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2012年10月 アーカイブ

2012年10月05日

12/10/05 「ジェーン・エア」ゲネプロレポート

「ジェーン・エア」ゲネプロレポート
2012年10月5日 18:00
【舞台写真多数掲載しています、ご観劇前の方はご注意ください】

イギリス文学史上不朽の名作のミュージカル化、
絵画のように美しい舞台、印象的なミュージカルナンバー、
そして、人生の荒波にもまれながらも懸命に生きるヒロイン・ジェーン。
衝撃の日本初演から3年、「ジェーン・エア」再演のゲネプロの様子をお伝えします。

劇場に足を踏み入れるとそこには19世紀イギリス、「ジェーン・エア」の
世界が広がっています。そして静かに、ページをめくるように始まるストーリー。


松井るみさん(美術)中川隆一さん(照明)による絵画のように美しい風景

ジェーンの視点で語られるこの物語、松たかこさんはほぼ出ずっぱり!


(しかも舞台上にも客席が配されているので、全包囲状態での芝居の緊張感!)

凛とした表情や力強く伸びやかな歌声はさらに磨きがかかり、
ジェーンの人生の歩みとともに変化する松さんの芝居には
ただただ圧倒されます。


ジェーンの母(山崎直子さん)、父(小西遼生さん)

子供時代の自分を追うジェーンの辛そうな表情が胸にささります。

ジェーンは幼くして両親を亡くし、伯母の家では執拗ないじめにあい、
その後厳格な寄宿学校ローウッド学院に預けらます。

校長(壌晴彦さん)の高圧的な態度、
リード夫人(阿知波悟美さん)のどすの利いた迫力、
ジョン(吉井一肇くん)のわがままな底意地の悪さ、
スキャッチャード先生(旺なつきさん)の厳しさ、
出てくるだけで、一言発するだけで、キャラクターがにじみ出てくる迫真の演技!
そしてそれがより一層ジェーンのおかれた過酷な環境を際立たせるのです。


自分を曲げる事をしない、愛を知らない、
頑さと寂しさを持つ幼いジェーン(松田亜美さん)

その中での無二の友ヘレン・バーンズとの出会い。
♪許して~
心が洗われるような美しいナンバーです。

この柔らかさの中に芯のある、少しお姉さんなヘレンとの出会いが
ジェーンのその後の生き方を支えます。

成長したジェーンが家庭教師として赴任したソーンフィールドの館で出会うのが、


フェアファックス夫人(寿ひずるさん)と、少女アデール(笹近実佑さん)

おおらかなフェアファックス夫人とおしゃまなアデールとの穏やかなシーン、
ジェーンにようやく訪れた安らぎにほっとします。アデール可愛い!!

そして、お待たせいたしました!
ソーンフィールドの主人ロチェスターの登場です!


影のある男ロチェスター

ミステリアスで屈折したロチェスターを今回も橋本さとしさんが魅力いっぱいに演じています。
偏屈だけど、時折みせる弱さや憂いを秘めた微笑みにはジェーンならずとも。。。

互いに惹かれあいながらも、二人の間には様々な困難が立ちはだかります。


ロチェスターの元を訪れた上流社会のお仲間
写真中央はブランチ・イングラム(辛島小恵さん)

やがて戸惑いながら、くじけそうになりながらも行き違いを乗り越え、
心を通わせた一幕ラストのビッグナンバー♪秘めた力
二人の声が重なり合う力強い、心揺さぶられるナンバーになっています。

愛を誓った二人を待ち受ける運命、暴かれるロチェスターの過去、
そしてジェーンの決断は。。。
是非、劇場で信じた道を歩み続けたジェーン・エアという一人の女性の
人生を見届けてください。

そして今回もステージ上にもお席がございます
(ステージプレミアムシート、通称SP席)。

このSP席からの観劇をしたスタッフの感想をご紹介!
ちょっとマニアックなお席ながら、やはり臨場感抜群!
なにより役者さんたちが近く、表情や動きに惹き付けられます。
視線もばんばんくるので、ドキドキです。
そして、役者さんにしか見えないような視界も魅力。
遠くを見つめるジェーンを背中から見ると、
ジェーンの視線で景色が広がっていきます。

また、舞台上に映る光の演出もとても綺麗に見えます。
さらに!舞台後方に掘られたオーケストラピットの様子も覗け、
奏でる音楽が足元から響いてくるという面白さもあります。

お席はベンチ席ですがクッションが入っています。
普通席よりはちょっとお尻が痛いかなというくらいでしょうか。
そして、SP席のお客様は特に早めにお席に着くことをオススメします!
舞台からの眺めや、照明機材など舞台の細部まで観ることができますよ♪

2012年10月6日~28日@日生劇場
公演HP


カーテンコールではいつもの優しいさとしさんスマイル全開!
後ろは阿部よしつぐさん!



おけぴ取材班:chiaki、ayano 撮影:chiaki 監修:おけぴ管理人

2012年10月06日

12/10/06 舞台『助太刀屋助六 外伝』市川猿之助さん合同インタビュー

2012/10/06 舞台『助太刀屋助六 外伝』市川猿之助さん合同インタビュー

2012年10月6日(土)14:00
舞台『助太刀屋助六 外伝』
市川猿之助さん合同インタビュー



“「仇討ち(あだうち)」と聞いては、居ても立ってもいられない!”
底抜けに明るくパワフルな主人公・助六が舞台狭しと走りまわる!

独特の世界観とスピード感で映画界にその名を残す岡本喜八監督の遺作、
真田広之さん&鈴木京香さん共演で話題となった映画『助太刀屋助六』。

そのアナザーストーリーを、
注目の演劇クリエイター・G2さんが書き下ろし!!

市川猿之助さん、朝海ひかるさんの共演も楽しみな舞台『助太刀屋助六 外伝』。
歌舞伎・踊り以外の舞台出演は襲名後初となる
主演の市川猿之助さんにお話をうかがって参りました。



――襲名公演、十一月花形歌舞伎と舞台が続きお忙しい中で、お仕事を選ぶにあたって重視していることを教えてください。


まず一番の大前提として、
ご依頼いただいたものは、できるだけ受けるようにしています。
それはやっぱり「僕を必要としてくれるなら」という気持ち。
あとは演出家さんなり共演者なり、
“あ、この人とやってみたいな”ということですね。
また、その出会いが次につながるかもしれないですし。


――今回の作品『助太刀屋助六 外伝』も、そのあたりに魅力を感じられたのでしょうか?


今回はそもそも「いずれこういう芝居をやりたいね」という仲間内での話が
あれよあれよという間に大きくなってこういう形になったので、また特別かもしれません。
僕と一緒に芝居をしたいという人がいて、
「やろうやろう」と言っていたらこうなっちゃったから、もう出ざるを得ない(笑)。
(今回出演する)石橋直也と市川猿三郎、この二人がもともと知りあいでして、
飲みの席で紹介されて、酔っ払ってほとんど覚えていないときに
「芝居をしよう」という話になっていて。
だからもうほとんどノリですよ。
でも蓋を開けてみたら、いろんな方が来てくださって。
「この人とこの人と、あ、朝海ひかるさんと。すごいすごい!」
という感じですね。



――朝海ひかるさんの印象は?


朝海さんの出演された『エリザベート』を拝見していて。
僕、何人かの方のエリザベート役を見ているんですけれど、
朝海さんのエリザベートは非常に女性らしくて優しい雰囲気だなと。
とても柔らかい雰囲気を持っていらして、
いい意味で宝塚出身らしくないな、素敵な人だな、と思ったことを覚えていますね。
でも宝塚時代のことは残念ながら存じ上げないんです。
宝塚を観たことがないので。
きっと朝海さんのような方が男役をやるから魅力があるんでしょうね。
あの性の倒錯した感じがね。


――歌舞伎と宝塚、全く違うものですがこの2つにしかない共通点がありますね。


そう、異性を演じるということ。
似て非なるものだけど、でも似ているところもある。
そこは色々とお話をうかがってみたいなと思っています。


――演出のG2さんの印象は?


一度お食事をさせていただいたんですけれど、
これまた、いい意味で演出家さんらしくないなと。
ほら、業界くささとかそういうものがないんですよ。
紳士というか、いいおじさまっていうか(笑)。
とても穏やかで、素敵な方ですね。


――台本を読まれた感想は?


長い (笑)。
でも短いものを伸ばすのは大変な作業なんですよ。
長いものを、面白いところを残して削るほうが楽なんです。
そこはG2さん、プロですからわざと長く書いているんだと思います。
足りない芝居を伸ばすことほど、しんどいことはないですよ。


――役どころについては?


三枚目の役ですよね。
超三枚目。


――映画では助六役の真田広之さんが、とにかく走り回っていらっしゃいました。


舞台では映像と同じことをやっても効果はないから、何か工夫しなければいけないと思って
います。


――助六は“仇討ち”と聞くと居ても立ってもいられなくなるという役どころですが、
猿之助さんご自身は「居ても立ってもいられなくなる」ようなことはおありですか?


えー、そんなことは見て見ぬふりをする(笑)。
かかわり合わないように。


――“仇討ち”というと歌舞伎でもよく取り上げられるテーマですが、なぜ仇討ちは人気があるのだと思いますか?


日本人のDNA(笑)。
弱い者いじめを許さないだとか、判官贔屓だとか。
まあ、今の若い世代にあるかどうかはわかりませんが。
だいたい“仇討ち”という言葉がメジャーじゃないと思うしね。


――確かに歌舞伎のような「和」の世界の方が、現代の日常と切り離されているような感覚があります。そんな中、今回の作品は時代劇と言えども軽いタッチのアクション・コメディとお聞きしました。


12月、年の瀬が押し迫っているときに重い芝居なんか観たくない (笑)。
「ハッピーになって帰る」。
これが芝居の醍醐味!
「この人が出てて、あの人が出てて、あれ?結局芝居は何が言いたかったんだろう」
そんな芝居でいいと思うんですよ。
「なんだか楽しい」というのが一番大事。



――歌舞伎以外のお芝居に出る時の楽しみは?


人との出会い。
歌舞伎の場合は生まれた時に出会ったら、もう一生のつき合いですから、
新たな出会いというのはなかなかないんです。
下の世代が育ってくるまではね。


――演技をする上で、歌舞伎には「型(かた)というものがあると思うのですが、
今回のように様々な出自の方が集まる舞台では演技方法に違いがありますか?


お互いそれぞれ専門用語がありますから、それをどこまで共通語に合わせられるか。
歌舞伎の場合、(舞台の)左右の端っこは死んでいる空間、主役は行かないところ。
でも「この空間はないものと思っていました」なんて言っても通じないですからね。


――歌舞伎以外の作品に出演することで発見することは?


興行システムであるとか、色々なことですね。
「中日(なかび)に弁当が出るんだ」とか(笑)。
外の舞台ではひとつの興行が特別なことじゃないですか。
まず初日の打ち上げがあって、中日があって、それで千秋楽の大打ち上げがあるって、
それだけで驚きですよ。
よく考えたら、その舞台で一緒になった人と次にいつ会うかわからないですからね。
歌舞伎だと「来月もよろしく」って感じだから(笑)。
一年間ずっと一緒という人もいるし。


――歌舞伎役者としての初お目見えから30年以上が立ちました。今後30年の演劇界はどうなっていくと思いますか?


全然わからないですね。
劇場がどんどん減っていくし、役者も減っていって・・・どうなるんだろう。


――今回の公演が行われるル・テアトル銀座も来年5月の閉館が発表されました。


この劇場は立地が非常にいいんですよ。
銀座の喧騒とはちょっと離れているんだけど、
ちょっと行けばそれこそ銀座、日本橋、東京駅だしね。
非常にいいんだよねえ…、ちょっと残念ですよね。


――厳しい風が吹く中でも、チケットを購入して劇場へ足を運ぶ観客は確実にいます。
演劇のどんなところが人を引き付けるのだと思われますか?


他では見られないものを見ることができる、ということでしょうね。
「他ではないよ」というもの。
やはり他では見られないそこだけのものをやらないと。
(歌舞伎役者としての)猿之助を見るなら、歌舞伎の襲名公演を見るのが一番いいんですもん。
それでも、なぜ(今回の作品を)みるのかという付加価値を付けないと。


――これからチケットを手に入れようか、と迷っている観客にメッセージを。


こんなインタビューなんかじっくり読んでいないで(笑)、
とにかくチケット購入ボタンをクリックしてください!
とりあえずチケットを買って、それからインタビューを読んで!



――チケットを手に入れて、劇場へ出かけなくては新しいものに出会えませんものね。


そうそう。
これ、最後まで読んじゃダメ!
「ピンときたらとりあえず購入ボタンを押してご覧」、と書いておいてください(笑)。




この作品に出演することが、楽しみでたまらないという様子の猿之助さん。
元・宝塚雪組トップスターの朝海ひかるさんをはじめ、
吉沢悠さん、忍成修吾さん、上山竜司(RUN&GUN)さん、鶴見辰吾さんら、
バラエティ豊かな共演者とともに、
“ここでしか見られない”素敵な舞台を作り上げてくれるにちがいありません!

