監督: 成瀬巳喜男
製作: 藤本真澄
脚本: 井手俊郎/松山善三
撮影: 安本淳
美術: 中古智
編集: 大井英史
音楽: 斎藤一郎
出演:
三益愛子 / 坂西あき
原節子 / 長女・曽我早苗
森雅之 / 長男・勇一郎
高峰秀子 / 妻・和子
宝田明 / 次男・礼二
団令子 / 三女・坂西春子
草笛光子 / 次女・谷薫
小泉博 / その夫・谷英隆
淡路恵子 / 礼二の妻・美枝
仲代達矢 / 醸造技師・黒木信吾
杉村春子 / 英隆の母・加代
太刀川寛 / 春子の恋人・朝吹真
中北千枝子 / 早苗の友人・戸塚菊
北あけみ / ホステス
笠智衆 / 公園の老人
加代キミ子 / 美枝の友人・とよ
笹森礼子 / モデル
松岡高史 / 和子の息子・義郎
江幡秀子 / 坂西家の女中・たみ
加東大介 / 鉄本庄介(和子の叔父)
上原謙 / 五条宗慶(早苗の見合の相手)
杉浦千恵 / 女事務員
【おはなし】
母親、長男、次男、長女、次女、三女、また、その配偶者らが入り乱れてのお家騒動。
【コメントーうちはうち、よそはよそー】
友人の女性に聞いた話。 この話を僕は笑いながら聞いたが、お母様の気持ちも分からないでもなかった。 他人の家庭のことは面白い。 渡る世間は鬼ばかりという長寿ドラマがあるが、この番組について話している人の会話は、まるで隣家のゴタゴタを噂しているかのように聞こえる。 こういった他人の「下世話」な事象に対して首を突っ込むことに、つい最近まで僕は嫌悪感を持っていた。 洗練された下世話世界とでも言えばいいのだろうか。 まさか、自分にそのようなものを好む資質があったとは知らなかった。 この映画は、とある上流家庭での財産問題が柱となっている。 全ての登場人物が生き生きとしている。 台詞がまた一々おもしろい。 母親はリア王のように子供たちに裏切られ、チェーホフの桜の園のように彼らは土地の上で右往左往する。 成瀬巳喜男の大きさは計り知れない。 ちなみに友人の母親は、見つかった家計簿相談集を慌てて捨てちゃったのだそうだ。 |