舞伎ならではの“おっ”という場所から。
一挙手一投足、そして発する台詞、目が離せません。
勘太郎さん登場からストーリーも一段階テンポアップし、
舞台全体に心地よいスピード感が生まれます。
勘当を解いてもらうため、その一心で突き進んだ三五郎が迎える結末。
そのシーン迫力を是非、劇場で見届けていただきたいっ!

ベテラン坂東彌十郎さん、笹野高史さん、片岡亀蔵さんがしっかりと脇を固め、
坂東新悟さん、中村国生さん(橋之助さんのご長男。下の写真後ろ)ら若手も好演!

そして達者な役者さんもさることながら、
コクーン歌舞伎のもうひとつの見所は串田和美さんの演出。

まず、この紗幕。印象派の絵画のような色調、
タッチのおよそ南北の世界とは結びつかない幻想的な世界が広がります。

紗幕の向こう側に一組の男女と浪人。なんとも幻想的な幕開きです。

そこから一転、様々なキャラクター、
色とりどりの衣装を纏った役者達が登場すると、
あたかも色を重ねられた油絵のような立体感が生まれ、
作品の息吹を感じることができます。串田マジックです!

BGMもお馴染みの邦楽に加え、チェロなどクラシックの管弦楽が共演。
チェロの調べが、物語の物悲しさ、無常観が心にじわりと染みてきます。
人の因果、業の深さ、皮肉な運命・・・
壮絶な展開ながら、最後はまるでうたかたの夢を見ていたような
ラストシーンがとーっても印象的ですよ!!

囲み取材は笑いが絶えず、
一丸となって作品作りに挑んでいるチームワークの良さが滲み出てました。

串田さんからは
「お芝居って不思議なもので、色んなエネルギーがある。
みんなが一番苦しんだり、迷ったりしているところが一番良かったりね。」

橋之助さん
「コクーン歌舞伎も12弾!ずっと再演希望のあった盟三五大切が
念願かなって再演となりました。初出演の菊之助さんの香り立つような美しさが
新しい息吹を吹き込んでくれていますし、
それに刺激を受け僕達も一生懸命取り組んでいます!」
そして、
「勘三郎のお兄さんも居ても立ってもいられず、お稽古を見にきてくださって。
いろいろなアドバイスをくれました。自分も出たそうな顔していましたよ、
いい気味です(笑)」と茶目っ気たっぷりに話されてました。

コクーン改装工事前の最後の演目です!
是非、劇場でお楽しみください。


怯えた小万(尾上菊之助さん)

2011年6月27日までBunkamuraシアターコクーンにて(公式HP)

公演製作 松竹株式会社


コクーン歌舞伎『盟三五大切』の製作発表レポはこちら

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おけぴ稽古場取材班&撮影:chiaki 監修:おけぴ管理人


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出身:大阪府茨木市
現住所:東京都中央区
もともとミュージカルには拒否反応があったんです。「なんで歌うねん」と。が、2000年、松たか子 ファンの後輩に誘われてみにいったオケピ!でミュージカルの拒否反応が消え、強引に連れていかれたライオンキングでスイッチが転換、夢から醒めた夢で初のリピート (6回)そして差し入れ・ファンレター初体験。 キャッツで初の名古屋遠征、 レミゼに感動。翌2001年、四季ハムレットで初のマチソワジーザス出待ち初体験、2002年モーツァルト!に興奮。2003年からは観劇に幅が出て、 2004年はラスベガス、ニューヨーク、ウィーンへと年3回も観劇ツアーに出かけてしまう。その勢いで2005年、会社を辞めて独立。現在2日1本ペースで感激中♪

役者さんにはまるポイント:声
感激ポイント:1幕最初の衝撃
好きなシーン:群舞、小芝居
大好きな演目:ルドルフ、星組ロミジュリ

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