歌舞伎の世界で見る顔とは、
ひとあじ違う市川猿之助さんが見られる予感でいっぱいの『助太刀屋助六 外伝』は、
2012年12月15日~24日まで、ル・テアトル銀座にて上演されます。

猿之助さんのお話にピンと来た方は、いますぐチケットゲット(笑)!
今年一年の締めくくりに、「なんだか楽しい」お芝居で笑い納め♪
ル・テアトル銀座で楽しんでいらしてください!



<公演概要>
2012年12月15日(土)~24日(祝・月) 
ル・テアトル銀座
原案:岡本喜八『助太刀屋助六』より
作・演出:G2
出演:市川猿之助 朝海ひかる 吉沢悠 忍成修吾 上山竜司(RUN&GUN) 細見大輔 
市川猿三郎 石橋直也 鶴見辰吾 他

<あらすじ>
「助太刀屋」の助六(市川猿之助)は流れ流れて、とある城下町にやってきた。
そこで新之介(石橋)という若い武士に出会う。身の上話を聞くうちに新之介は「兄は殺されたようなもの」と語りだす。早速助六は「助太刀」を申し出るが、新之介は「助太刀どころか仇討ちできない事情がある」という。
新之介の姉・美弥(朝海)は路之丞(吉沢)という剣の達人に気持ちを寄せていた。しかし、新之介の父と路之丞の兄が敵対する関係にあったため、美弥はその板挟みになっているという。しかも両家が敵対する背後には藩の内政の陰謀が渦巻いているのであった。
美弥にほのかな恋心を抱く助六。恋と助太刀の仕事の両方を得ようと奮闘しはじめるのであった。
果たして、助六は藩の陰謀を暴いて「助太刀」を果たし、恋を成就することができるのか?

公演HPはこちら


市川猿之助さん
スタイリスト:三島和也(Tatanca)
ヘアメイク:白石義人(ima.)


おけぴ取材班:mamiko chiaki 撮影:chiaki

2012年10月08日

12/10/08 「星めぐりのうた」稽古場レポート

「星めぐりのうた」稽古場レポート
2012年10月8日17:00


銀河鉄道の旅で出会いや別れを経験する二人
中川晃教さん、山崎育三郎さん

“ソング・ダンス・ミュージカル”「星めぐりのうた」、
宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」をモチーフにした新しいタイプのミュージカル。
気になるこの作品の稽古場の様子をレポートいたします。

いくつかのシーンを拝見しましたが、作品の印象は、
中川晃教さん演じるコウイチと山崎育三郎さん演じる慧(ケイ)が
銀河鉄道に乗って時空を超えた旅をする!
ハラハラドキドキ、そしてキラキラな素敵な友情物語です!


迷いながらも一歩を踏み出そうという勇気を感じる
伸びやかな中川さんの歌声


そっと寄り添うような優しく包み込む
山崎さんの透き通る歌声


ハーモニーが気持ちいい!

見どころ、聞きどころ、まずは何と言ってもタイプの異なる魅力を持つ
お二人の歌声♪
ソロでもグッと心を掴みますが、声が重なり合ったときの相性の良さは
想像以上です!!
この場面、1+1が2以上の無限の広がりを見せる歌声が、
二人の関係、“二人だから乗り越えられる!”
という曲のメッセージにぴったりです♪

そして、旅の途中で二人が出会う人々も素敵なキャスティングです!
銀河鉄道の乗客たちに土居裕子さん、フランク莉奈さん、岡田亮輔さん。
お三方の美しいハーモニーにも癒されます♪

銀河鉄道スピードアップ!スリリングだけど楽しいシーンがあったり、
過去へ旅し、若かりし日の親たちのドラマを目撃したり・・・。


土居裕子さん、中川さん、山崎さん、フランク莉奈さん、岡田亮輔さん


この仲睦まじい男女は?(杉崎真宏さんと土居裕子さん)


スコルピオンBarで出会った男のストーリーもカッコいい!
 植木豪さん、田極翼さん、大野幸人さん、三枝宏次さん

そして、この作品のもう一つの見どころは!ダンス!


一つひとつの動きが美しい!!

あるシーンでは芝居とダンスがシンクロし、よりドラマティックに
創り上げられています。
演出の上島雪夫さんの振付、そして植木豪さんをリーダーとした
ダンスチームもとても強力なキャスティング!
それぞれが作品を創っているほどのダンサーのみなさんが表現する
銀河鉄道の世界にワクワクします。

ミュージカル界、ダンス界、それぞれのスペシャリストたちが創り上げるこの作品。


闊達な意見交換がされるクリエイティブな稽古場です!


次々に飛び出すアイデア!

とくに中川さんはこの作品のためにオリジナルナンバーを
数曲書き下ろしています。
アップテンポのもの、無限の広がりを感じるメッセージソングなど
様々な曲があり、それぞれ、山崎さんや土居さんをはじめとするキャストの
みなさんと積極的に意見交換している姿が印象的でした。
(そして、「ちょっと歌ってみるね」のそれぞれの歌声が極上!)

こちらは、そんなお二人のダンス練習シーン♪



一生懸命です!!!

原作の設定を現代に移し、ジョバンニ=コウイチ(中川さん)、
カムパネルラ=慧(山崎さん)と役名を変えての物語。
今注目の女流脚本家・KAKUTAの桑原裕子さんの手でアレンジされた
心に染みる銀河鉄道の旅をコウイチと慧とともに旅をするような
素敵な観劇体験になりそうです♪
本番ではどのような世界が目の前に広がるのかとても楽しみです!

<公演情報>
2012年10月17日~21日@天王洲銀河劇場
作品HP


山崎さんからのサービスショット!と、そこに・・・

中川さん合流!「劇場で待ってるよ♪」

おけぴ取材班&撮影:chiaki 監修:おけぴ管理人

2012年10月11日

12/10/11 新国立劇場バレエ団「シルヴィア」稽古場レポ

2012年10月11日(木)15:00
新国立劇場バレエ団「シルヴィア」稽古場レポ

新国立劇場開場15周年!
2012/2013シーズンバレエオープニング公演!
新国立劇場の舞踊芸術監督デヴィッド・ビントレーさんが振り付けた
バレエ「シルヴィア」の
お稽古場におじゃましてきました!!

オリジナルは19世紀のバレエ作品なのですが、
物語の舞台を大胆に20世紀に置き換えた、
ビントレー版「シルヴィア」。

恋愛を信じられなくなった若い恋人たちと、
長い結婚生活でお互いへの情熱を失ってしまった夫婦が、
愛の神エロスに導かれて古代神話の世界に飛んでしまう
という、とってもファンタジックでロマンティックなストーリー♪

いきなり一幕最初の場面が、
お洒落に着飾った裕福な家庭のガーデンパーティ!
ハイヒール&スーツなのです!

今回はその古代ローマ神話の世界で展開する第三幕のお稽古を拝見したのですが、
三幕は、華やかに軽やかにはじまり、
次々に繰り出される華麗な舞、ダイナミックな舞、
スペクタクルなリフト、美しすぎる群舞が
途切れずに流れるように、
エンターテインメント性もたっぷりに展開!

特にグラン・パ・ド・ドゥと呼ばれる、主役二人の見せ場シーンは
瞬きする瞬間ももったいないくらい、ずっとみていたい場面の連続!
お稽古場でも拍手喝采でした!


ここで簡単に登場人物をご紹介しておきましょう。
主な登場人物は5人!
公式Webサイトの人物相関図がとてもわかりやすいです)

まずは伯爵家の召使いアミンタと、家庭教師の娘シルヴィア。
互いに想いあっているのに、愛の冷めた伯爵夫妻をみて恋愛を
信じることができなくなっている二人。


シルヴィア・小野絢子さん、アミンタ・福岡雄大さん

彼等を神話の世界に誘うのが、伯爵家の庭師=実は愛の神エロス!
コミカルな場面も多く、エロスの存在感に心躍らされました。
3幕に海賊の首領に扮して登場するエロスは
片脚が木でできているのですが、
その片脚を実にうまく使った動きや舞も見所!


エロス吉本泰久さん♪


冷え切った伯爵夫妻も、エロスにより神話の世界に導かれ、
伯爵夫人は女神ダイアナに、伯爵は森の住人オライオンに!


ダイアナ・湯川麻美子さんとシルヴィア・小野絢子さん


オライオン(古川和則さん)によって誘拐されてしまうシルヴィア

公演チラシにのっていたあの馬が登場っ!大きい!!

音楽は、ご存じ「コッペリア」の作曲家でもあるレオ・ドリーブ。
美しい音楽には流れるような踊りが、
軽快な音楽にコミカルな踊りが実にマッチ!

シルヴィアのバランス美!

シルヴィアの表情美!

群舞美!

こうして拝見しているだけでもうっとりですが、衣裳を着て、
セットや照明が入ると、このシーンどれだけ美しくなるんでしょう~

古代ローマの神話の夢の世界の中にいるような、
まさに心躍るひととき、三幕はあっという間です♪
そして、きっと笑顔になれるラストシーンもお楽しみに!!

ユーモアもたっぷりに描かれる、ロマンティックバレエ「シルヴィア」。
待望の日本初演です!
お見逃し無く!!!

公演は10/27(土)から11/3(土)までのわずか一週間。
しかも、その間、主要五役が3組の方達によって上演されるため、
例えば今回のお稽古場で拝見した小野絢子さん福岡雄大さんの上演回は
10/27(土)14時と11/1(木)14時の2回のみ!
10/28(日)14時と11/3(土)14時の回はシルヴィアが米沢唯さん、アミンタが菅野英男さん。
10/31(水)19時と11/2(金)19時の回は、
バーミンガム・ロイヤル・バレエの佐久間奈緒さんがシルヴィア、
ツァオ・チーさんがアミンタ役でご出演されます(そして本島美和さんがダイアナ)。
キャストスケジュール


本島美和さんのダイアナもみてみたい!左はエロス役の福田圭吾さん

※今回上演されるビントレー振付による「シルヴィア」は
英国バーミンガム・ロイヤルバレエで当時のプリンシパル吉田都さんがタイトルロールを踊って初演。
2009年には、現在のプリンシパル佐久間奈緒さんのために再度振付して上演!
その時のアミンタ役のツァオチーさんと共に今回日本初演にもご登場されます!
佐久間さんの公式インタビューもぜひご覧下さい。

「シルヴィア」特設サイトはこちら


さぁ、アミンタはなぜ目隠しをしているのでしょうか?それは・・・



関連:「マノン」のおけぴ稽古場レポ&小野絢子さん本島美和さんインタビューはこちら


おけぴ取材班&撮影&文:おけぴ管理人

2012年10月12日

12/10/12 「招かれざる客」公開舞台稽古レポ

「招かれざる客」公開舞台稽古レポート
2012年10月12日17:30

浅丘ルリ子さん主演、アガサ・クリスティシリーズ第三弾!
ミステリーの傑作「招かれざる客」の公開舞台稽古の様子をレポートします。

「どうしよう、どうしましょう、どうしたらいいの。」
か弱き妻が夫の殺害を自供した理由は。。。

ある邸宅の一室を舞台に繰り広げられる愛とサスペンスの物語。
ただし、アガサ・クリスティが描いた“愛”は一筋縄ではいきません。

次々に登場する何かを隠している怪しげな人々。
芸達者なみなさんが実に濃厚な人物像を見せてくれます。


見つめられると吸い込まれそう(by安奈淳さん)浅丘さんの目力!

浅丘さん演じるローラが覚悟を決めた時に見せる”強さ”は神々しいほどの美しさです。


偶然に館を訪れた“招かれざる客”

濃霧のために立ち往生し、たまたま館に立ち寄った男スタークウェッダーを演じる
古谷一行さんの深い深い声にしびれます。

そんな穏やかで落ちついた声でローラに“殺害の偽装”という救いの手を差し伸べる男。
いったい彼は敵?味方?


美しさの中に深い悲しみが見え隠れする安奈さんのウォリック夫人

館の主人の母ウォリック夫人に安奈淳さん
母としての苦悩が伝わる台詞「命を与えたものは その命を奪う権利もある」
胸に突き刺さります。


被害者の友人にして・・・謎めいたジュリアン(石井一孝さん)

館の主人の友人・ジュリアンに石井一孝さん。
かなりの野心家ジュリアンを情熱的に演じます!
身の潔白を必死に訴える姿、とても人間臭いジュリアンを好演です。

館の主人の腹違いの弟、障害を持つジャンに原田優一さん。
他の登場人物から漂う“嘘”の香りと対照的な嘘をつけないジャンの存在。
物語が進むにつれ、その存在感は増します!!


