11/10/20 TSミュージカル「眠れぬ雪獅子」ゲネレポ@世田谷パブリックシアター
2011年10月20日
TSミュージカルファンデーション
『眠れぬ雪獅子』ゲネプロレポ
@世田谷パブリックシアター
色彩豊かで躍動感に溢れ、若いエネルギーに満ちた
TSミュージカルファンデーションの新作ミュージカル「眠れぬ雪獅子」。
美しい照明、幻想的な映像効果、色とりどりの衣装!
アジアのとある国を舞台に繰り広げられる輪廻の物語で、
キーワードは「黒い帽子の踊り」。
謝珠栄さんによる”踊り”を駆使した巧みな演出で
力強いメッセージの伝わってくるミュージカルです。
千年の時を隔てた二つの物語。
まずは現代(1951年)の物語に登場するのはテンジン(東山義久さん)をリーダーとする
旅芸人一座と詩人ドルジェ(伊礼彼方さん)。二人の出会いから物語が始まります。
中央が東山義久さん。後ろは中塚皓平さん
強いリーダーシップと仲間への大きな愛を持っているテンジン、
東山義久さんが得意のダンスのみならず、歌、芝居でも大活躍!
テンジン率いる旅芸人一座のシーンは明るく、若く、力強く、エネルギーに満ち溢れています!
左から小林遼介さん,小野妃香里さん,麻尋えりかさん,上口耕平さん,東山義久さん,中塚皓平さん
伊礼彼方さん演じるドルジェは、言葉の力を信じ、
思いを詩として綴る詩人。
ただ、悪政の下で苦しむ人々を目の当たりにし、
「言葉で人が救えるのか」悩み苦しんでいる。
伊礼彼方さんの憂いを秘めた歌声と切ない眼差しに
ググッと引き込まれます。
ドルジェの仲間パサン(照井裕隆さん)の鬼気迫る力強い歌声も作品の魅力を引き立てます。
運命に導かれるように出会った全くタイプの異なる二人。
ドルジェはテンジンに「黒い帽子の踊り」の指南を乞い・・・
一方で、千年前、仏教弾圧に立ち向かった僧侶ラルンを演じるは小西遼生さん(坊主頭!)。
信仰に基づく使命感の強さと迷い。
苦悩し、叫ぶラルン!
小西さんの芝居からは、感情が波動のように伝わってきました。
兄ラルンの行いを文字で残そうとする弟ペマ(山田ジルソンさん)も熱演!
この時代を超えた二つの物語を見守り、包み込むような存在感を示すのが、ターラ菩薩。
(ターラ菩薩:観音菩薩はこのようの苦しみを減らすことが出来ないことを悲しみ
慈悲の涙を流されました。その涙から生まれたのがターラ菩薩。
恐怖を超えられるよう力を与え、見守り、必要ならば救済に向かう。それがターラ菩薩です。)
ターラ菩薩として人々をそっと見守るのは保坂知寿さん、
清らかで伸びやかな歌声は崇高で慈愛に満ちています♪♪
手前は滝沢由佳さん。
保坂さんの歌声にぴったりあって動きも色彩も神々しい!
保坂さんは他にも現代のシーンでは占い師ドルガを演じます。
こちらは一転、地声でうなるような台詞回しと歌声で若者達を導きます。
この幅の広さはさすがのひと言。最後にはもう一役、乞うご期待!
中央が保坂知寿さん。右は上口耕平さん
そして最後にご紹介するのが今井清隆さん!
ギラギラと光るような悪の存在感がこの作品の奥行きを作り出しています。
繰り返される歴史、命と魂の輪廻。
千年の時を経て宿運の出会いを果たした二人の運命は・・
舞台終盤に、ドルジェの言う一言。
公演プログラムの今井清隆さんのページにも書かれていますが、
私もこの言葉が脳裏に残っています。
ぜひ劇場で聴いてきて下さい!
上演時間は2時間40分(休憩15分含む)
10月30日まで世田谷パブリックシアターで上演中!
≫公式HPはこちら
≫おけぴ稽古場レポはこちら
<キャスト>
東山義久、伊礼彼方、小西遼生、今井清隆、保坂知寿
照井裕隆、滝沢由佳、小野妃香里、小林遼介、中塚皓平、麻尋えりか、上口耕平、山田ジルソン
足立公和、猪原伸浩、室伏崇、川口倫裕、原謙司、溝渕俊介、
岩田国大、黛一亮、遠山大介、松岡雅祥、脇田伸悟、榎本成志
おけぴ取材班:chiaki、おけぴ管理人 撮影:chiaki