トマス警部(川崎麻世さん)と部長刑事(不破万作さん)

捜査チームの二人は何とも言えない凸凹コンビ。
緊張が続く舞台の中での二人のやり取りは笑いを誘います。


館の召使ヘンリー(斉藤暁さん)

召使のヘンリー役の斉藤暁さんの飄々とした芝居はTVでもおなじみですね!
でも。。。一見、人のよさそうなヘンリーが企んでいることは。
そう思うと、何とも不気味な存在に見えてきます。

美しき妻と館に出入りする人々、そして偶然館を訪れた男。

劇中の登場人物たちの息をのむ心理劇とキャストの皆さんによる芝居合戦が
重なり合って、劇場全体がピリッと引き締まった空気に包まれます。

果たして真犯人はだれなのか。
なぜ、それぞれが嘘をつくのか。
ミステリーの女王が描く様々な形の愛の物語を劇場でお楽しみください。


本編とは対照的に、とても和やかだったのが舞台前の囲み取材です!

浅丘さん、古谷さんのお互いの印象をご紹介いたします。

古谷さん)
「ルリ子さんからは稽古場から静かな闘志を感じています。
舞台冒頭、豹が獲物を狙うような目で見つめられ、そこから
二人のドラマが始まる。初っ端からすごくインパクトあります。
俺もでっかい目を見開かなきゃ(笑)」

浅丘さん)
「以前TVドラマで夫婦役をして以来お久しぶりですね。
この役が古谷さんでよかったと思いながらお稽古し、今では
古谷さんでなくてはダメ!と思っています。」

最後に浅丘さんからのメッセージを
「アガサ・クリスティが書いたお話が本当に面白いんです。
その面白さを表現するのは、精神的にとても疲れますけどね(笑)。
でも、その疲れがみなさんを楽しませることにつながると思っています。
みなさま、ぜひ見にいらしてくださいね!」


<STORY>
深い霧が立ち込め、霧笛が響く真夜中。
庭を見渡すフランス窓の前で、車椅子に座った館の主人が
頭を拳銃で撃ち抜かれて死んでいた―。
その傍らには、被害者の夫人が拳銃を握ったまま立ち尽くしている。

そこへ、窓から一人の男が入ってきた。
男は、濃霧のために車が溝にはまって立ち往生し、
たまたまこの館に立ち寄ったという。

そこで、夫を殺したと自供する美しい妻のために一計をめぐらすが、
事件は全く意外な方向へ・・・。
次々に登場する怪しい人物たちのミステリアスな人間ドラマが繰り広げられ、
謎が謎をよぶ・・・みんな、怪しい。

<公演情報>
2012年10月17、18日@兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
10月22日@徳島市立文化センター
10月24日@四街道市文化センター
10月26日@高知県立県民文化ホール
10月29日~11月1日@千葉市民会館
11月7、8日@北國新聞赤羽ホール
11月10日~18日@ル テアトル銀座 by PARCO

作品HP 


おけぴレポ隊&撮影:chiaki 監修:おけぴ管理人

2012年10月13日

12/10/13 「RENT」稽古場イベントレポート

2012年10月13日(土)12:00

10月30日の開幕を前に行われた「RENT」公開稽古の模様を
参加されたみなさんの感想を交えながらレポートいたします!

2000名の応募の中から抽選で選ばれたラッキーなオーディエンスの
前での楽曲披露とトークセッション!若きエネルギー溢れる
稽古場の空気に触れ、帰り道はオーディエンスのみなさんは
すっかりRENTモードに。

稽古場には二階建て仮セットが組み立てられており、周囲で
お稽古着のキャストのみなさんがウォームアップ!
そして円陣を組んで気合を入れていざ公開稽古スタート!

まずは日本版リステージ担当のアンディ・セニョール・Jrと振付補の
マーカス・ポール・ジェームズの紹介から♪

10年以上に渡り世界各国のRENT公演に携わる
二人がスタッフとして加わることで新たな風を吹き込まれた
今年のRENTも期待十分です♪

続いて稽古場ならでは、ダブルキャストの様々な組合せで
人気ナンバーを披露してくれました。

まずは、♪「RENT」


賀来賢人さん、ジュリアンさん

賀来マーク、ジュリアンロジャーが中心のナンバーですが、ご存知の通り
群像劇のスタートにふさわしく、この場面はいろんなところでいろんなことが
起こっています!!


木枠のセット、大丈夫かしら?との心配をよそに飛んだり跳ねたり!!
Spiさん、セキグチタケオさん、伊藤友樹さん



エンジェル役ヨウスケ・クロフォードさんがこんなところに!

もう、あっちもこっちも見たいですね!!いきなり見所満載、これは一回じゃ
おさまらない!!

のっけから鳥肌が立ちまくり、迫り来る迫力に 息をするのを忘れるぐらい圧
倒されてしまいました。

続いて♪「Light My Candle」


石田ニコルさん、カワイイ!

アンディによる解説)この曲はジョナサンが最初に書き上げた曲です。
RENTの原案となったオペラ♪ラ・ボエムの影響が一番色濃く出ている
曲でもあります。


中村倫也さん、石田ニコルさん

中村ロジャー&石田ミミによる♪「Light My Candle」は心を閉ざした
引きこもり中のロジャーとTHE小悪魔、キュートな瞳に吸い込まれそうな
ミミの絡みにキュンキュンドキドキしてしまうシーンに!
中村さんの男前な真っ直ぐな声質にうっとり。
石田さんの長い手足に目が釘付け!

♪「Out Tonight~Another Day~Will I」
ミミに惹かれながら曲書きに没頭しようと必死のロジャー!ミミは
なんとかロジャーを外に連れ出そうと・・・。

こちらはジュリアンロジャーとJenniferミミのカップルで。
Jenniferさんのパンチの効いた♪「Out Tonight」、必見必聴ですよ。


Jenniferさん

ジュリアンさんとの♪「Another Day」はまさに魂のぶつかり合い!!
とても肉感的な二人のパフォーマンスに“生きる”というメッセージが
ギュギュッと凝縮されているようです。

ジュリアンさん、Jenniferさん

「MITSUKO」でジュリアンさんのお芝居を見た方には軽く衝撃かも!
RENTでは情熱的でセクシーなジュリアンロジャーに
心鷲づかみされますよ♪

みんなで歌いかける“NO DAY BUT TODAY”は心がヒリヒリするほど
伝わるものが大きいです。
歌声だけでなく、その表情にもググっときます。




♪「Will I」、ゴードンとしてこの曲の口火を切るのが海宝直人さん。
 


海宝直人さん

「明日、悪夢は醒めるか~~~」
伸びやかで美しいけれど、悲し気な歌声。
そして、次々に重なり合う歌声が死に直面した彼らの心の不安や
恐怖を表現しますが、
絶望の中でもなにか光を見つけようとする様子も感じられました。
 


ジョアンヌ役の西国原礼子さん




モーリーン役のソニンさん

人のもろさ、相手を求める本能など人間味溢れる表現が前面に押し出されて
解りやすく理解し易くなっていたように感じました。

ガラリと雰囲気変わって♪「Santa Fe」
落ち込んでいる賀来マーク、TAKEコリンズ、そして新しい友達
田中エンジェルによる遠く離れた世界に思いを飛ばして、
ふわふわ~とした気持ちよいナンバー♪


シルバーブーツがお似合いの田中ロウマさん!
ちょっと大人なTAKEさんの歌声が心地よい♪

知的でおしゃれなTAKEコリンズと、そこに居るだけでエンジェルオーラ
いっぱいの田中エンジェルのかわいさが最高!
「先生なの☆?」「そうだよ☆」
この会話だけでキュンキュン♪


二人っきりになりたい空気がこの辺りから確かに生まれています!!

~プレイリードッグ、YEAH~~賀来マークと三人でのハーモニーも絶妙です。
そしてここでもこの気持ちいい~感じを舞台いっぱいに広げるのが
みなさんのダンス&コーラス。

ナイスカップルをガッツリ見たいし、全体のふんわり感も感じたい!!
これはいろんな角度から見なくては!!

そして最後は♪「Seasons of Love」
これはもう説明はいりませんね。劇場で、ストーリーの中で
この感動を味わいましょう♪

♪「Seasons of Love」以外は第一幕からの楽曲披露となった
今回の稽古場イベント!人間関係がドラマティックに
展開する第二幕も楽しみですね!!

続いて行われたトークセッション、一番エキサイトした質問はこちら?笑

RENTカンパニー=RENTファミリーとも言われますが、
石田ニコルさんにとっては?という質問。

ニコル)「お父さんはTAKEさん」
TAKE)「リアル…(笑)」
ニコル)「お母さんはレイチェル(西国原さん)」
西国原)「えええっ!違うじゃん!!」
ニコル)「お姉ちゃんはジェニ(Jenniferさん)」
Jennifer)「あ、そう(笑)」
(一同笑)
ニコル)「お兄ちゃんはヨウスケ!」


  ちょっとうれしそうなヨウスケさん♪

全員「おおおお!」
アンディ)「Kento・・・Mother?!」
賀来さん「ちょっと、今、ニコルに訊いてるの!!(笑)」
爆笑!(賀来さん、お母さんキャラ?)
ニコル)「弟は・・・」
どこからともなく。。。
「隣(Spiさん)にいるじゃん!弟キャラ!」
「(隣は)ペットじゃない(笑)」
「海宝くんだよ!」
ニコル)「みんなお兄ちゃんです!(^_^)」

一言発するたびにヤンヤヤンヤ!!

キャストのみなさんの仲の良さや一体感を感じることができました。

最後に開幕がさらに楽しみになるようなコメントをご紹介♪

TAKAさん「絆は深いけれど、それぞれが役と葛藤中で
良い意味でまだ完全にはまとまっていない。
本番でひとつになるのが楽しみ!」

ソニンさん「ジョナサンに会うことができたなら、
新演出版のRENTの感想を聞きたい。
私自身、オフブロードウェイで観劇し、いろんな変化を感じ、
そして今、稽古を通じて変わった意味がわかってきたところです。」
 

賀来さん「アンディたちがジョナサン・ラーソンのことや
それぞれのRENTへの想いを語る食事会、
Peasant Feast(ペザント・フィースト)を開いてくれました。

そこで「世界中のRENTファミリーが君たちをファミリーとして受け入れるよ!」と
とても嬉しい言葉をもらいました。

そして今、RENTを上演しているのは実は日本だけです。
もっともっと良くして最高の作品にしたいです!」

RENTファミリーの温かさを感じ、初日まで約2週間、
更なる進化、成長をしてくれるのが本当に楽しみです。

色々とレポートして参りましたが、
RENTはとにかく"体感"して欲しい作品です。
ぜひ、2012年の新生RENTを劇場で感じてください。

ちなみにキャストならではの見どころは
ジュリアンさんのオススメ
「Contactでの賢人(賀来さん)のセクシーダンス」
「みなさん、気をつけてくださいよ」賀来さんより

中村さんのオススメ
「On the Street、Christmas Bellsでの高城さんのホームレスっぷり。
あの時代のNYの生活感がすごいです。」

賀来さんが感動したという
「La vie Bohemeでマークとしてテーブルの上に乗っている自分(←賀来さん)」
もしっかりと見届けましょう。

<おまけ1>
ジーンズにさりげなくRENTの文字が!愛ですね♪
 

どなたでしょう?
 

この方、ロジャーの中村さんでした!

<おまけ2>
実はアンディはエンジェル、マーカスはコリンズとして
RNETに出演されていたんですよ!


アンディ&マーカス

こちらはそんな紹介を受け、アンディが♪Live in my house♪と
「I’ll cover you」をキュートに歌い始め、マーカス大うけの一コマでした。
これで一気に稽古場の雰囲気が和らぎました!
ムード作りがお上手!!

<公演情報>
東京公演 2012年10月30日〜12月2日 シアタークリエにて
兵庫公演 2012年12月6日〜9日 兵庫県立芸術文化センターにて

作品HP


おけぴ取材班&撮影: chiaki / 監修 : おけぴ管理人

2012年10月15日

12/10/15 ミュージカル「レ・ミゼラブル」制作発表vol.1

2012年10月15日 12:00
ミュージカル「レ・ミゼラブル」制作発表vol.1

1985年のロンドン初演、1987年日本初演以来、熱狂的な支持を獲得し
世界中で愛されてきたミュージカル「レ・ミゼラブル」。
この作品から数多くのミュージカルスターが生まれた、まさに
“ここにミュージカルの歴史あり”といえる超大作が
2013年、新演出版「レ・ミゼラブル」として新たな一歩を踏み出します!

2013年4月の東京・帝国劇場を皮切りに、8月には福岡・博多座で、
9月には大阪・フェスティバルホール、10月名古屋中日劇場と、
全国四大都市公演に向けての制作発表が行われました。

既に発表されていたプリンシパルキャストに加え、この日発表になった
コゼット役追加キャスト、アンサンブルキャスト総勢68名が一堂に会すると
壮観!です。

まずはこの日のメインイベント!キャスト紹介の様子を。
出演経験に関わらず、全員がオーディションを受け、応募総数15,000人から
選ばれた精鋭たちです!

まずは、500回近くジャンバルジャンを演じているのがこの方、
山口祐一郎さん。
<大変残念ながら、この度山口さんの降板が発表されました。
2013年のレ・ミゼラブル公演に山口さんは出演されません。>


山口祐一郎さん

そんな山口さんも今回オーディションを受けたそうですが、
オーディションへ臨むときの様子など笑いを誘いながらの話しぶり、
山口節炸裂でした!
その中でも「今日も舞台袖で足が震えました。今度のレ・ミゼラブルでは
まったく新しいもの、全力で頑張ります。」
この言葉に自信と覚悟を感じますね!!

~山口祐一郎さんご紹介~
ご紹介の必要がないほどのご活躍ですが、
劇団四季時代は「JCS」にてジーザス、「オペラ座の怪人」ファントム
「WSS」トニーなど!
退団後も「エリザベート」トート、「モーツァルト!」コロレド大司教、
「ダンスオブヴァンパイア」クロロック伯爵、「レベッカ」マキシム
などそのままミュージカル史になりそうな出演記録ですね!
最近ではアース製薬のCMでお茶の間でもおなじみに!

<おけぴ de Who’s Who>
つい先日まで黄泉の帝王だった・・・その模様は
「エリザベート2012」開幕レポ 

いつも会見の場を和ませてくださる山口さん・・・
「エリザベート2012」制作発表レポ
「ミュージカル三銃士」制作発表レポ

対して初バルジャン!キム・ジュンヒョンさん。


キム・ジュンヒョンさん

「日本のレ・ミゼラブルに参加できることを非常にうれしく思っています。
難しい役だと思いますが、みなさんと力を合わせてお客様に感動を
与えられる作品を創るようにがんばっていきます。よろしくお願いします。」
ひと言ひと言、大切にしっかりと日本語でご挨拶されたキム・ジュンヒョンさん。

~キム・ジュンヒョンさんご紹介~
2005年より劇団四季で活躍(ジーザスクライストスーパースター、
ジーザス、アイーダラダメスエビータチェ役など)の後、
2010年からは母国韓国にて、「ジキル&ハイド」、「ゾロザミュージカル」で
タイトルロール、先日日本公演が行われた「ジャック・ザ・リッパー」の
アンダーソン役の経験もあるんですね。ふむふむ。
そして今年の12月からは韓国「アイーダ」にラダメス役でご出演!

続いて、ジャベール役のお二人です。

独創的なヘアスタイルでのご登壇は吉原光夫さん。
ジャンバルジャンからジャベールへ役変わりです。


吉原光夫さん

「バルジャンをずっと追い続け、恐怖を与えられ続けられたらいいなと。
稽古に入ったらまた変わるかもしれませんが。」

~吉原光夫さんご紹介~
アーティストカンパニー“響人”での活動をご紹介しましょう。
先日のアーサーミラー「橋からの眺め」(小川絵梨子演出)など
ストレートプレイにも力を注ぎ、演出家としても「La vie en Rose」などの
作品を手がけられています。
演じているというより、吉原さんを通じて役柄の生きざまを
目撃するような体当たりの芝居、バルジャンからの転身?、
どんなジャベール像を創り上げるのか、楽しみです!
<吉原さんはジャベール役に加えジャン・バルジャン役も日替わりで
務められます。>

<おけぴ de Who’s Who>
ストレートプレイでもガッツリ芝居を魅せます!
響人第5回公演「夜の来訪者」稽古場レポ
響人第7回公演「橋からの眺め」稽古場レポ

演出家吉原光夫さんはこちら
響人第6回公演「La vie en Rose」稽古場レポ
穏やかな朗読劇にもご出演!
「モリー先生との火曜日」稽古場レポ

もうお一方、川口竜也さんは「レ・ミゼラブル」初登場です。


川口竜也さん

「この場に立てていることをすごく夢のようです。
ずっと思い続けていた念願の役ですので全身全霊を込めて
やらせて頂きたいと思います。」

~川口竜也さんご紹介~
川口さんといえば、やはり「ミス・サイゴン」のクラブオーナー!
特に橋本さとしエンジニアとのやり取りは笑いの中に即興芝居、
どう切り返すかの緊張感がありましたね。
そして、ハムレットでの墓堀りでの道化芝居も印象深かったですね。
1月には「シラノ」ご出演です!!

<おけぴ de Who’s Who>
墓堀りシーンにご注目!
ミュージカル「ハムレット」稽古場レポ
ミュージカル「ハムレット」ゲネレポ

続いて、ファンテーヌはこちらのお三方!
コゼット、エポニーヌ、ファンテーヌと女性プリンシパル
3つ目の役に挑戦するのが知念里奈さん。


知念里奈さん

プリンシパル3役目については
「とても光栄に思っております。目指すはマダム・テナルディエでしょうか(笑)」

~知念里奈さんご紹介~
実はこの日もわずか数時間後にシアタークリエでの
「DRAMATICA/ROMANTICA」出演を控えていた知念さん。
会見などで魅せる可憐さと、SHOWの時のカッコよさの
変貌ぶりが素敵です。
現在ツアー公演中のミス・サイゴンでも母を演じている知念さんの
さらに深まったファンテーヌに期待です。
12月には「ルルドの奇跡」ご出演です!

<おけぴ de Who’s Who>
ミュージカル座「ひめゆり」稽古場レポ

前回公演からレ・ミゼラブルに参加されている和音美桜さん。


和音美桜さん

「新演出でもまたファンテーヌという役に挑戦できることを光栄に思っています。
新しいカンパニー、新しいメンバーと作る「レ・ミゼラブル」を
心から楽しめるように頑張りたいと思います」。

~和音美桜さんご紹介~
和音さんもこの日はまさに「デュエット」大阪公演中、
会見後新幹線で大阪に移動というタイトなスケジュール!
宝塚歌劇団退団後も「三銃士」「ルドルフ」など数々のミュージカルでご活躍!
「ルドルフ」マリーの芯の強さからの「デュエット」での
コメディエンヌっぷり、この方の幅の広さに拍手拍手!
新たにどんなファンテーヌを見せてくれるか、楽しみですね。

<おけぴ de Who’s Who>
「和音美桜2010ファーストセレクション」稽古場レポ
響人第6回公演「La vie en Rose」稽古場レポ

そしてはじめまして!なのが里アンナさん。ミュージカル初挑戦です!


里アンナさん

「初ミュージカルが「レ・ミゼラブル」という歴史のある作品で、
そしてファンテーヌという役をさせて頂くことを本当に光栄に思っています。
期待を裏切らないように頑張ります。よろしくお願い致します。」

~里アンナさんご紹介~
里さんは奄美の歌姫とご紹介されていたように、ご出身の奄美大島の島唄、
特にゆったりとした荘厳さが特徴の笠利節を歌われます。
その中で2005年には山本寛斎さんのプロデュースイベントに参加、
2010年には「シルクドゥソレイユ」のオーディション(ヴォーカル部門)に
合格し登録メンバーとなるなどその歌声で次々に活躍の場を広げています。
ミュージカルの世界に精霊やどる歌声を響かせてほしいですね♪

そしてエポニーヌも個性豊かな面々が揃いました!
まずは、来年で「レ・ミゼラブル」参加10年となる笹本玲奈さん。


笹本玲奈さん

「今出演中の「ミス・サイゴン」も新しく生まれ変わりました。
そのサイゴンの演出家が「レ・ミゼラブル」も担当されるということで、
また新しいエポニーヌに出会えことを期待しています」。

~笹本玲奈さんご紹介~
「ピーターパン」でのデビュー以来、ミュージカル女優として
確かなキャリアを積み重ねてきた笹本さん。
ミュージカルだけでなく、こまつ座「日本人のへそ」や
11月の「こどもの一生」などストレートプレイでも着実に演技力を磨いています。
2003年からエポニーヌ役を務めてこられた笹本さんと
新演出の出会いから生まれる2013年版のエポニーヌ、楽しみです!!

<おけぴ de Who’s Who>
エレガントな笹本さんをご堪能ください!
ミュージカル「ジキル&ハイド」ゲネレポ
ミュージカル「ジキル&ハイド」稽古場レポ
この方の原点はココ!
ミュージカル「ピーターパン」制作発表レポ
ストレートプレイでも肝の座った素晴らしい女優さん!
こまつ座「日本人のへそ」稽古場レポ

そして昆夏美さん!


昆夏美さん

「レ・ミゼラブル」は小さい頃からずっと夢見ていた作品です。
そしてエポニーヌというのは本当にやりたかった役で、
この2つの夢を同時に叶えることが出来て光栄です。
精一杯頑張りたいと思いますので宜しくお願い致します。」

~昆夏美さんご紹介~
2011年「ロミオ&ジュリエット」のジュリエット役で
鮮烈なデビューを飾って以来、「有毒少年」、「ハムレット」、
「songs for a new world」と挑戦する作品ごとに新しい顔を見せてくれる昆さん。
エポニーヌも新しい挑戦ですね。可憐な印象の昆さん、
コゼットっぽいなぁと思われていた方も多いかと思いますが、
演出家が見抜いた昆さんの中のエポニーヌ要素を開花させてほしいですね!!

<おけぴ de Who’s Who>
彗星のごとくデビューしたのはこの作品!
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」ゲネレポ
ピュア度120%!
ミュージカル「ハムレット」稽古場レポ
ミュージカル「ハムレット」ゲネプロレポ 

人気声優として活躍し、近年は舞台でも積極的に活躍している平野綾さん!
帝国劇場初登場です。


平野綾さん

「この場に立てる喜びと緊張で泣いてしまいそうです。
私はまだミュージカル2作品目で圧倒的に経験が少ないので、
周りのみなさんにくらいついてゆきたいなと思っております!」

~平野綾さんご紹介~
ミュージカル「嵐が丘」キャサリン役で彗星のごとくミュージカル界に
登場した平野さん。先日の「ウサニ」でも可愛さ炸裂でしたね。
声の表現力はお墨付きですからね、どんなエポニーヌになるのか
どんな歌声が聴けるのか楽しみです!!

<おけぴ de Who’s Who>
「ウサニ」制作発表レポ

まだまだ個性的なキャスト紹介が続きますが、今日はこの辺で!
キャスト紹介は次回へ!
最後にこの日に行われた歌唱披露の様子を。

昆夏美さんによる「オン・マイ・オウン」

ご存知、エポニーヌのビッグナンバー!


可愛らしいイメージの役柄が多かった昆さんですが、地声での力強い歌声、
そしてあふれる涙をこらえるようにしながらの「愛してる」は切ないです。

続いて、キム・ジュンヒョンさんによる「独白」



この一曲の中に、バルジャンの荒んだ心、戸惑い、怒り、希望、
決意といった様々な感情が表現されるこのナンバーを激しく、
かつとても丁寧に歌い上げました!
会場中の空気をピリッと引き締め、心をとらえたジュンヒョンさんの
歌唱披露には、歌い終わってから一瞬静けさが訪れ、
そののち割れんばかりの拍手でした。

そして、会見の最後を飾るのはオールキャストによる「民衆の歌」!!
「レ・ミゼラブル」開幕が早くも待ちきれない!!

<おけぴ de Who’s Who>はこれまでにおけぴ管理人レポにご登場いただいた
中からご紹介させていただいております。
今回はじめまして!のキャストのみなさんにも今後、取材させていただく日が
来ることを楽しみにしています!

<全国四大都市一挙上演ミュージカル『レ・ミゼラブル』公演情報>

【東京公演】
2013年5月3日(金・祝)~7月10日(水)@帝国劇場
プレビュー公演2013年4月23日(火)~5月2日(木)@帝国劇場

【福岡公演】
2013年8月3日(土)~8月31日(土)@博多座

【大阪公演】
2013年9月7日(土)~9月23日(月・祝)@フェスティバルホール

【名古屋公演】
2013年10月1日(火)~10月20日(日)@中日劇場

作品公式サイト


おけぴ取材班、撮影:おけぴ管理人、chiaki

2012年10月17日

12/10/17 「日々の暮し方」公開稽古レポ

2012年10月17日(水)12:30
「日々の暮し方」公開稽古レポ

パントマイムをベースに、独自の振付・演出作を発信し続けている
カンパニーデラシネラ主宰・小野寺修二さんの構成・演出による舞台
「日々の暮し方」公開稽古にお邪魔してきました!

今回小野寺さんがモチーフにしたのは、
日本の不条理演劇の第一人者・別役実さんのちょっと不思議なエッセイ。

散歩の仕方、風邪のひき方、自転車の乗り方、電信柱の登り方、小指の曲げ方・・
「正しい◯◯とは何ぞや」という究極の命題に対する答えを、
独特の切り口と一流のブラックユーモアで表現した味わい深いエッセイが、
はたして“小野寺マジック”によってどんな舞台に!?


主演は、小野寺作品初参加の南果歩さん。
今年は、「パーマ屋スミレ」や朗読劇など、舞台にも意欲的に取り組んでいる南さん。
ふんわりとした独特の存在感が、個性派揃いのキャストの中でも輝いています!

南さんのほかにも、阿佐ヶ谷スパイダースの中山祐一朗さん(写真右)、
D-BOYSの山田悠介さん、川合ロンさん、矢沢誠さん(写真左)、ダンスの吉村和顕さん、
マイムの藤田桃子さん、そして小野寺修二さんと、個性豊かな役者さんが揃いました!


物語は、南さん演じる「とある女」が失踪した最愛の男性を探すところから始まります。
警察、保険会社、探せるところをすべて探しても男は見つからず・・
はたして女は最愛の男に再び出会うことができるのか、はたまた・・!!

別役さん流の「正しい◯◯」のエッセンスが、
きたむらけんじさんの脚本によって、一つの不思議なストーリーに仕立てられています。


そして、今回の作品のもう一つの見どころは、シンプル&スタイリッシュな舞台美術と、
小野寺さん演出によるパントマイムのコラボレーション!

舞台美術は、気鋭の現代美術家/デザイナーとして活躍中の、中山ダイスケさんの手によるもの。
暗闇に浮かび上がる、幾何学的で美しい舞台セット。
そして、その中で縦横無尽に繰り広げられる何とも不思議な“小野寺ワンダーランド”!

一見不規則に見える動きの中にも、眺めていると不意に意味や関係性がジワッと浮き上がってきて・・
脳味噌の普段使っていない部分がビンビン刺激されるような、なんともいえぬ非日常の感覚(笑)。
ぜひ生でご体験ください!

↓ちなみに、コチラの公演ポスターも、中山さんによるデザイン。
シンプルな中にもどこかあたたかみの感じられる書体、そして紙質も素敵!
(手触りをお伝えできないのが残念!! 笑)

パンフレットも見せていただきましたが、
つい手元に置いておきたくなるような素敵な出来栄えでした。
ぜひ会場でGETしてくださいね!


公開稽古前には、小野寺さんと南さんによる会見が行われました。

南さん:
「小野寺さんの稽古は、キャストがそのときの思いつきを口に出していける雰囲気なので、
 すごく面白いです。ひらめいたことをその場で形にしていこうとするから
 どんどん脱線していくのですが……(笑)。
 普通のお芝居の稽古って、演出家が決めた設計図に近づいていく“一本道”。もちろん
 紆余曲折はありますが……。でも、小野寺さんの場合は、具体的な凹凸や色彩を
 みんなで作っていこうという感じなんです。
 本当に、今までに関わったことのない感じの稽古場です。観たくなったでしょ?(笑)」

一見、別役さんの「日々の暮し方」とは違った顔を見せる物語ですが、
小野寺さんやキャストが出した答えははたして「正しい日々の暮し方」だったのか!?
ぜひ会場にてお確かめください!


<公演情報>
2012年10月18日(木)〜28日(日)
あうるすぽっと

<出演>
南果歩
中山祐一朗
山田悠介
川合ロン
藤田桃子
矢沢誠
吉村和顕
小野寺修二

<スタッフ>
原作:別役実(白水Uブックス)
構成・演出:小野寺修二
脚本:きたむらけんじ
美術:アートディレクション:中山ダイスケ

<ストーリー>
女はすべてを持っていた。

おおよそ人々が欲しいと願うモノすべて。

女には最愛の男が居た。

あらゆるモノが最愛の男に捧げられた。

ある日。
女のもとから男が消えた。

女は、男を捜すことにする。


正しいつねり方!?!?


おけぴ取材班&撮影:hase 監修:おけぴ管理人

2012年10月18日

12/10/18 舞台「ディートリッヒ」稽古場レポ&鈴木綜馬さん 今井清隆さん 広瀬彰勇さん 栗原英雄さん 座談会

2012年10月18日 11:30
舞台「ディートリッヒ」稽古場レポ&
鈴木綜馬さん 今井清隆さん 広瀬彰勇さん 栗原英雄さん 座談会


(和央ようかさんが伝説の女優マレーネ・ディートリッヒの生涯に再び挑む!)

世界中を魅了した脚線美と退廃的な眼差し……。
映画『嘆きの天使』『モロッコ』等で知られる伝説の女優、マレーネ・ディートリッヒ。

和央ようかさん主演で、
マレーネ・ディートリヒの生涯を描いた舞台『ディートリッヒ』が、
新たな脚本、演出、音楽、そしてキャストを得て、生まれ変わります!

“ほぼ新作”とも言える今回の舞台。
新たに演出を手がける吉川徹さんが全面的に脚本を改訂し、
セット、音楽にいたるまでも刷新された、
まさに“ブランニュー・ディートリッヒ”です♪

さらに『リリー・マルレーン』『花はどこへ行った』など、
マレーネの歌った代表曲の他、オリジナルナンバーも盛り込まれ、
実力派キャストの彩り豊かな歌声も聴き所たっぷり!
お稽古場に入った瞬間、その重なり合う歌声の美しさに
ビリビリと心が震えました!

初演から引き続きマレーネ・ディートリッヒを演じる和央ようかさん、
彼女を支え続けたデザイナーであり後見人のトラヴィス・バントン役の鈴木綜馬さん、
そしてマレーネの母親を演じる今陽子さんのほか、
今回から新たに参加となるキャストの面々も、なんとも魅力的。



マレーネと生涯の親友になるエディット・ピアフ役に荻野目慶子さん


ピアフになりきって歌う“愛の讃歌”は必聴!
(写真左はバート・バカラック役の小野田龍之介さん♪)



マレーネの娘・マリア役に元モーニング娘。の新垣里沙さん



恋人ジャン・ギャバン役に姜暢雄さん



今陽子さんが演じるのは離れていてもマレーネを愛し続けた母・ヨゼフィーネ。
慈愛に満ちた歌声が胸にしみます。

このほか、狂言回し役も務める文豪・ヘミングウェイを今井清隆さん、
マレーネを見出した映画監督スタンバーグ役を広瀬彰勇さん、
そしてナチスの宣伝大臣として活躍したゲッベルス役を栗原英雄さんが演じます!
(おけぴ主宰“おコンサート”でもお馴染みの武井基治さん、中西勝之さんもご出演です♪)


このスペシャルな出演者の中から、
ダンディな魅力あふれる、こちらの4人の皆さまにお話をうかがってきました!!!


(写真左から栗原英雄さん、今井清隆さん、鈴木綜馬さん、広瀬彰勇さん)


ジャジャーン!!
こちらの素敵な4人の皆さま、
共通点といえば・・・おわかりですね?
劇団四季時代から“同じ釜の飯を食った”戦友とも言える、実力派4人組!
舞台『ディートリッヒ』への想い、
そしてお互いの印象などたっぷりと語っていただきました!



【お互いの今回の役柄について】

~鈴木綜馬さん~
(マレーネの後見人であり、ゲイのデザイナー・トラヴィス役)

広瀬)
ではまず僕から綜馬くんの紹介を。
彼とは劇団時代から「李香蘭」「美女と野獣」「ハムレット」など、
一緒の舞台に立つことが多かった。
正統派の二枚目だったのが、今回はなんというか・・・新しい世界に羽ばたいていて(笑)、
脱皮したといいますか、彼本来の魅力があふれる役柄で羨ましいなと思っています。

今井)
綜馬くんは、今回とにかく舞台を盛り上げる役。
戦時中の話なので、重くなりがちなテーマではあるのですが、
彼が出てくるシーンは明るくなるので、お客様もほっとするんじゃないかな。
役柄は破天荒です(笑)。
もちろん無理をされているんでしょうけれど、素晴らしい演技力ですよね!
僕にはとてもできないなあ。

鈴木)
できると思うよ。


今井)
何をみてあの演技を作り上げているの?

鈴木)
今井さんをみて勉強しているんです!
ヘミングウェイも「ヘミちゃんよ~♪」ってやってみれば?

今井)
それは、キャラクターが変わっちゃうでしょ(笑)。



(マレーネを支え続けたトラちゃんことトラヴィス。綜馬さんの“はじけた”演技をお楽しみに♪)


~今井清隆さん~
(マレーネの友人、文豪アーネスト・ヘミングウェイ役)

栗原)
誰もが知っている文豪・ヘミングウェイ!
風貌からなにから今井さんにぴったりですよね。
ディートリッヒが自分の“素”を出せる相手。
作家ですから世情も冷静に捉えている。
なんといっても今井さんにしかできない“おおらかさ”が魅力ですよね。
芝居しているのかしていないのか、わからないというところが(笑)。
これ褒めているんですよ。
役者ってつい芝居しちゃうから。

鈴木)
役作りがいらないってこと?

今井)
いやいや、俺すごく(役を)作っているんだぜ!
ディートリッヒから、恋人じゃなくてお父さんのように慕われたという事実があるでしょ。
会った途端にいきなり「パパ」と呼ばれていますからね。
恋人とは思われないタイプの人だったんだろうなと解釈していますけれど。
ヘミングウェイ自身は4回も結婚しているので、
かなりの女好きだったのではないかと思うんですけどね。
はじめは下心があっても、「パパ」って呼ばれて、
「あ、こりゃ駄目だ」となったのかな、とか考えている

広瀬)
やっぱり役作りいらないんじゃない?

栗原)
実生活でもよくそういう展開が・・・。

今井)
ああ・・・はい、残念でした!という展開(笑)。
もういいよ!

鈴木)
今井さんはまるで彗星のように劇団四季に現れたんです。
しかもけっこう重い彗星(笑)。
バズーカ砲のような声で仮設劇場がひび割れちゃうんじゃないかって心配したなあ。
歌えて踊れてギャグもできて、すごい役者さん。
特にガストン役(『美女と野獣』)は忘れられないですね!
野獣よりも野獣的なガストン(笑)。
それからオペラ座の怪人も・・・こんなに仮面が小さく見える怪人も珍しいなって。

今井)
ひどいな(笑)!

鈴木)
(笑)。でも本当に、その凄まじい存在感に刺激を受けていました。
ジャン・バルジャンを演じられた時には共演もしましたし。
年齢とともに重厚感が更に増していって、今回はヘミングウェイでしょう。
世界の文豪まで演じるようになったんだなと思うと感慨深い(笑)。
目指せ!ミュージカル界の三國連太郎さんですよ。

今井)
・・・自分としては演劇界の笠智衆を目指しているんだけどな(笑)。

~広瀬彰勇さん~
(マレーネを見出した映画監督スタンバーグ役)

鈴木)
広瀬さんの演じるスタンバーグは、女優・マレーネの誕生秘話に大きく関わっている人。
マレーネの演技指導をするシーンでは、
演出の吉川さんから「もっとアグレッシブに!もっとラジカルに!」という指示があって。
(広瀬さんが)演技であんまり怒鳴るから、
声を潰すんじゃないかって心配しながら見ていたんですけれど、
なんだか吹っ切れちゃったみたい(笑)。
とてもリアルに厳しい演技指導をしていますね。
そのうち灰皿を投げたりするんじゃないかな(笑)。
スタンバーグの演技のボリュームに対してマレーネがどう呼応していくか。
それがとてもクリアなコントラストで見えてくる、
とてもいいシーンになっていますよね。

広瀬)
ずいぶん真面目に語るね。

鈴木)
真面目ですよ!
彼(広瀬さん)のことは20歳の頃から知っているんですけれど、
いつも稽古場の隅っこのほうで、ダークな色のコートなんか着ていてね(笑)。
「なんだろう、この渋いスモーキーな雰囲気を、みずから演出している若者は」
と思っていました。

今井)
ははは、若い時からそうだったんだ。

鈴木)
僕はといえば「わー、元気―?なにしてるのー?」なんて感じで(笑)。
このチャラチャラした奴はなんだって思われていたんだろうなあ。

広瀬)
思ってた(笑)。
その頃、サーファー・ファッションが流行っていてさ
この人は、おしゃれなトレーナーかなんか着ちゃって、
その下から白い襟なんか出していてさ。

鈴木)
それ、サーファーじゃないよ(笑)。

広瀬)
ま、なんか違う世界の人がいるなと思っていたね。
しかし演劇界に足を踏み入れたその時に出会っているんだよな・・・。

鈴木)
本当に。
一緒に舞台に立っているとそんなことが頭をよぎって感慨深いですね。



(渋い若者だった広瀬さん。さらに渋くスモーキーに天才映画監督役を演じます!)


~栗原英雄さん~
(ナチス党宣伝大臣・ゲッベルス役)

広瀬)
彼の演じるゲッベルスは有名ですよね。
演出の吉川さんは、
マレーネ・ディートリッヒという人間を
一番愛し、同時に憎んだ人がゲッベルスであるという描き方をしています。
ナチスっていうと、どうしても単なる悪者として描かれがちなんだけれども、
彼もまたマレーネに大きな影響を受けた人であるということが
よく理解できる台本になっている。
それによってマレーネの人物像もまた重層的に見えてくるんじゃないかな。

栗原)
演出の吉川さんがこの役を好きなんだろうなと感じますね。

広瀬)
そうそう。このシーンになると吉川さんの目の色がちょっと違う。

今井)
かなりしつこく演出しているよね(笑)。

栗原)
確かにゲッベルスというのは興味深い人物なんです。
もともと反ユダヤ主義だったわけではなく、
成長してから社会の貧困を経験して反資本主義の思想を持ち、
経済を牛耳る「国際金融ユダヤ人」なる敵を仮想して、
ユダヤ人を憎んでいくんですよね。
さらに身体にハンディキャップがあったことも関係して、
芸術・文化に傾倒していき、文化的プロパガンダで民衆を扇動していった人。
今回の作品ではディートリッヒとゲッベルスは舞台上で一度も出会わないんですよ。
みなさんが舞台上でディートリッヒと話しているのを見ると、ちょっぴりうらやましい(笑)。

鈴木)
いいよ、参加しても(笑)。


(愛憎まじる想いでマレーネを見つめるゲッベルス。
栗原さん、それ以外の役でもご活躍です!!)


【マレーネ・ディートリッヒを演じる和央ようかさん、そして女優マレーネへの想い】

今井)
和央さんは、ヘミングウェイを演じる僕から見たらとにかくチャーミング。
恋人と言うよりも、かわいい娘というかんじかな。
役柄に深く入り込むタイプの方ですけれど、
僕とのシーンは優しいシーンですから、
心を開いてみせてくれているような気がしますね。


(マレーネとヘミングウェイのシーンは暖かい優しさに満ちています♪)

鈴木)
フラットな感覚で、率直に話してくれる方。
「ここ、こう思うんだけど。あなたはどう思う?」「やっぱりそうだよね!」
というやり取りができる人ですね。
マレーネがスタンバーグに見出されるシーンで、
僕が演じるトラヴィスが「心なぜ騒ぐ 誰だこれは 新しい女優を見つけた!」と、
心情を吐露するセンテンスがあるのですが、
稽古をしながら「あ、俺いま本気で言っているな」と思えたことがあるんです。
「宝物を見つけた!」そう素直に思える瞬間があって、
その時に涙が止まらなくなってしまいました。
無理矢理に心情を作って演技するのではなくて、
素直にそう思える相手に恵まれたことが、とても幸せで・・・。
マレーネがジャン・ギャバンと別れたあとに歌い出すシーンでは、
和央さんの歌い方が「歌ってるの?しゃべってるの?どっち?」という感じなんですよね。
そこがもう本当にいい!
段取りで歌い出すのではなく、心からすーっと入っていく感じ。
ミュージカルってどうしてもほら(手を広げてポーズ)、
こういう感じから入りがちでしょう(笑)。
彼女は「私は何もできないから、こうなっちゃうの」なんて言うんですけれど、
それって誰にでもできることじゃないんですよね。


(ジャン・ギャバン役の姜暢雄さんと。長身のおふたり、絵になります!)

広瀬)
マレーネを撮影所に連れてきてカメラテストをするシーン、
スタンバーグが心底彼女の可能性と才能に惚れ込んだように、
演じる自分としてもリアリティを探しながら彼女を見ています。
まず、とにかく立ち姿が美しい!
八頭身ってこういう人のことをいうんだな、と(笑)。
銀河鉄道999のメーテルみたいなんですよ。
スタンバーグが発見しなくても、
きっと誰かが発見しただろうなと思わせるような容姿、
あのオーラというものはすごいですね。
同じ舞台の上に立ちながら、ずいぶん自分とは差があるなと思っております(笑)。

鈴木)
ははは、そこは比べちゃいけないんじゃない?

栗原)
しっかりと“自分”を持っている人なんだろうなと感じますね。
役作りにも真摯に向かっていて。
言葉を発するとき、そこに「嘘」がないか注意深く探っている。
僕、そういう人が大好きなんです。
僕が出る場面にディートリッヒはいないんですけれど、
彼女に対する愛や怒り、憎しみをあらわすときに、
稽古場で和央さんに向かって演技をしてみたんです。
そうすると彼女はそれを受けて立ってくれる。
別に、こうしてくださいって段取りしてお願いしているわけじゃないんですよ(笑)。
稽古場でアドリブ的にぱっとやると、受けてくれる人。
彼女の表情、髪とか顔とか眼差しとか、そういうものから“役の想い”を感じ取れるんですよ。
稽古場ですからメイクなんかしてないんですけれど、
それでも何かを与えてくれる女優さんっていうのかな。
神秘的というか・・・。
だから普段はあまり近づけない。
でも僕の役柄としては、そういう間柄でいいかなと思います。
自分にとってミューズ的な存在であるという。


鈴木)
なんかストーカーっぽいよ。

今井)
ゲッベルスとしての役作りだよね、それは。

栗原)
うん。
でも本当はすごく接したくて(笑)。
それでベルリンの壁を持っていったんだけどね。

今井)
ああ、あれ!

栗原)
東西ドイツの壁が崩壊した時に現地にいた友人がいて、壁の破片をくれたんです。
でも僕が持っていても飾っているだけだったから、
和央さんが持っている方がいいんじゃないかな、と思って・・・。

今井)
あげたんですよ!
「僕が持っているより、君が持っている方がいいから」って。
かっこいいよねー!ずるいよねー!

鈴木)
あ、あれ貸し出しじゃなかったんだ。

栗原)
うん、あげた。
めぐり合わせかなと思って。
この作品に僕が出会えて、収まるところに収まったかなって。

今井)
和央さんの稽古場の机の上にいつも置いてあるんですよ。
・・・実際にあのベルリンの壁の破片を見たときは感動したよね。

鈴木)
みんなでいろんな話をしましたね。

今井)
若い人たちは知らない人もいるけれど、
僕たちは、実際にベルリンの壁が崩壊したのをニュースで見ているからなあ。

栗原)
今回の作品でも描かれているけれど、
その時、ディートリッヒも生きていたんだよね。
実在していた。

今井)
戦後、日本に来てショーをやったりしているし。
我々と同時代を生きた人でもあるんです。
親の世代なんかだと、とにかく足の綺麗な人だったという印象みたいね。

鈴木)
足に保険をかけていたとか。
(今井さんに)お腹に保険かけてる?

今井)
うるさいな(笑)!

広瀬)
いろいろな意味で先駆者だった人ですよね。
シルクハットに燕尾服なんて、宝塚レビューの原型なんじゃないかなと思うし。
戦場慰問のショーだって、あの後ベトナム戦争でもプレイメイトが戦場に行ったりしている。


時代の先駆者、伝説の女優が舞台に蘇ります!(写真右は演出の吉川徹さん)

【ほぼ新作といえる再演への思い】

鈴木)
初演を観た方が驚くくらい、がらりと変わっています。
“昔は人間にもしっぽがあったのだな”というくらい違うんじゃないかな(笑)。
尾てい骨くらいは残っているけど。
マレーネ・ディートリッヒという人物像の背骨の部分が揺らぐことはないのですが、
今回はさらに群像劇というか、
マレーネを取り巻く人物たちの描き方がより立体的になっていますね。
劇中で歌われる『花はどこへ行った』は反戦歌として知られています。
でもそれをシュプレヒコールのように歌うのではなく、
そこに行き着くまでの人間ドラマをより深く描くことで、
観てくださるお客様それぞれの人生とリンクして、
何かを受け取っていただけるのではないかと期待しています。
そこがうまく行けば、今回の再演の意味がより深まるのではないでしょうか。
個人的には『ウィー・アー・ザ・ワールド』のようになるといいなあ、と思っているんです。

今井)
稽古場で僕ら自身が、何度も泣いてしまうようなシーンがあるんですよ。
昨日も一幕の終わりでジャン・ギャバン(姜暢雄さん)がぼろぼろ涙をこぼしていて(笑)。
泣いたの?って聞いたら、これを観て泣かないんですか!?って言われちゃった。
舞台を観てくださる方にもきっと何かを感じていただけるはずという期待を持ちつつ、
さらにもっと良くしていこうと、日々稽古に励んでおります!

広瀬)
『リリー・マルレーン』や『花はどこへ行った』という、
誰もが一度は耳にしたことのある曲が、
なぜ今まで歌い継がれてきているのかということが、
深く理解できる作品になると思いますね。

今井)
そうそう。
この曲ってこんなにいい曲なんだって思っていただけるんじゃないかな。


      

全く新しい作品として生まれ変わった舞台『ディートリッヒ』。
より深く描かれる人物像の魅力、
みなさんのおはなしからも感じ取っていただけたでしょうか?

美しいハーモニーが期待できる実力派の新キャスト、
そして刷新された音楽・脚本はもちろん、
丸山敬太さんが手がけるディートリッヒの衣裳の数々にも期待が高まります!

和央ようかさん主演、舞台『ディートリッヒ』は、
2012年10月29日(月)~11月4日(日) 東京・青山劇場にて、
11月16日(金)~11月18日(日) 大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

稽古場ブログ、スペシャル読み物など内容充実の公演ホームページはこちら

なぜ、マレーネ・ディートリッヒは
祖国ドイツから非国民とそしられても、自分の信念を曲げなかったのか。
彼女の愛、そして彼女の歌声・・・、
是非劇場でその圧倒的に美しい“生きざま”をご覧ください!!



(それぞれの個性が爆発!ダンディなみなさんの活躍にも乞うご期待♪)


オケピ取材班:おけぴ管理人、chiaki、mamiko
文:mamiko
撮影:mamiko、おけぴ管理人

                                           

2012年10月22日

12/10/22 新国立劇場「るつぼ」稽古場レポート

2012年10月22日(月)15:00
新国立劇場「るつぼ」稽古場レポート


アーサー・ミラー戯曲独特の“圧迫感”を200%堪能!
その圧迫感が“演劇的快感”に変化する瞬間・・・「やっぱり演劇っていいっ!」
そう叫びたくなりました!

新国立劇場に初登場する、
現代アメリカ演劇界の巨人、アーサー・ミラー作の「るつぼ」。
通し稽古レポートをお届けいたします!!!



明治以降の日本演劇に海外の戯曲が与えた影響を検証していくシリーズ
新国立劇場[JAPAN MEETS・・・-現代劇の系譜をひもとく-]の第7弾。
17世紀末にアメリカのある町で実際に起きた魔女裁判を題材に、
アーサー・ミラーならではの冷徹な眼差しで人間の本質をえぐりだす
緊迫のストーリーが圧倒的なボリュームで展開します。
(ダニエル・デイ・ルイス&ウィノナ・ライダー共演の映画「クルーシブル」の原作です!)


良心と信念に従い、破滅に向かっていく“アーサー・ミラー的”主人公を演じるのは、
この作品が初の主演舞台となる池内博之さん。

舞台上で苦悩しまくる池内さん、
こんなにも端正なビジュアルからは想像できない激しさで熱演です!


そして、彼を翻弄し追い詰める美少女を演じるのは鈴木杏さん。

この美少女が・・・なんとも・・・怖い!怖いんです!!
池内さん演じる農夫と不倫関係にあり、その妻の座につけると信じきっている少女。
彼女が森の中で仲間たちと全裸で踊っているのを発見されるところから物語は始まります。


少女たちが悪魔を呼び出す儀式を行なっていたのではないかという疑いから、
町は疑惑が疑惑を呼ぶパニック状態に。
(このくだり、ちょっぴり映画「エクソシスト」風でおもしろい♪)


悪魔祓いに駆けつけたヘイル牧師を演じるのは文学座の浅野雅博さん。
(こまつ座「闇に咲く花」の好演も記憶に新しいですね)


もちろん物語は単なるエクソシスト・ストーリーでは終わりません。
悪魔を呼び出していたと告発された黒人女性(田中利花さん:上の写真中央)を皮切りに、
少女たちによって次々に名指しにされていく住人たち。
(写真後列左から 檀臣幸さん、木村靖司さん、松熊つる松さん)


これまで町の人々から篤い信頼を得ていた善良な婦人(佐々木愛さん)も、


街の有力者と所有地をめぐって争っていた老人(関時男さん:写真左)も、
次々と逮捕されていく中、
ついに少女たちの告発の手は池内さん演じる農夫の妻にまで及びます・・・。


神を信じ、夫を信じ続ける妻役は栗田桃子さん(写真右)。
「父と暮らせば」で彼女のファンになった方も多いはず。
今回も清楚な佇まいの中に強さを感じさせる演技が素晴らしい!


法と、保身のために人々の訴えに耳を貸さない判事(磯部勉さん)の登場により、
町の人々の運命はどうなるのか・・・!?


人間の愚かしさ、弱さ、そしてそれによって引き起こされる悲劇。
この物語が、実際におこった事件を元に書かれているという事実を、
観客である私たちはどのように受け止めたらいいのでしょうか。

戯曲が発表された1950年代、
アメリカに巻き起こった「赤狩り」の嵐を痛烈に批判したというこの作品。
2001年に起こった9.11同時多発テロを機にアメリカで再演、
そしていま、日本で上演されるその意味は舞台をご覧になればきっと納得されるはずです。

上演時間は3時間45分(休憩込み)、
圧倒的なボリュームで迫り来るアーサー・ミラーの世界。
観劇後にはぐったりと力が抜けてしまうかもしれませんが(笑)、
それこそがこの作品を観る醍醐味といえるでしょう!

演出は新国立劇場演劇芸術監督の宮田慶子さん。
丁寧に、繊細に人物の心理を描写しつつも、ダイナミックに物語をみせていきます。
新国立劇場ならではの衣裳やセットのクオリティもお楽しみに!


人間の持つ信仰心とは、権力とは、罪、許しとは何なのか。
そして人が人を裁くということとは・・・。
息づまる展開に舞台から一瞬も目を離すことができない“演劇的快感”。
頭も心も忙しく働かせながら、その快感をお楽しみくださいね!!!


【公演情報】
2012年10月29日(月)~11月18日(日)
新国立劇場 小劇場

【出演】
池内博之 鈴木杏
田中利花 関時男 木村靖司 檀臣幸 浅野雅博
松熊つる松 栗田桃子 佐川和正 亀田佳明 深谷美歩
武田桂 日沼さくら チョウ・ヨンホ 梨里杏 奥泉まきは
磯部勉 戸井田稔 佐々木愛

【スタッフ】
作:アーサー・ミラー
翻訳:水谷八也
演出:宮田慶子

新国立劇場HPはこちら

新訳を手がけた水谷八也さんによる作品解説も充実、
読み応えあり!の公演ブログはこちら♪


おけぴ取材班・撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人

2012年10月23日

12/10/23 劇団青年座「タカラレ六郎の仇討ち」稽古場レポ

2012年10月23日(火)13:00
劇団青年座 第205回公演「タカラレ六郎の仇討ち」
稽古場レポート

1954年の創立以来、
新作オリジナル戯曲にこだわって上演を続けてきた劇団青年座。
第205回公演となる今回は、
劇作家・中島淳彦さんによる青年座への書き下ろし第3弾!

これまで「夫婦レコード」(2004年)、「あおげばとうとし」(2007年)でタッグを組んできた
両者が今回挑むテーマはずばり“大人が楽しめる痛快娯楽作品”♪

“映画を死ぬほど愛する”仲間たちによるあっと驚く仇討ち物語が、
中島作品ならではのユーモア、そして疾走感で展開!!

劇場入り直前、通し稽古レポをお届けいたします!


物語の舞台は1971年。
三流シナリオライターの六郎が自殺をしたという知らせに集まる映画会社の仲間たち。


こちらは“万年助監督”の黒田を演じる小林正寛さん。
映画が好きで、仲間が好きで、そしてあの娘が好きで・・・。
小林さん、まっすぐな演技で舞台を引っ張ります!
(昨年の「欲望という名の電車」ミッチ役とはまた違う魅力です♪)

なぜ、六郎は自殺したのか!?
集まってきた仲間たちが頭をひねる中、
六郎の遺体の胸の上から、書き残された“筋書き”が発見され・・・。

「六郎は奴らに殺されたんだ!」

!!!


カタギに見えない顔の(!)映画監督・織田(山本龍二さん:写真上)をはじめ、
照明、美術、スクリプター、音響係・・・と、
生前の六郎と一緒に映画を作っていた仲間たちが“仇討ち”に立ち上がったその相手とは?


こちらスーツでビシッと決めているのは、
ライバル映画会社の御曹司・添田(石母田史朗さん)。
こまつ座「闇に咲く花」では、神主の息子役を大好演されていた石母田さん。
今回は全く別のイメージで、
いや~な敵役をいや~な感じに(笑) 熱演でございます!!

机に足をのせる仕草も憎々しい(笑)!
石母田さんの敵役っぷり、ぜひ舞台でご堪能ください♪
(写真左は添田の部下・吉野役の石井淳さん。彼の抱える葛藤も物語のアクセントに!)


単純明快に展開するライバル映画会社同士の仁義なき争いかとおもいきや、
謎の老婦人とその秘書の登場で物語は思わぬ方向に・・・。
(写真左:佐藤祐四さん 写真右:藤夏子さん)

自殺した六郎のことをよく知るこの老婦人は何者なのか?
ベテラン藤夏子さんの女優っぷり、
そして飄々とした存在感の佐藤祐四さん、
このおふたりのチャーミングな存在感はさすが名門劇団・青年座の底力!


万年大部屋俳優の鶴田(井上智之さん)と、
ピンク映画女優のルミ(小林さやかさん)も巻き込んではじまるのは、
映画を愛する人々たちによる、一世一代の大芝居!


「バカヤロー!この世の中はすべて映画だ!」

・・・と、写真でご紹介できるのは物語の冒頭とも言えるここまでですが、
とにかく最初から最後まで気持よく進んでいくストーリー展開!
休憩なし2時間10分があっという間。
全く肩に力を入れずに楽しめる娯楽作品ですが、
各キャラクターの個性の立ち方は、さすが中島淳彦作品。
「宝塚BOYS」や「リタルダンド」など、
個性あふれる登場人物ひとりひとりに温かい眼差しが注がれる作品が印象的な中島ワールド。
今回の舞台ではさらに、
まるで1本の映画を撮るように進行していく奇想天外な“仇討ち作戦”、
そして物語に隠されたある秘密をめぐるサスペンス要素にハラハラする一面も!

「夫婦レコード」「あおげばとうとし」に続いて演出を手がけるのは、
書き下ろし作品演出に定評のある黒岩亮さん。
その手腕で、流れるように進んでいくノンストップ喜劇をまとめあげます♪

青年座=真面目な新劇劇団。
というイメージを鮮やかに裏切っていく痛快娯楽喜劇『タカラレ六郎』。

「本番!・・・ヨーイ、スターーーートッ!!!」

青年座が“真面目に”取り組むエンターテイメント作品、
ぜひ劇場でお楽しみください!!

【公演情報】
『タカラレ六郎の仇討ち』
2012年10月27日(土)~11月4日(日) 紀伊国屋ホール

【出演】
小林正寛
小暮智美
山本龍二
山﨑秀樹
平尾仁
桜木信介
小林さやか
井上智之
藤夏子
佐藤祐四
石母田史朗
石井淳
高松潤

【スタッフ】
作:中島淳彦
演出:黒岩亮
装置:柴田秀子
照明:中川隆一
音響:城戸智行
衣裳:三大寺志保美
舞台監督:尾花真
製作:紫雲幸一

【あらすじ】
シナリオ作家の六郎は、書き上げたばかりのシナリオを遺して自殺した。
映画仲間は、ヤクザまがいの組織に殺されたのだという。
娯楽が映画からテレビへと移り変わる時代。
夢を失い、行き場を失った映画人たちの「仇討ち」が始まった。
六郎のシナリオに沿って作戦は進み、
まるで一本の映画を撮るように男たちは戦うのだが…
夢と挫折、だましたりだまされたり、
ハチャメチャに生きてきた男たちが、小さな正義のために大きな悪に立ち向かう。

中島淳彦が青年座に書き下ろす新作第3弾。
可笑しくも哀しい大人のエンターテインメント。

青年座HP
公演ブログ


おけぴ取材班・撮影:mamiko 監修:おけぴ管理人

2012年10月24日

12/10/24 TSミュージカル「客家~千古光芒の民~」稽古場レポ

2012年10月24日(水)13:00
TSミュージカルファンデーション「客家~千古光芒の民~」稽古場レポ

熱い芝居、多彩なナンバー、華麗なダンス、迫力の殺陣!
TSミュージカルファンデーションオリジナル作品第13弾!

戦乱の世に信念を持って生きる人々を
温かい眼差しで描く骨太なミュージカル「客家」。
活気溢れるお稽古場の様子をお伝えします!

モンゴル帝国が勢力を増す南宋時代末期、
戦を好まず中原から南へと移動、定住を
繰り返していった漢民族のひとつの支流である客家(はっか)人と、
時の政権南宋、勢いを増すモンゴル勢。
それぞれの立場で生きる道を選択しなければならなかった人々の想いが、
史実を取り入れながら、よりドラマ性を高め、
謝珠栄さんらしく、温かい眼差しで描かれた作品です。

キャストも演出・振付の謝珠栄さんが信頼を置く個性豊かな面々が勢ぞろい!
配役もワクワクのツボを心地よく刺激します!

亡国の一途をたどる宗国に現れた救世主・文天祥(ブンテンショウ)を吉野圭吾さん、
その妹・文空祥(ブンクウショウ)に水夏希さん!


文天祥役・吉野圭吾さん

文天祥は、50年勉強しても合格は難しいと言われている科挙(官僚登用試験)に
トップで合格した客家一の博学で、
国に対する忠節と情愛に熱く、家族や仲間など人間愛に溢れた人物です。
(ダンス、アクションでも魅せます!!)



文空祥役・水夏希さん

“客家の女性は働き者で強くて優しい”
その象徴とも言える文空祥を軽やかに、カッコよく魅せます!

華麗に舞い、アクションはコミカルもシリアスも何でも来いっ!なスーパー兄妹!
天祥の知性、空祥の朗らかさ、そして互いを思いやる温かさも素敵です♪


南宋皇帝・理宗(リソウ)には坂元健児さん。
理宗の人間性に触れたことで文天祥(吉野圭吾さん)は“何か”を感じます。
そこに説得力を持たせる、坂元さんならではの皇帝です!

威厳とともに温かさも持ち合わせる皇帝・理宗

坂元さんは、現代のシーンでは
台湾を訪れた中国系アメリカ人デイビットとして登場します。
この物語を通じて自分自身も変化するデイビット。
壁を感じさせず、真っすぐに心に届く坂元さんの歌声で
物語と客席がしっかりと繋がる瞬間をぜひ劇場で味わって下さい!

そのデイビットを導く謎の老婆・未沙のえるさんとの出会いの場面がこちら。


未沙のえるさん、坂元健児さん

実はこのシーン、ミュージカルの楽しさがギュギュッと凝縮されています。
台湾を訪れたアメリカ人デイビットが持つアメリカ的な時間の流れと
謎の老婆の太極拳のようなゆったりとした流れの対比が
芝居、歌、動きの中で綿密に組み立てられ、
そこから鮮やかに南宋末期への旅が始まるのです!
そっと身を委ねたくなる、なんて素敵なプロローグ!!


南宋の宰相・賈似道(カジドウ)役には今拓哉さん。


今拓哉さん

心の内を明かさず常に何かを企んでいそうな、大物ぶり!
圧のある歌声も相まって、今さんからは心地よい威圧感が漂います。

お稽古場でとても印象的だったのが、
文天祥(吉野圭吾さん)と賈似道(今拓哉さん)の問答シーン。
受けて立つ今さんの余裕のあしらいや腹の内をさぐられまいとする芝居も見事!
この二人のやり取りには確固たる自信、知性そして秘めた情熱を感じました!


ここからは客家民族の仲間たちをご紹介しましょう。
ここのキャスティングもうなります。
詳しくは本番をご覧になってのお楽しみですが、
文天祥の友で、剣よりペン・書物、学び舎に未来への可能性を信じる旻(ミン)に畠中洋さん。

畠中洋さん


ちょっと血の気が多いけれど情に厚く、ちょっと面白いところもある爽(シュアン)に平澤智さん。

平澤智さん

文天祥(吉野さん)、旻(畠中さん)、爽(平澤さん)、
この三人、考え方はそれぞれなれど、国や民のことを
守りたいという気持ちは通じ合い、深い友情を感じます。


動乱の世を描いた作品ながら、人々の日々の営み、自然と調和して
静かに暮していた様子も丁寧に描かれています。

純(チュン)・上口耕平さん、羅(ルオウ)・渡辺大輔さん。
↓この三人のシーンも、客家の暮らしが温かく描かれていてとっても楽しいです!

上口耕平さん、水夏希さん、渡辺大輔さん

未沙のえるさん演じる天祥&空祥の母・曽徳慈(ソウトクジ)を交えた
こちらの場面もコミカル!(「客家哺娘(はっかプーニョン)」というシーンです)!

水夏希さん、未沙のえるさん、上口耕平さん


こちらは、文天祥とともに科挙に合格し、客家の村を訪れ、
彼らの知恵と生き方に感銘を受け
多くを学ぶ医者の卵・才(サイ)。
この誠実なまっすぐな青年を演じるのは吉田朋弘さん。

吉田朋弘さん


皇帝・理宗の側近として皇帝を支える塑(スー)に照井裕隆さん。

照井裕隆さん
アクションシーンでも参加している照井さんは、 動きの記憶力が超人的!!注目です!!


そして負傷したモンゴル兵バヤンに伊礼彼方さん。

伊礼彼方さん演じるバヤンの存在が物語をより一層ドラマティックに

南宋の捕虜となっていたところを逃げ出し、客家人によって助けられた青年。
物事、事の成り行きを常に冷静に見つめている“目”が印象的なバヤンです。


こうした南宋、客家、モンゴルの人々が一人の人間同士として出会い、
国対国としての道を歩み出します。
戦を好まず、故郷を捨て静かな山間に暮らしてきた客家人たち、
この兄妹もその渦に巻き込まれていき。。。

時代の激流に巻き込まれる彼らの運命とは・・・


今の時代にも通じる“国のあり方”というシリアスな問題を題材にしていますが、
コミカルな舞踊や伸びやかな歌声、キレのあるアクションなど
エンターテイメント性にも富んだミュージカル「客家」。

登場人物たちと同じように、見ている私たちも様々な出会い、
想いに触れ、作品からの大きなメッセージが受け取れるような
TS作品らしい温かさのあるミュージカルです。

華麗に舞い、熱く戦うカッコいい男たち、
そして女たち(水さんも男性陣に負けず劣らずカッコいい!)が
繰り広げるドラマに手に汗握り、涙しましょう!

<公演情報>

~東京公演
2012年11月9日-18日@天王洲 銀河劇場
~兵庫公演
2012年11月23,24日@兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール

~あらすじ
「守るべきもの それは人の心」
貿易取引きの為、台湾を訪れたデイビットは「客家」に
伝わる史話を聞かされる。
時はモンゴル帝国が席巻する南宋時代末期。
亡国の一途を辿る宋国を立て直さんと救世主・文天祥(ぶんてんしょう)が現れる。
だが、その妹・空(くう)は兄の進む道を憂わしく感じていた。
彼らは古より戦を好まず、故郷を捨て静かな山間に暮らしてきた客家人。

そんな先祖の訓を守る妹と、国を守る兄の想いは次第にすれ違い始める事に……。
時代と共に動乱の世に巻き込まれてゆく客家の運命は?
そしてそんな伝説との不思議な縁を感じたデイビットとは……。

~キャスト
水 夏希 吉野圭吾 坂元健児 伊礼彼方
未沙のえる 平澤 智 今 拓哉 畠中 洋
照井裕隆 渡辺大輔 小林遼介 吉田朋弘
上口耕平 千田真司 松岡雅祥 脇田伸悟

~スタッフ
演出・振付・作詞/謝 珠栄
脚本/斎藤栄作
音楽/玉麻尚一
アクション/渥美 博
歌唱指導/満田恵子

~ホームページ
公式ホームページはこちら
公式ブログはこちら

<ここからは稽古場の雰囲気をおすそ分け>

稽古場ではオリジナルミュージカル創作の現場らしく、
そこかしこでキャストスタッフがディスカッションを重ねています。

多くの作品を共に創り上げてきた、謝さんと坂元さん

自主的に動きを合わせたり、登場人物として動きにひとつひとつ
動機づけ(なぜその一歩を踏み出すのか、なぜ剣を抜くのかなど)の
確認などが行われていました。

謝さんから平澤さん、吉野さんへ、信頼関係に基づく様々な要求が!

おけぴレポ隊 :chiaki / 監修:おけぴ管理人

2012年10月26日

12/10/26 舞台版「サクラ大戦 奏組~雅なるハーモニー~」稽古場レポ

2012年10月26日(金)
舞台版「サクラ大戦奏組~雅なるハーモニー~」稽古場レポ


架空の時代・太正の世を舞台に
華やかなレビューで人気をあつめる「帝國歌劇団・花組」。
しかしその本当の姿は、
帝都に巣食う“魔”と戦う秘密部隊「帝國華撃団」だった!


ゲーム、アニメ、コミック、ステージと、
メディアミックスな人気を集めてきた『サクラ大戦』シリーズ。
あらたにその世界へ加わった新ストーリー「サクラ大戦 奏組」(「花とゆめ(白泉社刊)」にて好評連載中♪)が早くも舞台化です!

帝都・東京を魔の手から守るために、
帝國歌劇団・花組の専属オーケストラ「奏組(かなでぐみ)」のメンバーが大活躍!

サクラ大戦シリーズならではの楽曲の美しさ、
そしてコミックからそのまま抜け出してきたようなキャラクタービジュアル、
大正ロマンなお衣裳などなど、みどころもいっぱいの舞台版「サクラ大戦 奏組」。
公演直前・通し稽古の様子をお届けいたします!



(写真左から宮垣裕也さん、渡辺和貴さん、倉本発さん、塩澤英真さん、小野健斗さん)



憧れの花組へ入団するため、
出雲から上京してきた少女・雅 音子(みやび ねこ)を演じるのは田上真里奈さん。
少女マンガの世界から抜けだしてきたようなフレッシュな魅力がまぶしい♪
けれども彼女が配属されたのは「花組」ではなく「奏組」・・・。
そこには個性的そしてビジュアル抜群の団員たちが待っていたのです!



花組のスタァたちをオーケストラピットから支える奏組(かなでぐみ)は、
霊力の込められた“音”を武器に、
帝都各所に出現する“魔”による被害を最小限におさえ沈静化する使命を持った、
男性のみのオーケストラ。
総楽団長のヨハン・シベリウス(望月柊成さん 写真右)から
「あること」を告げられ、団員たちに衝撃が走ります。



アルト・サックス担当、寡黙なヒューゴ・ジュリアード役の渡辺和貴さん。
彼の心にある想いと過去の記憶とは・・・?
繊細な心情を丁寧に表現するソロナンバーにうっとり♪



バリトン・サックス担当、貴族出身のG.O.バッハ(ジオ)役は宮垣祐也さん。
口癖は「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の務め)」。
さすが貴族です(笑)。



もちろん「エリザベート(トートダンサー)」や「ロミオ&ジュリエット」でみせてくれた
宮垣さんのダンス力も堪能!



こちらはトランペットとフリューゲルホルン担当の桐朋兄弟。
兄・源ニ役の倉本発さんは元気いっぱい、
弟・源三郎役の塩澤英真さん、斜に構えた態度がチャーミング。
自分より背の高い弟に言い負かされる兄。
「バカはきらい!」・・・源三郎くん、きびしいです(笑)。



小野健斗さんが演じるのはトロンボーン担当のフランシスコ・ルイス・アストルガ。
誰にでも優しくまるで“母”のような雰囲気を持つルイス。
得意技は「おいしい紅茶をいれること」。



ルイスの入れた紅茶を飲んで、奏組ストリングス隊のメンバーもにっこり。
(写真左から山沖勇輝さん、高橋里央さん、五十嵐啓輔さん)



舞台版オリジナルキャラクター、
帝都・東京で女スリとして生きる秋奈役には元「宝塚歌劇団 花組」の月野姫花さん!
(「小さな花がひらいた」のあっちゃん役、最高でしたよね♪)




しなやかなダンスが美しい!!!



「事件解決はプレリュード(前奏曲)のうちに!」
はたして音子と奏組メンバーは、帝都を襲う危機を救うことができるのか!?

連載中のコミックへと繋がる、
音子と奏組メンバーとの出会いが描かれるストーリー。
それぞれのキャラクターのソロナンバーやダンスなど、見どころ聴きどころもいっぱいです。
舞台ならではのライブ感を楽しんでいらしてくださいね♪


【公演情報】
「サクラ大戦 奏組~雅なるハーモニー~」
11月1日(木)~11月11日(日) 全労済ホール/スペース・ゼロ

【あらすじ】
時は太正(たいしょう)。帝都・東京――。
「雅音子(みやび ねこ)、ついに女優デビューしちゃいます!」
憧れの帝國歌劇団・花組に入れると信じ、夢と希望に胸を膨らませて帝都へと上京してきた音子。しかし駅について早々、荷物を盗まれてしまう。田舎とは違い誰も手助けなどしてくれない大都市で、音子はひとり、失くした荷物を探し歩く。
一方、大帝國劇場では、男性のみで編成されたオーケストラ「奏組(かなでぐみ)」のメンバーたちが、新たに下りた辞令にさまざまな思いを巡らせていた。
「加入者の名は雅音子。いずれは彼女がこの奏組の指揮を務めることとなる」
16歳の少女が指揮者(マエストロ)に?
動揺と疑問が湧き上がる中、ある事件が起こる。
それは奏組に、そしてそれぞれのメンバーにやがて訪れる転機への前奏曲(プレリュード)だった――。
「花とゆめ」で連載中の漫画をベースに、音子とヒューゴたちとの出会いから奏組加入までを、 新たなストーリーで描く、舞台「サクラ大戦奏組」。
主題歌「円舞曲えんぶきょく、君に」「プレリュード 前奏曲」をはじめ、 各キャラクターのソロ曲も交えながら、皆様を「奏組」の世界へと誘います。

【出演】
田上真里奈(雅音子役)
渡辺和貴(ヒューゴ・ジュリアード役)/宮垣祐也(G.O.バッハ役)/倉本発(桐朋源二役)
塩澤英真(桐朋源三郎役)/小野健斗(フランシスコ・ルイス・アストルガ役)
望月柊成(ヨハン・シベリウス役)
高橋里央(暮鏡一役)/五十嵐啓輔(加集丈治役)/山沖勇輝(襟戸勇役)
月野姫花(秋奈役)

【スタッフ】
プロデューサー:中山雅弘/伊東愛
音楽監督:田中公平
ストーリープロット:文月紫織(チームかなで)
脚本:安藤三久
演出:斎藤栄作
構成監修:広井王子

サクラ大戦奏組公式HPはこちら♪


オケピ取材班 文・撮影:mamiko
監修:おけぴ管理人

                                           

2012年10月29日

12/10/29 ミュージカル「RENT」ゲネプロレポート

ミュージカル「RENT」ゲネプロレポート
2012年10月29日 18:00

"NO DAY BUT TODAY"(今日という日を精一杯生きよう)
人生賛歌のメッセージの詰まった伝説のミュージカルが開幕しました!
オリジナルの演出家マイケル・グライフによる新演出でも
話題の舞台の様子をレポートいたします♪

マーク役:賀来賢人さん、ロジャー役:ジュリアンさん

オープニングをド派手に飾るナンバー「RENT」
マークはカメラ、ロジャーはギターを片手にエネルギー爆発!
ジュリアンさんはセクシーでワイルドな影のある新しいロジャー像。
Wキャストの中村倫也さんのナイーブさと好対照!

「RENT」一曲の中、様々な場所でそれぞれのドラマが始まっています♪
ワクワクしながらも、目を凝らしましょう!!

そして、物語の“肝”になるのがエンジェルというキャラクター。
この日お披露目となったヨウスケ・クロフォードさんのエンジェル、
声、歌、ダンス、雰囲気、確かにエンジェルです。
田中ロウマさんもまた違ったタイプのキュートなエンジェルで、
Wキャスト万歳!

エンジェルと言えば・・・「Today 4 You」!ド迫力!

エンジェル役:ヨウスケ・クロフォードさん

続いて!

ミミ役:Jenniferさん!

圧巻のパフォーマンスの中に見せる幼さ、魅力炸裂です!
舞台の中でミミとしてもがきながら、懸命に生きています。
フレッシュな石田ニコルさんのミミも要チェックですよ♪

NO DAY BUT TODAY!ミミの呼びかけが熱い!
マーク、コリンズ(TAKEさん)、エンジェルの微笑ましいシーン
  キラキラしてとても夢見心地の素敵なシーンになっています♪
モーリーン役:上木彩矢さんとエルシィ???

こちらはモーリーンのパフォーマンスシーン!
上木彩矢さんは初ミュージカルということですが、
会場の空気をしっかり支配します!
Wキャストのソニンさんは役への入り方が半端ないです。
髪型もガッツリ気合入ってます。

若きアーティストたちの敵?ベニー役Spiさん

結婚でお金持ちになったビルオーナーのベニーにSpiさん。
悪気はないけど癇に障る(笑)、絶妙のキャラクターです。

La Vie Boheme メチャクチャ楽しいシーンに!!
弾けます!!

第二幕、より熱く、より切なく展開していきます。

楽しいナンバーはこれでもか!というほど弾け、ロマンティックなシーンは
とろけるような甘さに、シリアスなシーンはググッときて、
作品のパワーとそこに生きる人の情熱を感じられるRENT

今日を生きる若者たちの姿を是非劇場でご覧ください。

帰り道、思わず「NO DAY BUT TODAY!」と口ずさんでしまう、
やっぱりRENT最高です!

<公演情報>
東京公演 2012年10月30日〜12月2日 シアタークリエにて
兵庫公演 2012年12月6日〜9日 兵庫県立芸術文化センターにて

作品HP

何もかもRENT!新セットカッコイイ!!

おけぴ取材班&撮影: chiaki / 監修 : おけぴ管理人

About 2012年10月

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